『第3回オールガールズクラシック(GI)レポート』 前検日編

配信日:4月25日

 今年最初のガールズGI「第3回オールガールズクラシック」が岐阜競輪場にて4月25日からナイター開催で実施される。初日は、準決フリーパスとなる特選レースの「ティアラカップ」と予選5個レースで勝ち上がりを競う。昨年大会は参加が叶わなかったパリ五輪組や124期勢も加わってより戦いは熾烈さを増そう。前検日に24日には、トップ42名に、併行して実施される3トーナメント(FII)出場選手も含めて総勢84名のガールズ選手が集結。検車場は華やかな空気に包まれた。
 GIシリーズは開催中の毎日、正門・南門にて地元企業の「ハルヤ」とコラボした、オリジナルパッケージのスナック菓子「カニチップ」を先着1000名様にプレゼント。ケータリングカーによる「FOODフェスティバル」、競輪選手会岐阜支部ブースとステージイベント、ガールズケイリンOG選手トークショー&予想会が予定されています。さらに25日には亜咲花ライブショーも実施予定です。岐阜競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

ティアラカップ出場7選手集合
ティアラカップ出場7選手集合

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小林優香選手
小林優香選手
 小林優香(写真)は、今年も持ち前のスピードを武器に1着を量産している。前々回の3月武雄FIIでは、太田りゆを相手に先まくりで優勝。底力と実績は、GIでもトップクラスだ。
 「優勝はできているけど、物足りなさは感じています。頼んでいるフレームが届かなくて、それが届けばもうちょっと面白いとは思うんですけど。(前々回の)武雄は、(太田)りゆさんとお互いのことをよく知っているし、長所も短所も分かっているから、やりやすかったのもあるので。GIは予選から勝負だと思いますし、一走、一走に集中していきます。(勝ち上がり権利のある)2着までに入れば良いと考えていたら、勝ち上がることも難しいと思う。冬場の寒いなかで土台を作ってきたぶん、これからの季節はスピードを爆発させたい」
 3月名古屋FII、4月熊本FIIと、連続完全Vを決めた小林莉子は、近況上り調子だ。フレームの迷いを一旦捨て去って、ここには練習十分で乗り込んできた。
 「自転車で悩んでいる時期が長くて、TS9のSサイズか、Mサイズを使うか、ずっと考えてました。今回は、もうSサイズを使うと決めました。長く悩んでましたけど、もう頭を切り替えました。前回の決勝はヘマしたけど、動き自体は悪くなかったと思う。開催が詰まっててなかなか練習を追い込めなかったんですけど、今回は5日空いたんで、しっかり乗り込んできました。今日(前検日)はゆっくり休みたいと思います」

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奥井迪選手
奥井迪選手
 ここ3場所は準Vが続いている奥井迪(写真)だが、予選クラスは力強い逃げ切りを連発しており、脚力は衰え知らず。GIの舞台でも、自己の走りを貫く構えだ。
 「しっかりバックを取る自分らしいレースができているのは良いけど、決勝で勝ち切れていないのが課題ではあります。やっぱり、最後は焦りが出るし、踏み方だったり、フォームが乱れるのが課題です。あとは、まくりの踏み出しとかも、今のガールズのレベルでは大事になると思います。GIで結果を残したいと思ってやっているし、新しい取り組みも始めて、自分に可能性を感じている。自分のスタイルは崩さずに走りたいですね」
 熊谷芽緯は、オールガールズクラシックに初出場。フレッシュクイーンでは、先行逃げ切りで仲澤春香を破ってV。今、最も勢いのある若手の一人だ。
 「冬期移動で岐阜に来ているので、第二の地元だと思っています。いい成績を残したいです。フレッシュクイーンは良かったんですけど、前回の立川は良くなかったです。立川に苦手意識があったのと、配分が空いてしまった影響だと思います。調子とかは問題ないです。成績はもちろんですけど、一番は自分らしい走りをしたいと思ってます」

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太田りゆ選手
太田りゆ選手
 太田りゆ(写真)は、今年からガールズケイリンに本格的に専念。新たな環境で迎える初めてのGIだ。普通開催では、圧倒的なスピードでVを量産していて、今開催もV候補の一人に挙げられる。
 「勝ち続けることは難しいので、時おりミスもあるんですけど、それ以外の時は、今まで培ってきた力を発揮できていると思います。自分で練習をやり始めて半年なんですけど、大きな力の崩れはないと思います。今の私に大事なのは、レースで経験を上積みしていくことだと思います。まくり主体で一辺倒と言われることもあるんですけど、あえてそれを磨いているし、かといってまくりにこだわりはない。あくまでも勝てれば良いので。自力主体、まくり主体だけど、展開に応じて走りたいです。縮こまらずに、勝機を見極めて仕掛けたいです」
 年始は体調不良でつまずいた山原さくらだが、大崩れはせず今年は決勝で全て確定板入り。前回の4月玉野FIIは、決勝で吉川美穂の強襲をこらえて完全V。復活の兆しを見せた。
 「今年に入って2回体調を崩して、なかなか調子を戻せずに苦しかったんですけど、前回の玉野の直前に戻ったんです。玉野が終わった後も練習できて、調子は良くなっています。GIに向けて、モチベーションを高くトレーニングできました」

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児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 前回大会覇者の児玉碧衣(写真)が登場。気持ちが上向かないと話す反面で、成績は高いレベルで安定しており、2月松阪FIIからは4連続完全V。前回の高知FIIも、全て最終バックを取って3連勝を決めている。今年最初のGIに向けて、練習にも身が入った。
 「成績だけを見れば順調なんですけど、気持ちが付いていっていない期間が長かった。でも、前回の高知が終わってから練習してきたので、今年に入って一番状態は良いと思います。角令央奈さんに、なかなか気持ちが入らないって相談して、とりあえず練習をやろうって言われて、ワットバイクのメニューを組んでもらったんです。バンクでは師匠の(藤田)剣次さんにスピード練習してもらって、セッティングも見てもらって、上がり11秒7とかのタイムも出てた。状態が戻ってきているなと感じるタイムでしたし、それをレースにつなげたいです」
 デビュー3年目を迎えた竹野百香は、徹底先行を卒業して戦法に幅を持たせている。オールガールズクラシックは初出場だが、組み立てがハマれば、台風の目となってもなんらおかしくない。
 「しっかり今回に向けて準備してきたので、あとは走るだけだと思います。今まではガムシャラに先行していたけど、3年目に突入したので、いろいろな戦法をやれる選手を目指しています。2年目の時も、先行しながらレースを勉強していたので、それが今につながっていると思います。ここまでは疲れをためないように調整してきました」

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梅川風子選手
梅川風子選手
 梅川風子(写真)は、今年7場所走っていまだ負けなし。ナショナルチームで鍛え上げた脚力を、ガールズケイリンでも遺憾なく発揮している。現状にはまだまだ満足はしておらず、高いレベルを目指している。
 「もう少しスピードを上げていきたいとは思っています。自分としては物足りないです。(ナショナルチームを離れて)試行錯誤してトレーニングしているなかで、練習はまだ実験段階です。セッティングや、フレームに関しては、馴染んできました。単純に、タテ脚をもっともっと欲しいです。GIに来たからには優勝したいですし、目の前の一戦が大事になると思っています」
 久米詩は、3月取手FIから4場所連続完全Vと、いよいよエンジンが温まってきた。現在は賞金ランキングトップと、勢いに乗ったなかで、今年最初のGIを迎える。
 「今年に入って追加を受けたりもしていたんで、最初は状態も良くなかった。でも、結果が出ていて、逆に状態が良くても結果が出なかったり、そこのギャップの原因を探りながら練習してピーキングしてきました。GIだからどうって意識はしてないですけど、レースが始まれば緊張すると思うし、自分らしいレースがしたい。自分らしいレースをすれば、結果が付いて来ると思います」

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佐藤水菜選手
佐藤水菜選手
 当大会の初代女王である佐藤水菜(写真)が登場する。今年は、アジア選手権、ネイションズカップなど、国際大会を中心にナショナルチームの活動に参加。ガールズケイリンには、1月立川以来の参戦となる。準決勝への勝ち上がりが約束されたティアラカップの一走で、まずはガールズケイリンの感覚をつかみたい。
 「直前の一週間で体調を崩しちゃったので、不安を残してしまったんですけど、頑張るしかないので。今までしっかりやってきているので、大丈夫だと思います。GIにターゲットを絞っている分、勝たないといけないっていうモチベーションは高いんですけど、あっというまに4月になっちゃったなと。ティアラカップは、ちょっと本気で力を出し切りたい。みんなガールズケイリンを走っているので、流れとかが分かるけど、私は何も分かっていない。そういうものを一走で全部吸収できるように、全力で走りたいです」
 昨年のガールズグランプリ女王石井寛子は、多忙なスケジュールのなかでも、競走ではさすがの勝負強さを発揮している。ここに向けても、しっかりとトレーニングを積んできた。
 「1月から4月まで忙しくさせてもらってて。グランプリを勝ったからこそ、イベントに参加させていただいて、幸せな4カ月間だったと思います。GIに向けて追い込んできたので、調子は悪くないと思います。1番車は良い車番だと思いますし、位置にこだわって走れるなと思います」
 坂口楓華は、今年も圧巻の成績。負けたのは1月岸和田FIの決勝3着ただ一つだけだ。もう一つ殻を破ってGIで結果を残すために、自分自身に変化を求めている。
 「前よりも戦術をしっかりと考えるようになって、負けたレースを振り返るようになりました。前までは、負けず嫌いだったので、負けたレースからは目を背けていました。そういうのをしっかり受け止めるようになりました。調整をしながら、練習はあまり頑張りすぎないようにしてきました。いつもちょっと練習をやり過ぎてしまうので、控えめに備えてきました」