『第8回大阪・関西万博協賛競輪in武雄(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月29日

 武雄競輪場で開催されている「第8回 大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」は3月29日に大会2日目が行なわれた。二次予選では地元エースの山田庸平、町田太我、浅井康太、小倉竜二らV候補の主力選手が次々と勝ち名乗り。勝ち上がりを巡る争いもいよいよ激しさを増してくる。30日の3日目は準決3個レースがメイン。決勝進出者9名が決定する。
 GIIIシリーズ開催中の毎日、豪華解説陣による聞いて得する予想会、先着来場者プレゼント、関西の名物が当たる未確定車券抽選会などが予定されています。さらに週末の30日には児玉碧衣選手、小林優香選手、尾方真生選手による久留米オールガールズクラシック(GI・4月26日~28日)タイアップ・ガールズケイリンスペシャルトークショーも実施予定。武雄競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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菅原大也選手
菅原大也選手
 竹内翼、菅原大也(写真)の順番で動いたところを高久保雄介が打鐘で押さえて先行態勢へ。前受けから下げた立部楓真はすかさず巻き返して、いったんは近畿勢の後ろに入りかけるが、スピードに乗ったまま、前団を叩いて主導権。稲吉悠大は離れてしまい、高久保が立部を追いかける。近畿勢の後ろにいた菅原は2センターから外に持ち出してイエローラインを鮮やかに伸びきった。
 「ジャンで立部君が行かなければ、3番手を取られているし、うまく反応できていないですね。要所、要所の詰めが甘いです。前がモガき合っていたので、たまたまです。結果だけです。嶋津(拓弥)さんは特選の選手ですし、あの競走では…。(準決は)みんな強いし、後手を踏まないように」
 三谷将太は前に前にと攻めた高久保をアシストして抜け出すも本来の調子ではない様子。
 「(左鎖骨の手術から復帰戦で)昨日、今日も全然良くない。乗り方を意識して踏んだんですけどね。踏み込んだ時に力が抜けているので。練習不足ですね。(準決に向けて)クールダウンをするのと、自分の体と向き合いたい」


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松岡辰泰選手
松岡辰泰選手
 前受けの菊池岳仁は誘導と車間を空けて別線の動きを警戒するが、藤原俊太郎が一気に仕掛けて打鐘で先頭へ。叩かれた菊池だったが、4コーナーの下りからすかさず巻き返すと、藤原を1センターで捕らえ主導権を奪い返す。戦況を見極めていた松岡辰泰(写真)は最終バックからスパート。星野洋輝のけん制を乗り越えてまくり切った。
 「連勝の勝ち上がりなんて久しぶり。(相性いい)小倉か武雄でしか(連勝が)できん(笑)。スタートは後ろ以外でした。藤原さんと菊池君がいるからハイペースになるなと思っていたら、思ったよりもごちゃついた。自分は冷静でしたけど。2車併走をめがけて仕掛けた感じですね。佐々木(龍)さんを見ていて3番手の星野君は出ると思ったらヨコにもってきた。体半分出ていたのでいけるなと思いました」
 地元の山口敦也は松岡にしっかりと続いて2日連続2着で準決に進出。
 「ジャンのあたりはどうなっているかって感じでした。菊池君とかなんで外に浮いているのって感じでしたね。自分は道中で変に脚をつかって最終ホームあたりとかキツかった。脚は昨日より感じがいい。少しずつ良くなっている。初日が終わってから自転車をいじって、いいんじゃないかなと」


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林慶次郎選手
林慶次郎選手
 林慶次郎(写真)は初手で3番手の前中団からレースを進める。栗山俊介、朝倉智仁が動いたところを打鐘で叩いて主導権。後方から巻き返した高橋晋也は朝倉に合わされて外、外を踏まされて浮いてしまう。軽快に駆けた林は最後の粘り脚も強じんで力強く逃げ切った。
 「高橋さんが前なら(別線が)切って、切ってのところを先行しようと思っていました。あの先行のしかたは好きですし、あそこくらいで出れて、しっかり踏めば、いい形を作れるかなと。あとは(中村)圭志さんがなんとかしてくれるかなって。まくられなかったので、こうなったら逃げ切ってやろうって気持ちでした」
 横山尚則は弟子の朝倉との連係。朝倉が不発になると、2センターで内に入り、直線は林と中村の間を踏み2着に入った。
 「朝倉君は完璧な組み立てだったし、僕も気合を入れて走った。まくり切れればワンツーだったかもしれないですね。朝倉君がレースを作ってくれたので、なんとかでした。(直線は)外に行ける状況ではなかったので内に行かせてもらった」


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小倉竜二選手
小倉竜二選手
 1番車の太田竜馬がスタートを出て正攻法からレースを進める。後ろ攻めの渡邉雅也が赤板の1コーナーで誘導を切り、そこを中井俊亮が動いて打鐘で先頭に立つ。太田は7番手まで引くが、2センターからの巻き返し。2コーナーの出口で中井をまくり切って、小倉竜二(写真)が渡邉は張りながら抜け出した。
 「前受けから別線に脚を使わせて一気に仕掛ける感じでした。ギリギリまで待って渡邉君が見えたので合わせ気味に踏んだら勝手に(太田は)3着、4着に残ると思ったんですけどね。渡邉君が早めにきたら止めるつもりではいました」
 渡邉雅也は徳島勢が出切るとみるや、俊敏に小倉の後ろに切り替える。ゴール前で詰め寄っての2着。
 「中井さんがやったことをやりたかった。でも風が強かったし結果的によかった。ホーム、バックの両方が重かったですね。あのまま、まくれれば良かったんですけど。はまって追い込んだのに抜けなかった。準決に上がれたし初日に何もできなかった分も(GIII)初決勝を目指して頑張りたい」


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浅井康太選手
浅井康太選手
 兼本将太が誘導を切ると、仁藤秀が九州勢を追いかける。そこを纐纈洸翔が打鐘で一気に叩いて主導権。叩かれた兼本は4番手の位置にこだわり、仁藤が追い上げて中団は併走に。中部勢のペースで番手の浅井康太(写真)は車間を空けて別線の動きをけん制すると、ゴール前で計ったようにきっちりと交わした。
 「(纐纈が)ジャン前に踏まされたので、車間を切って援護しようと。中団で兼本君と仁藤君がからんでいたし、展開が向きましたね。車間を切って最後に差すだけでした。(纐纈とは)四日市の決勝で別線でしたけど、その時もレースの後にアドバイスをしていて高知とか昨日の初日で一緒ではない時もアドバイスをしていて理解をしてくれている。今後が楽しみですね」
 中部のホープ纐纈洸翔は2度目のGIII出場で今シリーズは力を出し切れている様子。
 「切って、切っての上を行く作戦でした。そこで行って主導権を奪えればと。オーバーペースと思ったけど、ホームで踏んでも立ち上がらないと、ジャンで踏みました。浅井さんのおかげですね。また一緒に走れるように頑張りたい。前回(のGIII)は着をひろうようなレースになったけど、今回は2走とも力を出せている。今日がいい感じだったので、明日もしっかり出し切れるように」


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町田太我選手
町田太我選手
 前受けの町田太我(写真)は赤板前から誘導と車間を空け、押さえにきた染谷幸喜を突っ張る。染谷は外併走になったが、阿竹智史に振られて後方まで戻る。先行した町田のカカリが良く、中団をキープした中釜章成は仕掛けられない。ゴール前もしっかり踏み直した町田が堂々と逃げ切り勝ち。
 「スタートで前が取れれば突っ張る、あの通りの作戦でした。強風を利用して行けたと思います。今日も出し切れましたけど、一杯一杯です。展開に恵まれています。準決が正念場なのでしのぎたい。2日間の疲労で疲れているのでケアをしっかりとしたい」
 阿竹智史は番手絶好の展開で交わすことができずに町田の強さを称える。
 「ホームで誰も来れる感じじゃないし、別線は仕掛けられるところはないかなと。中釜君は最終4コーナー勝負かなと思っていた。町田君が強いです。自分も余裕がずっとあって抜けると思ったけど、それ以上に町田君は余裕があったんでしょうね。最後はホームの風で押し戻された感じ。抜いたと思ったんですけどね」


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山田庸平選手
山田庸平選手
 一戸康宏、伊藤裕貴で動いたところを後藤大輝が打鐘前の2コーナーで押さえて先頭に立つ。真船圭一郎は伊藤と外併走になると、九州勢を叩きに出るが、後藤が合わせ切って主導権は渡さない。地元のエース山田庸平(写真)は絶好の展開を生かして勝ち切った。
 「スタートは出て次第で、任せていました。後藤君は強かったですし、バックで風が強い中でもしっかり踏んでいたので(真船を)合わせられると思っていました。(前回が7車で)タイミングだったり、遅れているところもあるし、(9車は)あおりもあるし全然違うなって思います。(状態は)昨日よりいいかなと思います」
 前に前にと攻めた伊藤裕貴は最終1コーナーでまくり気味に追い上げて、山田の後ろに入る。抜け出した山田に続いて2着で準決へ。
 「みんな九州の4番手が欲しいんだろうけど、そこだけは譲らないようにと、前に前にでした。思い切って1コーナーで行けば、もしかしたら行けたかもっていうのがありました。思い切りは良くなかったけど、外を踏んでいるし、悪くない。3着以内には安定して入れているので」