『第80回日本選手権競輪(GI)レポート』 2日目編

配信日:5月2日

 輪界でもっとも権威のあるタイトル。平塚競輪場で開催されている「第80回日本選手権競輪(GI)」は、5月2日に2日目が行われた。メインの特選2個レースでは、古性優作、清水裕友が白星。深谷知広、吉田拓矢、荒井崇博、阿部力也の2、3着を含めて6人が、4日目の「ゴールデンレーサー賞」に進んだ。また、一次予選では、8レースで地元トリオが上位独占を果たした。5月3日のシリーズ3日目には、二次予選の5個レースで勝ち上がりが争われる。一次予選からさらにシビアな勝ち上がりになり、激戦は必至だ。
 日本選手権シリーズは、開催中の毎日、選手会神奈川支部ブースによるグッズ販売、「日替わり競輪ステージ」、初心者教室ブース、SUSURU出店のラーメンブース、HUBビール・選手コラボドリンク販売、キッチンカーなどの「厳選グルメ」、未確定車券抽選会などが予定されています。また、5月3日の3日目には、「超宇宙刑事ギャバンインフィニティ」キャラクターショー、「トム・ブラウン」のお笑いライブ、「前田大翔」のライブなども行われます。平塚競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<5R>

菊池岳仁選手
菊池岳仁選手
 前受けの菊池岳仁(写真)は赤板前に誘導との距離を取り、そこに上昇した脇本勇希が入る。渡邉雅也が切りにいくと脇本も踏み上げる。赤板2コーナーで渡邉が出て、一度は下げた脇本は打鐘3コーナーで空いたインを盛り返す。両者の踏み合いを見極めて、菊池が仕掛ける。最終ホーム手前で菊池が主導権を奪い駆ける。菊池ライン3車で出切り、5番手の渡邉が仕掛ける。しかしながら、逃げる菊池の掛かりが良く、渡邉は3番手の伏見俊昭の横まで。直線で追い込む恩田を菊池が振り切った。
 「今日(一次予選)はしっかり主導権を取って、(ラインで)ワンツースリーをしたかった。(結果的に)ワンツーになったけど、主導権を取れて残れているんで悪くないかなと。(組み立ては)難しいところだけど、2周を突っ張っても(渡邉)雅也の展開になっちゃうんで。下げてから主導権を取れるようにと思った。今回の自分の調子からも、その方がいいかなと。スピードが出るレースに対応できるようにやってきた。あれだけ踏み直せてるんで悪くない。(周りを)冷静に見られるくらいの余裕はありました」
 恩田淳平は真後ろの伏見と渡邉の併走を確認しながら、慎重に間合いを詰めて追い込んだ。
 「(脇本と渡邉が)結構、踏み合っているところを(菊池が)行ったので苦しかった。周りのラインに脚を使わせてから(菊池)岳仁が行ったので、自分たちには良かった。(渡邉のまくりが)来るならもっていかないとって思ったんですけど、岳仁が強くて助かりました。自分はやっぱり本調子ではないですね。前回が悪すぎたんで、前回よりはいいですけど」

<6R>

飯野祐太選手
飯野祐太選手
 3車の北日本勢が前団。小原佑太は、末木浩二の上昇を阻んで突っ張る。末木は、4番手に降りる。末木との併走から、後藤大輝が打鐘で仕掛ける。小原もペースを上げて、主導権をキープし最終周回。前団の隊列が短くなり、7番手の三谷竜生は、2コーナー手前からまくる。末木との連結を外した諸橋愛が、近畿勢を追走。逃げる小原の番手で飯野祐太(写真)は、三谷のスピードを計りバックから出る。番手まくりで三谷を合わせた飯野が1着。
 「小原君の判断で行ってくれた。後藤君に行かれると厳しくなりますからね。全体的に良かったですけど、(三谷)竜生が来た時に、横に行くか迷いましたね。追走していて余裕はありました」
 北日本ライン3番手の佐藤友和は、最終3コーナーから三谷にかぶったが直線で最内に進路を取り2着。
 「レースは見えていましたし、安心して付いていきました。(飯野が最終)3コーナーで前に踏んだ。そのまま行くかなと思ったけど、いったん止まったので内を締めようと思いました。前検日の前日まで追い込んで練習をしていたので、初日に休みだったのは理想でした。難しいメンバーで(飯野と)ワンツーができてうれしいです」

<7R>

武藤龍生選手
武藤龍生選手
 赤板過ぎに新田祐大が切ってペースを落とす。そこを晝田宗一郎が押さえて出る。吉田有希は2コーナー過ぎから仕掛けて、晝田が踏み上げる前に叩いて主導権。打鐘4コーナーでラインの3車が出切り、晝田が4番手の一本棒で最終周回へ。2コーナーから晝田が仕掛けるが、ライン3番手の隅田洋介は付いていけない。後方の新田が、追いついて2センターから前団に襲い掛かる。直線半ばで内藤秀久とからんだ柏野智典が落車。逃げる吉田の番手から武藤龍生(写真)が差し切った。
 「(吉田)有希が頑張ってくれた。内藤さんも気持ちの入った選手なので、自分もできる限りのことをしようと思っていました。(近況は)落車が続いてからの1着なので、気持ち的にはうれしいですね。(前々回の)久留米での落車でろっ骨が2本折れて、ダメージは大きかった。(前回の)西武園記念の落車は擦過傷がひどくて、練習するまでに時間が掛かった。ろっ骨に違和感はあるけど、西武園記念の時よりは上積みがあるなって感覚があります。(1着は)ラインのおかげです」
 積極策で力を出し切った吉田有希が、武藤とワンツーで別線を完封。
 「ここまでのレースは、切って、切っての流れが多かったんで、前が取れたら流れに沿って仕掛けられればと思ってました。落ち着いて駆けられましたね。掛かりも最近のなかでは上々だと思うし、感触も良かったです。いまは乗り方をちょっと変えてやっている。踏み込めているし、ゴール前もいい勝負ができたと思います。(セッティングを)いじって、バッチリ決まったので、今回はこれでいくつもりです」

<8R>

佐々木眞也選手
佐々木眞也選手
 赤板1コーナーで佐々木豪が切ったタイミングを逃さずに青野将大が反応。スピードに乗せて青野が先頭に立つ。谷口遼平もすかさず巻き返すが、西村光太は付いていけない。青野が踏み上げて、谷口を合わせる。打鐘4コーナーから内を1車押し上げた佐々木豪を、佐々木眞也(写真)がキメて3番手を守る。谷口は後退し、佐々木豪が4番手で立て直す。別線も脚を使い、青野は軽快にピッチを刻む。空けた車間を詰めながら番手の小原太樹が追い込むが、佐々木眞が外を突き抜けた。
 「(神奈川ラインの3番手で)まずは連結を外さないようにと思っていました。(最終ホームで佐々木豪をキメて)キツかったですね。(初日の一次予選で兄の龍が1着で)すごく刺激になった。(平塚での地元合宿にも)参加して、しっかりとやってきました。合宿で走っていたんで(バンクの)感覚も良かったです」
 弟子の青野がレースをつくり、地元3人で上位を独占。2着の小原太樹が現状の状態をこう説明する。
 「(青野は周回中は)中団からで先行勝負しますって感じだった。(佐々木)眞也君が(最終)ホームで締めてくれているのもわかった。なんとか(ラインで)上位独占できればと。(前回の)その前が落車でまったく練習ができてなかったんで、(状態は)100点ではない。いつも通りの調整ができてないけど、やれることはやった」

<9R>

渡部幸訓選手
渡部幸訓選手
 松本秀之介が赤板1コーナーで勢い良く飛び出し、ワンテンポ置いて寺沼拓摩が3番手に追い上げる。さらに皿屋豊が、2コーナー過ぎに先頭に出て主導権。後方に下げた中石湊もすかさず反応して、打鐘手前から巻き返す。皿屋は中石を警戒してグングンと加速して、3番手以下を離す。中石は空いた3番手に入らず、最終1センターで叩いて主導権を奪う。3車で出切った北日本勢で勝負ありかと思われたが、バック手前から8番手まくりの松本のスピードがいい。直線で番手の渡部幸訓(写真)が追い込んで、松本と並んだところがゴール。半車輪しのいだ渡部が1着。
 「(松本の)赤板の切り方がうまかったですけど、(中石は)そのあと落ち着いて仕掛けてくれましたね。理想は(中石と)ワンツーを決めたかったけど、決められずに反省です。流れのなかで仕掛けてくれたので追走できた。前回の静岡よりも、体の状態はいい。上向きです」
 一度脚を使って8番手に陥った松本秀之介だが、まくりを繰り出すと目の覚めるような伸びを見せた。
 「(6番手の)寺沼さんが外を外していたので、そこを目がけてスピードをもらえればと思っていました。バックが追い風だったので、外はキツかったわけではなかった。皿屋さんを越えるまでは強めに踏んで、最後も精いっぱい踏みました。成績を落としていたけど、これをキッカケに調子を戻していければ。年末はギックリ腰になったりインフルエンザになったりしたけど、最近はやりたい練習ができています」

<10R>

古性優作選手
古性優作選手
 後方から動き出した九州勢に、赤板手前で深谷知広がスイッチして追いかける。1センターで嘉永泰斗が押さえて、そこを深谷が仕掛ける。が、古性優作(写真)は、深谷の動きに反応して合わせて上昇。主導権を握った深谷後位には、松井宏佑をさばいた古性が入る。松井も追い上げて併走で打鐘。古性が再び松井を張るが、松井も意地を見せる。前団の隊列が短くなり、最終ホーム手前で8番手の松浦悠士が踏み上げる。逃げる深谷に松浦が並びかけるが、深谷が出させない。深谷の番手は古性。嘉永がバックでまくり上げる。古性と松浦でもつれて、南修二、岩津裕介が落車。直線で深谷をとらえて、古性が抜け出した。
 「理想ではきれいにレースできればと思ってましたし、5番(松浦)がいいタイミングで来てなかったら、(最終)バックを取るつもりでレースをしてました。(松浦が)いいタイミングで来たなって思ったし、その前に自分で仕掛けられればいいんですけど。松井君も何回も追い上げに来てて、自分の間合いをつくれなかった。最後に踏み込んで、南さんとワンツーかなと思ったけど、ゴールして後ろを確認したらいなかったんで、素直には喜べないです」
 ラインの援護を失いながらも逃げ粘った深谷知広は、地元とのゴールデンレーサー賞進出がかなわず反省まじり。
 「(仕掛けて)行ってる時は、(後ろの状況は)気付いていなかった。先頭に出てから気付いた。甘かったですね。古性が(番手に)来ていたので、(松井が)追い上げられるようなペースをつくってでした。(松浦の仕掛けには)早めに気付いて、ペースを上げながら、早めに行かれないように(踏み上げるタイミングを)遅くした。後ろが敵なので、なるべく引きつけて勝負できた。古性の動きを察知していれば、ラインで機能できたと思うんですけど。長い距離を踏めたのは良かった」
 落車を紙一重で避けた荒井崇博が、直線で中のコースを鋭く伸びた。
 「(深谷の番手で)粘るやつが出てくるだろうし、そこからだなと。(古性が飛び付いた)あれがなきゃ(嘉永)泰斗が(深谷の番手に)いってたでしょ。(嘉永)泰斗が粘ってくれたから、その間を踏めて楽だった。間を行けてるんで、悪くはない」

<11R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 赤板過ぎに出た寺崎浩平は、その上を切りに来た菅田壱道を突っ張り出させない。後方から踏み上げた太田海也は、内の6番手の眞杉匠を一度けん制してから打鐘過ぎに先頭に立つ。太田が駆けて、清水裕友(写真)が続く。寺崎が3番手に飛び付いて、菅田を内からさばいた眞杉は6番手を奪い、最終ホームを通過する。2コーナー過ぎに眞杉がまくり、寺崎は3コーナーから踏み上げる。清水は番手で後続をけん制して追い込み、吉田拓矢を僅差で振り切った。
 「(太田に)全部、任せていました。(別線が)切って、切っての感じだったんで、(太田は)仕掛けやすかったのかなと。(太田に付いていての感じは)ん…、自分の調子がいいってことにしておこうかなと。(太田に関しては新聞の記事に)熱が出たとか書いてあったので、いつもよりはスピードの乗り的にはあれ(あんまり良くない)だったのかなとは思いますけど。あと前検日から1日空いてるのもあると思う。(もっとアシストをしたかったが)自分も早めに(太田の後ろで)詰まったところがあった。自分(の感触)はいいと思います。ダービー(日本選手権)でいえば、1走目は本当に大事だと思う。(4日目のゴールデンレーサー賞進出で)準決に乗れたことは、あれ(良かった)ですけど」
 打鐘付近では一度、眞杉を見失った吉田拓矢だったが、4コーナーで付け直す。眞杉のまくりが止まると、中のコースを伸びて強襲した。
 「(スタートは)悩んだんですよね。(自分たちの後ろが太田)海也になるなら、(自分たちは)海也の後ろからの方が良かったかなって。眞杉が(太田)海也(ライン)のところに付いていければ、3番手だったんですけど。自分はそのあと連結を外したんで、眞杉の後ろは確保しなきゃと。(太田が掛かっているのに眞杉が)行ってくれたんで、あとはコースを見てなんとか2着に入れたんで良かったです。(感触は)最近のなかでは一番良くなかった。セッティングなのか、変な力みが出ている。(初日を休んで)疲れを抜きすぎて、張りがなかった」
 打鐘2センター過ぎに眞杉に弾かれた菅田と息が合わず。阿部力也は栃茨コンビに切り替える形から、最終3コーナー過ぎには最内を突いて3着に入った。
 「あそこ(近畿勢を菅田が)しっかり叩ければ、いい展開になったと思うんですけど。甘くはないですね。眞杉の後ろに(菅田を)迎え入れようと思って待ったんですけど、(菅田)壱道さんが引いちゃった。押し出されるようにスイッチみたいな感じになって、申し訳なかったです。(太田は)かなりいいペースだったんで、眞杉もこれを(まくって)行くのかって。付いていったらまったく間に合わないなって、内も空いてるのが見えて冷静にいけました。このレベルで戦ってわりと余裕があったように感じたので、調子はいいのかなと思います」