『東日本大震災被災地支援競輪・別府競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 前検日編
配信日:4月28日
明日から大分県・別府競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・別府競輪開設61周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」(GIII)が開催されます。S班の出場はありませんが、深谷知広選手を筆頭に、若手からベテランまで個性あふれる選手が多数参戦しており、見逃せない4日間となりそうです。今日の別府は風が強く、選手もかなり気にしている様子でした。車券予想の際は、風向きや強さも参考にしてみて下さい。もちろん、今開催はゴールデンウィークのまっただ中、日本有数の温泉地・別府で競輪と名湯を存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。
なお、今開催は本場イベントが盛りだくさん。連日、クオカードやオリジナルTシャツが当たる抽選会、緒方浩一氏と内林久徳氏の当日レース予想会、そして大人気CM「別府競輪の男達」の選考にもれた未公開CMも公開されます。また、明日29日は6レース発売中に、「別府競輪S級S班の男!トークショー」と題して地元の大塚健一郎選手が登場。2~3レース発売中には「別府競輪の男達トークショー」として大分県の選手2~3名が出演します。本場にご来場の際は、ぜひこちらにもご注目下さい。
<1R>
大塚玲選手
オープニングレースからは好調宣言の
大塚玲(写真)
をピックアップ。FIでは決勝常連と力を付けている。
「調子はかなり良いとは思います。昨年はケガもあって、あまりに悪すぎたというのもありますけどね。タイムもそうですけど、ギアをあげたことで競走がすごく楽になりました。ギアをあげたのは2月の静岡記念からで、3・86にしました。周回中から楽だし、自分の思ったところからサラ脚のまま仕掛けられるので気持ちよく走れています。1レースはいつも通りに早く起きて問題ないです。1レースで1着取って、まずは準決勝までいきたいですね」
師匠・山口富生との同あっせんで気合いの入る
松岡篤哉
も注目の一車。予選は確実に突破しており、ここも主導権取りに意欲を燃やす。
「(決まり手は捲りがゼロで)今は先行主体でやっています。どうしても力を出し切れなかった時に、大敗してしまうことが多いのが課題。明日も先行主体で頑張りますよ」
<2R>
関一浩選手
今回から新車で挑むという
関一浩(写真)
。近況はあまり流れが良くないが、この選択が吉と出るか。
「調子自体は悪くないんですよ。練習もしっかり出来ていますしね。ただ前回が悪すぎました(奈良FI5着8着6着)。組み合わせも悪かったし、苦手な333バンクだったし。それで今回はフレームを変えていきます。角度が違うフレームで、練習の感じでは悪くなかったです。そのかわり今、整備にすごい時間がかかってしまっていますが(苦笑)。今回は東の先行選手がたくさんいるみたいだし、初日に負けてしまうとあとが長いので(笑)、なんとか頑張りたいですね」
自力型比較では、
松崎貴久
は「調子は普通です。しっかり練習は出来ました。別府は悪い印象はないけど、風が強い。そこが気になりますね」。
片岡迪之
は「(イケメンGP優勝おめでとう!と言われ)ありがとうございます(笑)調子はそこまで良くないけれど、明日も積極的に頑張りたいと思います」。
<3R>
古川功二選手
震災の影響で前走は思うような結果を残せなかった
古川功二(写真)
が巻き返しを誓う。
「前回の成績(福井FI7着8着9着)が全てを物語っています。親戚のところに避難していたんですけど、やっぱり気が気ではなくて…。それで福井が終わってから、地元に戻りました。泉崎は地割れもあって使えないから、基本は室内で練習してきました。それでどうなのかな、とは思いますけど、あとは気持ちが入ってくれば。不安はありますけど、走れるという喜びを感じています。さすがに前回の成績はへこみましたけど、プラスに変えていきたいです」
高城信雄
は約2カ月ぶりの出走となる。
「前回は万全の状態でないのに走るのは失礼なことだし、大事をとって欠場しました。練習はしっかり出来ていますし、久々のレースなので頑張りたいです」
<4R>
金山栄治選手
山田義彦との同型対決が注目される
金山栄治(写真)
。
「練習はしているけど、これだけ間があくとちょっと調子も分からないですよ。それにちょっと気合いが入らないというか。これからある開催が普通に開催されるなら、夏くらいまでには戻していきたいです。(相手の山田は)初の対戦です。顔も名前も分からないです(苦笑)」
ベテラン
森田進
は山田義彦の番手から差し脚を伸ばすか。
「ここまでは普通にやってきた。(震災の影響で開催が空いたが)影響はまったくない。山田はよく頑張っていると思うし、連係は初めて」
九州勢は島田竜二が前回りで、番手に
高木竜司
が続く。高木は「前を任してくれるなら頑張りますけど、島田さんは今調子が良いですからね。それに2カ月も走っていないんです。走ったのは4月久留米の補充1走だけ。それもモガキあいを捲ったから、自分の調子は分からないです」。
島田竜二
が「前々で頑張ります、その方が九州全員で決まりやすいかも」
<5R>
上原龍選手
予選連勝中の
上原龍(写真)
に人気が集まりそうな一戦か。
「(長野の地震は)震度がけっこう大きかったですけど、僕のところは大丈夫でした。練習も出来ているし、調子は良いと思います。(調子は)上がったと言うより、前に戻った感じですね。常に調子が良いというものでもないですし、ちょっとサボりすぎてしまって(苦笑)。前回(四日市FI)は出来も良かったし、調子も良かったので、それがここにも繋がっていると思います。挑戦する立場ですけど、決勝までいきたいですね(笑)」
佐賀の
山口貴弘
は相性の良い藤野義高との連係で勝ち上がりを目指す。
「少しずつ良くなっていると思います。(藤野とは)相性がけっこう良いんですよね。川崎で一緒になった時も、2着3着でしたし、武雄でもワンツーが決まっています。相手は強いですけど、頑張りたいです」
<6R>
小岩大介選手
地元の
小岩大介(写真)
が登場、地元記念で結果を残したい。
「震災後、ここが一走目でしたけど、開催が決まっていたし、ここを目標にして頑張ってきました。調子は良いとは思いますが、競走があいていたのがね…。ただ、感覚的なものは、良いですよ。風が強いからタイムでないので、そこからの判断はできないんですけど、自分が思った以上に自転車が進んでくれたり、もがいていても全く苦にならなかったです。明日は山田(英明)君の後ろへ。連係は何回もあります」
大敗が続いてしまっている
坂本匡洋
。何とかキッカケを掴みたい。
「う~ん、調子がそんなに悪いわけではないんですけどね。まさかここまで落ちてしまうとは…。ここまで悪くても、原因が分からないんですよ。ここ3カ月間、ほとんどが9着ですし…。明日もどうしようかな…」
<7R>
山形一気選手
特別昇級後もFI戦でV争いしている
山形一気(写真)
が初のGレースに挑む。
「今回は4日間、先行主体でいきます。S級は4コーナーからのスピードは違いますね。練習は50日も空いたから、しっかり出来ましたし、スピード練習もやってきました。まずは先行主体でレースして、そこから結果が付いてくれば良いと思います」
北海道コンビが初連係で動向が注目される。
番手の
明田春喜
は「けっこう練習の感じは良かったです。間がけっこう空いたんですけど、バンクに入ってもがいていました。森田(康嗣)君とは初の連係です。練習では何回も一緒にやっているので大丈夫です。ダッシュが凄いので、しっかり決めたいですね」。
前を任された
森田康嗣
は「3月(広島FI)に落車して、初めて鎖骨骨折をしてしまいました。ピンを入れて、自転車に乗り始めたのは今月に入ってから。まずは走ってみないと分からないから、頑張るだけとしか言えないですね」
<8R>
石橋慎太郎選手
久々の予選スタートとなった
石橋慎太郎(写真)
は、流行のシューズで復活なるか。
「記念の予選なんて、もう記憶にないくらいですよ。たぶん4~5年以上前だと思います。ここまでは調子が良くなかったので、ケアを中心にやってきました。以前、不調だった時にシューズを変えたら、良くなったことがあったので、今回はBONTのシューズに変えていきます。これに期待ですね。1つでも多く勝てるように頑張りたいです。(予選で人気集中しそうだが)それが心配です、前回(共同通信社杯春一番)は6番車なので気楽だったのになぁ。予選なので勝てるように走ります」。前泊で別府入りしていたそうだが「コンビニの店員さんに『競輪選手の五十嵐さんですよね!?』と言われてしまいました(泣)」
自在派の
坂口晃輔
が格上の石橋に挑む。
「前回(大垣FI)も動けていたし、調子は良いと思います。2日目の落車の影響は全くないですし、最終日は先行してバックも取れました。最近はけっこう取りにいっていたんですけど、流れの中で取れたし、反応も悪くなかったです。(出走表の石橋の名前を見て)明日は相手が強いですけど、みんながそっちを見ていてくれたら、僕にもチャンスができるはず。さらに細切れならチャンスありますね」
<9R>
北津留翼選手
9レースからは特選がスタート。前回優勝(小倉FI)の
北津留翼(写真)
のレースぶりに注目が集まる。
「前回は川村(晃司)さんが強かったですよ。決勝も最後は一杯一杯。合わされたと思ったし、無理矢理な感じでしたけどね(笑)。練習はいつも通りやってきたし、また(Gレースで)活躍したいです。別府はけっこう走っていて、成績も安定しているとは思います」
北津留マークは
園田匠
。好調の北津留に乗っていきたい。
「翼は前回優勝しているし、気持ちも乗っていると思いますよ。連係は3回目。別府はほとんど地元みたいな感じだし、練習の感じは良くなかったけど、タテ脚勝負なら戦えなくはないです。あとは追走技術の問題。上のレースでは一瞬の隙を見逃してくれないですからね」
前回当地記念覇者の
鈴木謙太郎
は地元に戻って立て直しを図る。
「地元に戻って練習していました。危ないのかも知れないけど、車は少ないし、練習はしやすいですよ。僕の練習しているところは、そこまで道も亀裂なかったですしね。知っているところで練習するのは大きいと思います。武雄が終わって帰った時に、いつもと違うところに行ったら、2~3分おきに携帯が鳴るんですよ(緊急地震速報)。そうしたら土砂崩れが起きて。その写真をたくさん撮った人がいたみたいで、翌日、新聞にも載ったんですけど、『俺、この一番前にいたんだよな』って…。踏み切れない感じはありますけど、仕上げては来ました。ちょっとここの風は気になりますね」
特選スタートの
池田勇人
は同期対決も自分の競走を貫く構え。
「最近は成績も良いし、練習の感触も良いんですけど、敵が強いから、自分が良くても相手も良いとね(笑)。ちょっと間隔はあいたけど、練習はその分、出来ました。同期とはやりづらいところもありますけど、自分のレースをするだけ。予選に比べれば特選は気楽なところもあります」
<10R>
松岡貴久選手
ビッグ戦線で絶好調の
松岡貴久(写真)
、そろそろ記念初Vも欲しいところか。
「そこまで自分の中でレベルアップしているかどうかは分からないです。ただ、流れにはうまく乗れていますね。明日は岩津さんも3番手に付いてくれるみたいだし、前で頑張ります。菅原さんにも熊本でお世話になっているし、頑張りたいですね。ちょっと風邪を引いて、練習はそこまで良くなかったけど、戻っているとは思います」
菅原晃
は地元記念を自然体で挑む。
「(4月久留米FIで落車も)体は大丈夫です。入れ込みもないし、前回よりは良いと思います。明日は松岡君の後輪だけ見て、好きなように走ってもらいます」
震災後、初のレース参戦となった
菅田壱道
。
「(自宅が)傾いたけど、津波の被害に遭わなかっただけでも…。でも海は怖くて行けないし、練習は山の方にいったりしていますね。さすがに最初は練習が出来なかったけど、出来るようになってからはしっかり練習しています。ただ2カ月走っていないので、そんなこと今まで無かったし、レース勘が心配です」
岡山で練習している
岡部芳幸
も震災後の初戦を迎える。
「増成さんが本当にいろいろやってくれました…。今はまだ岡山にいます。すぐ来て、またすぐ帰るわけにはいかないし、福島は街道の良いコースがありますが、岡山の練習環境も良いですよ」
岩津裕介
は腰の不安を抱えたまま。
「(前回武雄を欠場は)ギックリ腰がひどくて…。ようやく最近、自転車に乗れるようになりました」
被災者受入れをしていた千葉競輪場で昨日お別れ会をしてきた
中村浩士
。気持ちを込めたレースを誓う。
「やることは全てやってきました。開催はやっときたかという感じ。(お別れ会は)けっこう皆さん喜んでくれて、すごく楽しい会でした。これからが大変ですけど、今回の件で千葉競輪場に来た子供達が、僕たちをみて『競輪選手になりたい』と言ってくれたんですよ。僕のことを知ってくれている親御さんもいましたし、震災は本当に残念ですけど、こうした新たな出会いも力に変えて頑張って走りたいと思います」
<11R>
小野俊之選手
地元の
小野俊之(写真)
が深谷知広と初連係。
「(深谷の)ハコは楽しみですね。ジカに付いてみないと分からないことはありますし、自分の感じも分からないですから。前回の共同(通信社杯春一番)での課題が見えましたし、けっこう日数が空いていたので、そこをガラリと。フレーム自体は変えてないですけど、シューズのサンからセッティングを今までと違うように。最近は軽いギアの限界を感じたし、ギア比のかかっているレースにもっと対応しないと。前回の準決勝で長塚(智広)を止められなくて、あいつの仕掛けでそれを感じました。僕も日本一になることしか考えていないのでね」
深谷知広
はここもマイペースに、自分の競走を貫く。
「風は好きではないですよ。ただ、いつも通りにしっかり走るだけ。地元が付くし、頑張ります」
前団がもつれあう展開になれば
木暮安由
の出番か。
「感触は悪くないし、問題ないです。時間があったし、街道で長い距離を乗ってきました。先行すれば気になるんでしょうけど、風は気にならないし、自力自在で頑張ります」
南関勢の出方がレースのポイントとなりそうだが、
白戸淳太郎
も久々の実戦でどう出るか。
「(松坂洋平は)今、強いし、ちょっと調子に乗ってますからね(笑)。僕はダービーで準決勝まで行けたし、良かったです。洋平とは連係が何回かあります。でもレースが早く動くようだときついですね。練習はしっかり出来ましたけど、レース間隔があいたのは不安ですよ」
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