『武雄競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月12日

 開設75周年記念たけお競輪「大楠賞争奪戦(GIII)」は4月12日が3日目。注目の準決は坂井洋、山田庸平、嘉永泰斗がそれぞれ1着でクリア。山田は3連勝で地元記念決勝を迎える事となり、山口貴弘は初の地元記念の決勝進出を決めた。一方で、SS班の岩本俊介、眞杉匠や寺崎浩平は勝ち上がりを逃した。13日はいよいよシリーズ最終日で、12レースで覇者を決める決勝の号砲が鳴らされる。
 記念シリーズは開催最終日も、先着車券購入者(500円以上)100名様に各種プレゼント、岐阜競輪コラボ未確定車券抽選会、井上茂徳さん、佐々木昭彦さん、小橋正義さん、中野龍浩さんによる予想ステージなどが予定されています。また、13日には、オッズパークpresents稲村亜美トークショー、競輪選手会佐賀支部によるイベント(チャリティーオークション、日本競輪選手養成所合格者報告)もあります。武雄競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

坂井洋選手
坂井洋選手

杉森輝大選手
杉森輝大選手
 赤板で8番手から久田裕也が動き出すと、4番手の坂井洋(写真)も合わせるように踏み上げる。坂井が切った上を久田が押さえて、野口裕史はその上を一気に叩く。打鐘で先頭に立った野口は、超ハイペースで先行。久田は3番手で車間が空いてしまい、寺崎浩平は前が遠くなった7番手。坂井が最終2コーナーで持ち出すと、それを察知した岩本俊介は、野口の余力を見極めて番手から出る。坂井は久田を乗り越えて岩本を猛追。4コーナーで追いつくと、直線で抜き去って1着をつかんだ。
 「前々でいこうと思ってました。(野口がフカして)ヤバいと思った。ハイペースで、(仕掛けに)いくタイミングが難しかった。シンプルにペースが早くて、きつかった。(踏み出した感触は)悪くなかったと思います。後ろを確認した限り、寺崎さんも来てないし、(1着に)いけるなと。(開催前の練習で)自信を付けて来れた」
 杉森輝大(写真)が坂井を巧追。栃茨ワンツーが決まった。
 「どうあれ、寺崎君よりも前の位置を取って勝負したいと思ってました。緩むところがなかったけど、坂井君の状態もよさそうだったんで、付いてて、いけちゃうだろうなって思った。自分も冷静に対応できて、3コーナーは寺崎君のことを張りながら回れた。九州の記念は相性が良いですね」
 ハイペースのなか後方に置かれた寺崎は、さすがに苦しく、栃茨勢を追って外をまくるが届かない。山田久徳は、3コーナーから内に進路を取ると、坂井と岩本の間を割るようにして3着に食い込んだ。
 「ジャンではすごいピッチだったし、いけるのかなと思ったけど、テラ(寺崎)ならいけちゃうだろうなと。でも、3コーナーでようやく前が見えて、テラは届いても僕は間に合わないと思って内に行きました。人の後ろっていうのが大きいけど、終始余裕はある。(前回落車した)現状の割に、進んでますね」

<11R>

山田庸平選手
山田庸平選手

太田海也選手
太田海也選手
 勢いを付けた蕗澤鴻太郎が、赤板目掛けて上昇する。前受けの太田海也は、すんなりと7番手まで下げ切る。蕗澤が徐々に踏み上げて、前と間合いを取ってタイミングを計った太田は、打鐘4コーナーから巻き返す。怒涛の加速に山田庸平(写真)が付け切って、ライン3番手の山口貴弘も食らい付く。最終2コーナーでは、太田ライン3車が出切る。上を行かれた新田祐大がまくりで反撃するが、スピードに乗り切った太田ラインには及ばない。ゴール前は、太田と山田のマッチレース。わずかに差し切った山田が、3連勝で決勝へと進んだ。
 「厳しい戦いになるかなと思っていたし、(太田)海也君が得意な形で、前から引いていけるところでいこうと。自分は付きやすかったですし、うまく付けたかなとは思います。ここ3日間の中で一番状態は良かったですね。周回中も余裕はありましたし、最後までずっと余裕があったので。たくさん応援もいただいたし、良かったです。決勝もしっかり頑張りたいですね」
 スピードで圧倒した太田海也(写真)が2着。別線に手も足も出させなかった。
 「出たとこ勝負で、何でもできるのを見せたかったし、(赤板は)相手の動きを見ながら下げました。ジャンの3コーナーに入ったあとに、自分のタイミングで仕掛けた感じです。踏み出しも良かったですし、コンディションも悪くなかったですね。武雄は1回目に失格しているので、いい思い出に変えられているのかなと。しっかり決勝もアピールして、優勝できるように」
 車間が空きながらも懸命に食らい付いた山口貴弘が、3着で嬉しい決勝進出を決めた。
 「1センターのところがすごかったですね。千切れたら9着なので、一生懸命付いていきました。新車の感じが良かったので、付いていけたのかなと思います。タイミングも合いましたし。シューズを変えたのも良かったかもしれないです。地元記念の決勝は初めてで嬉しいですね。自転車も脚も問題ないです」

<12R>

嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手

園田匠選手
園田匠選手
 石原颯が7番手から動き出すと、それを察知した嘉永泰斗(写真)が、4番手から動いて眞杉匠を赤板過ぎに切る。一旦後方に下がった石原は、2コーナーから再度仕掛けて、打鐘で主導権を奪取。すかさず眞杉も仕掛けようと持ち出すが、3コーナーで田中誠と絡んでしまい仕掛け切れない。眞杉は6番手に下がり、一本棒で最終周回へ。3番手の嘉永は、眞杉が仕掛ける前に、2コーナーから持ち出して一気に加速。四国勢をとらえて、3コーナー手前で前に出る。そのままゴールまで加速し続けた嘉永が、SS班を退けて1着でゴールした。
 「眞杉が切らせてくれたんで、その後は落ちついていました。切れたところで緩めてしまうと、その後に(石原に)ポーンと来られると第二先行みたいになっちゃうんで、そこは踏みながらでした。(眞杉が)ホームで来ている雰囲気がなかったので、もうワンテンポ待って、2コーナーからいこうと。久々に脚を使ってからまくるレースをしたけど、感触自体は悪くなかったです。セッティングが出て、不安なくレースに臨めています」
 園田匠(写真)が、嘉永に続いて2着。得意の記念で、決勝まで勝ち進んだ。
 「前も後ろも頑張ってくれました。(嘉永は)結構ジャンのところで踏んだけど、石原君が無理やり来た感じだった。あそこで緩めてたら、石原君が切ったところをすぐ眞杉君が来るんで、ジャンでしっかり踏んでたのが勝因じゃないですかね。僕は、小倉(竜二)さんのところを耐えて、その後の直線も長いんで、眞杉君が来るところを気を付けながら追い込んだ。9車立ての方が得意だし、しかも日程が詰まってて僕には合っている。強い人たちと走ってた方が、スピードも合ってますね」
 眞杉は九州勢を追ってまくり追い込み、その番手から外を踏んだ高橋築が、3着に車を届かせた。
 「(眞杉は)頃合いを見て、先行する感じだった。でも、タイミングをずらされましたね。(田中に)やられちゃってて、きつそうだった。自分に関しては、(3着まで)届いているんで問題ないです。記念の決勝に地元以外で乗るのは初めて。自分の立ち位置で結果を残すことが大事だと思っているし、それができて良かった」