『武雄競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:5月29日
 武雄競輪場開設65周年記念「大楠賞争奪戦」が明日5月30日から開幕。主力の一人である新田祐大が欠場となったが、平原康多、深谷知広、浅井康太、村上博幸のSS班をはじめ豪華メンバーが集結。そして、荒井崇博、山田英明、井上昌己ら地元九州勢がこれを迎え撃つ。4日間、見逃せないシリーズとなりそうだ。
 なお本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは明日30日、31日の2日間は先着プレゼント、子ども来場者にお菓子プレゼントを実施。また、4日間を通して「安くて美味しいB級グルメ」「高配当ゲットのチャンス!? 予想ステージ」など。さらに明日30日は「仮面ライダードライブショー」が行われます。こちらもどうぞお楽しみに!
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 開幕戦は関東勢が本線となりそう。先導役の金子哲大が思いきって風を切る。
 「前回(伊東)の最終日に風邪っぽくなったので、休みを入れてから練習してきました。僕はすぐに(風邪に)なるタイプなんで、休まないとダメなんです。練習での感覚はずっと変わってないんですけど、グループの先輩には『まだ出し切れるだろ』と言われてるんで、もっと上げていけるのかなと。とにかく、まずはここで頑張らないと」
 中川貴徳は金子とは初連係。「A級のときに対戦したことはあるけど。前回松戸が終わってから日程が空いてたから、走ってみないと分からないけど、ここに向けて練習してきたので。1レースで朝が早いけど、それは大丈夫です」。

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八谷誠賢選手
八谷誠賢選手
 このレースは直近2場所を連勝で優参し、好調を維持する八谷誠賢(写真)が人気を集めそうだ。
 「今回はできるかどうか分からないですけどね(笑)。でも、調子は変わってないと思う。何とかチャンスを探していきます」
 対戦する伊原克彦は堅調維持も、なかなか波に乗り切れない近況だ。
 「調子は悪くないんですけどね。最近は練習量を増やしてきたので。相手がどうこうと言うより、自分の力を出し切ることに集中します」
 近藤寛央は前回の松戸は99欠着と散々な数字。ここで悪い流れを断ち切りたい。
 「前回は腰痛が出てしまったけど、今回は大丈夫です。武雄はチャレンジで来たとき以来だから4年ぶりくらいかな。ここは直線が長いから僕のような戦法でもチャンスはあると思う。(S級の)点数が足りないけど、まだ望みはあると思って頑張ります」

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 小岩哲也は年明けの欠場からなかなか調子が上がらないが、地元地区のここは主導権は譲れないところだ。
 「前回(大宮)の準決勝も脚が動いてない感じだったし、なかなか良い状態をキープできませんね。良いときと悪いときの振り幅を、何とか小さくしていかないと。でも、練習では量もだいぶできるようになってきたので、これから上げていく感じですね」
 この隙を突いて小原太樹はしっかり勝ち上がりたいところ。
 「小岩君の強いときを知ってるので油断しないように。全プロが終わってからは1週間くらい練習してました。武雄は前に来たときは長めに踏んでしまいダメだったけど、悪いイメージはないので。上手く考えていきます」

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志村龍己選手
志村龍己選手
 飯塚隼人は2度目の地元記念となるが、まだまだ慣れぬ様子で今から緊張気味。
 「明日になるともっと緊張すると思います。練習は休みを入れながらボチボチって感じですかね。あまりやると疲れが出てしまうし、僕はこのくらいがちょうど良いと思うので。走ってみないと分からないけど、組み立てさえしっかりできれば大丈夫だと思います」
 対戦する志村龍己(写真)は、今節も持ち味の総力戦で一次予選突破を狙う。
 「何でもやるスタイルで点数が上がってきたので、今回もその調子でいきたいですね。ただ、良かったり悪かったりなので、もうちょっと安定させたいですね。それに来期はA級なので頑張らないと。特進ですか? んー、それはちょっと厳しいかな(苦笑)。明日も何でもやって勝ち上がれるように」

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掛水泰範選手
掛水泰範選手
 ギア規制の影響でリズムが狂った相川永伍。まだまだトンネルの出口は見えない状況だ。しかし、スタイルを崩さず、今回も主導権取りを狙う。
 「重たいギアでずっと練習してたので、軽いギアになってから感覚が変ですね。昔は軽かったのに、そのときの感覚がつかめない。だから踏むタイミングとか、回す感覚が悪いですね。気持ちの面もあります。まだこれからって感じ」
 そうなると、対戦する掛水泰範(写真)にもチャンスは十分にある。
 「地元(高知)は開催中だったので、直前にバンクでスピード練習ができなかったけど、街道でやることはできたので。レースでは型にはまればやれるけど、前回(前橋)は勝ち上がりに失敗したので、まだまだ力が足りないですね」

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山口貴弘選手
山口貴弘選手
 山口貴弘(写真)は予備選手から繰り上がって地元記念に出場。ここはツキを生かし、勢いそのまま突っ走ろう。
 「走れると思ってたので、ここに向けて準備してました。守澤(太志)君とですか(苦笑)。せっかく(予備から)上がったので勝ち上がりたいですね」
 その守澤太志は落車骨折明けから今回が復帰2戦目となる。
 「(3月高松で落車して)鎖骨と肋骨を骨折して、まだ針金が入ってます。前回(全プロ記念)は車が全く進まなかったですね。そのあとは普通に練習をやってきたけど、まだ少し…。実戦になるともっとでしょうね。多少は上積みがあればいいけど」

<7R>
 今回は追加での参戦も、このレースは実積上位の山形一気が負けられない。
 「体調はずっと悪くないし、体も動いている感じがあるので。疲れもないし、今回調整もしっかりできました。明日も前々に攻めていきます」
 久木原洋は前回の岐阜では88落着と散々な結果に。点数も山形に大きくリードされているが、悪い流れを断ち切るためにも、ここが踏ん張りどころ。
 「怪我は大したことがないので大丈夫。岐阜が終わってから自転車にも乗れたので。武雄は2回目。A級のときだけど決勝に乗れたので悪くない。何とか勝ち上がりたいですね」

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 このレースは脚力で上回る田中晴基が断然人気を集めそう。まだ本調子を欠く近況だが、ここは負けられない。プレッシャーを力に変えていく。
 「前回(青森)成績が悪かったけど、踏んだ感触は良かったし、乗車フォームもだいぶつかんだ感じがあった。帰ってからそれを練習で確認もできたし。武雄は去年の記念で決勝に乗ってるし好きなバンク。兄弟子の和泉田(喜一)さんも付いてくれたので頑張らないと」

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 予選のメインは中近ラインが中心となる。先導役の岡崎智哉は大先輩の市田佳寿浩に任され、今から緊張が走る。
 「色々な課題に取り組んできた成果が出てきましたね。長いスパンでやってきて、引き続き調子は良いです。明日はラインがしっかりしてるんで、逃げたほうが堅そうですね」
 市田佳寿浩は成績が上向いてきたが、完調にはほど遠く「まだ追走で一杯になっちゃうし、最後まで持たないですね」といった状況。「でも、今回は福井から大垣まで15人くらいで街道練習に行ってきた。片道140から150キロくらい。別に競走してる訳ではないけど、千切れて最下位だった。でも若手と一緒に良い練習ができました」。

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井上昌己選手
井上昌己選手
 ここからシリーズをリードする特選組が登場。まずは地元の荒井崇博が、盟友・井上昌己を援護から好スタートを切るか。
 「昌己と一緒ですか? そうだと思ってました。直前は昌己と練習してました。まあでも、(地元でも)俺はもういいでしょう(笑)。感じはボチボチってところ。とにかく、昌己に離れないようにするだけですよ」
 井上昌己(写真)も調整十分でリラックスムード。
 「全プロが終わってからは乗り込みとモガキ半々の割り合いで、荒井さんと練習してました。(武雄記念と佐世保記念は)もう毎年のことなんでね」
 金子貴志も恒例の高地合宿をこなして当所入り。
 「しらびそ高原で2泊3日の合宿をやってきました。少し疲れが残っているかもしれないけど、大丈夫だと思います。武雄は(去年)決勝に乗ってるし良いイメージがある」
 古性優作が胸を借りて先行策に出るか。
 「一応、宮杯に向けた練習をやってきたつもりだし、疲れもしっかり取ってきました。武雄バンクはいつも良かったイメージなので、明日もしっかり出し切りたい」

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和田真久留選手
和田真久留選手
 3車そろった中部ラインが大本線となる。深谷知広はまだまだ波がある近況だが、G1の高松宮記念杯を来月に控え、そろそろ真価が問われる時期だ。
 「全プロが終わってからマイペースで練習してました。そこから5日前に武雄に入って、荒井(崇博)さんと、(山田)英明さんと一緒に良い練習をさせてもらいました。前回は良いレースができたので、今回もしっかり走りたい」
 浅井康太は松阪記念を腰痛で当日欠場しており、今回は体調が気掛かりだ。
 「練習ができたのは2日くらいですかね。痛みと違和感がまだあるけど、このあとにG1があるので、そのためにも走っておかないと。状態は走ってみないと分からないですね」
 対戦する和田真久留(写真)は武雄バンクは初出走。ここは若手らしく、勢いで乗り切りたい。
 「前回(全プロ記念の初日)は流れのなかでしっかり先行できましたね。ただ、僕は組み立ての甘さが出たりするので、そこはしっかりキメないと。直前まで練習できたけど、相手は皆強いので、まずは力を出し切れるように。初手は4車なんで上手く走りたい」
 和田の3番手から近況絶好調の岡部芳幸がレースを進める。
 「前回(優勝した奈良)は後輩(中田雄喜)が頑張ってくれたおかげ。でも、最近はずっと自分の感じも良いし、流れにもうまく乗れているので」

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山田英明選手
山田英明選手
 最終レースはSS班で格上の平原康多が中心だ。共同通信社杯で落車し周囲をヒヤッとさせたが、前回の全プロ記念で力強い走りを見せ、まずは立て直しに成功。来月のG1を前に、ここでさらに勢いを加速させる。
 「武雄は共同杯以来で4年ぶり。川崎記念までハードな日程だったけど、防府で落車して、かえってそれで休めたのが大きかった。前回(全プロ記念)は特別良くも悪くもない感じ。終わってからは普通に練習してきました」
 地元の山田英明(写真)は普段通りの平常心で挑む。
 「合志(正臣)さんとはいつも一緒に走ってるんで、慌てずしっかりいきたい。前回(平)が終わってゆっくりしてから練習しました。走ってみないと分からないけど。ただ共同杯が悪かったので、もう一回立て直すつもりで練習してました。ただ、地元記念はいつも良くないので。F1戦は(13年11月、14年5月と)連覇してクリアしたけど、記念になるとどうしても。空回りしてる感じ。今回はしっかり走りたい」
 過去にこの大会連覇の実績を誇る藤木裕も底力では負けていない。
 「自分よりも強い人ばかりの中で揉まれて練習してきました。その中でも自分なりに考えてやってきたつもり。その成果が出ればいいですね」
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