『第80回日本選手権競輪(GI)レポート』 4日目編

配信日:5月4日

 輪界でもっとも権威のあるタイトル。平塚競輪場で開催されている「第80回日本選手権競輪(GI)」は、5月4日に4日目を迎えて、6日間のシリーズも後半に突入した。メインの「ゴールデンレーサー賞」では、単騎の古性優作が直線で突き抜けて豪華メンバーでの戦いを制した。また、残りの二次予選では、太田海也、松浦悠士のワンツー。岩津裕介、町田太我の上位独占と中国勢が結果を残した。シリーズもいよいよ正念場、5月5日の5日目は、日本選手権ファイナルのキップをかけた準決バトルで熾烈を極める。
 日本選手権シリーズは、開催中の毎日、選手会神奈川支部ブースによるグッズ販売、「日替わり競輪ステージ」、初心者教室ブース、SUSURU出店のラーメンブース、HUBビール・選手コラボドリンク販売、キッチンカーなどの「厳選グルメ」、未確定車券抽選会などが予定されています。また、5月5日の5日目には、「具志堅用高」のトークショー、「ひょっこりはん」のお笑いライブ、「ボートレーサー茅原悠紀」のトークショー、「麻雀プロ・瑞原明奈」のトークショーなども行われます。平塚競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

ゴールデンレーサー賞 レース経過

 号砲と同時に郡司浩平、古性優作、荒井崇博が飛び出したが、荒井が制して誘導員を追う。道中は、清水裕友-荒井、古性、深谷知広-郡司-和田真久留、吉田拓矢-阿部力也、山口拳矢の順で周回を重ねる。
 後ろ攻めの吉田が赤板過ぎに一気に先頭に飛び出すと、その上を山口が切る。深谷は2コーナーで山口を叩いて南関勢が出切ると、山口は4番手、追い上げた古性が5番手に入る。前受けから引き切った清水は、打鐘2センター過ぎに反撃を開始するも、バックで3番手の外まで。その外から吉田がスピード良くまくるが、郡司が2センターで外に振って直線へ。だが、3コーナーで内に進路を取った古性が、2センターから外に持ち出すと、ゴール寸前で郡司、吉田の中を割り、ゴールデンレーサー賞を制した。郡司のけん制を受けながらもまくった吉田は2着。郡司が3着。


<5R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 後方から上昇した根田空史に合わせて、稲川翔(写真)が切りに出るが、小林泰正は出させない。稲川が再度、4番手に降りて、根田は7番手。根田は打鐘で巻き返す。小林も合わせて踏み上げるが、最終ホーム過ぎに根田が叩き切る。山賀雅仁は遅れ気味で、小林が飛び付く。逃げる根田との車間が空きながらも、山賀、小林が追いかける。7番手になった稲川は、2コーナーまくり。ラインの援護がなくなった根田を、稲川が直線でとらえた。
 「もちろん小林君の方が(根田よりも)自在性がありますし、根田君が先行態勢に入るだろうってところで先に叩かないとっていうのは意識していた。結局、後方になったんですけど、柏野(智典)さんが任せてくれたので、行けなくても(仕掛けて)行こうって思えたのが大きかったです。前の動きを見過ぎずに踏もうと思っていたし、ちょっと遅いくらいでした」
 最終ホーム過ぎに主導権を奪取した根田空史は、加速に遅れた山賀がからまれて、稲川翔の格好のターゲット。まくられはしたが、2着に踏ん張った。
 「前のレースを見ていて、先行有利だなと思ってました。無理して出たところで脚を使うだけだし、それなら1回、戻って立て直してから行こうと思ってた。小林君も普段から見ているからか、あのタイミングはかなり踏んでいてキツかった。でも、(打鐘)4コーナーからの伸びはやっぱり良かったです。(バンクの)コンディション的に、バックの追い風でスピードに乗ったので、残れるかなと思った。稲川さんは勢いをもらってきてたし、あれはしょうがないですね」

<6R>

森田優弥選手
森田優弥選手
 赤板過ぎに切った森田優弥(写真)は、福岡勢を送り出して3番手を単騎の笠松信幸と併走。打鐘過ぎに笠松が下げて、森田は3番手を確保する。今度は5番手で簗田一輝と笠松がもつれるが、簗田が踏み勝って最終周回。森田は、2コーナーから仕掛ける。逃げる北津留翼をバック過ぎにまくり切り、杉森輝大の追走。杉森も詰めるが、森田が1着。
 「ほぼ(北津留との)2分戦だったので、突っ張り合うかなって思っていたんですけど。周回中から風が強くてキツかった。セッティングを見てもらったんですけど。今日(4日目)は展開が向きました」
 2車ラインだっただけに、後ろを警戒しながらの追走になった杉森輝大はこう振り返る。
 「その(最終ホームで簗田の)動きもあったので、内を空けないように気をつけていました。結構、風が強かったけど、森田君がしっかり踏んでいってくれました。今回から新車にしたけど、流れる感じがしない。セッティングはいじっているんですけど。体の方は問題ないですね」

<7R>

嶋津拓弥選手
嶋津拓弥選手
 岐阜コンビが出た上を、長島大介が赤板2コーナーで押さえる。山田諒が4番手に収まり、前受けの河端朋之は一本棒の7番手で打鐘を迎える。先行態勢の長島は、最終ホームを目がけてそのまま踏み上げる。車間を空けた山田が、詰める勢いで2コーナーでまくりを打つ。河端もバックから踏み上げる。けん制した成田和也の外を踏み込んだ山田のさらに外を河端。嶋津拓弥(写真)は直線でコースを探しながら、山田と河端の間を追い込んで突き抜けた。
 「前の状況はわかっていなかったですね。河端さんのスピードをもらって突っ込めました。今回は調子がいいだけに、勝ち上がれずに悔しかったけど、(ここまで)2勝できて良かったです。脚は上がっていないけど、追い込みに慣れてきました」
 4番手まくりの山田諒が、僅差の2着争いを制したが、ゴール後は落車に見舞われた。
 「(ゴール後の落車で)手が痛いのと、擦過傷ですね。そこまでひどくないから、休んでまたレースに備えたい。(レースは)風が強くてみんなSも速くて後ろになってしまった。それで流れのなかで切ってからでした。長島さんがかなり踏んでいってくれたので、中団から河端さんに合わせて仕掛けようと思っていました。ギリギリをまくりにいってないから、成田さんに来られてしまうし、最後も内から来られてしまう。そこが反省ですね。」

<8R>

阿部将大選手
阿部将大選手
 守澤太志、金子幸央の順番で切って出る、金子が先頭でペースを握り、阿部将大(写真)は前受けから6番手になる。三谷竜生は動けずに、8番手で打鐘を通過。金子のペースを見極めた阿部は、2センターから仕掛ける。阿部が最終1センターで楽に叩き切り、松岡貴久まで出切る。九州勢を追いかけた勢いで三谷がまくるも一息。飛び付いた金子と三谷が3番手でもつれて、3コーナー過ぎに金子がさばく。直線は九州両者のゴール勝負で、阿部が微差で振り切った。
 「(打鐘で6番手になって、8番手の)三谷さんが行くなら付いていこうと思っていました。(前の金子が)駆ければ待つつもりだったけど、全然、駆けてないので(仕掛けて)行きました。初速でモタモタしたんですけど、座ってから悪くなかったと思います。(GIの成績もここまで)過去最高かもしれません(笑)。一次予選を勝ち上がっても、そのあと9着、9着、9着だったりしたんで、うまくまとめられているかなと」
 3日目に今年の初勝利を挙げた松岡貴久は、連勝ならずの2着。
 「(阿部の踏み出しに)ちぎれました。強かったですね。(最終)2コーナーからもしっかりと踏み直していた。展開も良かったけど、自分は後ろをそんなにしっかりと確認できていなかった。状態は一次予選よりはマシになっているかなって思います」

<9R>

太田海也選手
太田海也選手
 青板2センターで中団の志田龍星が後方の動きを警戒するが、太田海也(写真)が動き出して赤板過ぎに先頭に飛び出す。前受けの坂井洋がすんなりと引いて4番手を確保。8番手になった志田は2コーナーで仕掛けて、打鐘2センターで太田を叩いて主導権を握る。中部勢を出して3番手を取った太田は、最終1センター過ぎからまくり、バック手前で志田をとらえる。直線では番手の松浦悠士とのゴール争いを制した。
 「(志田を)出させずに2着までに入るレースができたら完璧なのかなと思います。自分のなかでは、(残り)2周のところで結構踏まされた。そのペース的に弱気になってしまった。いい位置が取れたので、それなりの踏み出しでした。自分のなかでは疲労が回復して、自転車にも触れながら過ごせているので、自分に合った日程だと思う。雨が降ったりもしたけど、ローラー練習ができたのが良かった。全日本選抜は(準決勝が)4着で上がれなかったので、今度は決勝に乗れるように。その前に力を出し切れるようにしたい」
 太田のまくりにピタリと続いた松浦悠士は、1着の太田に4分の1車輪差まで詰め寄っての2着。
 「(志田が仕掛けてきた)あのタイミングなら、突っ張っても良かったかなとも思う。でも、しっかりまくり切れているし、(結果的には)良かったと思う。自分の追走の仕方で桑原さんに迷惑をかけました。まくり切ってからは、抜く脚は残っていなかったです。自分の気持ちに焦りがあったと思う、もっと落ち着いて走れれば。(感触は)1走目の方が良かった。(1走目で)乗り方が浮いている感じと言われたので、その辺を修正してって感じでした。でも、刺激が入ったので、もうちょっと良くなるかな。(体に関しては)気になるところもあるけど、落車しているし、難しい。うまく修正できれば」

<10R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 初手は東矢圭吾が前受け、3番手が吉田有希で、5番手の町田太我が青板3コーナーで後ろ攻めの中野慎詞よりも先に動いて、赤板過ぎに先頭に立つ。中野は中国勢の動きに乗りながら町田を打鐘付近で叩くが、内から盛り返した町田が先頭を奪い返す。町田は最終1センターでさらに加速し、中野は3番手に入り直すも、前の中国勢とは車間が空く。直線は中国勢での一騎打ちとなり、番手の岩津裕介(写真)が、ゴール寸前で町田をとらえた。
 「北日本が後ろ攻めだったので、周りがどう動くかでしたね。(町田は)番手勝負もあると思ったが、中野君が流したので、それならと、いい判断でしたね。僕が付いていけているし、3番手には中野君が入っている。どこかで来るなと思って必死に踏んでいました。抜ける感触はなかったですし、マグレです。(特別選抜予選は落車して)こういうときもあると、先輩たちもそうやってきているし、気にすることなく走ろうと思っていました。柏野さんは2回目の落車をしても走るということだったし、自分も気持ちが入りました。(準決勝は)自分のできることを精いっぱい頑張りたい」
 先行した町田太我は2着。別線を完封して中国ワンツーを決めた。
 「慎詞さんが後ろ攻めだったので、先に切らないと終わりだと思って、先に切って勝負しようと思っていました。スパーンと来てくれたらアベタク(阿部拓真)さんのところで勝負もと、思ったけど、緩めてくれてラッキーでした。マイペースで先行できたのでよかったです。(強風の)こういうコンディションが一番好き。もっと風が吹いて欲しいですね。2日間休みがあったので、体が緩くなったと思ったが、仕上がっていてよかったです。ダービーの準決勝は初めてです」

<11R>

古性優作選手
古性優作選手
 7番手から上昇した吉田拓矢が、清水裕友を押さえて赤板1コーナーで出る。吉田ラインに続いた山口拳矢が、単騎でその上を切る。深谷知広は山口の動きに反応して踏み込み、2コーナーで先頭に立ち主導権。もう一人の単騎、古性優作(写真)が、最後方から俊敏に追い上げる。深谷の先行。4番手を山口が確保して、古性は打鐘3コーナーで5番手に入る。8番手から清水が反撃に出て、深谷もペースを上げて最終周回へ。清水が南関勢に襲い掛かり、吉田は2コーナーでその外をまくる。逃げる深谷の番手で車間を空けた郡司浩平は、後続を引きつける。清水は止まり、吉田を郡司が2センターでブロック。3コーナーから山口の内を進出した古性は、4コーナーでコースを探す。追い込む郡司と吉田の間をこじ開けるようにして、古性が伸びて1着。らしい動きでゴールデンレーサー賞を制したものの、古性のジャッジは厳しい。
 「(結果的に1着だが)決勝では、あの組み立ては通用しない。決勝だったら郡司が優勝している展開ですから。展開が向いただけで、それで勝っただけです。外を踏む気しかなかったんですけど。タイミングが重なって(最終2コーナー付近で山口)拳矢の内に差してしまった。そこからなかなか車輪が抜けず、ヤバい、ヤバいって感じでした。(最終)バックでは外を踏みたかったんで、バックを踏んで早く行きたかったんですけど。車輪がなかなか抜けなかったんで、そのまま行っちゃえって3コーナーでいっただけです。自分が外を踏んでっていうレースは、脚力がないんで厳しい。そういう意味でも、しっかりとやらないといけない。自分が高い意識をもってやっていかないと」
 清水のまくりのさらに外を仕掛けた吉田拓矢は、郡司の猛ブロックをこらえて2着。
 「(打鐘過ぎの)この辺も甘いですね、古性さんに入られている。ただ、あそこにこだわりすぎても仕掛けどころをなくすと思った。あとはどこかで(仕掛けて)行こうと。(まくりは)苦しまぎれだった。郡司さんには踏み勝てると思ったけど、古性さんが入ってきた。(感触は)道中、余裕がないんで良くはないですね。自転車は流れてくれているんで、(原因は)体だと思う」
 深谷の先行策。番手の郡司浩平にとっては好展開も、吉田を止められず、さらには古性の強襲にも屈した。
 「(周回中は)中団で(別線が)切ってから、行ければいいかなって(深谷もそういう)感覚ではあったと思う。(単騎の山口が切ったところは)予想外だったので、見ながらでした。(深谷は)いいペースでしたね、強かった。清水(裕友)が見えて、ちょっとかぶった感じで外にヨシタク(吉田)がいた。(最終)3コーナーくらいで、一振りできれば理想でした。それができなかったんで、最後のセンター過ぎ、4コーナーくらいで苦しいところの動きになった。今日(4日目)は道中、余裕がなかった。余裕をもってニュートラルに入れられれば、最後、踏み勝てたと思う。(5日目以降には)うまく調整はできていると思うので、あとはいい時の感覚にもっていければ」