佐世保競輪場で開催された開設72周年記念「九十九島賞争奪戦(GIII)」は、7月26日に最終日が行われた。郡司浩平の当日欠場により8車立てとなった決勝は、3車ラインの地元、九州勢が主導権。最終バックで番手から踏んだ山田庸平が、GIII初制覇を遂げた。
決勝戦 レース経過
郡司浩平が当日欠場のため8車立となった。スタートは井上昌己、守澤太志、伊藤信が飛び出すが井上が誘導員の後ろを占める。中川誠一郎-山田庸平-井上の九州勢が前を固め、その後ろはイン守澤、アウト和田健太郎で並走に。以下は和田圭、伊藤、杉森輝大となった。
赤板を迎えても動きはない。九州勢の後ろは相変わらずイン守澤、アウト和田健で並走のままだったが、1コーナーで和田健が踏み上げ、2コーナーで中川を押さえて先頭に立った。中川は抵抗せずに下げたが、すかさず巻き返しを図る。打鐘の2センターで中川-山田-井上の九州勢がそっくり前に出て、その後ろに和田健が入る。以下は守澤-和田圭、伊藤、杉森の一本棒で最終ホームへ。8番手から伊藤が反撃を開始するが、1コーナーで守澤のけん制を受けて失速。伊藤を止めた守澤はそのまま前団に襲い掛かる。最終バック線の手前で中川の番手から山田が自力に転じる。守澤が好スピードで前団に迫っていて、山田の後ろはイン井上、アウト守澤で並走になった。2センターで山田が先頭に躍り出ると、井上を決めた守澤が続き、山田、守澤、和田圭で最後の直線に入った。山田のスピードは最後まで衰えず、守澤を楽々振り切ってG3初Vを達成した。守澤が2着で、続いた和田圭が3着。

山田庸平選手
中川誠一郎が制した18年の宇都宮記念から数えること9回目のGIII決勝。その時は準Vだった山田庸平(写真)が、今度は番手できっちりとチャンスをモノにした。
「(GIII初優勝は)そこまで意識してなかった。通過点と思ってやってきた。その結果、優勝できたんで良かった」
一昨年10月の寬仁親王牌で初めてGIの決勝の舞台を踏んだ。そして通算3度目のGIファイナルとなった今年6月の高松宮記念杯では2着。タイトルが手に届くところまできていた。
「自分は力がないので、一戦、一戦しっかりと積み上げていく。そこを何年もやってきた」
デビュー15年目に突入した山田に地元地区の記念シリーズでチャンスが巡ってきた。郡司浩平の当日欠場により8車立て。伊藤信が単騎で実質先行1車のメンバー構成だったが、中川誠一郎は主導権取りに迷いがない。いったん切って出た和田健太郎が九州勢を受けて、中川が駆ける。最終周回では山田に盤石の態勢ができあがった。
「(井上)昌己さんまで付いてきてたんで大丈夫かなと。ビジョンを見てたので、(伊藤が仕掛けてきたのも)わかってました」
伊藤を合わせるように、5番手の守澤太志がまくりで襲い掛かる。守澤の勢いを確かめた山田が、最終バック手前で番手まくりの選択をした。
「(守澤が来たのが)わかった。昌己さんに番手を回してもらったんで、チャンスがある仕掛けをしないとって、早めに踏んだんですけど」
守澤を合わせて番手まくり。井上とのゴール勝負かに思われたが、守澤は井上をキメて山田にひたひたと迫った。
「(最終)4コーナーで(後ろが井上ではないのに)気づいた。(番手から出るのが)早すぎても、遅すぎてもダメだし難しかった。ただ、自分はすんなり(番手を)回ってたんで余裕はありました」
直線に入り守澤が外に持ち出すも、山田との差はつまらない。山田が先頭でゴールを駆け抜けた。
「(4月の)武雄記念くらいからレースを走ってて、(調整が)うまくいかなくて修正をした。(前回から中3日の)短い期間だったけど、調整したのが良かった。昨日(準決)、いいレースができたのが自信になりました」
準決は俊敏な立ち回りからまくりを繰り出し、“らしい”走りで地元の井上とワンツー。決勝につなげた。現在のところ獲得賞金ランクは7位。初のグランプリ出場も視界に入っている。
「もし仮にグランプリに出られたとしても、力がないので(S級S班の)来年がキツいのじゃないかと。それ踏まえて脚力をつけたい。昨日とか初日の郡司君みたいに。脚力が違うんで、そこを(目指して)やっていかないと。でも、ちょっとずつ結果が出ていると思います。いつも中川さんに引っ張ってもらっているので、自分が前でやれるくらい強くならないと」
あくまでも通過点。九州を引っ張る力をつけたその先にグランプリがある。
周回中は4番手を和田健太郎と取り合った守澤太志は、和田健が切って出たあとに九州勢が主導権を握ると5番手で態勢を整える。最終2コーナー手前から仕掛けたが、山田に合わされて井上をキメてスイッチ。2着に流れ込んだ。
「(周回中は)引く気はなかった。そのあとは(4番手に)追い上げてもいいけど、それじゃ勝負にならない。自分のタイミングで(仕掛けて)行くしかなかった。(合わされたあと井上の横には)地元なんで、できれば行きたくなかった。記念の決勝で自力でやって、(ラインの和田圭と)2、3着ならやった方でしょ」
守澤マークから3着に流れ込んだ和田圭が、守澤の動きに脱帽してこう振り返る。
「(守澤に)感動した。守澤の出が良かったんで、行っちゃうかと思った。自分との力差を痛感しました。新田(祐大)も頑張っているし、自分ももっと練習しないと」




赤板を迎えても動きはない。九州勢の後ろは相変わらずイン守澤、アウト和田健で並走のままだったが、1コーナーで和田健が踏み上げ、2コーナーで中川を押さえて先頭に立った。中川は抵抗せずに下げたが、すかさず巻き返しを図る。打鐘の2センターで中川-山田-井上の九州勢がそっくり前に出て、その後ろに和田健が入る。以下は守澤-和田圭、伊藤、杉森の一本棒で最終ホームへ。8番手から伊藤が反撃を開始するが、1コーナーで守澤のけん制を受けて失速。伊藤を止めた守澤はそのまま前団に襲い掛かる。最終バック線の手前で中川の番手から山田が自力に転じる。守澤が好スピードで前団に迫っていて、山田の後ろはイン井上、アウト守澤で並走になった。2センターで山田が先頭に躍り出ると、井上を決めた守澤が続き、山田、守澤、和田圭で最後の直線に入った。山田のスピードは最後まで衰えず、守澤を楽々振り切ってG3初Vを達成した。守澤が2着で、続いた和田圭が3着。

山田庸平選手
「(GIII初優勝は)そこまで意識してなかった。通過点と思ってやってきた。その結果、優勝できたんで良かった」
一昨年10月の寬仁親王牌で初めてGIの決勝の舞台を踏んだ。そして通算3度目のGIファイナルとなった今年6月の高松宮記念杯では2着。タイトルが手に届くところまできていた。
「自分は力がないので、一戦、一戦しっかりと積み上げていく。そこを何年もやってきた」
デビュー15年目に突入した山田に地元地区の記念シリーズでチャンスが巡ってきた。郡司浩平の当日欠場により8車立て。伊藤信が単騎で実質先行1車のメンバー構成だったが、中川誠一郎は主導権取りに迷いがない。いったん切って出た和田健太郎が九州勢を受けて、中川が駆ける。最終周回では山田に盤石の態勢ができあがった。
「(井上)昌己さんまで付いてきてたんで大丈夫かなと。ビジョンを見てたので、(伊藤が仕掛けてきたのも)わかってました」
伊藤を合わせるように、5番手の守澤太志がまくりで襲い掛かる。守澤の勢いを確かめた山田が、最終バック手前で番手まくりの選択をした。
「(守澤が来たのが)わかった。昌己さんに番手を回してもらったんで、チャンスがある仕掛けをしないとって、早めに踏んだんですけど」
守澤を合わせて番手まくり。井上とのゴール勝負かに思われたが、守澤は井上をキメて山田にひたひたと迫った。
「(最終)4コーナーで(後ろが井上ではないのに)気づいた。(番手から出るのが)早すぎても、遅すぎてもダメだし難しかった。ただ、自分はすんなり(番手を)回ってたんで余裕はありました」
直線に入り守澤が外に持ち出すも、山田との差はつまらない。山田が先頭でゴールを駆け抜けた。
「(4月の)武雄記念くらいからレースを走ってて、(調整が)うまくいかなくて修正をした。(前回から中3日の)短い期間だったけど、調整したのが良かった。昨日(準決)、いいレースができたのが自信になりました」
準決は俊敏な立ち回りからまくりを繰り出し、“らしい”走りで地元の井上とワンツー。決勝につなげた。現在のところ獲得賞金ランクは7位。初のグランプリ出場も視界に入っている。
「もし仮にグランプリに出られたとしても、力がないので(S級S班の)来年がキツいのじゃないかと。それ踏まえて脚力をつけたい。昨日とか初日の郡司君みたいに。脚力が違うんで、そこを(目指して)やっていかないと。でも、ちょっとずつ結果が出ていると思います。いつも中川さんに引っ張ってもらっているので、自分が前でやれるくらい強くならないと」
あくまでも通過点。九州を引っ張る力をつけたその先にグランプリがある。
周回中は4番手を和田健太郎と取り合った守澤太志は、和田健が切って出たあとに九州勢が主導権を握ると5番手で態勢を整える。最終2コーナー手前から仕掛けたが、山田に合わされて井上をキメてスイッチ。2着に流れ込んだ。
「(周回中は)引く気はなかった。そのあとは(4番手に)追い上げてもいいけど、それじゃ勝負にならない。自分のタイミングで(仕掛けて)行くしかなかった。(合わされたあと井上の横には)地元なんで、できれば行きたくなかった。記念の決勝で自力でやって、(ラインの和田圭と)2、3着ならやった方でしょ」
守澤マークから3着に流れ込んだ和田圭が、守澤の動きに脱帽してこう振り返る。
「(守澤に)感動した。守澤の出が良かったんで、行っちゃうかと思った。自分との力差を痛感しました。新田(祐大)も頑張っているし、自分ももっと練習しないと」




次回のグレードレースは、弥彦競輪場開設72周年記念「ふるさとカップ」GIIIが7月28日~31日に開催されます。今シリーズは関東勢の戦力が整っており、平原康多、吉田拓矢のSS班2名をはじめとして地元の重鎮・諸橋愛、徹底先行で力を付けてきた菊池岳仁ら充実のラインナップが参戦します。
7月20日時点の出場予定選手データを分析した、弥彦競輪GIII「ふるさとカップ」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は、以下をクリックしてください。
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