別府競輪場で行なわれてきたナイターGIII「令和7年度施設整備等協賛競輪(GIII)」も10月19日に最終日を迎えた。ガールズ決勝を前に突然の大雨に見舞われて厳しいコンディションの中、早めの巻き返し策に出た児玉碧衣が4連勝の完全Vで連勝を19まで伸ばした。メインのGIII戦決勝は青柳靖起の番手から踏み出した山田庸平がV。5月武雄ミッドナイトGIII以来で通算7度目のGIII優勝と貫禄を示した。
12R 決勝戦 レース経過
スタートで大外枠の渡邉豪大が飛び出したが、最内枠を生かした阿部将大が誘導員の後ろに入る。阿部将大-菅原晃-小川勇介が前からで、中団が渡邉雅也-鈴木裕の南関勢。青柳靖起-山田庸平-渡邉豪大が後攻めで、長島大介が最後方。
赤板過ぎに後攻めの青柳が阿部を押さえて先頭に立つと、阿部は4番手に下げる。ミドルペースで踏んでいた青柳は、打鐘2センターからさらにペースを上げていくが、渡邉雅が仕掛けて4コーナーで4番手の外まで迫り、この動きに合わせて阿部も踏み込む。だが、最終1コーナーで阿部の仕掛けをけん制しながら山田が番手まくりを敢行。渡邉豪が続き、この後ろに小川、長島が切り替える。山田のスピードが良く、後続の追撃を振り切って今年3度目のGIII制覇。山田のまくりに続いた渡邉豪が2着。直線で渡邉豪の内に入って中割りを狙った小川は僅かに及ばず3着まで。

山田庸平選手
6名勝ち上がった九州勢は割り切って別線勝負を決意。青柳靖起が後ろ攻めから押さえて主導権取りに出ると、余裕を持ってリードしていた山田庸平(写真)が阿部将大の仕掛けに合わせ番手まくりを敢行。初めてGIII決勝の舞台へと勝ち上がってきた練習仲間の青柳との連係から優勝をつかみ取って喜びもひとしおだ。
「青柳君が頑張ってくれました。いつも一緒に練習をしているのでうれしいですね。(青柳との連係は)ちょっと前の岐阜が初めてだったんですけど」
連係こそ今回が2回目であっても、いつも練習で一緒に汗を流している青柳の先行力は把握済み。雨走路というコンディションも考慮しつつ、別線の反撃に準備していた。
「(初手の位置取りは)だいたい後ろになるとは思っていました。(別線が巻き返して)来るならホーム線ぐらいで来るんじゃないかなって。それに合わせていけたので良かったです。やっぱり雨だと変わってくるので。前のガールズを見ていても前の自力選手は厳しそうだなって。自分は残り1周で余裕があったんで。昨日の感じもあったので、今日もよかったと思います」
ライン4車の先頭を務めた準決で、打鐘手前から仕掛けて力強く押し切った走りが決勝戦にしっかりとつながった。
「まだそこまでの手ごたえはないんですけど。最近は優勝できていなかったので、勝てたのは良かったです。次の地元戦と競輪祭までは空くので。最近いいレースができていないんですけどそこに向けて頑張っていきたい」
今年3度目のGIII制覇を達成した山田が地元の九州地区で行われる今年最後のGIに向けて抜かりなく仕上げていく。
佐賀勢の後ろを回っていた渡邉豪大は自力に転じた山田の仕掛けにしっかりと付け切ったが、ゴール寸前で中割りを狙った小川勇介への対応にも追われてしまい、2着を死守することで精いっぱい。今回以上の結果を出すために課題を掲げた。
「(青柳は)前なら突っ張り、後ろならカマシ気味の先行だと。別線は思ったよりも巻き返しが早かったですね。(山田が番手から出てからは)余裕はあったんですけど、山田さんも回していたみたいで、ペースでした。最後もタレてこなかったですね。脚力差を感じた。最後も小川さんが割ってくる感じだったので、締めるしかなかった。このレベルになると脚力が足りないなっていうのが感想ですね。脚力を上げていかないと戦えない」
小川勇介は最終ホームから仕掛けた阿部将大が山田に合わされてしまうと、俊敏に渡邉豪の後ろへとスイッチ。最後の直線で山田と渡邉の間を狙って目いっぱいハンドルを投げたが3着まで。悔しそうにレースを振り返った。
「突き抜けたかった。レースは(阿部に)お任せしていました。(最終ホーム過ぎの所は)切り替えたってよりもレースの流れに沿って踏んだら、渡邉豪君の後ろになったって感じです。最後は渡邉豪君がびたっと締めていて、割れる感じがなかった。渡邉豪君が抜きに行くような感じだったら、割るコースができたし、もっといい勝負ができたかもしれない」






赤板過ぎに後攻めの青柳が阿部を押さえて先頭に立つと、阿部は4番手に下げる。ミドルペースで踏んでいた青柳は、打鐘2センターからさらにペースを上げていくが、渡邉雅が仕掛けて4コーナーで4番手の外まで迫り、この動きに合わせて阿部も踏み込む。だが、最終1コーナーで阿部の仕掛けをけん制しながら山田が番手まくりを敢行。渡邉豪が続き、この後ろに小川、長島が切り替える。山田のスピードが良く、後続の追撃を振り切って今年3度目のGIII制覇。山田のまくりに続いた渡邉豪が2着。直線で渡邉豪の内に入って中割りを狙った小川は僅かに及ばず3着まで。

山田庸平選手
「青柳君が頑張ってくれました。いつも一緒に練習をしているのでうれしいですね。(青柳との連係は)ちょっと前の岐阜が初めてだったんですけど」
連係こそ今回が2回目であっても、いつも練習で一緒に汗を流している青柳の先行力は把握済み。雨走路というコンディションも考慮しつつ、別線の反撃に準備していた。
「(初手の位置取りは)だいたい後ろになるとは思っていました。(別線が巻き返して)来るならホーム線ぐらいで来るんじゃないかなって。それに合わせていけたので良かったです。やっぱり雨だと変わってくるので。前のガールズを見ていても前の自力選手は厳しそうだなって。自分は残り1周で余裕があったんで。昨日の感じもあったので、今日もよかったと思います」
ライン4車の先頭を務めた準決で、打鐘手前から仕掛けて力強く押し切った走りが決勝戦にしっかりとつながった。
「まだそこまでの手ごたえはないんですけど。最近は優勝できていなかったので、勝てたのは良かったです。次の地元戦と競輪祭までは空くので。最近いいレースができていないんですけどそこに向けて頑張っていきたい」
今年3度目のGIII制覇を達成した山田が地元の九州地区で行われる今年最後のGIに向けて抜かりなく仕上げていく。
佐賀勢の後ろを回っていた渡邉豪大は自力に転じた山田の仕掛けにしっかりと付け切ったが、ゴール寸前で中割りを狙った小川勇介への対応にも追われてしまい、2着を死守することで精いっぱい。今回以上の結果を出すために課題を掲げた。
「(青柳は)前なら突っ張り、後ろならカマシ気味の先行だと。別線は思ったよりも巻き返しが早かったですね。(山田が番手から出てからは)余裕はあったんですけど、山田さんも回していたみたいで、ペースでした。最後もタレてこなかったですね。脚力差を感じた。最後も小川さんが割ってくる感じだったので、締めるしかなかった。このレベルになると脚力が足りないなっていうのが感想ですね。脚力を上げていかないと戦えない」
小川勇介は最終ホームから仕掛けた阿部将大が山田に合わされてしまうと、俊敏に渡邉豪の後ろへとスイッチ。最後の直線で山田と渡邉の間を狙って目いっぱいハンドルを投げたが3着まで。悔しそうにレースを振り返った。
「突き抜けたかった。レースは(阿部に)お任せしていました。(最終ホーム過ぎの所は)切り替えたってよりもレースの流れに沿って踏んだら、渡邉豪君の後ろになったって感じです。最後は渡邉豪君がびたっと締めていて、割れる感じがなかった。渡邉豪君が抜きに行くような感じだったら、割るコースができたし、もっといい勝負ができたかもしれない」






11R ガールズケイリン決勝戦 レース経過
号砲が鳴ると當銘直美が飛び出して誘導員を追うが、青板手前から上昇した太田美穂が誘導員の後ろに入る。道中は、太田、當銘、那須萌美、是永ゆうき、児玉碧衣、石井寛子、布居光で隊列が落ち着く。
打鐘のタイミングで是永が飛び出すと、一旦ペースを緩めて後方の動きを警戒する。是永との車間を空けていた太田が、イエローライン手前まで上がった是永の内を掬って最終ホーム手前で先行態勢に入る。是永が2番手に入り、當銘は3番手となるが、児玉がホーム付近から一気に踏み込む。児玉の踏み出しが良く、若干、石井は口が空く。そこですかさず那須が、児玉の後ろにスイッチする。バック過ぎに逃げる太田をとらえた児玉は、直線で外を急追した那須を振り切ってV。那須が2着。直線で外を踏んだ當銘が太田をゴール寸前で交わして3着。

児玉碧衣選手
4番手にいた是永ゆうきが打鐘付近から覚悟を決めて押さえて出る。正攻法に構えていた太田美穂は一旦見送り、空けておいた車間を詰める勢いで内から是永を掬って先行態勢に入る。5番手の位置に構えていた児玉碧衣(写真)はレース直前から急に降り出した雨の影響も考慮しつつ、冷静に仕掛けのポイントを探った。
「雨のなかで走るのが久しぶりだったので、緊張はしたんですけど。発走機についてからはいつも通り平常心で臨めたと思います。太田さんは強い先行選手なので、(最終)バックを取る感じでいかないとなって。雨っていうのもありましたし。今日(最終日)は早めに踏み出しました」
8月の佐世保FIIから18連勝して迎えた決勝戦で、断然の人気を背負っていたが油断は一切なかった。4日制のシリーズは22年6月松戸以来4度目で、過去の4日制はすべて準Vと意外にも4日制のシリーズでは今回が初優勝であった。
「全然、記憶にはないんですけど。でもちょっと今日が一番、脚に来ている感じで、アップ中からそんな感じがしたんですけど。そのなかでも1着を取れたので良かったです。昨日ぐらいまで(疲労感を)感じていなかったんですけど、しんどかったですね。出切るまではすごく良かったんですけど、4コーナーを回って直線に入ってからが良くなかったですね。開催中のケアの仕方だったりはこれから勉強していこうかなって思っています」
次走の11月岸和田FIIが終われば、いよいよ今年最後のGIとなる競輪祭女子王座戦が待っている。それでも本人は目の前の戦いに集中している。
「(競輪祭女子王座戦のことは)次の岸和田が終わってから考えます。いまの自分は先に目標を置くとモチベーションが続かないので。一つ、一つクリアしていきたい」
那須萌美は最終ホーム付近で真後ろから仕掛けてきた児玉の気配を察知すると、最終1センターで反応良く後ろへとスイッチ。最終バックで内からまくりを狙ってきた當銘直美の動きにも冷静に対処し、最後の直線は児玉とのマッチレースに。4分の3車輪差の2着には終わったが、手ごたえは決して悪くなかった。
「GIの予選、勝ち上がりだと思って、自分で位置を取りにいこうと。太田さんが駆けて、児玉さんがまくる展開だと思っていた。ただ雨が降ってきたので、児玉さんは少し早めに仕掛けるかもなとも考えていた。うまくスイッチして児玉さんの後ろに入ったあとは、思った以上に余裕があって、もっと、児玉さんがバックぐらいから加速していくんじゃないかと思って身構え過ぎた。余裕をもって車間を切るなりしていれば、もっと面白いゴール前になったかもしれない。タラレバなんですけどね。3日目に失敗してしまったけど、最終日にリカバリーできたのは良かった」
準決と同様に自らS取りに動き、積極的なタイプの太田美穂が上昇してきたところまでは思惑通りに運べた當銘直美であったが、最終ホーム手前で是永に入られてしまったことが響いてしまい、3着に入るのが精いっぱい。それでも一時期よりは確実に良化している印象で、自信も取り戻しつつある。
「スタートで前を取って、太田さんが上がってくるところまでは作戦通りでした。是永さんの位置の取り方がうまかった。地元っていうこともあって、あそこを狙っていた感じでしたね。(太田の後ろを)取られたのは仕方ないけど、勇気をもって、児玉さんより先に踏めば、着がもうひとつよかったかもしれない。児玉さんがいって、那須さんがうまく続いていったけど、そこから強い気持ちで踏めた。このメンバーで確定板に入れてとりあえずよかった。脚は少しずつ良くなってきたのかなって思います」






打鐘のタイミングで是永が飛び出すと、一旦ペースを緩めて後方の動きを警戒する。是永との車間を空けていた太田が、イエローライン手前まで上がった是永の内を掬って最終ホーム手前で先行態勢に入る。是永が2番手に入り、當銘は3番手となるが、児玉がホーム付近から一気に踏み込む。児玉の踏み出しが良く、若干、石井は口が空く。そこですかさず那須が、児玉の後ろにスイッチする。バック過ぎに逃げる太田をとらえた児玉は、直線で外を急追した那須を振り切ってV。那須が2着。直線で外を踏んだ當銘が太田をゴール寸前で交わして3着。

児玉碧衣選手
「雨のなかで走るのが久しぶりだったので、緊張はしたんですけど。発走機についてからはいつも通り平常心で臨めたと思います。太田さんは強い先行選手なので、(最終)バックを取る感じでいかないとなって。雨っていうのもありましたし。今日(最終日)は早めに踏み出しました」
8月の佐世保FIIから18連勝して迎えた決勝戦で、断然の人気を背負っていたが油断は一切なかった。4日制のシリーズは22年6月松戸以来4度目で、過去の4日制はすべて準Vと意外にも4日制のシリーズでは今回が初優勝であった。
「全然、記憶にはないんですけど。でもちょっと今日が一番、脚に来ている感じで、アップ中からそんな感じがしたんですけど。そのなかでも1着を取れたので良かったです。昨日ぐらいまで(疲労感を)感じていなかったんですけど、しんどかったですね。出切るまではすごく良かったんですけど、4コーナーを回って直線に入ってからが良くなかったですね。開催中のケアの仕方だったりはこれから勉強していこうかなって思っています」
次走の11月岸和田FIIが終われば、いよいよ今年最後のGIとなる競輪祭女子王座戦が待っている。それでも本人は目の前の戦いに集中している。
「(競輪祭女子王座戦のことは)次の岸和田が終わってから考えます。いまの自分は先に目標を置くとモチベーションが続かないので。一つ、一つクリアしていきたい」
那須萌美は最終ホーム付近で真後ろから仕掛けてきた児玉の気配を察知すると、最終1センターで反応良く後ろへとスイッチ。最終バックで内からまくりを狙ってきた當銘直美の動きにも冷静に対処し、最後の直線は児玉とのマッチレースに。4分の3車輪差の2着には終わったが、手ごたえは決して悪くなかった。
「GIの予選、勝ち上がりだと思って、自分で位置を取りにいこうと。太田さんが駆けて、児玉さんがまくる展開だと思っていた。ただ雨が降ってきたので、児玉さんは少し早めに仕掛けるかもなとも考えていた。うまくスイッチして児玉さんの後ろに入ったあとは、思った以上に余裕があって、もっと、児玉さんがバックぐらいから加速していくんじゃないかと思って身構え過ぎた。余裕をもって車間を切るなりしていれば、もっと面白いゴール前になったかもしれない。タラレバなんですけどね。3日目に失敗してしまったけど、最終日にリカバリーできたのは良かった」
準決と同様に自らS取りに動き、積極的なタイプの太田美穂が上昇してきたところまでは思惑通りに運べた當銘直美であったが、最終ホーム手前で是永に入られてしまったことが響いてしまい、3着に入るのが精いっぱい。それでも一時期よりは確実に良化している印象で、自信も取り戻しつつある。
「スタートで前を取って、太田さんが上がってくるところまでは作戦通りでした。是永さんの位置の取り方がうまかった。地元っていうこともあって、あそこを狙っていた感じでしたね。(太田の後ろを)取られたのは仕方ないけど、勇気をもって、児玉さんより先に踏めば、着がもうひとつよかったかもしれない。児玉さんがいって、那須さんがうまく続いていったけど、そこから強い気持ちで踏めた。このメンバーで確定板に入れてとりあえずよかった。脚は少しずつ良くなってきたのかなって思います」






次回のグレードレースは、前橋競輪「第34回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」が10月23日~26日の日程で開催されます。
今年の舞台は、2022年以来となる前橋競輪場です。世界選手権と日程が重なるためナショナルチームメンバーは不在も9名のSS班をはじめ全国各地から強豪が集結。また、全プロ自転車競技の成績上位者もいて、フレッシュな顔ぶれも見られます。無風のドームで短走路なら、スピードバトルが繰り広げられるのは間違いありません。今年5つ目のGIを制するのは果たして誰でしょうか?
10月16日時点の出場予定選手データを分析した、前橋競輪「第34回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今年の舞台は、2022年以来となる前橋競輪場です。世界選手権と日程が重なるためナショナルチームメンバーは不在も9名のSS班をはじめ全国各地から強豪が集結。また、全プロ自転車競技の成績上位者もいて、フレッシュな顔ぶれも見られます。無風のドームで短走路なら、スピードバトルが繰り広げられるのは間違いありません。今年5つ目のGIを制するのは果たして誰でしょうか?
10月16日時点の出場予定選手データを分析した、前橋競輪「第34回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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