『大阪・関西万博協賛 別府市制100周年記念事業(GIII)レポート』 3日目編

配信日:10月14日

 川崎と昼夜リレー形式でつなぐ大阪・関西万博協賛・別府市制100周年記念事業「別府ナイターGIII」も10月13日に大会3日目が行われた。準決では地元九州勢が大活躍。大西貴晃、小川勇介、園田匠が次々1着を奪ったのをはじめ、地元エースの阿部将大ら6名が決勝に駒を進めた。また、ガールズ戦は石井寛子、坂口楓華が3連勝して決勝へ勝ち上がった。14日はいよいよ大会最終日。第11レースでガールズ、第12レースでGIII戦の優勝者が決まる。
 GIIIシリーズ最終日も先着300名様に日替わり「競輪猫マグネット」をプレゼント。未確定車券抽選会、美味しいスイーツが勢ぞろいする別府けいりんSWEETS PARADISEも実施されます。さらに13日もミャクミャクグリーティング、キッズダンスショーに、マジシャンGOのショー、ショウガールズのトークショー、山口幸二さんと佐々木昭彦さんのレース展望会等が予定されています。別府競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<2R>

石井寛子選手
石井寛子選手

當銘直美選手
當銘直美選手
 初周で6番手にいた石井寛子(写真)は青板のバックで上昇し、位置を探りに行き、赤板前に2番手に入る。前受けの小林真矢香は打鐘で誘導が外れると4コーナーから最終ホームを目掛けてペースを上げる。後方から永禮美瑠が仕掛けてきたが、石井がバックで合わせて出る。石井は後ろにいた當銘直美を振り切って3連勝で決勝に進出した。
 「3日間、緊張しました。今日は2日間よりも作戦を立てられたと思います。6番車ということもあり、誰がどこにいるかということもあって、あの位置になりました。小林さんの先行が良くて、後ろの人もきついっていうくらいかかっていました。落車の音でゴール付近はわからなかったけど、差されていなかったので踏み切れていると思います。(仕掛けた時は)小林さんが良かったので、踏み上げて行かなくてもというスピードでした。初日に体がかたかったけど、日に日に良くなっています。明日(14日)、もう1回集中して。みんな優勝したいと思うけど、遠くからもたくさん応援してくれる人がいて、恩返しというか、いい景色を見せてあげられたら」
 當銘直美(写真)は道中で石井が前に入ったが、思惑をこう語った。レース中でも的確に分析をできているようでレース後も自分の課題点を挙げた。
 「石井さんが来た時に押さえられたと思ったけど、1人だったので入れました。連日のまくりを見ていたので、いきなり来られたらきついと思ったので、自分の見えるところに石井さんがいたらチャンスがあるかなって。石井さんが全員を支配するようなレースだったし、ギリギリでした。(永禮の仕掛けに)被る前に自分で行かないとって反省があります。狭いところを追走して2着は最低限のノルマはクリアでした。体は問題ないけど、中身がないレースでした。(決勝は)いい着を目指しつつ、今日の反省を生かして戦いたい。優勝を目指すだけです」
 藤原春陽は打鐘前に前の車輪が空いたところをすかさずに進み當銘の後ろを確保。4コーナーからはコースが詰まっていたが、開いた瞬間に狭いところを踏んで3着に入る。
 「當銘さんの外にいっぱいいて、ぴったりつけなくて、どうしようかなと。最後に間が空いたので行きました。行かなかったら5着をしちゃうと思って。今日は包まれた感じで脚は使っていなかったですし、脚は大丈夫です。毎日マークですけど、強い人に勝つには今の自分にはマークしかできない。決勝に上がれて良かったです」

<3R>

坂口楓華選手
坂口楓華選手

太田美穂選手
太田美穂選手
 太田美穂は松井優佳の上昇に合わせて出ていき打鐘で先頭に立つ。すると、後ろは是永ゆうき、松井で併走に。徐々にペースを上げて行く太田に対して坂口楓華(写真)は1コーナーを目掛けてスパート。坂口が前にどんどん迫ってくるが、太田も譲らずに両者の踏み合いは長引く。太田は抵抗し続けたが、最後は外の坂口が交わして1着をつかんだ。
 「太田さんが強かったですね。ちょっと様子を見てしまって、それで勢いを殺してしまった。思ったより外に膨らんでしまったのもありますね。外併走でも耐えられる自信はありましたし、4コーナーでは力を抜いて最後は下りの方が強いので、下るだけと。体は疲れてないけど、今日(13日)はちょっとだけ脚がしんどかったですね。決勝も自力で力を出し切れるように」
 太田美穂(写真)は3走続けての先行勝負。坂口対策を視野にレースを進め、点数上位の相手を苦しめる先行力が光った。
 「7番(松井)と5番(坂口)が動くと思ったので、その子たちより先に動こうと思っていました。来たら合わせようと思っていたし、3コーナーで合わせたと思ったんですけどね。4コーナーからが(坂口は)強かった。もうひと踏ん張りですね。2着に粘れているから悪くないんですけど、仕掛けで焦っているところはありますね。あと1日、時間も遅くなるし風とかも変わるので考えて」
 地元の安東莉奈は初手から坂口を追走。4コーナーからは外をしっかり踏み込み、内の松井に踏み勝って3着で決勝入りを決めた。
 「(坂口)楓華さんに付いていけば確定版はあるかなと。コーナーは内が粘っていて、自分の位置的に3着か4着かなと思ったので、最後は目一杯踏みました。道中はキツくなかったけど、最後の直線はキツかったですね。決勝も確定版を目指して」

<10R>

大西貴晃選手
大西貴晃選手

杉森輝大選手
杉森輝大選手
 星野洋輝はスタートを取り、木村弘を迎え入れ北日本勢が正攻法からレースを進める。木村は青板のバックから誘導と距離を空け始め、別線の動きを警戒。残り2周から誘導との距離を詰めるように一気に踏んで行く。木村がハイペースで駆けて行くが、梶原海斗は打鐘過ぎ4コーナーからスパート。出脚鋭く前団に迫ったが、星野の斜行を受けて外に浮く。すると、大西貴晃(写真)は勢いを殺さずにそのまま前に踏み、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「(梶原)海斗が行ってくれて、失敗したら出て行くつもりで大坪(功一)さんまで一緒に乗れるようにと集中していました。誘導が残っていてハイペースだったので海斗が行ききれるか、どうかだけだった。杉森(洋輝)さんを越えた時に出れると思ったが、星野君ももってくるし、(梶原が)止まったから外を行かないとって。もう1回(星野が)来たが、気合いで踏みました。(GIII決勝に)初めて乗れたのはうれしい。1着を取れているし、上り調子です」
 杉森輝大(写真)は道中では被ってしまい苦しい展開になったが、2センターから外を回すと、直線で鋭い伸びを見せる。2位で入線した星野が斜行で失格となり、3位から繰り上がりの2着で勝ち上がった。
 「けん制しながらでしたけど、木村君が駆けた。ジャンからホームはスピードが良かったし、1センターから仕掛けたいと思ったら、先に2番(梶原)に仕掛けられて、あおりもあって見てしまった。2センターでもバックを踏んでからだったのできつかったですね。でも、いつもより伸びた。1つずつ、1戦、1戦、力をつけてGIに向けて戦っていきたい。自転車は進んでいるので勝負できる状態」
 山崎将幸は北日本の3番手回りで自らの仕事をこなして星野をしっかりと追走。4位入線から3着に繰り上がって初めてGIII決勝に進出した。
 「(GIII決勝は初めてで)喜びたいけど、(星野)洋輝のことがあるので。ラッキーが強い3日間だけど、連結を外さないように、前に迷惑をかけないようにしていた。大西が行ったのは見えてあとは大坪さんと併走になってそこだけ踏み負けないようにしたら、杉森さんには行かれました」

<11R>

小川勇介選手
小川勇介選手

坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 岩谷拓磨がスタートを取って九州勢が前受けから進める。岩谷は赤板で上昇してきた池野健太を突っ張って前に出させない。池野は小川勇介(写真)に張られながら外併走でへばりつくも、最終ホーム過ぎに坂本亮馬に張られると力尽きて失速。最終バック手前からは山本伸一がまくりでたが、小川が張りながら前に踏んで1着でゴール。
 「(岩谷)拓磨のおかげですね。前回連係した久留米記念が不完全燃焼で、気持ちで行ってくれましたね。練習から全部一緒ですし、言わずとも気持ちは分かりました。拓磨が残れたらベストでしたけど、自分も技量不足でしたし、今後の2人の課題ですね。初日、2日目はしのげて、今日(13日)は拓磨が頑張ってくれたおかげです」
 坂本亮馬(写真)は池野の巻き返しを張って小川の動きをしっかりと追走した。
 「脚は上がっているかなと思うし、自信はありました。熊本は調整ミスで、ここまでは調整が巧くいったのが大きい。前の2人があれだけ頑張ってくれたので」
 山本伸一は目標の池野が不発になると、自らまくり出た。小川には合わされたが、しぶとく踏み続けて粘り強く3着に入った。
 「(池野)健太が行ってくれたおかげですし、健太の思いも汲んで自分も勝負に行きました。3コーナーで登る形になって(小川)勇介が巧かったですね。決勝に向けてはサドルの位置を微調整して、更に良くなるようにしたいですね。近畿のメンバーが頑張ってくれたおかげですし、決勝もしっかりレースをしたい」

<12R>

園田匠選手
園田匠選手

阿部将大選手
阿部将大選手
 前受けの竹内翼が赤板前に誘導と距離を空け始めると、上昇して行った橋本瑠偉が誘導の後ろに入る。そこを阿部将大が押さえて1センターで先頭に立つ。橋本が中団に入りかけるが、竹内が追い上げて九州勢の後ろを確保。橋本は7番手まで車を下げた。阿部は徐々にペースを上げて行くと、番手の園田匠(写真)は車間を空け始める。園田は直線に入って詰める勢いで踏み阿部を交わした。
 「(阿部が)冷静に組み立ててくれましたね。しっかりワンツースリーと思っていたので良かった。車間を空けていて、来たら詰めながらと。応援してくれるファンがいるし、地元のつもりで走っています。期待に応えられてよかった。日に日に仕上がっているし、今節は気合が入っている」
 地元の阿部将大(写真)は残り2周から仕掛けていき、別線の仕掛けがないとみるや、そのままペースを上げて主導権を握った。
 「カマされないところ、まくられないところで踏んだらゴール前に脚がなかった。2周は長かったですね。日に日に良くなっていますけど、(状態は)7、8割ですね。二次予選、準決勝でラインを連れていけたのは大きいと思う。(決勝は)九州から優勝者を出せれば」
 山口貴嗣は九州ライン3番手を追走。直線では先行した阿部に迫るほどの伸びを見せた。
 「地元地区の記念で(決勝に乗れて)うれしい。(GIII決勝は)覚えていないくらい大昔です。(阿部が)早めから踏んでくれたから内からこられないように走るだけでした。追走の感じは落ち着いていた。状態はいいです」