『第77回日本選手権競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:5月2日

 舞台は平塚競輪場。輪界でもっとも権威のあるタイトル「第77回日本選手権競輪(GI)」が、5月2日にスタートした。初日のメイン、特選では関東勢が主導権。番手の吉田拓矢が追い込んでゴール前で抜け出した。吉田、清水裕友、吉澤純平の上位3選手は、4日目の「ゴールデンレーサー賞」への進出を決めた。また、一次予選ではホームバンクの松坂洋平が白星発進でファンの声援に応えた。
 日本選手権シリーズ開催中の毎日、先着500人にオリジナルお菓子&グッズのプレゼント(2日目はデコかっぱえびせん)、トークショー&レース展望会、ローストビーフ丼、ケバブサンド、富士宮焼きそばなどのキッチンカーコーナー、未確定車券によるガラポン抽選会など、また5月3日の2日目には「四千頭身」のお笑いステージが予定されています。平塚競輪場では入場制限はなく、皆さまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

開会式選手入場
開会式選手入場
第77回日本選手権競輪開会式
第77回日本選手権競輪開会式
敢闘宣言をする郡司浩平選手
敢闘宣言をする郡司浩平選手
1日目特別選抜予選11Rゴール
1日目特別選抜予選11Rゴール

<1R>

橋本優己選手
橋本優己選手
 門田凌の上昇を阻んで、前受けの北井佑季が赤板過ぎに突っ張る。門田は4番手の稲毛健太の横で止まり、併走で打鐘を迎える。主導権を握った北井が、ペースを上げて風を切る。最終1コーナーで4番手を取り切った稲毛は、脚を使わされて動けない。落ち着いて後方で脚をためた橋本優己(写真)は、2コーナー手前から踏み上げる。逃げる北井が先頭で直線に入るが、まくった橋本が突き抜けて1着。
 「このメンバー構成なら、やりやすいかなっていうのはあった。北井さんが突っ張るかなと。そこをいい位置取ってまくっていけばって思ってました。組み立ては失敗した。理想は4番手を取れれば良かったけど、詰めの甘さが出ました。でも、道中は余裕があった。あとは詰まったところから行ければと。(来年2月に岐阜で)地元の全日本選抜があるので、(選考期間の)6月から点数がかかってくる。そこに向けてやってたのが、(5月の)早めに出たかなって思います」
 橋本のまくりに小堺浩二が流れ込んで中部ワンツー。40歳にしてGI初出場の小堺が、厳しいダービーの一次予選の勝ち上がりをクリアした。
 「(橋本が)タイミング良く、僕もここかなっていうところで行ってくれた。ちぎれることはないかなって。いつも自分が一番弱いと思って、挑戦者のつもりでレースを走っている。このメンバーで2着に入れたのは良かったけど、欲を言えば抜きたかった。(最終)4コーナーから橋本君が伸びていった」

<2R>

井上昌己選手
井上昌己選手
 志田龍星、金子幸央の順番で出て、嘉永泰斗も構えることなく金子を叩いて打鐘4コーナーで主導権を握る。3番手が飛び付いた金子と湊聖二の併走。7番手になった志田は、最終1センターからまくって前団に好スピードで迫る。が、番手の井上昌己(写真)のけん制で志田は失速。井上が嘉永を交わした。
 「(嘉永)泰斗が頑張ってくれて、湊さんもしっかり後ろにいることが確認できた。(打鐘は)追い上げかなって思ったら、(嘉永が)行ったんで自信があるんでしょうね。自分は若干、口が空いてしまったのでそこは修正点かなって思います。(最終)バックでもう1回踏み上げて、4コーナーからも踏み直してくれたんで強かったですね。まだまだ(ブロックは)上手じゃないですけど」
 ちゅうちょすることなく先行策に出た嘉永泰斗は、3番手を踏み勝った湊まで引き込んでラインを上位独占に導いた。
 「行けるところから行ければって思っていました。ジャンのところは追い上げようと思ったんですけど、前が緩んだので行ってしまった方が楽だなって。判断もいい感じだったと思います。バンクが軽かったので風は気にならなかったですね。勝つことも大事ですけど、今年はレース内容をしっかりすることが目標です。そこが伴って結果が出れば最高の形だと思う」

<3R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 赤板2コーナー過ぎに押さえて出た福岡コンビに反応した取鳥雄吾が、その上を叩いて主導権。中国ライン3車が出切り、4番手に岩谷に、佐藤一伸が6番手の一本棒の隊列で最終周回。2コーナーからまくった岩谷を止めた岩津裕介(写真)が、楽に直線で抜け出した。が、別線の強襲もあって、逃げた取鳥は4着に沈んでは、岩津も手放しでは喜べない。
 「風が出てきた影響もあったと思うけど、(取鳥)雄吾がペースで先行できたんで決まるかなと。踏ん張り切れなかったですね。自分も岩谷君をけん制したあとに、もうひと呼吸できたら良かった。そこは反省です。前回は体調がすごく悪かったんですけど、そこから少し時間があったんで立て直せました」
 岩谷のまくりは不発。6番手の佐藤一伸は、最終2センターから外に持ち出して直線で伸びた。
 「車番的に後ろになると思ったんで、一度叩いてから勝負かなと。あとは行けるタイミングで行ければ良かったけど、(最終)2コーナーでは行けなかったんで4コーナーからになった。少し余裕はあった。組み立てのところでミスしたんで、余裕があるなら組み立てもしっかりしないと。デキは悪くないです」

<4R>

和田圭選手
和田圭選手
 上昇した松本秀之介のスピードを見極めた小原佑太が、赤板1コーナーで突っ張りそのまま先行態勢を取る。単騎の原田研太朗が6番手に切り替えて、松本が7番手で打鐘を通過する。小原がペースを落とすと、4番手の山賀雅仁が4コーナーから仕掛ける。小原が持ち前のダッシュで、山賀を合わせて駆ける。別線の反撃も小原を脅かすまでには至らず、番手の和田圭(写真)がしっかりと勝ち切った。
 「いっぱいいっぱいですね(笑)。ちょっとキツかったです。3、4月って競走が詰まっていたんで、小田原、取手と同じような感じで強めにやってきてはいたんですけど。(1着が取れているのは)前が頑張ってくれるんで。自分は抜くだけって感じなのでいいのかなって」
 北日本勢が上位独占。前受けから別線に一度もハナを譲ることなく小原佑太が2着に逃げ粘った。
 「松本君が勢い良く来るなら出させようと思っていましたけど。突っ張る素振りをすれば、勢い良く来ると思ったんですけど、来なかった。落ち着いて走れましたね。フレームを換えて、練習で使ってみててもいい感じだった」

<5R>

東口善朋選手
東口善朋選手
 佐々木豪が赤板を目がけて押さえに出るが、前団に構えた野口裕史も踏み込む。佐々木が強引に出て、野口が引いているタイミングを中西大が逃さずに仕掛ける。和歌山コンビが主導権を奪い、単騎の山本伸一が続く。佐々木が4番手で最終周回。6番手の野口が2コーナーからまくりを打つが、逃げる中西の番手の東口善朋(写真)が追い込んで1着。
 「ピッチが上がったところで(中西)大がどうするかと思ってたけど、すかさず行ってくれた。それで僕には(展開が)向いてくれました。野口君が(まくって)来ているのが見えたけど、(山本)伸一も後ろにいた。別線でやっている以上、仕掛けられて後ろを連れてこられてもと。それで踏ませてもらいました。1着が取れているんで、脚は悪くない」
 和歌山勢とは別線で単騎の山本伸一だったが、レースの流れと中西の積極的な仕掛けが相まって3番手を追走。直線勝負になった。
 「野口君が前を取ったらほぼ突っ張りだろうなっていうのが頭にあったんで、(周回中は)4番手が欲しかったんですけど。前の動きをしっかりと見極めないとダメだし、大が行かないと自分でと思った。そしたら大が行ったんで付いていっただけです。勝ち上がりのことを考えて、思い切った仕掛けができなかったのが反省点です。脚はたまってたんで、仕掛けてもおもしろかったかなと」

<6R>

柴崎淳選手
柴崎淳選手
 打鐘で伊藤颯馬を押さえた皿屋豊は、菊池岳仁が仕掛けるもペースを上げて駆ける。3番手で車間を空けた伊藤にけん制された菊池は外に浮く。最終バックから車間を詰める勢いで伊藤が外を踏むが、逃げる皿屋の番手から柴崎淳(写真)が合わせて踏んで1着。
 「皿屋さんにしては(踏んだ距離が)長かったんじゃないですかね。菊池君が引いたんで、(皿屋が)先行するなって思いました。スピードを落とさないように踏んでいった。(伊藤が)空けているのはわかっていましたけど真後ろからだったんで、余裕はなかった。今日(一次予選)は番手だったんで、調子は前回と変わっていないと思います」
 伊藤に乗って直線は中のコースを鋭く伸びた中本匠栄だったが、柴崎にタイヤ差及ばずの2着。
 「ちょっと(伊藤が)菊池君を意識しすぎたのか、まくりが出なかった。それで自分は内に行かせてもらいました。練習の感じはモガキもタイムもいいんですけど、それをレースでできていないので煮詰めたい」

<7R>

長島大介選手
長島大介選手
 赤板1センターで島川将貴が先頭に立つと、中四国勢に長島大介(写真)が切り替える。7番手に下げた寺崎浩平は、車間を詰める勢いで打鐘3コーナーでスパートする。合わせて逃げる島川後位の渡部哲男のブロックを乗り越えて、寺崎が最終バック手前で出切る。近畿勢での決着に思われたが、まくり気味に追い込んだ長島が外を一気に突き抜けた。
 「番組を見た時に中団、中団を回れそうだなっていうのがあって、その通りになりました。手ごたえはあったんですけど、(最終)ホームで寺崎君のスピードがすごかったし、稲垣(裕之)さんまで付いていた。それでなかなか仕掛けるタイミングがなかった。阿部(力也)さんまで連れていけなかったですね。今日(一次予選)も(仕掛けたのが)短い距離だったけど、状態はすごくいいと思います」
 寺崎の余力を確かめながら直線で追い込んだ稲川翔が2着。長島の強襲に屈した。
 「(寺崎と)人気に推してもらってたし、(2人で)なんとかゴール勝負をしたかった。僕にもうちょっと余裕があれば。(寺崎の)出脚がキツかったけど、途中からはすごく冷静に走れた。(前回の)高知とは自転車も違いますし、その自転車で来なかっただけでプラスだと思います」

<8R>

町田太我選手
町田太我選手
 中団で橋本瑠偉にフタをされた町田太我(写真)は、赤板過ぎに下げ始める。橋本が前に踏み込んで2コーナーで押さえて出るが、打鐘手前で町田が巻き返す。町田が叩き切って最終周回。小倉竜二が続くが、高原仁志は連結を外して内にもぐり込む。3番手に入った橋本はじっとせずに外を踏もうとするが不発。2コーナーで高原が3番手に取りついて、中四国3車がドッキング。町田が後続の追撃を二の足で振り切った。
 「前は取れなかったです。でも臨機応変にいけました。(巻き返しを狙った時に橋本に抵抗されて)ガムシャラでした。余裕じゃないです。出切ってからは良かったです。(逃げ切れて)気持ち良かったです」
 小倉竜二は4分の3車輪まで詰めての2着。町田の成長に目を細める。
 「いままで(の町田)だったら(外に浮かされて)やめるパターンだと思うんですけど成長していますね。出切ってからはペースだったんで道中は楽だったんですけど、(最終)4コーナーから踏み直してましたね。ああいうパターンで抜けないとこは多い。腰が悪い状態で入ってきているんで、ケアをしながらですね」

<9R>

松坂洋平選手
松坂洋平選手
 いったん中団の外で止まった片岡迪之と山口翼が赤板でほぼ同時に踏んで、山口が先頭に立つ。そこを松井宏佑もタイミングを逃すことなく仕掛けて、打鐘で主導権を握る。地元ライン3車が出切り、中団が山口と伊藤旭の併走。逃げる松井は最終2コーナーから再度加速して、別線には苦しい流れ。4番手を踏み勝った伊藤も届かず、地元ラインが上位を独占。番手の松坂洋平(写真)がホームバンクで白星を挙げた。
 「内藤(秀久)さんも後ろを回ってくれて、番手にいかせてもらった結果だと思います。(ラインで出切ったあとは)後ろもあんまり(別線が仕掛ける)気配がなくて、僕も余裕があって抜くことができた。風が強いので、(松井)宏佑君もキツかったと思うけど頑張ってくれた。前回(武雄記念)から新車を投入して、今日(一次予選)もだいぶいい。あとは(二次予選以降も)チャンスをモノにできれば」
 積極策からラインの3人で二次予選に勝ち上がった松井宏佑が、汗をぬぐい振り返る。
 「(周回中の位置がどこでも)どちらにしても先行はしたいなと。切った選手(山口)が結構、いい勢いだったんで、僕もすかさず行かないとっていうのがあった。(出てからも)いい感じで回していたけど、バックが向かい風だったんで。誰かまくって来たのがわかったんで踏みました。体調を崩していたんで不安だったけど、そんなに悪くない。新車の感じはもうちょっと欲しいけど、ある程度は戦えるかなって思います」

<10R>

香川雄介選手
香川雄介選手
 前受けの蒔田英彦は赤板過ぎに野田源一を突っ張り、さらにその上を仕掛けた犬伏湧也を敢然と合わせて先行策に出る。打鐘では外に浮いた犬伏だったが、再度4コーナーから踏み込んで最終ホームで主導権を奪う。後方で脚をためた渡邉一成が2コーナーからまくるが、香川雄介(写真)が犬伏を差し切って四国ワンツー。
 「犬伏君の力が抜けているので、もう今日(一次予選)は付いていって2着かさらし者になるかのどっちかだと思っていた。1着にいけるとは思っていなかったですね。追走することしか頭になかった。先行でも犬伏君は残ると思っていた。余裕はなかったですね」
 蒔田の猛抵抗で苦しい展開に陥った犬伏湧也だったが、直線でもうひと踏ん張りをして2着。
 「キツかったですね。いっぱいいっぱいでした。後ろ中団を取ってしっかり行こうと思っていたんですけど、思い通りにはいかなかったですね。(蒔田が)1個(野田を)突っ張ったあとは、自分を出させてくれると思ったんですけど。(突っ張られてしまって)引くに引けない感じだったんで、回しながら(最終)ホームで出ようかなって感じで踏んでいきました。引いてカマしても一人になってしまう可能性があると思っていた。変なレースになってしまって、ほぼ2周行ったわりにギリギリ末脚が残っていたので、成長しているのかなと」

<11R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 赤板1センターでジワリと先頭に立った眞杉匠は、後方の脇本雄太を警戒しながらペースをつくりあげる。脇本が踏んだのを確認するように、眞杉がアクセル全開。打鐘の2センターで4番手の外に浮いた脇本は万事休す。眞杉の先行で最終ホームを通過して、8番手から小松崎大地が反撃に出る。4番手の清水裕友は、2コーナー過ぎからまくりを打つ。しかしながら、逃げる眞杉の掛かりが良く、清水は吉澤純平の横まで。2センターから追い込んだ吉田拓矢(写真)が1着。ダービーの大舞台で、デビュー通算200勝の区切りを飾った。
 「眞杉君が全部やってくれました。並びとしては一番嫌な並びだったんですけど、(眞杉が)落ち着いていってくれた。ジャンのダッシュがすごくて、それで脇本さんも(叩くのを)あきらめた感じですね。小松崎さん(のまくり)も見えてたんで難しかった。ただ、ずっと余裕があったんで状態はいいのかなと。(前回の落車のあとに)体をみてもらったんですけど、状態は間違いなくいいって言ってもらったし。(自分でも)転ぶ前よりも良くなっているんじゃないかと。(通算200勝は)自分で勝つより後輩のおかげだったのでうれしかった」
 打鐘手前で小松崎に踏み勝ち関東後位を取り切った動きをポイントにあげる清水裕友が、関東ワンツーを許さない2着で存在感を見せた。
 「メンバー的には分が悪いと思ったけど、考えながらでした。(周回中の)北日本が前っていうのは想定外だったので戸惑った。けど、眞杉君と脇本さんで僕らの後ろでけん制かなと。先に切るっていうよりは、(流れに)乗りながらと思ってました。小松崎さんがちょっと遅れてたんで、(4番手を)一発でキメられた。そこがポイントだったかなと。自転車(のセッティング)も固まってますし、気持ちもそれなりに入っていると思います」
 関東ライン3番手の吉澤純平は、清水とからんで苦しい内々を踏まされたが3着に入った。ラインの2人に感謝して、レースを振り返る。
 「眞杉が駆けて(吉田)拓矢も頑張っていた。自分は内を締めてでした。眞杉と拓矢に助けられただけですね。流れは向いていると思う。(前回の)小田原は初日以外は全部、自力だった。成績的には振るわなかったけど、いい刺激になった。今回に向けては良かったと思います」

<2日目5R 一次予選>

山田久徳選手
山田久徳選手
 前回の小田原記念を2281着。落車による鎖骨骨折の怪我からの復帰場所だった山田久徳(写真)は、上々の手ごたえを3連対でつかんだ。
 「(前回は)復帰戦のわりには、着以上に(感触は)良かったかなと。小田原記念が意外に良かったので、そのあとも集中して練習ができました。できることをやってきたんで、(仕上がりは)悪くないと思います」
 前回の平FIを414着の渡邉雄太。決勝は3番手の好位を確保したが、前に成田和也がいたこともあり仕掛けるタイミングを逸した。
 「(前回は)決勝がちょっとキツかったけど、それ以外はまあまあ感じが良かったかなと。そのあとも練習をしっかりとやって、いい感じだと思います。(一次予選は鈴木)裕さんと一緒に頑張ります」

<2日目6R 一次予選>

和田真久留選手
和田真久留選手
 前回の小田原記念では3勝をマークしたが、感触はいまひとつだった様子の和田真久留(写真)が、続く地元シリーズのGIに上積みをもって迎える。
 「小田原はあまり調子が良くなくて、前がいたおかげで着が取れた。(今回は)前回よりはいいと思います。春先の平塚はバンクが軽くなるので、かなりのスピードレースになると思う。そこに自分も対応できるように」
 昨年11月の競輪祭の79895着以来、阿部将大にとっては2度目のGIの舞台。現状を冷静に分析する。
 「(3月の福井FIのあとに体調を崩して前々回の)小田原記念と前回の取手は本調子ではないなかだった。けど、なんとか戦えたのかなって思っています。自分は修正に時間がかかるタイプなので、焦らずに走りながら戻していければって思っています。去年の競輪祭は結果を残せなかったので、今回は頑張りたいですね。行くべきところでしっかり行けるように。中途半端な仕掛けにならないようにって感じでメリハリですね」

<2日目7R 一次予選>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 2月の全日本選抜では20年の全日本選抜以来となるGI優出を遂げた三谷竜生(写真)は、復調してきているだけに連続GI優出の期待も膨らむ。
 「(前回の奈良は)調子自体は変わらなかった。ただ、レースの展開で仕方がなかったところはあった。そのあともいつも通りですし、調子はそんなに変わらない。(周りには復調って)そう言ってもらえるので、本当に調子が戻ってきているんだなと」
 その三谷後位は、同地区の神田紘輔。前回の小田原記念でも決勝に進出して、近況は高いレベルでまとめている。
 「成績も上向いてきていますけど、自分の感触も良くなってきています。脚力もついてきているんだと。今年の2月後半ごろから軽いギアと重いギアを使った練習を取り入れようって思って、練習メニューを変えたら良くなってきましたね。スピードが上がっても、余裕がもてるようになってきました。それで最後も突っ込める感じがある。三谷君との連係は先月の奈良以来ですね。三谷君がダービーを獲ったのって(18年)平塚ですよね。ダービー王にしっかりと付け切れるように集中します」

<2日目8R 一次予選>

吉田有希選手
吉田有希選手
 吉田有希(写真)は、3月のウィナーズカップのあとはFIを3場所消化。前回の地元、取手FIでは優出を逃す473着と状態が気になるところだ。
 「(前回は)あんまり自転車の進みが良くなかった。それで(今回は)違うフレームでと。練習で使ってたけど、競走で使うのは初めてです。(サイズは)まったく変わってなくて、色を変えてきました。練習はすごくいい感触というか、いままでの感じで練習ができた。脚の感じはいいと思います」
 前回の四日市GIIIを3913着の谷口遼平は、そこから約1カ月空いての実戦がGIになる。
 「四日市の前に体調を崩してしまって、その影響もまだ残っていたので前回の福井は欠場しました。でも、しっかり休養も取って練習もできたので3月くらいの良かった状態には戻せたと思います。(一次予選は)吉田君に駆けられたら厳しいですし、自分が駆ければ番手の三谷(将太)さんは仕事をしてくれる。信頼して積極的なレースをして、勝ち上がれるように頑張りたい」

<2日目9R 一次予選>

山口拳矢選手
山口拳矢選手
 3月のウィナーズカップでは3日目、最終日と連続の落車に見舞われた山口拳矢(写真)だったが、その後は福井、富山とFIを連続V。落車の影響を感じさせない成績を残している。
 「(落車の怪我は)擦過傷もなかったんで、なんともなかった。(優勝は)どっちも単騎だったので、うまいこと走れたかなと。そのあとは調子を維持する感じでやってきました」
 山崎賢人は、前回の平FIを121着。決勝は鮮やかにまくり切って、昨年7月以来の優勝を遂げた。
 「(前々回の)玉野記念はまったくダメだったんですけど、前回の平はそこそこ良かったですね。優勝もできましたし。やっぱり競技用の自転車との違いですね。前回はサドルまわりのセッティングを変えたんですけど、それ以上に自分の問題だと思います。踏み方を修正して良くなったと思います。前回が終わってからは、ナショナルチームでかなり追い込んで練習をしてきた。その疲れはあると思うんですけど、(1走目が)2日目からになったので、前検、初日とバンクで練習して疲れを抜きながら、体と自転車を合わせていきたい」

<2日目10R 特別選抜予選>

新山響平選手
新山響平選手
 ウィナーズカップでキッカケをつかんだ新山響平(写真)は、そのウィナーズカップを皮切りに、四日市GIII、武雄記念と3場所連続で優出している。前回の武雄記念では、先まくりで脇本雄太を苦しめる見せ場十分の準V。
 「(武雄記念は)内容は良かったです。最後、優勝はできなかったですけど、いいとこまで勝負ができた。しっかりバックを取る競走を心掛けている。それが形として出てきているのかなと思います。(前回から中5日は)1日休んで、4日練習してきました」
 松浦悠士は前回の武雄記念の準決で落車に見舞われて、最終日を欠場した。中6日での状態はどうか。
 「(落車での状態は)日常生活はだいぶキツイですね。ただ、自転車に乗る分には大丈夫です。(ここまでの調整は)しっかりケアして、あとはローラーだけですね。走路は乗っていないです。(前回は)感触はあまんまり良くなかったんですけど、準決の日が一番良かった。それだけにちょっと残念だなっていう感じはあります」
 岩本俊介とのタッグから小原太樹が、地元GIのスタートを切る。
 「(前回の取手は)自分で動いたりしてまとめれたので、問題ないかなと思います。(決勝は)思い切り踏んけど、(結果的に)3番手になってしまった。番手までいけてればという感じですね。そのあとの調整はいつも通りで、体調も問題ないです。(ホームの)川崎が練習で使えないので、平塚に入ってたりしていて、(平塚は)軽いバンクなのでわりと得意かなと思います」

<2日目11R 特別選抜予選>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は、小田原記念を2111着。優勝でこれ以上ないリズムで地元GIを迎える。小田原記念の決勝で絶好の展開をメイクしてくれた深谷知広の番手から、4日目のゴールデンレーサー賞進出をもくろむ。
 「(前回は南関で)結束してしっかりと優勝できたので良かったです。そのあとは間隔が空いてましたし、やりたいこととか調整の面でも悔いのないようにここまでこられた。あとはレースで力を出すだけです。静岡の方にお邪魔してとか、深谷さんとも一緒にやらせてもらっていい刺激になりました。現状、自分のできることはしっかりやってきたので、本当に100パーセントに近い状態で臨めると思います」
 前回の西武園FIでは2日目に落車のアクシデントで、坂井洋が途中欠場を余儀なくされた。そこから中10日で戦えるデキにはありそうだ。
 「(前回の落車は)擦過傷と打撲ですね。すぐ練習は再開できたので大丈夫です。(中10日は)ずっと練習していた。フレームが壊れてしまったので、練習の時にセッティングを出しながら、すぐに練習を再開して調整してきました」
 前回の武雄記念を3323着とソツなくまとめた佐藤慎太郎は、連係した新山響平にさらなる期待を寄せて、こう口を開く。
 「(前回は)悪くないんですけどね。差すべきところで差せていないので絶好調ではないかなという感じはします。ただ、自分のデキどうこうっていうよりも、(新山)響平の仕上がりがいいんじゃないかなと思います。(新山のデキの良さは)自分も後ろでそれは感じてました。楽しみでもあるし、今後のモチベーションにつながるような開催だったと思います。(特選は)新田(祐大)がいますんでね。全面的に任せていきます」