『別府競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:5月25日


 別府競輪開設59周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」はいよいよ大詰め。3日目の今日は準決勝A、B、C合わせて4個レースで決勝進出をかけた最後の勝ち上がり戦が繰り広げられた。準決勝Aでは小野俊之、大塚健一郎の地元勢がまさかの敗戦。明日の決勝は平原康多、山口幸二のSS勢を九州最後の砦・北津留翼が迎え撃つ。
 最終日の明日も井上茂徳氏による注目レース予想会やラッキーチャンス!抽選会を引き続き開催。さらに明日の決勝戦の勝敗を予想し、見事的中された方には抽選でハイビジョンテレビが当たります。そして注目の決勝戦。迫力あるレースを、ぜひ別府競輪場でお楽しみください。

<8R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   1着権利の準決勝Cは圧倒的な人気を集めた海老根恵太がまさかの敗退。前受けの鈴木謙太郎(写真)が最終2コーナーまで誘導員を使っての先行で逃げ切り。嬉しい記念初優出を決めた。
 「僕が後ろ攻めで押さえ先行だと、脚を使わない海老根さんにまくられてしまう。一回押さえさせて脚を使わせないと勝ち目がないと思ってました。でもホームでもカマしてこないし、後ろを見たら内にいるのが見えた。あとは誘導を使えるだけ使って駆けました。今日は海老根さんとのダッシュ勝負で面白いかなと思ってたくらいで、1着なんか考えてなかった。嬉しいですね」
 海老根恵太は酒井耕介にフタをされ続け、必死で内にコースを見つけたが2着まで。
 「酒井さんが早く来たので、そのまま斬ってくれると思ってた。そしたら僕の外で止まったし、もう引けなかった。内を行ったけど、鈴木くんの内が空いてたか迷ってしまった」
 ようやく直線で外にコースができた佐々木龍也が3着に。
 「二分戦だから前が取りたかったけどね。あの展開で海老根もよく前々に踏んでくれました。けっこう伸びたのでアレッ?(1着かな)と思ったけど、甘かった」
 鈴木ライン三番手の大竹慎吾は「ホームから駆けてくれればチャンスがあったかもね。あの展開は想定外でした」と予想外のレースを悔やんだ。


<9R>
松尾淳選手
松尾淳選手
飯田辰哉選手
飯田辰哉選手
   打鐘過ぎ先行の松尾淳(写真)後位で坂本亮馬がイン粘り。これをしのいだ坂上忠克が伊藤保文のまくりを止めると、援護を受けた松尾が力強く押し切った。
 「今回は先行屋みたいですね(笑)。今日は先行すれば何とかなると思ってたけど、坂上さんの奥さん(今日が誕生日)のことで(頭が)一杯でプレッシャーでしたよ。でも良かったです。練習頑張った甲斐がありました」
 2着には空いたコースを鋭く伸びた飯田辰哉(写真)が入線した。
 「前が併走してたし、僕は風を受けずに楽でした。詰まってもいいからと思って内を踏んだけど、たまたま踏んだところが良かった。最近はFIの準決勝でさえ壁になってたので、良いきっかけになりますね」
 気迫溢れるレースを見せた坂上忠克。惜しくも決勝進出はならなかったが、表情は晴れやかだ。
 「嫁さんには僕の気持ちが三分の一は届いたんじゃないですか。2着に入れば格好良かったけど収穫はありました。やればできるのが分かったし、何だかこれからはイケそうな気がします」
 松尾の番手で勝負する形になった坂本亮馬は「松尾さんが来なさすぎ。突っ張るかハコかって感じで踏んだけど、あそこで引いたら勝負権はないですからね。脚に余裕はあったけど、1コーナーで叩き込まれて平面まで行ったから踏めなかった」


<10R>
平原康多選手
平原康多選手
小倉竜二選手
小倉竜二選手
   先行態勢に入った平原康多(写真)に対し、井上昌己が奇襲のカマシ先行。離れながらも三番手を確保した平原は鮮やかに前団を飲み込んだ。
  「併走で後ろが見えなかったし、音がしたときには(井上が)すぐ隣に来ててヤバイと思いました。あそこで踏んでたから三番手に入れたと思うし、井上さんも最後はタレたんだと思う。でも自分だけ決勝に乗った感じだし、先行一車は厳しいですね。初日より全然良いし、前々に動けてます」
  2着には脚を溜めて上がり11秒0の好タイムでまくった市田佳寿浩が強襲した。
  「オグがあの作戦で良いと言ってくれたし、よく八、九番手の展開を我慢してくれた。僕も(気持ちが)入ったし、思い切り踏みました。ケガしてから初めての記念決勝。今年の目標がこれだったし、地元記念を前にまずはひとつクリアした。調子も良くなってきたと思います」
  3着の小倉竜二(写真)も市田のスピードをもらい突き抜けんばかりの伸びを見せた。
  「市田さんは調子が良さそうだし、どっからでも届くでしょ。道中に余裕が出てきたし、ちょっとマシになってきましたね。コースが良かったのもあるけど、気持ち良く踏めた。突っ込める感覚が戻ってきたし、これを維持していけば上がってくると思う」
  見事なカマシ先行が決まった九州勢は悔しさを隠せない。大塚健一郎は「決まったと思ったけど、結局最後は去年と一緒で(小倉)竜さんに最後抜かれた。完敗です」とガックリ。
  逃げた井上昌己も「これが今の力ですね。すんなり1周で残らないのは…」とレースを振り返った。


<11R>
北津留翼選手
北津留翼選手
山口幸二選手
山口幸二選手
   昨日300勝を飾った小野俊之に悪夢が襲った。先行態勢に入った北津留翼がホーム過ぎから踏み上げると、徐々に離れていってしまう。「打鐘で北津留を出させるのに脚を使った…」。9年連続の地元記念優出を逃し呆然とする。
  逃げ切った北津留翼(写真)も表情は複雑だ。
  「初手が前から二番目になって、新田さんはフタをしてくるだろうなと思ってました。打鐘で小野さんにコースを空けてもらえなかったら先行はできなかった。一緒に決勝に行きたかったんだけど…。デキとしては良い方に行ってるかなと思います」
  2着には九州ライン三番手を回った原司が。
  「僕は内を締めて、あとは踏み出しに千切れんようにと思ってた。翼が強かったけど、小野が離れるのは誤算だった」
  まくり不発に終わった石丸寛之マークから内にコースを選んだ山口幸二(写真)がしぶとく3着に食い込む。
  「イチかバチか内に行ってみました。新田に当たらなければもっと伸びてたでしょうね。ここに来てから動きが良くなってきた。体のバランスを崩して、ダービーを10としたら、まだ8割だけど上向く感じはあるね」
  新田康仁にとっては全てが誤算だった。
  「北津留にフタをして他のラインを逃がそうと思ったけど、あれ(打鐘で小野にコースを作られる)をやられたらどうにもならない。結果中団に入ったけど、小野が離れてるとは…。あれならまくっとけばよかった」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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