『別府競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:6月27日
 別府競輪開設65周年記念「別府八湯ゆけむりカップ」が今日から開幕した。前半戦から雨のなかでのレースとなり、メーンの特選では地元の大塚健一郎をはじめ、2個レースで計5名が落車するアクシデントもあった。明日、2日目は二次予選6個レース、そして優秀の「いで湯賞」では特選を制した浅井康太、井上昌己に松岡貴久ら9名が激突する。
 明日、2日目もイベント盛りだくさん。「第4回ytv漫才新人賞決定戦」優勝の学天即によるお笑いステージ(4R、9R発売中)やミスユニバース日本大会準グランプリの猪子里奈さんのトークショー(2R発売中)、「イシス&ジャスミンジェナ」によるベリーダンスショー(1R、8R発売中)、オトナ女子会トーク(3R発売中)など様々なイベントが予定されています。明日もぜひ別府競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
<1R>
荒木伸哉選手
荒木伸哉選手
 正攻法から突っ張ろうとした巴直也を、佐川翔吾が打鐘から強引に叩いて主導権を握る。川木敬大は佐川に続くが服部竜二が離れ、3番手に荻原尚人が入り、切り替えた荒木伸哉(写真)が5番手で最終バックを通過。3コーナーから踏み込んだ荒木が直線で鋭い伸びを見せて突き抜け、オープニングレースを制した。
 「巴君が前々に踏んでくれたおかげ。(最後は)余裕なかったけど、ガムシャラに踏んだらアタマまで届きました。調子自体はだいぶ良くなってるし、2次予選も頑張りたいですね」
 好位確保から直線で伸びた荻原尚人が2着。
 「3番手に入ってちょっと落ち着いちゃいましたね。後ろの(中村)敏之輔に悪い事をした。思い切っていければ良かったけど、風が強くて迷ってしまいました」
 圧倒的な支持を集めた佐川翔吾だったが、強風の影響もあってか、直線でわずかに末を欠いた。「いやー、キツかった。うまく駆けられなかったし、フワフワした感じで…。朝イチっていうのも影響したかもしれないです」と声を振り絞った。

<2R>
 打鐘で主導権を握った馬場和広が隊列を一本棒にして逃げまくる。久米康平は最終ホーム7番手に置かれるが、冷静に仕掛け所を見極め、最終バックからスパート。先まくりを放った高田真幸を軽々乗り越えると、抜群のスピードを発揮して前団をひとまくりした。
 「落ち着き過ぎましたね。踏んだ瞬間にいけると思ったけど、他に仕掛けるところはあったし、自分らしくないレースでした。もっと積極的に行かないといけないですね。でも、車が進む感じがあったし、状態は思ったより悪くないです」
 久米マークの三宅達也がしっかり続いて2着に入線した。
 「久米君のおかげだし、頑張ってくれた。打鐘くらいで無理やり行くよりかは、前の仕掛けを見てから落ち着いて行けと思っていた。自分はバックでダメだった時に内に行けるように準備もしていましたね。焦って内に行かなくて良かった」

<3R>
愛敬博之選手
愛敬博之選手
 後ろ攻めから押さえた泉文人をすかさず打鐘から叩いて野口大誠が主導権。そこからハイペースで飛ばすと、中団の泉はバックから徐々に口が空きはじめる。これで九州勢が上位独占を決めるかに、バックから好回転でまくり上げた愛敬博之(写真)が鮮やかに1着をさらった。
 「4番(泉)が野口君をけっこう押さえてと思ったけどね。(叩いた野口に)あれだけ踏まれたら、もう行くタイミングがなかった。キツい展開になったけど、バックでスピードに乗ってる感はありました。感じも悪くないと思います」
 逃げた野口大誠が2着に粘った。
 「誘導が早かったんで、僕にフタをしてもキツいだろうから(泉は)斬ってくれるだろうと思ってました。出てからハイペースだったけど、そういう練習もけっこうしてるんで。バック向かいも気にならなかったし、状態は全然大丈夫。気持ちもいい感じで入ってるし、明日以降も持ち味を出したい」
 番手絶好の小岩大介だったが、野口を交わせず3着に。
 「愛敬の勢いが違った。(愛敬に)1車行かれて2着にはと思ったけど、焦ってモコモコしてしまった。野口はバックからハァハァ言ってるから残さないとと思ったけど、4コーナーから踏み直してましたね。僕の力不足です」

<4R>
 中団に構えた杉森輝大が赤板過ぎに切ると、この上を野原雅也が叩き先行態勢に入る。しかし、すかさず下沖功児がカマすと、野原はこれを受けて3番手に収まった。杉森がホームから反撃を試みると、野原も合わせてまくり返し、後続を千切って白星スタートを決めた。
 「本当は(下沖を)出させるつもりはなかったんですけど。気持ちが弱かったです。ただ、結果的にはそれで良かったのかも。仕掛けるタイミングは最悪だったし、踏みっぱなしで最後はいっぱいだった。1着は嬉しいけど全体的にはまだまだですね」
 野原マークの小林信晴は、離れながらも懸命に踏み上げて確定板を確保した。
 「前後に申し訳ない。野原が強過ぎて本当にキツかった…。(結果的に)なんとかラインで決まったのは良かったですけどね」
 中近コンビを追っていた戸田洋平が、小林を直線で交わして2着に入線。S級点確保へ大事な一戦だったここで、きっちり結果を残した。
 「前の2人が頑張ってくれたおかげです。でも、まだ第一関門を突破しただけだし、明日からも気を引き締めて頑張ります」

<5R>
 後ろ攻めの戸伏康夫が切った上を、高橋和也が叩き打鐘からレースを掌握する。別線からの巻き返しはなく、高橋がペースで駆けて一本棒のまま最終ホームを通過。最終バックから4番手の戸伏が仕掛けるが、3番手の佐藤成人の横までがやっと。最後は番手の坂上樹大が直線で抜け出して白星を飾った。
 「もうちょっと待ちたかったけど、大前(寛則)さんが良い勢いで来ていたんで、踏むしかないと。ワンツーを狙っていたんですけどね。(高橋君が)3着に残ってくれて良かったです。最近調子良いし、今日は雨が降ってたからか軽かったです。状態も悪くないと思います」
 戸伏に惰性をもらった大前寛則が直線を鋭く伸びて2着に入った。
 「何にも脚を使わず、サラ脚で回れたんでその分脚が溜まってたんで伸びました。戸伏君にはまくり追い込みでいいよって言っていたんですけど。彼が、ワンテンポ、ツーテンポ早めに行ってくれて、コースが空きました」

<6R>
 松岡孝高、服部正博の順に動くと、前受けからスッと車を持ち出した矢口啓一郎が外併走からホームでスパート。番手の阿部康雄が離れ、南関勢が後ろで追いかける展開になったが、それも構わず押し切った。
 「ラインで決めたかったですね。まだモガき方がよくないし、レースのタイミング的なところも。(持ち出してから)流れで行ければいいのに、前とか内とかを見てしまって…。走って戻していくしかないですね。勝ち上がれば相手も強くなるので、考えずに走れると思います」
 松岡の2コーナーまくりに乗った中村圭志が2着に突っ込んだ。
 「矢口を後ろに置く作戦だったけど、巻き返しが早かったですね。僕の感じは悪くない。前回よりはいいです。来期はA級なんでこれが今年最後のS級。九州開催なんで頑張りたいですね」
 まくった松岡孝高は南関勢のけん制をたえて3着に食い込んだ。
 「1コーナーで行こうとしたところで前の黒崎(直行)さんがスリップしてたから、あれでバック踏んでしまった。見てしまった分、脚が一杯でしたね。バック踏まなかったら面白かったかも。でも勝ち上がれてよかったです」

<7R>
 飯野祐太が打鐘過ぎに笹倉慎也を叩いてハナに立つが、内から盛り返してきた笹倉を押し込むと、笹倉は車体故障して棄権。飯野はペース駆けに持ち込んで逃げ込みを図ったが、最終ホームで8番手から反撃を開始していた片折亮太が3コーナーで前団を飲み込んだ。飯野に付けていた伊藤大志が片折に切り替える形となり、最後は直線一気を決めて、後位を回っていた成田健児とワンツーとなった。
 「飯野君は頑張ってくれたけどね。(飯野が失格となり)残念な結果になってしまった。ただ、自分としてはギリギリまで踏むのを待って、それでも1着だったので調子は悪くないと思います」
 飯野をまくり切った片折亮太は3着で二次予選の権利をつかんだ。
 「8番手になってしまったので、とりあえず行ける所まで行こうと。練習不足もあって最後タレたけど、レースが続いてる分、勘は良いと思います」

<8R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
 栗田貴徳が打鐘で前に出ると、鈴木謙二が巻き返して踏み合いに。絶好の展開となった海老根恵太(写真)は最終バックから踏み上げると、大外を一気にまくって勝利した。
 「展開ですね。前が踏み合ってくれましたし。バックくらいから踏んで、自分だけの距離になってしまったかなって思ったけど、ラインで決まって良かったです。ただ、キレはあんまりなかったですね。宮杯(高松宮記念杯競輪)から期間が短くて上積みはなかったけど、何とかしのげました」
 海老根マークの和泉田喜一が2着。3着にも金川光浩が続き南関勢が上位を独占。和泉田は検車場に引き上げてくると、息を整えながらレースを振り返った。
 「先行争いみたいになって、海老根のまくりごろになりましたね。いつも走る前はドキドキして、終わってから今日も付いていけて良かったって思う。良い追加になりました。みんなに迷惑だけはかけたくなかったし、ワンツースリーで嬉しいですね」

<9R>
宿口陽一選手
宿口陽一選手
 中団から先に動いた坂本健太郎を突っ張った宿口陽一(写真)は長尾拳太を受けて中団を確保。バックからまくると、坂本の強襲を振り切って快勝した。
 「(赤板の判断)あれがよかったですね。坂本さんが先に来ないが7割、来るが3割ぐらいだったけど、先に来たら突っ張ると決めてました。そこからもけっこう楽だったので出もよかったですね。今日は仕掛けどころもよかったし、納得のレースです」
 何とか2着に入った坂本健太郎だが、人気に応えられずガックリ肩を落とす。
 「あの並びなら先に斬っといたほうがと思ったけど、あんなに突っ張られるとは思わなかった。責任を果たせず…、本当に疲れました」

<10R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 後ろ攻めの松谷秀幸が赤板で上昇し、川村晃司にフタをする。すると後閑信一が打鐘で一度切り、今度はこれを目掛けて松谷が一気にスパート。南関勢をうまく追った川村が3番手を確保し、後閑と菊地圭尚は立ち遅れて後方に置かれてしまう。2角からまくり上げた川村が松谷をきれいに飲み込み、最後は浅井康太(写真)が番手差しを決めた。
 「今日はラインのおかげ。川村さんが落ち着いて仕掛けてくれました。最後はギリギリ交わせましたね(笑)。大竹(慎吾)さんとはなにげに相性が良いし、ワンツースリーが決まって本当に良かった」
 前回の高松宮記念杯では3日目で帰郷となった川村晃司だが、修正に成功し今節は好スタートを切った。
 「今日は展開が全て。(状態は)正直わからない。でも、こうやって着に絡んでいけば、自信を取り戻せるはず。自信さえ戻れば、また上を目指せると思うので、これをいいきっかけにしたい」
 中近コンビを追走していた地元の大竹慎吾が、懸命に食い下がって3着。優秀戦へと駒を進めた。
 「(準決の権利をつかんで)これは大きいですね。3コーナーで(松谷に)飛び付かれそうな感じがしたので、そこだけ頑張って乗り越えようと。しのげたし調子も悪くはないかな」
 力勝負を挑んだ松谷秀幸だったが、川村にまくられてしまった。
 「ずっと(川村に)フタをして、持つところから駆けようと思ったんですけど、後閑さんが切ったので行きました。結果的にはもう少し流しても良かったかもしれません」

<11R>
井上昌己選手
井上昌己選手
 細切れ戦らしく隊列が激しく入れ替わり、鈴木裕が赤板の2コーナーで前に出た池田勇人を叩いて最終主導権。後方に置かれた井上昌己(写真)は打鐘の2センターから巻き返すと、中団から合わせた三谷竜生が東龍之介と接触し4名を巻き込む落車が発生。井上は逃げる鈴木を最終バックで捕らえ、そのまま押し切った。
 「後方に置かれちゃったんで、行ける所までいこうと思いました。1コーナー過ぎに出切れると思って緩めたのがダメでしたね。 上位の選手はみんな同じ条件なので、(疲れを)言い訳にはできないです」
 井上ライン3番手の橋本強は落車を避けると、懸命に井上を追走。ゴール寸前で鈴木を交わして2着に入線。
 「飛び付いてきそうだったんで、対応できるように外していたら落車を避けれました。きつかったですね。追いつかないかと思いました」
 鈴木裕が3着に粘り優秀戦に駒を進めた。
 「今日は井上さんに行かれちゃったし、良くなかったですね。いっぱいになってきつかったです。刺激は入ったけど、いい方向ではない。今日はゆっくり休んで明日頑張りたいと思います」

<12R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
 打鐘前に突っ張る素振りを見せた深谷知広を叩いて北津留翼が前に出ると、そこを小埜正義が一気に仕掛ける。打鐘過ぎ2センターで香川雄介の落車もあり、深谷の巻き返しは3コーナー過ぎ。合わせて中団から踏んだ北津留が外に膨らみ深谷があおりを受けると、空いた中バンクを松岡貴久(写真)が突き抜けた。
 「(打鐘前の)深谷の動きもそうだし、翼の斬り方も中途半端だった。もっと早めにスッと行けばよかったんだろうけど、誘導も上がったのでキツかったんだと思う。最後は思ったとおりの伸びではなかった。踏み出しがよくないですね」
 北津留のあおりを受けながらも外を伸びた深谷知広が2着に突っ込んだ。
 「打鐘のところは(突っ張るか)悩んだですね。仕掛けのタイミングが悪かったし、落車はあったけどホームでいかないといけなかった。最後も(北津留と接触して)危なかったです」
 逃げた小埜正義は3着に粘ったレース内容に満足げ。
 「ラインのおかげです。今日は番手、3番手がしっかりしてたのでそれが一番。あとは普段どおりのレースをしただけなんで。久しぶりにいい先行ができてよかった。そのつもりで中団を取ったんで」
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