『武雄競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:4月11日

 開設75周年記念たけお競輪「大楠賞争奪戦(GIII)」は4月11日に2日目が行なわれた。二次予選ではS班の新山響平が当日欠場になるアクシデントはあった他は初日特選組が順当に1着を取っていくレースが概ね続いて、地元エースの山田庸平はナショナルチームの太田海也の突っ張り先行を利して連勝を決めた。12日はシリーズ佳境の3日目で、ファイナリスト9名を決める準決3個レースをメインに実施される。
 記念シリーズは開催中の毎日、先着車券購入者(500円以上)100名様に各種プレゼント、岐阜競輪コラボ未確定車券抽選会、井上茂徳さん、佐々木昭彦さん、小橋正義さん、中野龍浩さんによる予想ステージなどが予定されています。また、12日には、キミとアイドルプリキュア♪ショー、初代グランドスラマー井上茂徳さん、元ガールズグランプリ女王の高木真備さんと日野未来選手、尾方真生選手による鬼脚&ガールズトークショーもあります。武雄競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

坂井洋選手
坂井洋選手
 7番手から動いた久田裕也が、赤板1センターで嘉永泰斗を押さえる。原田亮太は、2コーナー過ぎから仕掛けて、打鐘3コーナーで先頭へ。単騎の坂井洋(写真)は、最後方に置かれる。原田がペースを落とさず駆けるが、6番手に置かれた嘉永は最終ホーム手前から強引に巻き返す。佐藤壮が2コーナーで大きくけん制するが、態勢を立て直した嘉永がお構いなしにまくり上げる。嘉永が3コーナーで先頭に立ったものの、番手の山口敦也は離れてしまい、9番手からまくり上げた坂井が鋭い加速を見せて迫ってくる。直線で嘉永をとらえた坂井が、単騎の不利を跳ね返して1着でゴールした。
 「もうちょっと前の方からが良かったけど、車番も悪かったんで一番後ろになった。(徳島勢を追って)自分だけ突っ張られる感じだったんで、一旦入って落ち着いて、一発を狙うしかないかなと。(山口敦が嘉永に離れて)その上を行くのはきつかった。3車出切ったところに付いていって、詰める勢いでいきたかったけど、離れてたので。もう自分も踏み込んでたし、休まずそのまま行った。感じは昨日(初日)の方が良かった。ローラーに乗って、自転車をいじるか考えたい」
 まくった嘉永泰斗は、援軍を失いながらも2着。
 「スタートは自分が出られなかったんで、前を取ってもらえて良かった。単騎の事は考えずに、三分戦だと思って、他の2人(久田と原田)の動きを見ながらでした。(仕掛けのタイミングを)もうちょっと遅らせたかったけど、あれ以上遅らせると、久田が整っちゃうんで、無理くりいきました。佐藤さんに持ってこられて、バランスを崩したけど、脚自体は悪くない。前回よりもかなり良いです。ハンドルを換えて良くなった」


<7R>

杉森輝大選手
杉森輝大選手
 赤板手前でアクシデント。鈴木薫が上昇し、先頭の近谷涼が波を作ると、前の小さなあおりを避け切れずに、伊藤颯馬が落車してしまう。近谷が鈴木を突っ張り、新田祐大が3番手をキープ。鈴木は新田と外併走で、杉森輝大(写真)は、内に降りて位置を確保し、嶋津拓弥をすくって6番手へ。打鐘過ぎに外併走から鈴木が仕掛けると、合わせて近谷もペースアップ。鈴木が力尽きると、新田は2コーナーからまくりを放つ。中村浩士は離れてしまい、杉森が新田を追うようにしてまくり上げる。新田をまくり切った杉森が、1着で準決勝へと駒を進めた。
 「前に突っ張られるのが想定外で、しゃくられてしまって入る場所もなくて。難しいレースでしたね。内でゴチャついていましたし、あのタイミングしか仕掛けるところがなかったです。しっかり捕えられているので、悪くはないと思うんですけど、モノ足りなさもあるので、セッティングは考えたいですね」
 園田匠は、目標の伊藤颯が赤板前に落車する大ピンチにも冷静に対応。杉森を追って2着に入った。
 「(伊藤)颯馬を避けるので一杯で。一息つく余裕もなかったですね。ただ、9車なので慌てずいこうと。ああいうゴチャゴチャした展開は好きなので。最後まで待って、持ち味を出せたかなとは思います。今回はセッティングをいつものに戻して、感じも良かったです」


<8R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 赤板で切った橋本宇宙を、渡口勝成が2コーナーで押さえる。さらにその上を叩いた大川剛が打鐘で前に出て、下げた寺崎浩平は7番手。5番手となった橋本が、最終ホームからカマすが、番手の金ヶ江勇気が離れてしまい、番手には大川がハマる。戦況を見極めた寺崎浩平(写真)は、2コーナーからまくって圧巻の加速を見せる。4コーナーでは先頭に出切って押し切り勝ち。近畿ライン3人で上位を独占した。
 「ジャンで思ったよりもスピードが緩んで、内に差してしまった。その分タイミングが取れなくて、早めのまくりみたいになった。1センターくらいから踏み出して、いけるとは思ったけど、うーんって感じですね。感じは良くないです。ピリッとしない感じ。セッティングはもういじらないけど、イメージをしっかり立てて、レースに備えたい」
 稲川翔が、寺崎にピタリと付け切った。
 「すごい緊張しました。警戒されるんで、あの展開になることが多くなる。僕らが続けないと人気に応えられないっていう緊張感がすごかった。(寺崎は)タイミングを迷ってたのかなって感じだった。相手もなんとかしようと考えてくるんで、タイミングをずらされましたね。僕は後輪だけ見ていました。初日が終わって、車輪を交換して、ギアも変えた。もう少しやれることがあると思うんで、考えたい」


<9R>

山田庸平選手
山田庸平選手
 前受けの太田海也が、佐川翔吾の上昇を突っ張って主導権を譲らない。佐川は、鷲田幸司に迎え入れられて4番手に降りる。隊列が整うと、8番手の蕗澤鴻太郎は、打鐘から仕掛けて前団に迫るが、それに合わせて太田もペースを上げる。太田が最終ホームで蕗澤を合わせ切って、太田マークの山田庸平(写真)に絶好の展開。ゴール前で太田を差し切った山田が、連勝を決めた。
 「前を取って突っ張る感じだったので、しっかり付いていこうと。(太田)海也はダッシュがありますし、普通見ながら合わせるんですけど、一瞬で立ち上げて合わせる感じで、口が空いてしまった。ゴールまで踏み直していたし強かったですね。自分は連勝できているし悪くないと思うんですけど、感じは昨日(初日)の方が良かったですね。昨年も連勝できて、準決勝で失敗しているので、しっかりミスをしないようにしたい」
 突っ張り先行で別線を完封した太田海也が2着。初日の反省を生かして、勝ち上がりを決めた。
 「自分の力を出し切りたいなと思っていました。(蕗澤が)来たのが見えていたので対応して、もうちょっとハイピッチでいければラインで決まったと思いますし、そこだけですね。今日(2日目)は風がバックが向かっていたんですけど、自分のピッチを崩さず踏めたかなと思います」


<10R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 周回中に7番手の野口裕史が、赤板から動き出す。別線の先切りはなく、前受けの三谷竜生が誘導を降ろしてペースを上げる。野口はお構いなしに踏み上げて三谷を叩き、南関勢が打鐘過ぎに3車で出切る。最終ホームで8番手から青柳靖起が仕掛けるが、車体故障を起こしてバランスを崩して1コーナーで後退。野口のペースでレースが進み、番手の岩本俊介(写真)は野口と間合いを取る。4番手から2センターで持ち出した三谷が外を迫るが、番手から抜け出した岩本が強襲をこらえて1着でゴールした。
 「野口さんの掛かりが良くて、誰も来れないだろうなと思ってました。僕がもうちょっとうまくやれば、(ラインの)3人で勝ち上がれたのかなと思う。三谷君も、(ブロックを)もらわないように、伸びるようにっていうところで来るので、難しかった。昨日(初日)は仕掛けられなかったけど、詰まる感覚があった。人の後ろで走った感じはいつも通りだけど、やりながら経験を積んで、ちょっとだけ余裕が出てきました」
 脚を使って4番手を確保した三谷竜生が、直線で伸びて2着。
 「(中団から)誰も動かずに野口さんが来たので、踏んで(スピードが)合ったところで勝負するか、出させるかでした。あの感じなら、出させても大丈夫かなっていう判断でした。他の仕掛けがあれば野口さんのペースも変わるし、もうちょっと仕掛けやすくもなったけど、すんなりだったんで仕掛けにくかった。もうちょっとでしたね」


<11R>

石原颯選手
石原颯選手
 新山響平が当日欠場で、このレースは8車立てで行われた。目標不在となった成田和也は、選手紹介から石原颯(写真)の番手を主張。石原の番手は、小倉竜二と、成田で併走となった。周回中に4番手の石原は、赤板では動きを見せず、打鐘から一気にスパート。番手は、小倉を内に押し込んだ成田が取り切る。畑段嵐士も石原に合わせて踏み込むが、スピードの違う石原が4コーナーで先頭へ。成田は畑段の飛び付きもしのいで石原を追いかける。スピードに乗った石原が、絶妙なピッチで残り一周を支配し、そのまま押し切った。
 「(新山の欠場で)やりやすくなったかなとは思います。ジャン(の標識)線を目掛けて行こうと思っていて。ただ、詰まったのでもう少し早く行っていれば、小倉さんと決められたかもしれないですね。ちょっとミスをしました。感じは今日(2日目)もフワフワしていましたし、なんでかなと。タイムもあまり良くないと思うので何とかします」
 熟練のテクニックを見せた成田和也が、小倉に競り勝って2着。気迫の番手競りで、ファンを沸かせた。
 「新山がいなくなって恥ずかしいレースはできなかったし、一生懸命走りました。小倉さんの分厚い胸をお借りして。離れながらの追走になりましたし、最後に抜く脚はなかったですね。宿口(潤平)も付いてくれたので、良かったです。すごくいいという感じではないですけど、昨日(初日)よりは体もいいかなと思います」


<12R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 赤板で梅崎隆介が上昇すると、前受けの黒瀬浩太郎はすんなりと7番手まで車を下げ切る。九州勢を追った眞杉匠(写真)は、労せずして4番手を確保する。黒瀬は、打鐘3コーナーからのカマシを狙うが、眞杉が最終ホームで合わせて発進。黒瀬は外に浮き、あっさりとまくった眞杉の独壇場に。そのまま力強く押し切った眞杉が、人気に応えて最終レースを締めた。
 「(梅崎が)切ったところを切るつもりだったけど、(黒瀬が)サッと引いたんで。それならワンテンポずらして仕掛けようかなと。感じが良ければ、切ったところで切っているし、気持ちの面でも良くなかった。(黒瀬は)サッと引いたってことは、カマシだろうなと思ったし、どっちにしろホームのあの辺ではいかないとと思ってた。昨日(初日)で体に刺激は入ったけど、自転車とマッチしてない感じがする。自転車はいじるつもりだし、ゆっくりローラーで乗って、ペダリングも修正したい」
 高橋築が、眞杉の加速に車間が空きながらも、食らい付いて関東ワンツー。
 「(眞杉が)すげえ強かった。(黒瀬に)合わせてって感じで仕掛けてたけど、加速がすごかった。自分ももうちょっといろいろ考えてやっていかないと駄目ですね。ちょっと苦しいです。反応が良くないですね」