『別府競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月28日

 ナイター記念。別府競輪場で開催されている令和6年能登半島地震復興支援競輪・開設74周年記念「オランダ王国友好杯(GIII)」は、7月27日に3日目を迎えた。ゲリラ雷雨に見舞われた8レースが中止になり、車券が返還になった。しかしながら、準決では見ごたえのバトルが展開され、地元の阿部将大が初日特選から無傷の3連勝で優出。古性優作、松浦悠士も順当に決勝に進出した。シリーズもいよいよ大詰め、7月28日の最終日には、S級S班の2人を含めた精鋭による決勝が行われる。
 記念シリーズは最終日の7月28日も、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。「みなみかわ」のステージトーク、「葉月あや」のステージトーク、オランダ王国友好杯のフードブース、うちわ、競輪猫マグネットを300人様にプレゼント、先着200人様に未確定車券抽選会、競輪レジェンド展望会・トークショーなどが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

阿部将大選手
阿部将大選手

浅井康太選手
浅井康太選手
 赤板過ぎに谷口遼平が、鈴木竜士を突っ張る。東京勢が中団に入りかけたところを、伊藤颯馬は逃さずに仕掛ける。スピードに乗せた伊藤が、打鐘過ぎに主導権を奪う。阿部将大(写真)まで出切るが、谷口は3番手に飛び付いて大西貴晃と併走。鈴木が7番手で最終周回へ。バック手前で鈴木がまくりを打つが一息。3番手はまだ決着がつかない。谷口はインを突いて阿部に並ぶが、阿部が余裕をもって追い込んで1着。地元記念を3連勝で優出した。
 「(伊藤は)あそこのタイミングで行くだろうなっていうのがあった。あとはしっかりと仕事がしたかったけど、(伊藤)颯馬が先行をした時の番手がなかったので、どれくらい(車間を)切っていいかわからなかった。そこは反省点ですね。大西さんなら(併走は)外でも大丈夫だろうなってのがあったんで、内を封じ込めながら対応した。(3連勝は)デキすぎですね。長いこと大分からは地元GIIIの優勝がないから、頑張ってくれっていう(お客さんの)声も聞こえてきたんで頑張りたい」
 谷口の動向を見極めた浅井康太(写真)は、最終2センターで外の大西を弾いてコースを確保。直線で伸びた。
 「初日に比べたらいいと思います。少しずつ良くなってきている。道中も余裕があったので、(谷口)遼平の動きを見ながらでした。ギリギリのところで内に突っ込んだ。(2日目にシューズを戻して)カーボンのだったんで踏みすぎていた。昨日(2日目)より、今日の方が回せている」
 カマシ気味に飛び出した伊藤颯馬は、冷静なペース配分からレースを支配して3着に踏ん張った。
 「(雨が降ったんで)バンクが滑った。それで踏み上げが甘かったけど、逆にその分ペースで踏めたかなと。(別線が)脚を使ってくれたので、外から落ち着いてカマす感じになりました。しっかりとゴールまで踏めたんで悪くない。ただ、(前回の)落車の影響で、まだケツが痛いですね」

<11R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 北津留翼にフタをした吉田有希は、赤板1コーナーで再度、踏み上げて主導権を握る。前受けから合わせるようにスピードを上げた松浦悠士は、3番手に飛び付く。北津留もすかさず巻き返すが、3番手を取り切った松浦の横までで最終1センター付近で力尽きる。逃げる吉田の番手の武藤龍生が車間を空けて、3番手の松浦は詰める勢いで3コーナー過ぎから追い込む。松浦マークの岩津裕介(写真)は、直線でコースを見定めて、吉田と武藤の間を突き抜けた。
 「松浦君が4番手か、3番手かでしたけど、スピードが合う感じだった。下げてからだと北津留君がカマしていくので、3番手になったんだと。あれで北津留君がカマシにくくなって絶妙だったし、いい判断だった。永澤(剛)が3番手に付いてくれたことで間ができたし、永澤のおかげ。松浦が突き抜ける感じになって、付いていくところを武藤が張る感じになって、ちょっと内に行った」
 主導権を握った関東勢の3番手を奪いタイミングをうかがった松浦悠士(写真)が、同期の武藤を警戒しながら追い込んだ。
 「佐藤(真一)さんが遅れていたので、隙を逃さずに3番手を確保できて良かった。引いていたら、巻き返しが遅くなってキツくなったと思う。吉田君がいい掛かりで、キュっといける感じもなくてためさせてもらった。昨日(2日目)、一昨日よりも上積みもあった。セッティングと指定練習を変えました。最低限ですね。自転車は良かったです」
 吉田が敢然と逃げるが、佐藤をさばいた松浦が真後ろ。武藤龍生は、中国勢に内、外を行かれての3着。
 「(吉田)有希は点数を落としているけど、戻ってきているのはわかっていた。松浦君をしっかり切って、北津留さんに合わせてでしたね。松浦君が来ているのはわからなくて、車間を切らないとって対応できていたけど、岩津さんの動きに対応できなかった。連日、ラインに助けてもらっている。状態は良くなっているし、問題はない」

<12R>

古性優作選手
古性優作選手

中釜章成選手
中釜章成選手
 号砲が鳴るとけん制になり、古性優作(写真)が誘導を追って近畿勢が前団に構える。中釜章成が松本秀之介を赤板過ぎに突っ張り、そこをカマした小畑勝広が飛び出して先行策。中釜は冷静に3番手で、打鐘を通過する。小松崎大地が6番手でレースが流れる。3番手で前団との車間を空けた中釜は、最終2コーナーでスパート。中釜がまくり切り、古性の追走。古性が余裕をもって交わした。
 「(中釜は)うまいことレースを運んでくれた。練習ではずっと強かったんで、練習の脚が(レースでも)出てきたのかなって。他地区の近畿の自力選手、寺崎(浩平)とか(窓場)千加頼とがいるけど。大阪から自力選手が出てきてくれたのが、すごいうれしい。まだGIIIなんでGIの決勝で(中釜と)連係ができるように。(中釜がまくって)距離的にそんなに長くないので残るだろうなと。自分は最後の最後にヒラめいた部分があって、それを試して昨日(2日目)よりは良かった」
 中釜章成(写真)は、練習をともにする古性との大阪ワンツーで優出。連日の動きの良さが光っている。
 「(スタートでけん制があって前受けになって)あの並びになったら、(自分たちのラインの)後ろは小松崎さんだろうし、(松本)秀之介は絶対に突っ張ろうと。(3番手に入ってからは)後ろが古性さんなので、ほかのラインは来にくいだろうなって。あとは自分のタイミングで(仕掛けて)と思ったけど、小畑(勝広)君がフラフラしてたんでだいぶ脚を使った。3日間、レースが見えているんで、(調子は)いいと思います」
 逃げた小畑の番手の松谷秀幸は、大阪勢には行かれたものの、最終2センターで村上博幸を外にもっていく。直線で追い込んで、ゴール前はこん身のハンドル投げ。微差で小松崎に踏み勝った。
 「(小畑が)めちゃくちゃ強くて掛かってました。後ろが中釜だったんで張ったけど、全然スピードが違った。(村上博幸のところを)無理くりだった。どかしていっぱいでした。(最後は小松崎に)全然、いかれてしまったと思った。そこを踏み勝てているんで(感触は)悪くない」