さぁ、始動だ! 熊本競輪場で開催されている大阪・関西万博協賛・開設74周年記念「火の国杯争奪戦(GIII)」は、10月4日に2日目が行われた。二次予選では、S級S班の脇本雄太、深谷知広、松浦悠士が1着で勝ち上がり、山口拳矢は残念ながら敗退。また、初日特選を制した郡司浩平は、連勝で人気に応えた。10月5日のシリーズ3日目には、リニューアルされた400バンクでのファイナル進出をかけて、準決で激しい戦いが展開される。
記念シリーズは開催中の毎日、先着500人に来場者プレゼント(3日目は除菌ウェットティッシュ)。コンドル出版の武田氏による全レース解説、競輪レジェンドたちによるレース展望・トークショー、キッチンカーの出店、未確定車券抽選会などが予定されています。また、10月5日のシリーズ3日目には、「伊沢有香」の歌謡ショー、パワフルパフォーマンス「にーなとダンスくらぶ」、「熊本競輪選手会」のトークショーなどもあります。熊本競輪場では、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。
<6R>

阿部拓真選手
赤板過ぎに久米康平が切って、そこを櫻井祐太郎が押さえて先行策。前受けから7番手になった嘉永泰斗は、打鐘3コーナーから早めに巻き返す。逃げる櫻井もペースアップ。最終ホームではスペースができた中団に入るかに見えた嘉永だったが、休むことなく踏み上げる。外に振った阿部拓真(写真)は嘉永を止められず、嘉永後位に切り替える。2センターで瓜生崇智をさばいた阿部が、ゴール前で抜け出した。
「(嘉永が)思った以上に早く来た。(櫻井)祐太郎もいいペースで踏んでいたけど、気づいたら横に来ていた。(嘉永が中団に)入ればいいなと思っていたけどうまかった。一番強い人が前に出ているんで、スイッチできるところでと。祐太郎が先行態勢に入ってキツかったけど、スイッチして瓜生(崇智)と決着つくまでに少しだけ余裕がありました。祐太郎がスピードをつくってくれたおかげだけど、(感触は)結構、いいですね」
さすがの仕掛けで二次予選をクリアした嘉永泰斗だが、ラインからの勝ち上がりが自分だけでは喜べない。
「(打鐘3コーナー付近の)そこが一番仕掛けるタイミングだった。そこしかないかなと。(最終)ホームのところで一瞬、(4番手に)入ろうかと思ったけど、阿部さんも出るかもっていうのがあった。それですかさず行きました。風の分、重かった。ラインで決められなかったのは、自分の力不足です」
「(嘉永が)思った以上に早く来た。(櫻井)祐太郎もいいペースで踏んでいたけど、気づいたら横に来ていた。(嘉永が中団に)入ればいいなと思っていたけどうまかった。一番強い人が前に出ているんで、スイッチできるところでと。祐太郎が先行態勢に入ってキツかったけど、スイッチして瓜生(崇智)と決着つくまでに少しだけ余裕がありました。祐太郎がスピードをつくってくれたおかげだけど、(感触は)結構、いいですね」
さすがの仕掛けで二次予選をクリアした嘉永泰斗だが、ラインからの勝ち上がりが自分だけでは喜べない。
「(打鐘3コーナー付近の)そこが一番仕掛けるタイミングだった。そこしかないかなと。(最終)ホームのところで一瞬、(4番手に)入ろうかと思ったけど、阿部さんも出るかもっていうのがあった。それですかさず行きました。風の分、重かった。ラインで決められなかったのは、自分の力不足です」
<7R>

松岡貴久選手
林慶次郎の上昇に合わせて赤板2コーナー手前から俊敏に動いた坂井洋は、九州勢3車を受けて4番手を手に入れる。林がペースを握り、6番手に谷口遼平、8番手が堀内俊介の一本棒で最終周回へ。後方から堀内がバック手前でまくる。谷口が内を進んで、ギリギリまで引きつけた坂井はようやく2センターで外に持ち出す。林の逃げを利した松岡貴久(写真)が、直線で差し脚を伸ばして坂井を退けて1着。地元記念で連勝を遂げた。
「(林)慶次郎も脚を使って出た感じだったんですけど、よく頑張ってくれました。(坂井が)仕掛けあぐねているのも見えたので、これはラッキーしたなって。(坂井に)来られたら、自分もキツかった。慶次郎がうまかったですね。仕掛けづらかったと思います。昨日(初日)の方が軽かったですけど、今日は風もあった。展開もいいですけど1、1着で勝ち上がれている。修正するところも思いついていないですし、このままいければ」
4番手確保までは良かった坂井洋だが、林の先行に翻ろうされたのか、なかなか仕掛けられない。追い込みで九州勢に迫るも2着まで。
「情けないですね。(4番手の位置を取ってから)林君も上に上がったりしていたので、しゃくられそうでしたし、休めている感覚はなかった。(最終)バックで詰まったんですけど、(カントのキツい)3コーナーが見えちゃった。気持ちが弱かったです」
「(林)慶次郎も脚を使って出た感じだったんですけど、よく頑張ってくれました。(坂井が)仕掛けあぐねているのも見えたので、これはラッキーしたなって。(坂井に)来られたら、自分もキツかった。慶次郎がうまかったですね。仕掛けづらかったと思います。昨日(初日)の方が軽かったですけど、今日は風もあった。展開もいいですけど1、1着で勝ち上がれている。修正するところも思いついていないですし、このままいければ」
4番手確保までは良かった坂井洋だが、林の先行に翻ろうされたのか、なかなか仕掛けられない。追い込みで九州勢に迫るも2着まで。
「情けないですね。(4番手の位置を取ってから)林君も上に上がったりしていたので、しゃくられそうでしたし、休めている感覚はなかった。(最終)バックで詰まったんですけど、(カントのキツい)3コーナーが見えちゃった。気持ちが弱かったです」
<8R>

郡司浩平選手
前受けの郡司浩平(写真)は、赤板過ぎに踏み込んで誘導を降ろしてから、関東勢を送り出す。その上を上田尭弥が2コーナー過ぎに出て主導権。上田も好ペースで駆けるが、6番手になった郡司が打鐘2センター過ぎに仕掛ける。別線を力の違いでねじ伏せた郡司が先頭に出て、渡部幸訓、さらに小川勇介にからまれながらも佐々木雄一まで3車で出切る。小川が4番手に切り替えるが、そこまで。ロングまくりで郡司が、後続を振り切った。
「(周回中は)前からの方が、どこか仕掛けるタイミングが早めに来るんじゃないかと。(6番手で)整って、ワンテンポ見てから仕掛けた。キレはなかったけど、直線が長い分、スピードに乗った。出切ってからは風なのか、脚なのか、重たさを感じた。リラックスして臨めているんでいいのかと。自力を出せたんで、気持ち的にも体的にもスカッとした。次につながるかなと思います」
郡司の仕掛けにわずかに車間が空いた渡部幸訓だったが、許容の範囲内で2着をキープした。
「(郡司の仕掛けに)ちょっと口が空いちゃって、そこだけですね。乗り越えたあとは、(後ろに佐々木)雄一さんがいたのもわかった。自分の感触も悪くはないけど、郡司君が強すぎた。踏み直しも強くて、あれがいっぱい、いっぱい。(バンクの特性で)蛇行するつもりがなくても蛇行している。そこを修正できれば、もっと良くなると思います」
「(周回中は)前からの方が、どこか仕掛けるタイミングが早めに来るんじゃないかと。(6番手で)整って、ワンテンポ見てから仕掛けた。キレはなかったけど、直線が長い分、スピードに乗った。出切ってからは風なのか、脚なのか、重たさを感じた。リラックスして臨めているんでいいのかと。自力を出せたんで、気持ち的にも体的にもスカッとした。次につながるかなと思います」
郡司の仕掛けにわずかに車間が空いた渡部幸訓だったが、許容の範囲内で2着をキープした。
「(郡司の仕掛けに)ちょっと口が空いちゃって、そこだけですね。乗り越えたあとは、(後ろに佐々木)雄一さんがいたのもわかった。自分の感触も悪くはないけど、郡司君が強すぎた。踏み直しも強くて、あれがいっぱい、いっぱい。(バンクの特性で)蛇行するつもりがなくても蛇行している。そこを修正できれば、もっと良くなると思います」
<9R>

和田圭選手
赤板2コーナー過ぎに松本秀之介が押さえて出る。2車の野口裕史が打鐘3コーナー過ぎに飛び出して、松本は3番手に入る。スムーズに主導権を握った野口が加速して、3番手以下を離して最終ホームを通過する。6番手に篠田幸希、山口拳矢は一本棒の8番手。バック手前でまくった篠田は不発。3コーナーで詰まった松本を和田圭(写真)が軽く外に振る。逃げる野口が直線でも踏ん張って、和田が番手から差し切った。
「野口さんが強いですね。たぶん連係は2回目なんですけど。前に函館で番手に付いたときも苦しい感じだった。先行態勢に入ったら、なにかしないとなって思ってはいました。松本君も山口君も強いので。篠田君はなにをするかわからなかったですけど。でも、想像以上に野口さんが強かった。なにもせず抜いただけですけど、ワンツーが決まって良かった」
いつものスタイルを貫いた野口裕史が、別線を完封して2着に逃げ粘った。
「(仕掛けるタイミングとしては)とりあえずジャンを目がけてって感じでした。(風の感じとしてはバックで)1回しか向かい風を受けない。(最終)2センターまで我慢して、(ホームの)追い風で伸びてくれることを信じる感じでした。今日(2日目)はバンクの特性というよりも、風の感じで踏む場所、前に出切る場所を考えていった感じです。久しぶりにいい感じですね」
「野口さんが強いですね。たぶん連係は2回目なんですけど。前に函館で番手に付いたときも苦しい感じだった。先行態勢に入ったら、なにかしないとなって思ってはいました。松本君も山口君も強いので。篠田君はなにをするかわからなかったですけど。でも、想像以上に野口さんが強かった。なにもせず抜いただけですけど、ワンツーが決まって良かった」
いつものスタイルを貫いた野口裕史が、別線を完封して2着に逃げ粘った。
「(仕掛けるタイミングとしては)とりあえずジャンを目がけてって感じでした。(風の感じとしてはバックで)1回しか向かい風を受けない。(最終)2センターまで我慢して、(ホームの)追い風で伸びてくれることを信じる感じでした。今日(2日目)はバンクの特性というよりも、風の感じで踏む場所、前に出切る場所を考えていった感じです。久しぶりにいい感じですね」
<10R>

松浦悠士選手
周回中は8番手になった小松崎大地が上昇するが、赤板過ぎに町田太我が突っ張る。位置が取れなかった小松崎は下げて、4番手は矢野昌彦が確保。町田は落ち着いてペースをつくり、打鐘3コーナーから徐々に踏み上げて風を切る。一本棒のまま、矢野マークの高橋広大は車間が空いて、最終ホームを通過する。6番手の東矢圭吾も動けず、8番手の小松崎は万事休す。3コーナー過ぎに東矢が踏み出すも、町田の掛かりはいい。番手の松浦悠士(写真)が、きっちりと町田を交わしたところがゴール。前回の岐阜記念の二次予選でもワンツーを果たした町田をたたえる。
「僕はなにもしてない。唯一、スタートがあの並びが理想かと、そこだけでした。あとは隅田(洋介)さんもやってくれたけど、(町田)太我が強かった。(連係した前回の)岐阜と比べると(町田は最終)ホームで立ち上げていったんで、その分タレた。でも、ホームからバックの感じだと、もう誰も来られないかなと。自分も余裕がなかった。自分は岐阜よりいいですね。乗り方とか体の感じは、岐阜よりも動いている。だいぶいい感じでつかめている」
全幅の信頼を寄せる松浦との上位独占に、町田太我が笑みを浮かべて汗をぬぐう。
「昨日(初日)と同じような展開だったので、顔を上げて走ったらそっちの方が良かった。自転車を傾ける感覚が昨日よりマシですね。前半は掛かっていたと思うけど、後半はもう我慢、我慢でした。でも、昨日よりいい感じですし、自転車(のセッティング)もこのままでいいと思います」
「僕はなにもしてない。唯一、スタートがあの並びが理想かと、そこだけでした。あとは隅田(洋介)さんもやってくれたけど、(町田)太我が強かった。(連係した前回の)岐阜と比べると(町田は最終)ホームで立ち上げていったんで、その分タレた。でも、ホームからバックの感じだと、もう誰も来られないかなと。自分も余裕がなかった。自分は岐阜よりいいですね。乗り方とか体の感じは、岐阜よりも動いている。だいぶいい感じでつかめている」
全幅の信頼を寄せる松浦との上位独占に、町田太我が笑みを浮かべて汗をぬぐう。
「昨日(初日)と同じような展開だったので、顔を上げて走ったらそっちの方が良かった。自転車を傾ける感覚が昨日よりマシですね。前半は掛かっていたと思うけど、後半はもう我慢、我慢でした。でも、昨日よりいい感じですし、自転車(のセッティング)もこのままでいいと思います」
<11R>

深谷知広選手
鈴木玄人、藤井栄二の順番で切って出て、深谷知広(写真)も反応良く中近勢を追いかける。深谷はちゅうちょすることなく、打鐘過ぎに先頭に立つ。深谷、内藤秀久で出切り、3番手に藤井が飛び付いて、その後ろの鈴木は追い上げた米嶋恵介ともつれる。深谷のペースで最終周回。4番手を鈴木が取り切るも、深谷は2コーナーから再加速して別線には厳しい流れ。番手の内藤秀久は半車身しか詰まらずに、深谷が危なげなく押し切った。
「細切れ戦だったので、(仕掛けるタイミングとしては)順番が来ればっていう感じでした。いいタイミングで行けたと思います。派手な風ではないんですけど、しっかり脚が削られるような嫌な風でした。昨日(初日)の方が脚は軽くて回せる感じだったんですけど、バックの風でかなり消耗して最後は止まっていました。踏み直しはできなかったですね」
2車ラインだけに、真後ろの藤井を警戒しながらの立ち回りだった内藤秀久が2着。
「4分戦だったので、スタートはどうあれ順番がくればっていう感じで(深谷に)任せていました。深谷君が一番強いので、展開も向きますよね。誰かがつぶしにこなければ、必然的に勝ったんじゃないですかね。自分は藤井君が後ろにいたので、抜かれないように自分の間合いで動いたんですけど。付いていけたので、自信になります」
「細切れ戦だったので、(仕掛けるタイミングとしては)順番が来ればっていう感じでした。いいタイミングで行けたと思います。派手な風ではないんですけど、しっかり脚が削られるような嫌な風でした。昨日(初日)の方が脚は軽くて回せる感じだったんですけど、バックの風でかなり消耗して最後は止まっていました。踏み直しはできなかったですね」
2車ラインだけに、真後ろの藤井を警戒しながらの立ち回りだった内藤秀久が2着。
「4分戦だったので、スタートはどうあれ順番がくればっていう感じで(深谷に)任せていました。深谷君が一番強いので、展開も向きますよね。誰かがつぶしにこなければ、必然的に勝ったんじゃないですかね。自分は藤井君が後ろにいたので、抜かれないように自分の間合いで動いたんですけど。付いていけたので、自信になります」
<12R>

脇本雄太選手
周回中は7番手でレースを進めた脇本雄太(写真)に動く気配はなく、赤板手前で5番手から中嶋宣成が上昇する。中嶋が押さえて先頭に出る。佐々木豪は3番手に収まり、鈴木陸来が5番手。脇本は前との車間を空けて、タイミングをうかがい打鐘を迎える。中嶋が最終ホームを目がけてフルアクセルだが、脇本も仕掛ける。脇本が迫る前に、3番手の佐々木がまくりを打つ。佐々木が前団をとらえる勢いだが、その上を行く脇本のスピードが断然。3コーナー過ぎに脇本がのみ込んで、中川誠一郎が続く。直線に入っても中川は付きっ切りで、脇本の完勝。
「中嶋君か、(鈴木)陸来君が先行態勢に入るだろうから、後ろでも焦らずにと思っていました。どっちかが仕掛けるだろうし、それでも行かないならジャンで自分で行こうと。(感触としては)良くも悪くもない。(バンクの)特徴をつかめたけど、対応できるまでに時間が掛るかなと。とりあえず最低限のことはできた。(3日目も)しっかりと自分の持ち味を出せるように」
1車身半差の2着に中川誠一郎は、いつものように静かに口を開く。
「(脇本は)すごかった。やっぱりワッキー(脇本)とは(連係が)何年振りかってなってたんで、自分がそんだけ上で走ってなかったんだろうなって。ブランクがありましたけど、久々にこうトップ(のスピード)を感じるといいですね。(脇本の踏み出しに付いていって)なんとか耐えた。前はこれを抜いていたのかと思うと…。ちょっと(最後は外に)外そうかと思ったけど、心が折れました」
「中嶋君か、(鈴木)陸来君が先行態勢に入るだろうから、後ろでも焦らずにと思っていました。どっちかが仕掛けるだろうし、それでも行かないならジャンで自分で行こうと。(感触としては)良くも悪くもない。(バンクの)特徴をつかめたけど、対応できるまでに時間が掛るかなと。とりあえず最低限のことはできた。(3日目も)しっかりと自分の持ち味を出せるように」
1車身半差の2着に中川誠一郎は、いつものように静かに口を開く。
「(脇本は)すごかった。やっぱりワッキー(脇本)とは(連係が)何年振りかってなってたんで、自分がそんだけ上で走ってなかったんだろうなって。ブランクがありましたけど、久々にこうトップ(のスピード)を感じるといいですね。(脇本の踏み出しに付いていって)なんとか耐えた。前はこれを抜いていたのかと思うと…。ちょっと(最後は外に)外そうかと思ったけど、心が折れました」