『第53回オールスター競輪(GI)レポート』 最終日編
 
配信日:9月5日


 いわき平競輪場で開催された『第53回オールスター競輪』は無事に全日程を終了。注目の決勝戦は山崎芳仁が強速まくりで制し、地元でG1制覇を達成した。


決勝戦 レース経過
 号砲と同時に佐藤慎太郎がいち早く飛び出し、大塚健一郎、神山雄一郎と続いた。すぐに隊列が整い、山崎芳仁―佐藤―佐々木雄一、吉田敏洋―大塚、武田豊樹―神山、海老根恵太―石毛克幸の順で並んだ。
  レースが動いたのは青板周回のバックから。まずは海老根が早めに上昇をはじめ、武田が海老根ラインに切り替える。赤板で海老根が前を押さえると、山崎はすぐに車を下げたため、海老根が誘導の後ろに入る。山崎は3番手の内で止まり、武田と併走になった。外の武田はジャンで踏み込んで先頭に立つと、さらに吉田がその上を叩いて前に出た。吉田はそのままホームから先行態勢に入り、武田は難なく3番手を確保。さらに、5番手に海老根、山崎が7番手で一本棒となる。吉田が懸命に逃げるなか、武田は2コーナー立ち上がりから早めにスパート。しかし、大塚のけん制もあって思うように車が伸びていかない。すると、前がもたついている所に山崎が襲い掛かる。山崎は車間を詰める勢いでスパートすると、一気に前団を飲み込んでまくり去った。3番手の佐々木は付け切れず、最後は佐藤とのマッチレースとなった。しかし、佐藤も追走が一杯で、山崎がそのまま押し切って優勝を手にした。
ゴール
ゴール
胴上げ
胴上げ
表彰式
表彰式



<1R>
牧剛央選手
牧剛央選手
   1レースは濱田浩司の番手にハマった牧剛央(写真)が直線を抜け出した。
  「初手は北の後ろからと決めていたんだけど、山賀(雅仁)君がずっと坂本君を押さえていたし、動きが無かったから斬って様子を見た。そうしたら、濱田君が一車で来たので追いかけました。けっこう脚を使って最後はきつかったけど、1着を獲れたわけだし良しとします」


<2R>
中村淳選手
中村淳選手
   友定祐己が逃げ、星島太の2センターでのブロックでインコースがガラ空きになると、十文字貴信が突っ込んだ。すると、直線で十文字後位の中村淳(写真)が鋭く伸びて快勝した。
  「自分は牛山(貴広)君、十文字君の勢いを借りただけ。脚も使っていなかったし伸びも良かったですね。ただ、十文字君も伸びていたし、交わしたとは思わなかった」
  友定祐己は牛山貴広を叩いて先制したが、最後は末を欠き着外に。
  「牛山君の先行一車だったし、彼も油断しているだろうと思って叩いてみた。出だしはカカった感じだったけど、最後まで持たなかったですね」


<3R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
   3レースは岩本俊介(写真)が後続のもつれを尻目にまんまと押し切った。
  「(鈴木)誠さんから『競りもあるだろうけど、しっかり赤板で押さえて駆けてくれ』と言われていたからその通りに走った。押し切ったけど、誠さんと決められなかったし、納得の競走ではありませんでしたね」
  柴崎俊光は岩本の番手をさばいて2着を確保した。
  「有坂さんの追い上げは頭にあったけど、競りが長引いたしきつかったですね。脚を使った分、最後は岩本君を交わせなかった」


<4R>
高木隆弘選手
高木隆弘選手
   4レースは高木隆弘(写真)が2センターで菊地圭尚のまくりに切り替え1着をさらった。
  「新田君が浮いていたし、とっさに切り替えた。最後の最後で車が伸びたし、状態は確実に戻っているね。段々良い勝負ができるようになってきた。もう少し頑張りたい」
  菊地圭尚は、目標にした飯野祐太が不発となると、自らまくって2着で入線。
  「スタートを取るのに脚を使った。まくった感じは良かったけど、それが脚に響いた感じ」


<5R>
佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
   5Rはライン三分戦に。栗田雅也と脇本雄太が主導権バトルを演じると、ひとりサラ脚だった佐々木則幸(写真)が出色のまくりを繰り出して1着を手にした。
  「今日はもう展開だけ。やり合いだったし、自分は何も動いていなかったから。シリーズで二つ勝てたし上出来ですよ。これでかなり点数も上がったね」
  栗田雅也は「脇本君とやり合いになったけど、あいつを出させたらきついからあの仕掛けになった。結果はひどかったけど、判断は悪くなかったと思う」と競走を振り返る。
  脇本雄太は栗田雅也に強烈なけん制を浴びて先制できず。
  「あれだけ警戒されると厳しい。栗田さんに一発もらってもうヘロヘロでした。対応力に課題が残りましたね」


<6R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
   渡邉一成(写真)が白星締めだ。田中誠がカマし、自身は大きく離れた後方七番手。上がり10秒9のハイラップまくりで前団を飲み込み、岡部芳幸の差し込みを封じた。
  「今日は打鐘で突っ張ろうとしたら、岡部さんが離れて。それで、あの流れに。今回? 高い授業料を払わされましたよ。昨日は緊張で、流れがよく見えなかった。次に生かさないとダメだし、また頑張ります」
  岡部芳幸は2着入線も、練習と調整法を見直す心境に。
  「スピード練習を増やさないとダメかも。五百バンクなら、今まで通りに街道練習で乗り込めばいいけど、サンサンや四百のめまぐるしい展開に対応できない。バンク練習をたまにはするとか考えないと。そういう意味では収穫があった」


<7R>
坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
   7Rは神山拓弥の先制を南修二がまくると、南ラインに乗った坂本健太郎(写真)がその上をまくり切った。
  「神山が思ったよりもガツンと踏んだから、慌てずに様子を見ていました。そうしたら南君がまくっていったし、あとは頼むぞって感じで(笑)。でも南君もカカっていたし、2センターまではまくれるか不安でした。何とか届いて良かったです」
  南修二は「流れで何でもと思っていたけど、番手狙いは考えていなかった。ただ自分の持つ距離ではなかったし、最後はきつかった」と競走を振り返る。


<8R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   伏見俊昭(写真)が最終日にして、シリーズ初白星を上げた。逃げた三宅達也を、中団五番手確保からバックまくりで仕留め、「気持ちを切らさず戦えた結果。優参失敗? 負けは負け。調子自体は悪くないし、結果に繋がると信じて頑張る」と溜飲を下げた。
  三宅達也は展開負けに「後ろが競り? 初手が後攻めだから、飯嶋(則之)君が自分達を分断に来たんでしょ。仕方ない。ただ、今日が一番感じ良く踏めたんですよ。このデキで初日を戦えたら、良い勝負が出来たかも。残念。最近は体調管理が難しい。年齢のせいかな。調整法を考えないと。次? 防府記念。中国地区の開催だし、普段から連係する桑原(大志)さんや地元勢がいるし、しっかりと準備します」。


<9R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
   9レースは新田祐大の捲りに乗った松岡貴久(写真)が、2センターを乗り越え、ゴール寸前で平原康多を捕らえた。
  「2センターで園田さんに入れてもらったし、すぐに行こうと思ってたら園田さんがハグれてた。そうしたら新田君が踏んだんで付いていった。最後は落車を避けながらハンドルを投げたけど、よく伸びましたね」
  平原康多は「今日は先手を取って踏み切ろうと決めていました。決勝に乗れなかった分、ここでって気持ちで走ったけど、別線を合わせたりで脚を使った分、後半失速しましたね」と淡々と競走を振り返る。


<10R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   10レースは鈴木謙太郎の番手からまくりを打った佐藤友和(写真)が最終日にようやく1勝を挙げた。
  「今日は作戦というより、前の鈴木君が強かった。誘導が上がっていたしきつかったと思いますよ」
  村上義弘はバックまくりを放つも、佐藤に合わされて2着に。
  「佐藤君の動きを意識して、呼吸を置いて踏んだ。それでも、(鈴木が)カカっていたし、佐藤君もスンナリと前に踏んだから、厳しかったですね」


<11R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   上がり10秒9を叩き出した山崎芳仁に、佐藤慎太郎(写真)が完璧マークを決めて準優勝だ。
  「あれ以上ない結果。あのタイミングで仕掛けるのは山崎の勝ちパターン。オレは差せる雰囲気を感じなかった。ただ、吉田(敏洋)君がドカンと逃げると思ったら、いきなりペースダウン。前に武田さんや海老根君がいるわけだし、昨日と違って今日は半信半疑。最終ホームで、もしかしたらヤバイかもと。でも、山崎は(自分自身の)脚質を分かっている。平バンクは毎日の練習で庭みたいな場所だもんね。オレの賞金額? エスエスどころか、グランプリまで狙える位置に。頑張るよ」
  海老根恵太(写真)は五番手まくりも、山崎の『驚速』に屈した。
 「初手の位置が悪くて、脚を使わされた。ホントは仕掛けを少し待ちたかったけど、山崎君より先に仕掛けないと。脚に余裕がない状態で仕掛けた分が…」
  逃げた吉田敏洋は最終2センターで急失速。
  「大ギアだし、なるべく別線に勢いを貰ってから仕掛けようと。カマしたかった。でも、あれ以上に仕掛けが遅れれば、武田さんとモガキ合いになる。最後は武田さんのまくりに合せようと外へ持ち出したら、大塚さんとコースが合ってしまい…」
  武田豊樹は三番手確保にとどまった。
  「山崎君の強さを認めざるをえないね。脚を使ってでも山崎君の前に位置したかった。それで、後方からくる山崎君と力勝負。ボクが弱かったということ。平原(康多)君にマークして決勝行きだったのに、情けない思い。競輪祭では(優勝を)狙う。一つG1を優勝してグランプリに出たい」
  神山雄一郎は海老根に伸び負けして着外。賞金額の大幅な上積み成らずも、「作戦は武田の好きにと。初手は一番後ろでは厳しいし、ホントは自分達は吉田の位置が欲しかった。あそこなら、良いタイミングで先行出来るし、武田も先行したい雰囲気だったし。でも、実際の位置から逃げるとすれば、打鐘の三角からになって2人共に厳しくなる。まあ、脚に余裕がなかった。武田が最初に動いて、吉田が仕掛けた時に脚を使って。最後はコースがなかったし。賞金額はそんなに上積みできなかったけど、落車明けにしては上出来の結果ですよ」。
  大塚健一郎に絶好展開は束の間だった。吉田の番手キープで最終2センターから一気差しを試みたが、「これが実力です。後ろから来ていたし、自分で出ていかなくてはダメな展開。ただ、先行した吉田君の気持ちは嬉しかった。今後も努力する。良い流れがくれば、生かせる準備をする。まだ、自分に伸びしろがあると思う。今の71ギアが使いこなせるようになれば、もっと良い勝負が出来る。頑張ります」。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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