久留米競輪場で開催されていた熊本競輪開設73周年記念「火の国杯争奪戦(GIII)」in久留米は10月9日に最終日を迎えた。S班5名など強豪がそろったシリーズの注目の決勝は4人そろった地元勢が終始レースを支配。番手まくりの嘉永泰斗をゴール寸前で交わした中本匠栄が優勝を飾った。なお、中本は20年にGIIの共同通信社杯を制しているが、GIII優勝はこれが初で、地元記念で最高の結果を出した。
また、第6レースで実施された123期の7人による「競輪ルーキーシリーズ2023プラス」も熊本作戦がズバリ。半田誠が気風良く駆け、番手から飛び出した佐藤壮志が勝利した。
決勝戦 レース経過
号砲が鳴るとすかさず外枠から中本匠栄が飛び出して誘導員を追う。初手は松岡辰泰-嘉永泰斗-中本-塚本大樹、郡司浩平、新山響平-菅田壱道-永澤剛、山田久徳の並び。
赤板手前から松岡は誘導員との車間を空けて、後方の動向を警戒。赤板を通過すると、松岡が誘導員を交わしてそのまま先頭に躍り出る。6番手の新山も上昇を図ったが、それに合わせて松岡が次第にペースを上げていく。新山が下げて態勢を立て直そうとすると、山田が6番手に切り替える。新山は7番手まで下げて赤板を通過。松岡のカカリが良く隊列は一本棒のままで、嘉永が松岡との車間を切り始める。最終ホームを過ぎても後方からの仕掛けはなく、1センターから番手の嘉永が一気にスパート。バックを過ぎても嘉永がスピードは鈍らず、後方の動きはまったくない。2センターでようやく4番手の郡司が仕掛けるも、なかなか車が進まない。直線では嘉永の番手まくりを追走した中本がゴール直前で差し切って地元で記念初制覇となるV。嘉永は中本に差されるも2着に入り、中本との熊本ワンツーが決まった。直線で懸命に迫った郡司は前の2人には届かずの3着となった。

中本匠栄選手
「(前の二人が)気合の入った走りで、もう無我夢中でした。泰斗とは練習仲間ですし、熊本記念で熊本4車で連係できたことが本当に最高でした」
来年6月を目途に熊本競輪の再開が発表され久留米で行われる最後の『火の国杯争奪戦』。熊本のエース嘉永泰斗の真後ろからピンクの勝負服をまとった中本匠栄(写真)が直線で鋭く伸びて記念初制覇を達成した。
4車で結束した熊本ラインの先頭を志願した松岡辰泰は正攻法の構えから誰ひとりたりとも出させぬ構えで残り2周過ぎから誘導員を降ろして全開スパート。最終ホーム手前から車間を空けた始めた番手の嘉永泰斗にも隙はなく、最終2コーナー手前から番手発進。準決で隙郡司浩平に隙を突かれてしまった中本は最大限の注意を払って最後の直線に賭けた。
「準決もそうでしたけど、SSが相手でいつくるかわからない。付いていかないといけないし状況も確認しないといけない。ビリビリしていました。ゴール前勝負というよりも3番手を回っている以上、嘉永君が番手まくりしたからには来たのを止めようと、仕事しようと思っていた。ギリギリまでまって抜けるか抜けないかの勝負でした。(優勝は)Vを観るまでわからなかったですね」
今年1月の落車からリズムが狂い始め、一時期は111点を超えていた競走得点も大幅に落としてしまっていたが、苦しい時期を乗り越えてようやく努力が実を結んだ。
「(今年は)苦しかったですね。色々と試したことがあっていい結果に繋がらない中、そこで得たこと、今までやってきたことを今回は出せました。状態としてはやれることをやってきたけど、ベスト、絶好調ではなかったですね。連日、前と後ろのおかげでここまでこれた。追い込みに変わって、追い込みとしてステップアップしてきたわけじゃなく、点数とかで良い位置を回らせてもらっていたので。昨日、塚本(大樹)君と話したことが今後のプラスになると思う」
最終日はオープニングレースに登場した東矢昇太の勝利から始まり、11レースで勝った中川誠一郎までで地元勢はすでに5勝の活躍ぶり。決勝を前にバンクのムードは最高潮。ファンの声援を力に変えて強敵を退けた。
「連日、すごい声援がありがたくて、後押ししてくれました。久留米開催だけど、熊本からも応援してくれる人がいてありがたかったですね。今の状態で確実に決勝に乗れるかは不安でしたけど、最高の形で終われました。(20年9月にGIIを獲っているが)順番が逆になったけど、良かったです。熊本バンクの復活が決まって嬉しい。課題だらけなことに今回は気が付けたので。ひとつひとつレベルアップしてラインで決められるようにまた頑張りたい」
地元のエースとして大事な番手を任されていた嘉永泰斗は他地区に優勝を譲るわけにはいかなかった。初日特選で落車のアクシデントに見舞われてしまったが、残り3日間を気力で戦い抜いた。
「とりあえず良かったです。準決で郡司さんがあそこ(ホームで)できていたので。余裕がなかったですね。ヤバかった。(松岡が失速してきて)いったけど、ワンツーだったので。なんとか良かったです。何とか良い形で終われたので。匠栄さんが獲ってくれて良かった。自分はもう脚がいっぱいでした。最終日が一番の声援で後押しされましたね。来年の(熊本記念)一発目は獲りにいきます」
初手から九州勢を追走していた郡司浩平は反撃のチャンスを窺っていたが、仕掛けるタイミングをなかなか見つけられない。最終2センターから車を外に持ち出して強襲を狙ったがわずかに届かず3着まで。
「スタートはとりあえず出ないと立ち遅れるんで。どっちが前でもあの位置からかなって。新山君は絶対にくると思っていた。1センターで(嘉永が)行って、もう一回立て直した新山君がどこからくるのかで、あとは自分はどこでいけるかでした。ホームで詰まったときに内に行けばよかったですね。あの1車分、届かなかったですね。動けなかったけど、余裕は終始あったので。そこは収穫ですね」






赤板手前から松岡は誘導員との車間を空けて、後方の動向を警戒。赤板を通過すると、松岡が誘導員を交わしてそのまま先頭に躍り出る。6番手の新山も上昇を図ったが、それに合わせて松岡が次第にペースを上げていく。新山が下げて態勢を立て直そうとすると、山田が6番手に切り替える。新山は7番手まで下げて赤板を通過。松岡のカカリが良く隊列は一本棒のままで、嘉永が松岡との車間を切り始める。最終ホームを過ぎても後方からの仕掛けはなく、1センターから番手の嘉永が一気にスパート。バックを過ぎても嘉永がスピードは鈍らず、後方の動きはまったくない。2センターでようやく4番手の郡司が仕掛けるも、なかなか車が進まない。直線では嘉永の番手まくりを追走した中本がゴール直前で差し切って地元で記念初制覇となるV。嘉永は中本に差されるも2着に入り、中本との熊本ワンツーが決まった。直線で懸命に迫った郡司は前の2人には届かずの3着となった。

中本匠栄選手
来年6月を目途に熊本競輪の再開が発表され久留米で行われる最後の『火の国杯争奪戦』。熊本のエース嘉永泰斗の真後ろからピンクの勝負服をまとった中本匠栄(写真)が直線で鋭く伸びて記念初制覇を達成した。
4車で結束した熊本ラインの先頭を志願した松岡辰泰は正攻法の構えから誰ひとりたりとも出させぬ構えで残り2周過ぎから誘導員を降ろして全開スパート。最終ホーム手前から車間を空けた始めた番手の嘉永泰斗にも隙はなく、最終2コーナー手前から番手発進。準決で隙郡司浩平に隙を突かれてしまった中本は最大限の注意を払って最後の直線に賭けた。
「準決もそうでしたけど、SSが相手でいつくるかわからない。付いていかないといけないし状況も確認しないといけない。ビリビリしていました。ゴール前勝負というよりも3番手を回っている以上、嘉永君が番手まくりしたからには来たのを止めようと、仕事しようと思っていた。ギリギリまでまって抜けるか抜けないかの勝負でした。(優勝は)Vを観るまでわからなかったですね」
今年1月の落車からリズムが狂い始め、一時期は111点を超えていた競走得点も大幅に落としてしまっていたが、苦しい時期を乗り越えてようやく努力が実を結んだ。
「(今年は)苦しかったですね。色々と試したことがあっていい結果に繋がらない中、そこで得たこと、今までやってきたことを今回は出せました。状態としてはやれることをやってきたけど、ベスト、絶好調ではなかったですね。連日、前と後ろのおかげでここまでこれた。追い込みに変わって、追い込みとしてステップアップしてきたわけじゃなく、点数とかで良い位置を回らせてもらっていたので。昨日、塚本(大樹)君と話したことが今後のプラスになると思う」
最終日はオープニングレースに登場した東矢昇太の勝利から始まり、11レースで勝った中川誠一郎までで地元勢はすでに5勝の活躍ぶり。決勝を前にバンクのムードは最高潮。ファンの声援を力に変えて強敵を退けた。
「連日、すごい声援がありがたくて、後押ししてくれました。久留米開催だけど、熊本からも応援してくれる人がいてありがたかったですね。今の状態で確実に決勝に乗れるかは不安でしたけど、最高の形で終われました。(20年9月にGIIを獲っているが)順番が逆になったけど、良かったです。熊本バンクの復活が決まって嬉しい。課題だらけなことに今回は気が付けたので。ひとつひとつレベルアップしてラインで決められるようにまた頑張りたい」
地元のエースとして大事な番手を任されていた嘉永泰斗は他地区に優勝を譲るわけにはいかなかった。初日特選で落車のアクシデントに見舞われてしまったが、残り3日間を気力で戦い抜いた。
「とりあえず良かったです。準決で郡司さんがあそこ(ホームで)できていたので。余裕がなかったですね。ヤバかった。(松岡が失速してきて)いったけど、ワンツーだったので。なんとか良かったです。何とか良い形で終われたので。匠栄さんが獲ってくれて良かった。自分はもう脚がいっぱいでした。最終日が一番の声援で後押しされましたね。来年の(熊本記念)一発目は獲りにいきます」
初手から九州勢を追走していた郡司浩平は反撃のチャンスを窺っていたが、仕掛けるタイミングをなかなか見つけられない。最終2センターから車を外に持ち出して強襲を狙ったがわずかに届かず3着まで。
「スタートはとりあえず出ないと立ち遅れるんで。どっちが前でもあの位置からかなって。新山君は絶対にくると思っていた。1センターで(嘉永が)行って、もう一回立て直した新山君がどこからくるのかで、あとは自分はどこでいけるかでした。ホームで詰まったときに内に行けばよかったですね。あの1車分、届かなかったですね。動けなかったけど、余裕は終始あったので。そこは収穫ですね」






ルーキーシリーズプラス

佐藤壮志選手
「(初手は)前か中団からで、後ろ以外って思っていたんですけど誰も出なかったので。誠がうまく行ってくれて。ホームで後ろを見たんですけど、誰も来ていなくて。結果的にはバックまで待っても良かったかもしれないですけど、誠が頑張ってくれたんで。待って無駄にするより、自分の行ける距離になったら行こうと思っていきました。いまできる最大限は出せたかなって思います。誠が行ってくれなかったら、このメンバーで自分で勝てる自信はなかったので。誠のおかげですね。(ファンの声援が大きかったが)めちゃくちゃ応援してもらって嬉しかったですね。決勝の先輩方にいい流れを作れればと思って走りました。デビューする前から一年以内にS級にって思っていましたけど、デビューした今もそこはブレていないですね。熊本記念に出られるように先輩たちに少しでも追いつけるように頑張っていきたいです」
半田に叩かれてしまった青木は空いた車間を詰めていきながら最終3コーナーで外を踏むも半田に張られて苦しい展開に。追走していた都築巧は最終2センターで半田を掬って直線で2着に強襲した。
「(初手から)中団中団からって考えていたんで良かったんですけど。(6番手まで下げた半田が)来ないな、来ないなって思っていたらすぐ横まできていて。強かったですね…。青木君も口が空いていてきつそうでした。青木君が(3コーナーでまくりに)行った時に(外に竹澤がいて)どうしようと思ったんですけど、前が内を空けたので行きました。1着までいきたかったんですけど、佐藤君までは遠かったので無理でしたね。でも車券に貢献することが目標だったので2着に入れて良かったです」
後方に立ち遅れてしまったホームの梶原は後方からまくり上げるも煽りを受けて外に浮く。長松空吾は最終2センターで内へ避けると直線で外を踏み込み3着でゴール。
「半田君があんなにいいスピードでカマしていくとは思っていなかった。押さえてペースで駆けると思っていたので。かなりカカっていたので梶原君も仕掛けられなかったんだと思う。前がごちゃごちゃしてて内を見る余裕はなくて、外を踏んで届けばいいなって感じでした。脚はたまっていました。番手を走ることもなかなかないので」


次回のグレードレースは、第8回施設整備等協賛競輪「小田原城下町音頭杯」GIIIが10月12日~15日の日程で、小田原競輪場に於いて開催されます。
今シリーズは寬仁親王牌の直前に行われるためトップクラスは少ないですが、主役を務めるのは地元の北井佑季です。ビッグレースでも猛威を振るっているパワーあふれる先行は破壊力抜群。ライバルの自力型を沈黙させて、地元ファンの熱い声援に応えられるでしょうか。
10月4日時点の出場予定選手データを分析した、施設整備等協賛競輪「小田原城下町音頭杯」GIIIの主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは寬仁親王牌の直前に行われるためトップクラスは少ないですが、主役を務めるのは地元の北井佑季です。ビッグレースでも猛威を振るっているパワーあふれる先行は破壊力抜群。ライバルの自力型を沈黙させて、地元ファンの熱い声援に応えられるでしょうか。
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