『熊本競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:3月3日



 いよいよ今日から熊本競輪場開設56周年記念「火の国杯争奪戦」が開幕した。1レースから滑走路を舞台にスリリングなレースを展開。メーンの特選では武田豊樹、志村太賀、新田康仁の自力型がそれぞれ勝利し、明日の「火の鳥賞」に駒を進めた。
 

<1R>
山崎俊光選手
山崎俊光選手
   オープニングの1レースは1センターからカマした池田周平の番手にはまった梅沢謙芝後位から山崎俊光(写真)が鋭く抜け出し久々の勝ち星を挙げる。
  「梅ちゃんも後ろに置かれるより前々にいたほうがと思ったんじゃないかな。結果、ワンツーだし良かったです。調子は良いと思うんだけど、最近は良い位置を回ったことがなかったから。1着は去年の5月以来、ホッとしてます」


<2R>
渓飛雄馬選手
渓飛雄馬選手
   2レースは林栄司のまくりに乗った渓飛雄馬(写真)が昇級後初勝利を飾る。
  「熊本は相性が良いんです。初日はほとんど1着になってると思います。今日は中団が取れたのが大きかったし、林さんが強かった」


<5R>
 5レースは勝負どころで中団をキープした松本大地が地元勢では唯一の白星スタート。
  「2コーナーでも行けたけど、なるべく後ろの動きに合わせて行こうと思ってました。今回参加している選手の中でも僕が一番バンクに入ってる回数が多いはず。勝ち上がれて、結果が出せて安心しました」


<6R>
鳥生知八選手
鳥生知八選手
   6レースからは選抜戦。最終ホームから松山桂輔が先行すると、三番手の鳥生知八(写真)は岡田征陽にからまれ2コーナーから後退する。絶体絶命かと思われたが、直線に入ると空いたコースを突いて前団をゴボウ抜き。
  「7、8、9着になるパターンでしたね。前回(四日市記念)の落車で不安もあったし、コメントも迷ったけど、直線では山おろしをかけた感じで伸びましたね」
  2着にも同じく後方から伸びた土屋裕二が入線。
  「位置取りはミスったけど、脚を使ってなかったから溜めてどこから踏もうかという感じでした。前回失格したりとか流れが悪いけど、調子は決勝に乗った広島記念の頃と変わらないですよ」


<7R>
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
   7レースはすんなり中団を取った川崎健次のまくりに続いた内藤宣彦(写真)が快勝。
  「すんなり中団を取れたことに尽きますね。川崎君の踏み出しが良かったのでビックリしましたよ。最近は(佐藤)友和と一緒に練習してるし、調子も良い。今日も軽かったです」
  逃げる吉本卓仁ラインの三番手からベテラン・佐々木昭彦が3着に食い込み、「吉本のおかげ。でも阪本(正和)を抜いてるとは思わなかった」とニッコリ。


<8R>
飯田辰哉選手
飯田辰哉選手

   8レースは後ろがモツれたこともあったが、金子貴志が後続を離しての逃げ切り勝ちを収める。
  「(勝ち星は)4カ月ぶりですか? 長かった…。異常に長い4カ月でした。競りになったけど、宮越(孝治)が頑張ってくれました。思ったより踏めてたし、感じも悪くないです」
  外を強襲した飯田辰哉(写真)が2着に。
  「僕は脚を使ってなかったからね。熊本はバンク(の幅)が広いので、コースが空くまで我慢しました。早く踏んでも出ないことが多いからね。アップしてる時はだるかったけど、レースでの感じは悪くなかったです」
  3着には高田誠と同着で柳谷崇が。
  「桜井(健)さんがまくってるし、外を行こうと思ったら内が空いたから。脚を使ってないんだから、2着までは行きたかったね」


<9R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手

   9レース特選は、武田豊樹(写真)が4コーナーで空いた内を突いて先行。そのまま後続を振り切る力強い走りを見せた。
  「一度、信頼関係を作ってる村本(大輔)君が後ろだし、今日は思い切って逃げられた。あまり調子は良くない中でも、感触は良かったのできっかけになるかな。でも明日は明日ですから。まだまだだけど、宮杯くらいには山崎(芳仁)や(佐藤)友和と力勝負ができればと思ってます」
  2着の村本大輔はあらためて武田の強さを実感した様子。
  「僕の体調は問題ないけど、武田さんは駆け方も上手かったし、直線での踏み直しもすごかった」
  突き抜けるかと思わせるスピードで3着迫った市田佳寿浩だが、「仕掛けた時は届くかなと思ったけど。3着を取ろうと思って走ってるんじゃないから、結果や内容には満足してない」と浮かない表情。


<10R>
志村太賀選手
志村太賀選手

   10レースは志村太賀(写真)の番手で手島慶介と加藤慎平が競り。逃げる志村は競り勝った加藤、立て直して迫る手島らを寄せ付けず豪快に押し切った。
  「手島さんが内だったし、一回押さえたほうがとか考えて、もう必死でした。後ろが競ったりするより何も考えずに先行するほうが僕には合ってるんですけどね。今日は重かったけど、明日も先行で頑張ります」
  これぞトップレーサーという走りを見せたのはアウトから手島に競り勝った加藤慎平だ。
  「お客さんも盛り上がってくれたので良かった。外で競り勝ってこそ本物と思ってたけど、キツかったですね。それに志村も強かった。今日は(番手に)行くのに気合が入ったし、また明日から頑張ります」
  2着には中を割った阿部康雄が食い込む。
  「(前の競りを目で追ってたら)顔が左右に2往復くらいしましたよ(笑)。待って待って内に行ったけど、狭かったので目をつぶって突っ込みました」
  競り負けながらも直線でもう一度迫った手島慶介は4着。「踏み遅れたのがね…。情けないです」と唇をかむ。


<11R>
新田康仁選手
新田康仁選手

   11レースは新田康仁(写真)がトリッキーな走りで東西王座戦のうっ憤を晴らす。中村一将のカマシに中団まで追い上げると、そこから内へ切れ込み中村の番手を奪取。そのまま直線で抜け出した。
  「前回が消極的だったしね。踏み上げたらコースも空いたし、勢いもあったので内から。もう無我夢中でしたよ。疲れはないし、軽くて良い感じ。残り3日間も頑張ります」
  「アレッと思って、ビックリした」と新田の動きに一度は連結が外れた佐藤慎太郎だが、直線で外を踏み何とか新田とのワンツーを成立させた。
  「付いて行けば失格ギリギリだと思ったし、長い直線でもう一回勝負だと思ってました。もう少し伸びる感じだったんだけどなあ」
  3着の結果にも「一将に悪いことをした」と中沢央治はまず反省の弁を口にする。
  「久々の記念でFIとの違いを体で感じながら走ってます。4コーナーから(ゴールまで)が、あまりの遠さで5、6、7着まで落ちると思ったけど、3着に残れたし悪くはないと思います」
  注目の合志正臣は、「しょうがないと言えば、しょうがないけど…。また頑張ります」と言葉少なに、明日へと気持ちを切り替える。


   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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