開設75周年記念たけお競輪「大楠賞争奪戦(GIII)」は4月13日に最終日を迎えた。10レースでは寺崎浩平が上がりタイム10秒6を叩き出してバンクレコードを更新するなど熱戦が続く中で行われた決勝は、山田庸平が嬉しい地元記念初優勝。嘉永泰斗を目標に、太田海也がまくってくると番手まくりで応戦してそのまま押し切った。ホームの武雄で山田は昨年3月には大阪・関西万博協賛競輪(GIII)も制していて、GIII優勝はその時以来、通算5回目となる。
決勝戦 レース経過
号砲が鳴ると内枠の3車に高橋築が飛び出すが、太田海也が誘導員の後ろに付いた。初手は太田-山田久徳、嘉永泰斗-山田庸平-山口貴弘-園田匠、坂井洋-杉森輝大-高橋の並び。
青板周回の3コーナーから坂井が上昇を開始。赤板で坂井が正攻法の太田に並びかけると、太田は車を下げた。坂井率いる関東勢が前に出たところを、すかさず嘉永が先陣を受け持つ九州カルテッドが襲い掛かる。打鐘で九州カルテッドが主導権を握り、太田がこれを追う。2センターで太田が踏み込むのに合わせて嘉永もペースを上げるが、4番手の園田は口が空く。太田は山口の後ろにスイッチして仕掛けるタイミングをはかる。太田が2コーナーからスパートすると、気付いた山田庸も番手から自力に転じた。7番手の坂井も踏み込むが前は遠い。3コーナーからイン山田庸、アウト太田でつばぜり合いとなり、太田の仕掛けに離れていた山田久が追い付く。4コーナーで山田庸が踏み勝ち、太田は山田庸の後輪に接触して落車。山田庸は力強く押し切って地元記念初Vを達成。落車を避けた山田久が2着。まくり上げた坂井に乗った杉森が3着。

山田庸平選手
地元では、すでに昨年3月の万博協賛GIIIを優勝していた山田庸平(写真)だが、地元記念の優勝はまだなかった。ついにつかんだ地元記念制覇の栄誉。初日特選から破竹の4連勝で、牙城を守り切った。
九州4車の先頭を担った嘉永泰斗が、打鐘前から気持ちのこもった先行策に出る。ハイペースな流れで、山田庸は決して楽に番手を回った訳ではなかった。その中でも、4番手からまくった太田海也の仕掛けは察知できていた。嘉永の思いに応えるべく、山田庸はバックから番手まくりに出た。
「(嘉永)泰斗の踏み方的にオーバーペースな感じで、自分は半車身くらい空いてて、余裕はなかった。(太田のまくりは)なんとなく見えていたけど、4番手に入っているとは思っていなくて、来たタイミングがなんか違った。でも、反応できて、最後までしっかり踏めたと思います」
4コーナーでは、山田庸の後輪と、太田の前輪が接触して太田が落車してしまう。二次予選、準決は太田に前を任せていただけに「なんとも言えない感じだった」と、ゴール直後は複雑な心境だった。ただ、地元ファンの期待に、これ以上ない形で応えたことは事実。素直に、結果を喜んだ。
「優勝することは意識せず、去年は失敗しているんで、失敗しないように、楽しんで走ろうと思ってました。自分が地元でメインで走れることなんてないし、楽しもうと思ってた。地元で完全優勝できるなんて思ってなかったですし、最高の結果だと思います」
ウィナーズカップでは最終日にバンクレコードを更新し、勝ち上がりこそ逃したがシリーズ3勝。2場所で7勝の固め打ちで、状態の良さが結果に表れている。初タイトルにも、自ずと期待がかかってくる。
「風が強い中でも、周回中の感覚は良かったし、引き続き状態は良かったと思います。一日一日、自転車と向き合って、その中でGIを戦えればと思います」
一つずつ実績を積み重ねる山田庸が、最高の流れに乗って、GIの最高峰・日本選手権競輪へと乗り込んでいく。
山田久徳は、太田のダッシュに車間が空きながらも懸命に追いかける。3コーナーの山を乗り越えて、2着に入った。
「ジャンのダッシュと、次のバックで2回離れてましたし、何とか追い付いてという感じでしたけど、正直追走できていない。スタートを入れたら3回離れてましたね。近畿の選手ならそのまま離れたりもありますけど、追い付くことはできたし、近畿にはいないまた違う種類の強さというか。最低限のことはできたと思うんですけど、ほぼ自力の感じでしたね。落車明けなのを入れたら及第点かなとは思いますけど、(太田)海也のおかげです。またしっかり練習したいですね」
後ろ攻めとなった関東勢には、苦しい流れ。後方からまくり追い込んだ坂井洋を、杉森輝大が交わしたが、前が遠い3着。
「(スタートは)太田君が取りにいったら取れないなと思いましたし、初手は想定内でした。今日は嘉永君が駆けるんじゃないかなと思っていましたし、モガき合う形になっていい展開になったんですけどね。スピード域がすごかったので、緩む場所もなかった感じです。あれが現状であそこまででしたけど、欲を言うとゴール前勝負したかったですね。フレーム自体が腰が抜けている状態だったので、次回は新車を使うか考えて走ります」






青板周回の3コーナーから坂井が上昇を開始。赤板で坂井が正攻法の太田に並びかけると、太田は車を下げた。坂井率いる関東勢が前に出たところを、すかさず嘉永が先陣を受け持つ九州カルテッドが襲い掛かる。打鐘で九州カルテッドが主導権を握り、太田がこれを追う。2センターで太田が踏み込むのに合わせて嘉永もペースを上げるが、4番手の園田は口が空く。太田は山口の後ろにスイッチして仕掛けるタイミングをはかる。太田が2コーナーからスパートすると、気付いた山田庸も番手から自力に転じた。7番手の坂井も踏み込むが前は遠い。3コーナーからイン山田庸、アウト太田でつばぜり合いとなり、太田の仕掛けに離れていた山田久が追い付く。4コーナーで山田庸が踏み勝ち、太田は山田庸の後輪に接触して落車。山田庸は力強く押し切って地元記念初Vを達成。落車を避けた山田久が2着。まくり上げた坂井に乗った杉森が3着。

山田庸平選手
九州4車の先頭を担った嘉永泰斗が、打鐘前から気持ちのこもった先行策に出る。ハイペースな流れで、山田庸は決して楽に番手を回った訳ではなかった。その中でも、4番手からまくった太田海也の仕掛けは察知できていた。嘉永の思いに応えるべく、山田庸はバックから番手まくりに出た。
「(嘉永)泰斗の踏み方的にオーバーペースな感じで、自分は半車身くらい空いてて、余裕はなかった。(太田のまくりは)なんとなく見えていたけど、4番手に入っているとは思っていなくて、来たタイミングがなんか違った。でも、反応できて、最後までしっかり踏めたと思います」
4コーナーでは、山田庸の後輪と、太田の前輪が接触して太田が落車してしまう。二次予選、準決は太田に前を任せていただけに「なんとも言えない感じだった」と、ゴール直後は複雑な心境だった。ただ、地元ファンの期待に、これ以上ない形で応えたことは事実。素直に、結果を喜んだ。
「優勝することは意識せず、去年は失敗しているんで、失敗しないように、楽しんで走ろうと思ってました。自分が地元でメインで走れることなんてないし、楽しもうと思ってた。地元で完全優勝できるなんて思ってなかったですし、最高の結果だと思います」
ウィナーズカップでは最終日にバンクレコードを更新し、勝ち上がりこそ逃したがシリーズ3勝。2場所で7勝の固め打ちで、状態の良さが結果に表れている。初タイトルにも、自ずと期待がかかってくる。
「風が強い中でも、周回中の感覚は良かったし、引き続き状態は良かったと思います。一日一日、自転車と向き合って、その中でGIを戦えればと思います」
一つずつ実績を積み重ねる山田庸が、最高の流れに乗って、GIの最高峰・日本選手権競輪へと乗り込んでいく。
山田久徳は、太田のダッシュに車間が空きながらも懸命に追いかける。3コーナーの山を乗り越えて、2着に入った。
「ジャンのダッシュと、次のバックで2回離れてましたし、何とか追い付いてという感じでしたけど、正直追走できていない。スタートを入れたら3回離れてましたね。近畿の選手ならそのまま離れたりもありますけど、追い付くことはできたし、近畿にはいないまた違う種類の強さというか。最低限のことはできたと思うんですけど、ほぼ自力の感じでしたね。落車明けなのを入れたら及第点かなとは思いますけど、(太田)海也のおかげです。またしっかり練習したいですね」
後ろ攻めとなった関東勢には、苦しい流れ。後方からまくり追い込んだ坂井洋を、杉森輝大が交わしたが、前が遠い3着。
「(スタートは)太田君が取りにいったら取れないなと思いましたし、初手は想定内でした。今日は嘉永君が駆けるんじゃないかなと思っていましたし、モガき合う形になっていい展開になったんですけどね。スピード域がすごかったので、緩む場所もなかった感じです。あれが現状であそこまででしたけど、欲を言うとゴール前勝負したかったですね。フレーム自体が腰が抜けている状態だったので、次回は新車を使うか考えて走ります」






次回のグレードレースは、川崎競輪場開設76周年記念「桜花賞・海老澤清杯GIII」が、4月19日~22日の日程でナイターで開催されます。
今シリーズは郡司浩平、脇本雄太、新山響平、岩本俊介、平原康多、犬伏湧也のSS班6名が参戦する素晴らしいメンバー。地元勢はエースの郡司を中心に松谷秀幸、龍、眞也の佐々木兄弟らが一丸となって強豪を迎え撃ちます。間近に迫ったダービーを占う意味でも見逃せません。
4月8日時点の出場予定選手データを分析した、川崎競輪場開設76周年記念「桜花賞・海老澤清杯GIII」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは郡司浩平、脇本雄太、新山響平、岩本俊介、平原康多、犬伏湧也のSS班6名が参戦する素晴らしいメンバー。地元勢はエースの郡司を中心に松谷秀幸、龍、眞也の佐々木兄弟らが一丸となって強豪を迎え撃ちます。間近に迫ったダービーを占う意味でも見逃せません。
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