『別府競輪開設54周年記念(GIII)レポート』 いよいよ明日決勝戦!
 
配信日:11月3日
 




『若生武則の別府競輪開設54周年記念(GIII)レポート』 いよいよ明日決勝戦!


 爽やかな晴天に恵まれた秋晴れの下、『別府開設54周年記念 別府八湯ゆけむりカップ』3日目のレースが展開されました。
 メーンの準決勝では、人気を集めた小嶋敬二選手と山田裕仁選手が敗退するという波乱もありましたが、明日の決勝戦には地元・大分からは小野俊之選手、大塚健一郎選手、大竹慎吾選手の3人が勝ち上がりました!
 しかし、荒井崇博選手の先行一車となった決勝メンバー。荒井選手の後位は小野選手と佐藤慎太郎選手で競りのもよう。地元の小野選手と、目下賞金王である佐藤選手の番手戦。どちらに軍配が上がるのか、目が離せません!

 現場からのレポートは、けいりんマガジン編集部の橋本がお送りします!


■ダッグアウトから
8レース 準決勝C
逃げた中村一将の番手から抜け出して1着の大井啓世は「中村にはレース前に『ジャンからめいっぱいいくのは誰でもできるから、お前は冷静に自分のペースで駆ければいい』って言ったんです。(中村と同県の)井上(和樹)さんや松田(慶一)さんに無理言って番手回らせてもらいましたしね。だから実際レースでも出きってから『流せ、流せ!』って言って。でも、最後にコケてしまったのが…」と、中村を気遣い心配そうな表情。
※中村選手は途中欠場となりました。

人気を背負った小嶋敬二は内田慶のブロックもあり、捲り届かず2着に惜敗
「慶に内すくわれたのが痛かったね。あれがなかったら楽勝やったのに! 慶のとこさっさといければよかったが…」

5着に敗れた内田慶は検車場に引き揚げてくるなり「クッソー!」と一言。「今日は中村さんが先行意欲満々だろうから、うまく中団をとって小嶋さんを後ろにおければと思ってたんです。一瞬、内しゃくって小嶋さんの番手とも思ったけど、島田(竜二)さんとやりあうとつききっても小嶋さんをさせないと思ったんでね。3コーナーであわせきったと思ったのに…。今回は優勝する気できたんですけどねえ。また次の記念でがんばりますよ」
9レース 準決勝B
4番手から捲って1着の佐藤慎太郎
「今日は最悪番手と思ったけど、粘ると島野(浩司)さんのカマシが心配だったんで。まあすんなり4番手もとれましたからね。開坂(秀明)さんには2コーナーから捲るって言ってあったんですけど、風が強くて。気づいたらもう3コーナーでした。申し訳なかったですね。(バックで後ろを見たのは)余
っていうよりは、来ないでくれ~って祈りを込めてですよ。
とにかく苦しいっす。あんだけしか踏んでないのにすごく苦しー!
先行選手、尊敬しますよ…」

大竹慎吾は八谷誠賢の先行を足場に抜け出して2着。
嬉しい地元記念優出を決め、満面の笑みを浮かべる。
「(佐藤が)ハコにくるかと思って構えたけど、引いてくれたんでね。今日は前と後ろに助けられました!気分は1着です(笑)!これが競輪ですね!」。
10レース 準決勝A
大外一気の捲りで1着三宅伸は、ゴール後に小さくガッツポーズ
「一人ぼっちで何も考えないで臨んだんですよ。切れ目からいけばいいかなって。今日は展開ですよね。調子がいい時は大体いけるよ。前回の玉野FⅠの時も脚の感じはよかったし、8月ぐらいから調子は悪くないんですよね」

逃げる稲村成浩の番手を取り切って2着の大塚健一郎
「今日は自分がキーマンだと思ってたんです。前で走る(松本)大地と、3番手、4番手を固めてくれたラインのことを考えて走りました。自分の地元だしプレッシャーもあってツライ部分もありますけど、今回は結果にこだわってます。脚の感じはいいと思います。昨年は決勝に乗れなかったんで、今年は乗れてよかった。明日もがんばります!」

写真判定で3着の紫原政文は「大地に抜かれたと思ったが…よかった~。それにしてもみんな動きが俊敏だねえ」と一言。一方、微差の4着に泣いた松本大地は「山田さんをどかして強引に前に出るつもりだったんですけど…。まだまだ練習が足りないですね」と反省の弁。
11レース 準決勝A
逃げる荒井崇博の番手から抜け出し、昨日に続き1着の小野俊之
「自分なりに荒井の脚についていければ大丈夫なんで。もう結構知ってるんでね。荒井の走りは村上(義弘)さんの走りに似てますよね。明日は大分3人で勝ち上がれたんで、優勝はその3人の中から。それしかないです!」

2着に逃げ粘った荒井崇博
「思ったより捲りが早くきたし、向かい風すごくてきつかった。武雄記念で大塚さんに気を使ってもらったんで、今回は地元を盛り立てられるように。俺のやることはひとつですからね。脚の状態は普通かな」


■決勝展望

先行一車となり、難解なメンバー構成となった決勝戦。5人揃った九州勢だが、荒井崇博の後ろに小野俊之―大塚健一郎―大竹慎吾。紫原政文は単騎で前々自在の競走。
佐藤慎太郎は「競輪道に絡むことですから…」とさんざんん悩んだ挙句「地元勢には悪いけど」と強調した上で「荒井ジカ」とのコメント。
三宅伸の後ろには山口幸二―大井啓世。
先行一車で後位が競りだけに、マイペースで駆ける荒井が断然有利だ。しかし、番手戦を挑まれた小野も地元戦で気合い十分、連日鋭い伸び脚を見せている。ここは気迫のこもった走りで番手を死守し、ゴール前で荒井をとらえよう。追走・大塚も勝負に厳しいタイプだけに、コースが見えれば鬼脚で突っ込んでくる。
悩んだ挙句に「荒井ジカ」をコメントした佐藤だが、地元に競り込むリスクは覚悟の上。ならば、小野と佐藤でプライドを懸けた壮絶な競り合いが演じられる可能性は十分。
競りが長引くようなら、三宅伸の出番。シャープな捲りで台頭しよう。


※選手の並びについては、新聞や選手紹介等でご確認下さい。


 
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