『別府競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:5月19日
 別府競輪開設62周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」は2日目。今日は「いで湯賞」をメーンに、2次予選6個レースで準決勝進出を争った。「いで湯賞」は岩本俊介のカマシ先行をゴール前で捕らえた菅原晃が快勝。その菅原をはじめ、地元勢からは小野俊之、大塚健一郎、大竹慎吾が準決勝に進出し、明日の準決勝で地元優出を狙う。
 明日もウルトラマンとしんけん勝負!(10時20分頃から)、アームレスリング世界一とガチンコ真剣勝負対決(11時02分、13時05分頃から)やアイドルユニット「SPATIO」のライブ(12時01分頃から)など様々なイベントが予定されています。明日もぜひ別府競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
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稲村成浩選手
稲村成浩選手
 飯野祐太と竹内雄作の機動力争いに注目が集まったこのレースだったが、竹内の先行をホームから力で飲み込んだ飯野が貫禄のレース運び。最後は番手の稲村成浩(写真)が鋭く抜け出した。
 「レース前に作戦を色々考えたけど、結局飯野に任せてって感じになったね。落ち着いてたし、すごいスピードだった。4倍のギアを踏み切ってましたね」
 飯野祐太は新鋭、竹内を相手に力の違いを見せつけた。
 「竹内君はいつもあそこで流してるイメージだったので、タイミングはあそこしかないと思ってた。冷静に走れましたね。5戦連続で配分が詰まってるし、調子が良すぎて直前に練習をやり過ぎた疲れはある。でも日に日に抜けてくると思います」
 3番手を固めた藤原憲征はホッとした表情。
 「1番(松崎貴久)がずっと俺を狙ってたんで、付いて行けてよかった。やっぱり飯野は力が違うね、点数どおりの脚でした」
 敗れた竹内雄作は「流したつもりはなかったんですけどね。飯野さんのスピードが違った。勉強になりました」と悔しさをにじませた。

<6R>
後閑信一選手
後閑信一選手
 佐藤朋也が先行。3番手で松岡孔明が粘ると、上手く稲垣裕之の巻き返しをブロックした後閑信一(写真)が番手絶好の展開を生かした。
 「佐藤君のおかげですよ。あそこまで行ってくれたら、何としてでも残すつもりでした。後ろの動きも全部分かってましたよ」
 逃げた佐藤朋也は後閑の好援護に感謝しきり。
 「今日は稲垣さんを出させないようにと思って駆けました。展開と後閑さんのおかげですね。踏んだ感じも2日間悪くないです」
 3着には稲垣裕之が食い込んだ。
 「後閑さんのブロックでスピードが死んだし、脚にも余裕がなかったですね。佐藤君にも良いペースで踏まれてしまいました。体は(中2日の)疲労から、変わらずキツいです」

<7R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 渡部哲男が主導権を握るが、中団が併走になり後ろに置いたはずの佐藤友和(写真)のまくり頃に。バックから仕掛けると、番手の渡邉晴智を振り切った。
 「昨日は内にこだわって失敗したので、今日は外を。修正できたし、1着が取れてよかった。展開が向いたし、自分のタイミングで行けましたね」
 番手の渡邉晴智は「友和が強かった。全く抜ける感じがしなかったし、踏み直しも強烈でした」と佐藤の強さに舌を巻く。
 渡部の番手を回った西田雅志だが、佐藤のまくりに対処できず。
 「併走でヨシヨシと思ってたし、友和は内に詰まってると思ってた。そしたら友和がまくって来たのでアレッて感じでしたね。併走で見えなかったし、スピードが違いました」

<8R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 後ろ攻めになった萩原孝之が斬ったところを一気に叩いた長塚智広が岡田征陽の追撃を振り切った。
 「今日はメンバー的にも自力を出そうと思ってたし、中団だったら斬ったところを仕掛けるつもりでした。征陽にはいつもお世話になってるし、恩返しができましたね」
 岡田征陽(写真)は追走のまま2着。
 「作戦は長塚さんに任せてました。廣川君も良いスピードで来たけど、長塚さんが強かったです。あのダッシュはさすがですね」
 4番手から伸びた萩原孝之だが3着まで。
 「あんなに車間が空いてるとは分からなかった。後ろ攻めになったときの作戦も考えてたけど、初手が中団だったら出させてもらえなかっただろうし、結果中団が取れずに良かったのかもしれません。踏めてるから調子は悪くないと思います」

<9R>
大塚健一郎選手
大塚健一郎選手
 前受けから下げた北津留翼が地元コンビを連れてホームから早めの巻き返し。ライン3車で出切ると、番手の大塚健一郎(写真)が鋭く伸びた。
 「久々に(押さえ先行じゃない)翼を抜きました。どんな形でもワンツースリーが決まって良かった。(昨日戻した)フレームはどうなんだろう? でも戻してベターだったんでしょうね。この1着で(フレームに)良い流れも入れられたし、明日もこのままいきます」
 北津留のダッシュに3番手でもピタリと続いた大竹慎吾は仕上がりの良さがありあり。
 「(勝ち上がれて)よかった、よかった。翼はどこから加速するかなと思いながら、先にケツを下ろして付いて行った。ギアをどうするか考えてたけど、今回はそんなにタイムが出てないし、そのままでいきます」
 北津留翼は後ろの大分コンビ、そしてファンの期待に応えて安堵の表情。
 「遅ければ突っ張るつもりだったけど、(奥平充男を出したら)みんな良い感じで付いて行ったのでヨシヨシと。やっぱり昨日、フレームを戻して正解でしたね。朝乗った感じも良かった」

<10R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 打鐘まで松田優一にフタをされた村上義弘(写真)だったが、松田が叩くと見るや早めのリスタート。まず中団に入ると、間髪入れずに1センターからまくり上げた。
 「(2次予選のメーンになって)自分のなかでは荷が重いなと思ってたので、結果が出せて良かった。体が動かないので、どうにか(ギアで)と思って4.08に上げました。この状態のなかでは思い切りよく行けたと思う」
 逃げる松田の番手から合わせて出た尾崎剛が2着に。
 「村上さんを張り気味に行ったけどスピードが違った。松田君が先行してくれたからには決めたいなと思ったし、出て行くしかなかった。やっぱり村上さんのスピードはすごいですね」
 3着には尾崎マークの安部達也が。
 「尾崎さんを信頼してました。今回は追加だけど上手く調整できたし、思ったよりも余裕がある。東からもいっぱい準決勝に上がってるし、楽しみです」

<11R>
菅原晃選手
菅原晃選手
 「いで湯賞」は2段駆け態勢の九州勢を岩本俊介が一気に叩く。「出切れない」と思った紺野哲也が中団に降りると、松川高大が岩本を追いかける。最後は松川後位の菅原晃(写真)が鋭く伸びた。
 「今回は流れがいいですね。岩本君が一人で行ったのでギリギリまで(松川に)追わせようと思った。小野さんも引き込まないといけなかったのに、何とかギリギリ差せた感じですね。初日よりローラーに乗った感じが良かったし、状態は良いと思います」
 九州勢に果敢に挑んだ岩本俊介は2着に粘った。
 「今日は位置にこだわらず溜めて行くだけと思ってました。僕は波がありすぎるんで、明日からも気持ちを切らさないように走るだけ。気持ちよくいけてるし、良いと思います」
 小野俊之はまくって来た浅井康太をブロックするなど大仕事を演じて、自らも3着に。
 「あの動きが自然にできるようになってるし、(来る前に)フレームを戻してよかったですね。ほんとは(前2人を)交したかったし、その体にはあるんじゃないかと思う。フィーリングでギアを考えるし、セッティングをいじるかも」
 あっさり中団を確保した小嶋敬二だったが、「脚を使わずに中団だったし、『いで湯賞』ゲットと思ったら…。まさか(紺野が)降りてくるとはね」と思わぬ展開に泣いた。
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