『第1回オールガールズクラシック(GI)レポート』 前検日編

配信日:10月2日

 ガールズケイリンの歴史に新たな1ページを刻むのは。「第1回オールガールズクラシック(GI)」が、松戸競輪場を舞台に10月2日から始まる。今年新設されたガールズケイリンGIの第2弾は、オールガールズによる3日間のナイター開催。6月のパールカップを制して初代GIクイーンに輝いた児玉碧衣、先のアジア大会でケイリン、スプリント種目の2冠に輝いた佐藤水菜など、トップ選手たちによるスピードバトルは初日から見逃せない。10月1日の前検日は、オールガールズクラシックに参加する42人と前半のシリーズを盛り上げる42人の計84人が松戸に集結した。
 シリーズ開催中の毎日、「もも肉フェス」、鈴木誠さん、坂本勉さんによるレース予想会、佐々木元、荘司ゆうによるBMXショーなどが予定されています。また、10月2日の初日にはアニソンシンガーの亜咲花のライブステージ、ほいけんたのものまねライブ、サンリオキャラクターショーなども行われます。松戸競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

初日のティアラカップに出場する7選手
初日のティアラカップに出場する7選手
オールガールズクラシックの42人がバンクに集結
オールガールズクラシックの42人がバンクに集結

<7R>

中野咲選手
中野咲選手
 8月の静岡、玉野を連続V。その後は久留米、宇都宮を続けて準Vと近況は安定した戦績を残している那須萌美が、初日の予選は1番車の好枠を得た。
 「(前回の)宇都宮は500バンクを走る機会があんまりないので、組み立てが難しかった。(決勝は)小林(莉子)選手よりも前にいたかったんですけど…。でも、最低限のことはできたかなと。33バンクは経験が少ない。苦手意識を取り除くために、鹿児島の33バンクに入ってやってきました。感覚は良かったし、ここ最近にないくらいタイムが出たので(調子は)いいと思います」
 5場所前の岸和田での優勝から、近況は優勝が遠ざかっている中野咲(写真)だが、前回の青森では予選を連勝。動き自体は悪くなさそうだ。
 「(前回は)思ってたレースではなかった。最終日(決勝)も出し切れずに終わったのはもったいなかった。前を見すぎてしまうクセがあるので、そこは反省点ですね。練習は結構、できたし、あとはそれをレースで出すだけだと思います。修正点はたくさんあるけど、練習ではそこを意識してやっている」

<8R>

吉岡詩織選手
吉岡詩織選手
 前回の高松を211着。決勝はまくり合戦で久米詩を退けた吉岡詩織(写真)は展開を強調するも、スピードは上々だった。
 「(前回の3日間は)動けているんでいいと思います。(決勝は)半分以上、展開の結果だと思う。(近況の好成績は)とくに変わったことはしていないので、なんでかなっていうのはあります。展開が思うようにはなっています。(GIだけど)いつも通り頑張っていけたらと思います」
 荒牧聖未は、8月の武雄を皮切りに4場所連続の完全V。12連勝中と勢いもあるが、舞い上がることはない。冷静にこう口を開く。
 「(前回は)しっかりと踏めてました。集中してレースができていた。自分の力が出せるところを見極めて、出し切れるようにしています。(近況は)いい練習ができているので、それが成果として出ている。バンクと街道ですごくいい練習ができている。体調もいいですね」

<9R>

吉川美穂選手
吉川美穂選手
 吉川美穂(写真)は、直近の5場所で4度の優勝とV量産。前回の豊橋の完全Vで今年10回目の優勝を遂げて充実ぶりは目覚ましいが、気持ちを緩めることなく高みを見据える。
 「3場所連続で優勝はしているけど、組み立てとかうまくいかないこともある。成績はいいけど、まだまだ改善点があります。レースが詰まっている方が、私的には調子は良くなる。豊橋が終わってから新人訓練で同期と練習して、そのあとに和歌山に帰ってからも練習ができた。3週間空くこともなかったので不安要素もあるけど、練習がしっかりできたんで自信をもっていきたい」
 6月のGI、パールカップの決勝で落車に見舞われた小林莉子は、その怪我からも徐々に立ち直り、前回の宇都宮では完全Vで好感触を得ているようだ。
 「(前回は)徐々に良くなっているというか、久々に手応えを感じたっていうのはありますね。(宇都宮の前の)直前の練習の感覚でいい時に戻っているのがあった。(そのあとは中5日で)ちょっとバタバタしたけど、特別なことはしないで普段通りです。(パールカップでは落車で)お客さんに迷惑を掛けたしリベンジしたいです」

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太田りゆ選手
太田りゆ選手
 中国でのアジア大会ではスプリント種目で銅メダルを獲得した太田りゆ(写真)は、直前の9月30日に帰国。ハードスケジュールだけに不安もあるようだ。
 「(アジア大会から)昨日の夜8時ごろに羽田に帰国した。(スプリント種目で)アジアチャンピオンになっているので、メダルの色は残念に思われるかもしれない。ただ、世界選手権のあとでオフをいただいたりして、調整があんまりないなかでタイムも悪くなかった。1日8本やるハードななかで勝ちにこだわっていけたのは、今後につながるかなと。(状態は)正直、結構疲れがあるし、脚の痛みがまだある。けど、お客さんの前で恥ない走りをできるようにしたい」
 石井寛子は、前回の玉野が313着。決勝では素早い反応が裏目に出たようで、自己ジャッジも微妙でこう口を開く。
 「(前回は)なかなか勝てない開催でした。勝手に体が動いている。調子がいいかと思いきや優勝はできなかった。ちょっと(調子が)わからないですね。あんまりヨシっていう開催ではなかった。(そのあとは)競輪場の練習に入れたが、いつも通りです」

<11R>

佐藤水菜選手
佐藤水菜選手
 佐藤水菜(写真)は、中国のアジア大会でケイリン、スプリントの2種目で金メダルを獲得。地元、中国選手の成長を感じながらも、しっかりと結果を残した。
 「今回のアジア大会は世界選手権のあとに2週間オフがあって、その後の3週間、準備期間で強度を高めて体をつくり直した。ケイリンで逃げ切れたことは自信になりました。自分のレベルよりも中国の5、6選手が力をつけている。勝てたことはいいけど、(中国勢と)力の差が近いと感じてきた。自分も力をつけないといけない。体の状態は良くはないけど、来たからにはしっかりとやらないといけない。しっかりと気持ちをつくっていきます」
 前回の静岡を136着。最終ホームからスパートした決勝は、真後ろから尾方真生にまくられて6着に沈んだ太田瑛美。しかしながら、着順以上に内容の濃い走りだった。
 「(前回の決勝は)結構いい感じでまくりにいけた。けど、展開的に一番強い尾方さんが後ろにいたんで、そこはまだまだ勉強しないといけないですね。(仕掛けられたのは)いいと思う。順調に右肩上がりに来られているし、良くなっているので、このままの調子で頑張りたい」

<12R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 6月のパールカップでは3連勝の完全VでGI初代クイーンに輝いた児玉碧衣(写真)は、8月のドリームでも一発勝負を制した。が、前回の地元、久留米は211着。状態は一息だったようだ。
 「(前回は)ちょっと腰を痛めてしまっていた。それで思うような練習ができずに、全体的に脚力が落ちたなっていう開催だった。そのあとに腰の違和感もちょっとあったんで、静岡を欠場した。ただ、いまは腰はもう全然問題なく、練習もちゃんとやってきてタイムも戻ってきたんで大丈夫だと思います。久留米を見たらわかると思うんですけど、脚力が圧倒的にかなり落ちてる。戻すっていうところを結構、頑張ってきました。前回よりかは全然、いいと思います。パールカップを獲ったけど満足はしてないんで、ここも獲って帰りたい」
 ビッグレース制覇を目標に掲げる坂口楓華は、飽くなきチャレンジでタイトル獲りを目論む。
 「(前回の玉野の決勝は)いろいろ考えた結果、タイトル獲るんだって思って、何回もそれを心に決めてあのレースになりました。やっぱり正直なところ一番ピークだったのが岸和田(パールカップ)だったので、そこに比べればちょっと落ちてはいる。でも、自分の状態とあとは気持ちが上を向いてる。(パールカップは)やっぱり選手生活してきたなかで一番走れてるなっていう自信があった。自分のメンタル面でもすごく自信があって、勝てるっていう気持ちで戦っていた。だけど、残念な結果になってしまって、そこで1回モチベーションが下がってしまった。立て直すのに大変だったんですけど、あと数回チャンスがあるので、タイトルは獲れるまで頑張ろうと思います」
 柳原真緒は、前回の向日町を114着。優勝にこそ結びついていない近況だが、状態的には上昇カーブを描いているようだ。
 「(前回の決勝は)判断ミスもありましたけど、バンクが重かったなかで行った下条(未悠)さんが強かったですね。思ったより下条さんが掛かっていたので、自分も伸び切れなかった。練習の感じも向日町まではそんなに良くなかった。けど、ここに向けて感じは良くできたかなと思います。(ここまで)ひたすらバンクに入って、バイク誘導とかしていただいてですかね。(初日は)自力自在でコメントを出しましたけど、行けるところでしっかり行かないとなっていう気持ちはあります」