いわき平競輪場を舞台に開催されている輪界でもっとも権威のあるタイトル「第76回日本選手権競輪(GI)」は、5月6日に4日目を迎えて、ロングランシリーズも後半に突入した。メインの「ゴールデンレーサー賞」は、関東ラインが上位を独占。まくった吉田拓矢の番手から平原康多が抜け出して、連勝でリズム良く勝負の準決を迎える。シリーズもいよいよ佳境、5月7日の5日目には、ファイナルをかけた準決で激しいバトルが繰り広げられる。
なお、開催中は福島県新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に基づきまして、一般入場の場内滞留人数の上限を4000人とします。4000人を超えた時点、入場規制をしますので、ご了承ください。いわき平競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

ゴールデンレーサー賞出場選手特別紹介
ゴールデンレーサー賞 レース経過
号砲が鳴ると吉田拓矢、深谷知広が飛び出すが深谷がスタートを決めた。前を固めた深谷-鈴木裕の南関勢に単騎の浅井康太が続く。中団は吉田-平原康多-諸橋愛の関東勢が占め、清水裕友-佐藤慎太郎-大槻寛徳の即席ラインが後攻めとなった。
赤板前の4コーナーから清水が踏み上げる。赤板で清水が深谷に並びかけると、深谷はすんなり車を下げた。清水-佐藤-大槻が前に出ると、吉田-平原-諸橋の関東勢も続き、深谷は7番手まで車を下げる。浅井は切り替えず、この態勢でジャンが入った。最終ホーム手前の4コーナーで先頭の清水が踏み込みベースがぐんとアップ。最終ホームは一本棒のままで通過した。1センターで4番手の吉田がスパート。逃げていた清水もかかっていたが、吉田はじわじわと前に迫り、バック線を過ぎたあたりで清水を交わして先頭に立つ。深谷はバックから仕掛けるも前は遠い。3コーナーで佐藤は清水の番手から踏み込むが平原の後ろにスイッチするのが精いっぱい。直線に入り余裕で吉田を交わした平原がゴールデンレーサー賞に輝いた。吉田が2着に粘り、3着にも諸橋が続き関東勢が上位を独占した。
赤板前の4コーナーから清水が踏み上げる。赤板で清水が深谷に並びかけると、深谷はすんなり車を下げた。清水-佐藤-大槻が前に出ると、吉田-平原-諸橋の関東勢も続き、深谷は7番手まで車を下げる。浅井は切り替えず、この態勢でジャンが入った。最終ホーム手前の4コーナーで先頭の清水が踏み込みベースがぐんとアップ。最終ホームは一本棒のままで通過した。1センターで4番手の吉田がスパート。逃げていた清水もかかっていたが、吉田はじわじわと前に迫り、バック線を過ぎたあたりで清水を交わして先頭に立つ。深谷はバックから仕掛けるも前は遠い。3コーナーで佐藤は清水の番手から踏み込むが平原の後ろにスイッチするのが精いっぱい。直線に入り余裕で吉田を交わした平原がゴールデンレーサー賞に輝いた。吉田が2着に粘り、3着にも諸橋が続き関東勢が上位を独占した。





<5R>

末木浩二選手
稲垣裕之を連れた高久保雄介が大ガマシ。最終ホームでは3番手に飛び付いた佐々木豪を大きく離して、高久保が駆ける。5番手の森田優弥が2コーナー手前からまくり、佐々木も合わせる。番手で好展開が巡った稲垣裕之は、佐々木、森田のスピードを確かめて追い込む。森田マークの末木浩二(写真)が、外を伸びて稲垣に踏み勝ちGI初勝利を飾った。
「(GIでは)いままでも開催を通して2着はあったけど、1着は初めてですね。今日(4日目)はゴールした時は届いてないかなと思ったけど、1着だったんでうれしかった。自分も番手のレースが増えてきているし、前よりも慣れてきている。落ち着いてできたんで、成長できているかなと。(まくった森田が)ブロックでキツそうだったんで、平は外が伸びるっていうのを信じて、外を踏んだ。脚には余裕がありました」
果敢に風を切った高久保を利した稲垣裕之は、直線の入り口から踏み込むも2着。
「(高久保は)走る前からすごく気迫を感じたし、それが伝わってきた。(3番手の佐々木豪が)ものすごく車間を空けてたんで難しかった。なんとか2人でと思ったんですけど、森田君も詰める勢いで来てたんでギリギリの判断でした」
「(GIでは)いままでも開催を通して2着はあったけど、1着は初めてですね。今日(4日目)はゴールした時は届いてないかなと思ったけど、1着だったんでうれしかった。自分も番手のレースが増えてきているし、前よりも慣れてきている。落ち着いてできたんで、成長できているかなと。(まくった森田が)ブロックでキツそうだったんで、平は外が伸びるっていうのを信じて、外を踏んだ。脚には余裕がありました」
果敢に風を切った高久保を利した稲垣裕之は、直線の入り口から踏み込むも2着。
「(高久保は)走る前からすごく気迫を感じたし、それが伝わってきた。(3番手の佐々木豪が)ものすごく車間を空けてたんで難しかった。なんとか2人でと思ったんですけど、森田君も詰める勢いで来てたんでギリギリの判断でした」
<7R>

島川将貴選手
周回中4番手にいた松坂洋平が、赤板過ぎに先に切って出る。石原颯は中団でタイミングを取りながら、打鐘の3コーナーで出てペースを上げる。先行策の石原に島川将貴(写真)、山口泰生まで出切り、最終ホームを通過する。7番手の坂井洋が2コーナー過ぎに仕掛ける。坂井のまくりは中団までで、逃げる石原との空けた車間を詰めながら島川が追い込んだ。
「石原君が積極的に仕掛けてくれたのと、山口さんが3番手を固めてくれたおかげですね。(打鐘では)バックを踏み切れずに変な感じになってしまって、踏み出しで口が空いてしまった。けど、自分のなかでは想定内だった。(坂井が)思ったより来るのが遅かったんですけど、待ちきれずに踏ませてもらいました。自転車の感覚はそこまで良くない。ただ、体調はいい」
4番手の松坂洋平は、直線勝負で2着。島川には4分の3車身及ばなかった。
「中団が取れたら切って確実に中団を取るか、飛び付きも考えていたんですけど、重いところを踏まされてしまった。車間を空けて詰めていった時に坂井君が来ていたけど、出はそこまで良くなかったので助かりました。今回は人任せにせず、自分でレースをつくって動けているので悪くないですね」
「石原君が積極的に仕掛けてくれたのと、山口さんが3番手を固めてくれたおかげですね。(打鐘では)バックを踏み切れずに変な感じになってしまって、踏み出しで口が空いてしまった。けど、自分のなかでは想定内だった。(坂井が)思ったより来るのが遅かったんですけど、待ちきれずに踏ませてもらいました。自転車の感覚はそこまで良くない。ただ、体調はいい」
4番手の松坂洋平は、直線勝負で2着。島川には4分の3車身及ばなかった。
「中団が取れたら切って確実に中団を取るか、飛び付きも考えていたんですけど、重いところを踏まされてしまった。車間を空けて詰めていった時に坂井君が来ていたけど、出はそこまで良くなかったので助かりました。今回は人任せにせず、自分でレースをつくって動けているので悪くないですね」
<8R>

井上昌己選手
赤板過ぎに佐々木悠葵が押さえて先頭に立つ。中団まで下げた町田太我と伊藤颯馬で4番手が併走になり打鐘を迎える。佐々木が先行の腹を固めて最終ホーム目がけてペースを上げる。4番手を取り切った伊藤は、2コーナーまくりで阿部力也のけん制を乗り越える。あおりもあった井上昌己(写真)だったが、計ったように差し切った。
「(中団を併走していたけど)町田君は無抵抗みたいな感じだったんで、(伊藤)颯馬も楽だったと思う。自分も余裕はあった。あとは阿部君のところがキツかった。もう1回自分のところに来るかと思って、外を回しました。最後は抜けてるんで良かった」
町田との併走から中団を確保した伊藤颯馬が、まくりで前団を仕留めた。区切りの100勝はお預けも、上々の内容での井上とのワンツーだった。
「一応、切って、切って町田君待ちかなっていう作戦だったけど、波があって(切りに行くのが)キツかった。町田君は下の方を走ってたんで、(中団争いには)勝てるかなっていうのがありました。(4番手を取り切って)一瞬休んでから、(最終)バック目がけて1センターくらいから踏み出しました。3車だったんで早めにと思ったんですけど、小川(勇介)さんがからまれてしまったのは反省です。前回のGI(全日本選抜)では全部、逃げた。でも、なかなか自分のトップスピードじゃ通用しないところもあった。位置を取るレースとかもしていかないとっていうのはあります」
「(中団を併走していたけど)町田君は無抵抗みたいな感じだったんで、(伊藤)颯馬も楽だったと思う。自分も余裕はあった。あとは阿部君のところがキツかった。もう1回自分のところに来るかと思って、外を回しました。最後は抜けてるんで良かった」
町田との併走から中団を確保した伊藤颯馬が、まくりで前団を仕留めた。区切りの100勝はお預けも、上々の内容での井上とのワンツーだった。
「一応、切って、切って町田君待ちかなっていう作戦だったけど、波があって(切りに行くのが)キツかった。町田君は下の方を走ってたんで、(中団争いには)勝てるかなっていうのがありました。(4番手を取り切って)一瞬休んでから、(最終)バック目がけて1センターくらいから踏み出しました。3車だったんで早めにと思ったんですけど、小川(勇介)さんがからまれてしまったのは反省です。前回のGI(全日本選抜)では全部、逃げた。でも、なかなか自分のトップスピードじゃ通用しないところもあった。位置を取るレースとかもしていかないとっていうのはあります」
<9R>

和田健太郎選手
渡邉雄太が切って、松浦悠士が4番手に続く。新山響平が引き切るタイミングで松浦が踏み込んで打鐘で先頭に立つ。新山がすかさず反撃に出て主導権を握り、松浦は番手に飛び付く。が、山崎芳仁が番手を死守する。中団がもつれたところを、渡邉が最終2コーナーからまくる。新山の掛かりも悪くないが、渡邉が追い詰める。渡邉に付けた和田健太郎(写真)が、直線で鋭く外を伸びて突き抜けた。
「(渡邉)雄太の頑張りに尽きる。何パーセントか考えていた展開の1個で、(松浦が)粘るっていうのもあった。雄太がいい掛かりで行き切る感じだった。(自分は)道中で松浦、山崎さんに張られないように回っていた。前の選手の頑張り次第だし、今日(4日目)は雄太が行ってくれたから。(状態は)良くも悪くもないですね」
新山の逃げをゴール前で交わした渡邉雄太が2着に入り、一次予選からの厳しい勝ち上がりのなかを準決に進んだ。
「(初手は)中団が欲しかったが、ごちゃごちゃして後ろでした。その作戦は考えていなくて、切れるところで切って、行けるところで行くだけでした。(松浦を)突っ張ってもそれだけになるかなと思って、松浦さんの後ろからになった。新山さんの掛かりが良くて、車間が空いたけど詰める勢いで行けた。(仕上がりは)いいです」
「(渡邉)雄太の頑張りに尽きる。何パーセントか考えていた展開の1個で、(松浦が)粘るっていうのもあった。雄太がいい掛かりで行き切る感じだった。(自分は)道中で松浦、山崎さんに張られないように回っていた。前の選手の頑張り次第だし、今日(4日目)は雄太が行ってくれたから。(状態は)良くも悪くもないですね」
新山の逃げをゴール前で交わした渡邉雄太が2着に入り、一次予選からの厳しい勝ち上がりのなかを準決に進んだ。
「(初手は)中団が欲しかったが、ごちゃごちゃして後ろでした。その作戦は考えていなくて、切れるところで切って、行けるところで行くだけでした。(松浦を)突っ張ってもそれだけになるかなと思って、松浦さんの後ろからになった。新山さんの掛かりが良くて、車間が空いたけど詰める勢いで行けた。(仕上がりは)いいです」
<10R>

稲川翔選手
前受けの脇本雄太は、青板のバック過ぎ辺りから早めに下げる。誘導との車間が大きく空いて、宮本隼輔が押し出されるように先頭に立ちペースを握る。脇本は7番手で態勢を整える。赤板2コーナーで踏み込んだ5番手の久木原洋ラインを追った脇本が、その上を叩いて打鐘の4コーナーで主導権。埼玉勢のインを踏んだ和田真久留が番手に飛び付くが、稲川翔(写真)が、キープして松岡健介まで出切る。最終2コーナーで内藤秀久が4番手に切り替えるも、風を切る脇本の掛かりが良く勝負は前の2人に絞られる。ゴール前で脇本と稲川が並んで、ハンドル投げでわずかに稲川が出た。
「もう最高ですね。とにかく必死で付いていった。抜けなくても自分が抜きに行かないと、松岡さんにもチャンスがないなって思っていた。絶対に誰か(飛び付きに)来るなって思っていたので、気合は入っていました。そのあとのことも頭にあったので、意外と冷静でした。緊張はしましたけど。ワッキー(脇本)のペースを見ながら判断しようと思っていました。でも、心配いらなかったですね。プレッシャーはありました。ただ、僕が付くとワッキーはいつも伸び伸び走ってくれる。抜く抜かないよりも、(ラインで)ワンツースリーが決まったとこが一番うれいしいです」
稲川に差し交された脇本雄太だったが、別線に反撃の隙を与えずに近畿ラインでの上位独占をメイクした。
「ラインで決まって良かったなって思っています。前を取らされるのは想定していたので、引いて7番手からどう仕掛けていくかだった。自分のなかでは冷静だったと。自分の行くタイミングでみんな同時に踏み込みましたけど、ひよったレースをするわけにはいかないので、そこは強気にって感じでした。ラインで出切るのに時間が掛かってしまいましたけど、風も強くてキツかったです。自分としては勝ち上がれること優先して走っているので、(稲川)翔さんは脚があるので差されるのは仕方ない」
「もう最高ですね。とにかく必死で付いていった。抜けなくても自分が抜きに行かないと、松岡さんにもチャンスがないなって思っていた。絶対に誰か(飛び付きに)来るなって思っていたので、気合は入っていました。そのあとのことも頭にあったので、意外と冷静でした。緊張はしましたけど。ワッキー(脇本)のペースを見ながら判断しようと思っていました。でも、心配いらなかったですね。プレッシャーはありました。ただ、僕が付くとワッキーはいつも伸び伸び走ってくれる。抜く抜かないよりも、(ラインで)ワンツースリーが決まったとこが一番うれいしいです」
稲川に差し交された脇本雄太だったが、別線に反撃の隙を与えずに近畿ラインでの上位独占をメイクした。
「ラインで決まって良かったなって思っています。前を取らされるのは想定していたので、引いて7番手からどう仕掛けていくかだった。自分のなかでは冷静だったと。自分の行くタイミングでみんな同時に踏み込みましたけど、ひよったレースをするわけにはいかないので、そこは強気にって感じでした。ラインで出切るのに時間が掛かってしまいましたけど、風も強くてキツかったです。自分としては勝ち上がれること優先して走っているので、(稲川)翔さんは脚があるので差されるのは仕方ない」
<11R>

平原康多選手
清水裕友が押さえて出ると、吉田拓矢がスイッチしてすんなり中団を手に入れる。赤板2コーナーで前受けから深谷知広が7番手まで下げて、単騎の浅井康太は最後方。深谷も反撃のタイミングをうかがうが、清水がそのままペースを上げて一本棒の隊列で最終ホームを通過する。4番手の吉田が1センターから仕掛ける。佐藤慎太郎は止められず、3コーナーで吉田が逃げる清水をとらえてまくり切る。佐藤も切り替えるが、平原康多(写真)が余裕をもって抜け出した。
「(吉田がまくって行った時に)ちょっと(佐藤)慎太郎さんが飛び付いて来る雰囲気もあったので、そこだけすごく集中してしのいだ感じです。1走目の時より、体は全然良かった」
押さえて出た清水が、深谷の巻き返しを許さず駆ける。労せずに4番手の吉田拓矢は、早めのまくり発進でラインでの上位独占をメイクした。
「清水さんがヤル気があったんで、展開が向いたところもあるのかと。ラインで決まって良かったです。初手があそこ(中団)からで、清水さんが緩むようなら切ってと思ってたんですけど。(清水が)フカしてたんで、切れなくてああなりました。風が強かったけど、乗り越えられて良かった」
打鐘過ぎに踏み込みかけた諸橋愛は、3番手の難しさを痛感しながらもソツなく3着に入った。
「初日(1走目)より軽く感じました。ただ、戦略的にはジャンくらいで行くっていうのもあったんで、(吉田が)踏むのかなっていうのがあって、その分、脚を使っちゃった。いつ行くのかわからなかった。感覚的には今日(4日目)も初日と同じだった。(1走)レースをやっている分、いいかなっていうのがあります」
「(吉田がまくって行った時に)ちょっと(佐藤)慎太郎さんが飛び付いて来る雰囲気もあったので、そこだけすごく集中してしのいだ感じです。1走目の時より、体は全然良かった」
押さえて出た清水が、深谷の巻き返しを許さず駆ける。労せずに4番手の吉田拓矢は、早めのまくり発進でラインでの上位独占をメイクした。
「清水さんがヤル気があったんで、展開が向いたところもあるのかと。ラインで決まって良かったです。初手があそこ(中団)からで、清水さんが緩むようなら切ってと思ってたんですけど。(清水が)フカしてたんで、切れなくてああなりました。風が強かったけど、乗り越えられて良かった」
打鐘過ぎに踏み込みかけた諸橋愛は、3番手の難しさを痛感しながらもソツなく3着に入った。
「初日(1走目)より軽く感じました。ただ、戦略的にはジャンくらいで行くっていうのもあったんで、(吉田が)踏むのかなっていうのがあって、その分、脚を使っちゃった。いつ行くのかわからなかった。感覚的には今日(4日目)も初日と同じだった。(1走)レースをやっている分、いいかなっていうのがあります」