『熊本競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:10月12日
 熊本競輪開設63周年記念「火の国杯争奪戦」がいよいよ始まった。メーンの特選は成田和也、長塚智広に深谷知広が快勝。中でも滑走路と呼ばれる熊本バンクを1周逃げ切った深谷は圧巻だった。2日目は優秀の「火の鳥賞」をメーンに2次予選6個レースで準決勝進出が争われる。 明日は矢村正&清原健一おもしろ予想会(3R、7R終了後)や人気のゲーム機が当たるキッズ抽選会、グルメキッチンカーコーナーなどのイベントが予定されています。明日もぜひ迫力あるレースを熊本競輪場でお楽しみください。
<1R>
中村雅仁選手
中村雅仁選手
 最終ホームから中村雅仁がカマすと、小岩大介と2車で後続を千切る。ゴール前は石橋慎太郎や鈴木伸之に激しく詰め寄られたが、結果は九州ワンツー。小岩は久々の1着をゲットした。
 「勝率ゼロだったし、いつ以来の1着か分からんです。出切ったときに2人だし、後ろはけっこう空いてたので楽勝かなと思ったけど、ゴール前はヤバかったですね。今日は中村さんが強かった」
 中村雅仁(写真)は直前の不安を一掃するような力強い走りを見せた。
 「前がすごい流してたから行けたけど、バック向かい風でキツかった。楽に駆けさせてもらったのに、最後はすげえタレましたね」
 3・92にギアを上げてレースに臨んだ石橋慎太郎だが「重くて全然反応しなかった。後ろに申し訳なかった」と3着に入るのが精一杯だった。

<2R>
 逃げる泉利和を、中団確保の河端朋之がひとまくり。後ろの大前寛則が落車したのは残念だったが、後続を千切って快勝した。
 「ホームで突っ張るか迷ったけど、大前さんが中団を取ってくれたので。タイ帰りだけど、感じとしては普通。悪い感じはしないですね」
 2着には逃げた泉利和が粘った。
 「ホームでビジョンを見ながら来たら合わせようと思ってたけど、踏み上がらなかった。難しいですね。重かったし、河端さんが1車で(まくって来て)助かりました」
 落車のあおりで不発に終わった坂木田雄介後位から海野敦男が3着に突っ込んだ。
 「坂木田君は落車のあおりで上に膨らんだけど僕はバックを踏まずに内に入れた。あれが大きかったね」

<3R>
 角令央奈の先行をホームから一気に守澤太志がまくり上げる。バックで前団を飲み込むと、最後は荒澤貴史が抜け出した。
 「まさかホームで行くとは思わなくて口が空いてしまった。付け直してからは余裕があったし、3番手にいた9番(武田憲祐)のタイミングをずらす動きもできた。ワンツーでよかったです」
 守澤太志も近況の成績を物語る走りを見せた。
 「ホームで詰まったので行きました。調子も流れもいいですね。出切ってからは余裕があったけど、直線が長かった」
 北ラインにスイッチした武田憲祐が3着に流れ込んだ。
 「出させてゆるんだところを行こうと思ったら先に守澤君が来た。うまく3番手に付いていけたし、頭と体の反応は悪くない。明日はもっと相手が強くなるので、思い切ったことをしないと勝ち上がれませんね」

<4R>
 利根正明を出させて中団を確保した山形一気がバックまくり。続いた青井賢治がゴール寸前で逆転した。
 「山形はサッと車が出たし、バックからいいスピードだった。差すには差せるけど、前回のほうが体が楽ですね。疲れがあるのか重いです」
 まくった山形一気は2着に。
 「打鐘過ぎに接触したときは車体故障したかと思いました。先行を考えてたけど、冷静に走れましたね。でも最後は青井さんにぶっすり行かれた。青井さんは調整してきてるなあ」

<5R>
 1次予選で一番の激戦区だったこのレースを制したのは、最終ホームから先行した上野真吾。「松岡(篤哉)さんと踏み合う覚悟で仕掛けたけど、すんなり駆けさせてくれたので」とマイペースに持ち込み、堂々と押し切った。「先行で勝ち上がれたのは大きい。2日目以降に生きてくるはず」。
 上野マークの武井大介が何とか2着に食い下がった。
 「上野君の掛かりがよくないように感じたので、車間を空けようとしたら、一気に踏まれた(苦笑)。騙されましたね」
 中団を確保した松岡篤哉だが、南関ラインを捕える事はできず4着で入線。
 「バックを踏みながら中団を取ったのでキツかった。それよりも、自分が先行しなきゃいけない展開で、中団まで車を下げてしまったことが問題。しっかり修正したい」

<6R>
天田裕輝選手
天田裕輝選手
 天田裕輝(写真)はスタート直後にクリップバンドが外れるアクシデント。再発走になったが、7番手からまくり追い込みできっちり人気に応えた。
 「前を見ちゃっての1着。展開が向いただけですね。もう少し早く行ければよかったけど、脚自体は悪くない。今回変えたフレームも流れる感じはありました」
 先まくりを打った大瀬戸潤一郎は惜しくも2着に。
 「天田君が引かなければ外併走からキメてやろうと思ってたけど、すんなり引いてくれたんで。後ろを見てたけど、突っかかったので距離は長いけど行こうと思った。天田君は強いですね。かかってたと思うけど、その上を行かれてしまった」

<7R>
松川高大選手
松川高大選手
 中団の小堺浩二が遅れ始め、大きく離れた7番手に置かれた松川高大(写真)だったが、最後は異次元のスピードで直線を駆け抜けた。
 「(小堺が)離れてるのか車間を空けてるのか分からなかった。脚はいいけど、気持ちが弱かったですね。お客さんはホームで行って欲しかっただろうし、そこは大事にいきすぎた。明日は修正したい」
 松本大地は何とか4着で2次予選進出を決めた。
 「前のレースで天田が勝つから、松川が真似しちゃう。上野のレースをしてくれればいいのにね。まあ2次予選にいけたんで、とりあえずよかったです」

<8R>
大畑裕貴選手
大畑裕貴選手
 内田英介のブロックもあったが、人気の稲毛健太の巻き返しは不発。逃げた大畑裕貴(写真)がそのまま押し切った。
 「今日は先輩もついてくれてるんで、最後まで踏み切れればと思ってた。とりあえず稲毛君相手に先行できたんで。内田さんが持っていったのが見えたし、ここでもう1回頑張ればと思って踏んだ。500バンクは走り慣れてるし、今日もうまいこと走れました」
 内田のけん制で空いた内を突いた廣川泰昭が2着に食い込んだ。
 「初手で中団が取れなかったけど、大畑君が押さえに行ってくれたんで。今回飛んだらA級も見えてたのでよかった。流れが向いてくれました」
 稲毛健太は何とか3着に踏み止まった。
 「一発目(のブロック)が入りましたね。あれで踏んでたら自分もコケてました。3コーナーから伸びたんで悪くないと思う。今回はセッティングとシューズを換えてみたけど、押さえて駆けるほうが面白いかも」

<9R>
成田和也選手
成田和也選手
 前受けの渡邉一成が中村一将の上昇封じて突っ張り先行。田中晴基の巻き返しも合わせ切ると、最後は番手の成田和也(写真)が抜け出した。
 「一成が強いっすね。誰も来なかったし、2着に残ってるし。とりあえずワンツーが決まってよかった。(2車で)後ろがどうなるかと思ったけど、一成は強かったなあ」
 2着でも渡邉一成の強さは際立っていた。
 「(突っ張りは)僕もビックリしました。どうしようかな?って。でも1回突っ張っとけば誰かがビュンと来てくれると思った。8番(田中)が来たけど、引きつけとけば貴久の邪魔になると思ったし、落ち着いて走れましたね。バックで流して、そこから死に物狂いで踏んだけど、ゴール前は目がチカチカしました(苦笑)」
 3着には松岡貴久が入線したが、田中晴基を落車させたことで失格に。3着には坂本亮馬が繰り上がった。
 「貴久は外に行くと思ったら内に行ったので厳しかった。優秀には乗れたけど、素直には喜べないですね。昨日は疲れがあったけど、2日目、3日目にピークが来るようにやってきたし、明日はもっとよくなると思う」

<10R>
長塚智広選手
長塚智広選手
 早坂秀悟の先行を最終ホーム手前から脇本雄太が巻き返す。ライン3車で出切ったが、このライン4番手にスイッチした長塚智広(写真)が直線外を突き抜けた。
 「みんな脚を使って、僕だけサラ脚だったので。とにかく藤田君とワンツーが決まってよかった」
 離れながらも長塚を追った藤田竜矢が2着に。
 「脚に余裕はあったし、状態はいい。付いて行けなかったのは長塚さんが強いだけです」
 脇本の仕掛けに乗った合志正臣は3着で優秀行きを決めた。
 「ワッキーはよく行ってくれた。今日は彼の頑張りに尽きますね。あの展開ではアタマは厳しかったな。長塚が絶対来るのは分かってたけど、まくり追い込みでは…。とりあえず3着に入ったんで明日が楽になるでしょう」

<11R>
芦澤大輔手
芦澤大輔選手
 前受けから下げた深谷知広は最終ホームから早めの仕掛けに出る。バックからは北野武史や山田裕仁らの口が空いていくほどの強烈なかかりで、力強く押し切った。
 「熊本の500で1周逃げて残ってる。悪くないですね。調子も多少いいと思う。しっかり仕掛けるところで仕掛けられてるし、これから競輪祭に向けて上げていきたいので。優秀もとりあえずいつもどおりで。力を出し切って頑張ります」
 中団に入った矢野昌彦の後ろから芦澤大輔(写真)が2着に伸びた。
 「矢野君が上手く中団で立て直してくれたおかげ。2着は展開。回ってる場所がよかったけど、状態もいいですね。深谷君も調子がよさそうですね。明日、明後日以降を考えて、優秀は関東の前で責任を持って走りたい」
 深谷のかかりに離れ気味になった北野武史だったが、何とか3着で優秀行きを決めた。
 「この展開なら差すか?と思ったけどね。自分の力を過信してました。(離れたのは)深谷が規格外なんでしょうがない。自分の調子は悪くないと思うけどね。あいつの後ろだと調子悪く感じますよ」
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