『第80回日本選手権競輪(GI)レポート』 5日目編

配信日:5月5日

 輪界でもっとも権威のあるタイトル。平塚競輪場で開催されている「第80回日本選手権競輪(GI)」は、5月5日に5日目を迎えた。ファイナル進出を巡り、熾烈なバトルが繰り広げられた準決では、古性優作、松浦悠士、取鳥雄吾が白星を挙げて優出。S級S班は古性に加えて、吉田拓矢、眞杉匠の2人も決勝に勝ち上がった。また、地元の郡司浩平は落車に見舞われ、残念ながら最終日を欠場になった。いよいよ6日間のシリーズも大詰め、5月6日の最終日には、優勝賞金1億300万円(副賞含む)をかけて、トップ9による決勝で優勝が争われる。
 日本選手権シリーズは、5月6日のシリーズ最終日も、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。「近藤真彦」のトークショー、平塚競輪イメージキャラクター「中田花奈」のトークショー、「角田信朗」のトークショー・ライブ、「叶美香」のトークショー、選手会神奈川支部ブースによるグッズ販売、「日替わり競輪ステージ」、初心者教室ブース、SUSURU出店のラーメンブース、HUBビール・選手コラボドリンク販売、キッチンカーなどの「厳選グルメ」、未確定車券抽選会などが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

松本貴治選手
松本貴治選手
 高橋築が切って、道場晃規が赤板2コーナー手前で押さえて出る。松本貴治(写真)はインを押し上げて、3番手が松本と高橋の併走で打鐘を迎える。主導権の道場が徐々に踏み上げて、8番手の東矢圭吾は2センターから巻き返す。最終ホーム手前で高橋をさばいた松本が、3番手を取り切る。逃げる道場との車間を空けた佐々木眞也は、詰める勢いで東矢に合わせて番手まくり。佐々木を追いかけた松本が、ゴール前で交わして1着。
 「もう流れでいこうと思っていました。ペースが緩ければ切ろうと思っていたんですけど。結構、赤板からスピードが上がっていたので(内へ)行きました。(高橋との併走を)しのぐので、いっぱい、いっぱいで、(東矢の仕掛けは)わからなかったです。(最終)2コーナーから自分で(まくりに)行ければ良かったんですけど。脚が残っていなかったです。でも、1着をなんとしても取りたかった。(今シリーズは)力を出し切れず1走目、2走目と終わったので、悔いが残らないように走ろうと思っていました」
 ロングまくりの東矢のスピードを計り、番手まくりの選択をした地元の佐々木眞也が2着。
 「道場君もすごく気合も気持ちも入っていました。松本さんが後ろにいるのはわからなかった。(東矢が巻き返してきていたが)道場君も掛かっていたので、判断が難しかった。与えられた位置で勝負していこうと思っている。今日(5日目)も勝ち切れなかったですけど、引き続き感じは悪くないので頑張りたい」

<7R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 赤板過ぎに吉田有希が先頭に出て、前受けから踏み込みながら岩本俊介が3番手に入る。新田祐大(写真)が中石湊を5番手に迎え入れて、8番手になった犬伏湧也は2コーナーから仕掛ける。ペースを上げて抵抗する吉田を、犬伏が最終ホーム手前で叩き切る。小倉竜二は付け切れず、中石も踏み上げる。援護を失って一人で風を切る犬伏を、中石がバック過ぎにまくり切る。北日本3人で出切り、番手の新田がきっちりと交わした。
 「残り2周の誘導を切ったところで、岩本さんも前々に行きたそうに見えて、中石が冷静に対応できたかなと。(犬伏を追いかけた時も)中石ももっと前から行きたかっただろうとは思ったけど、落ち着いて行って(最終)バックで(犬伏を)交わして出切った感じでした。(ナショナルチームの)ジュニアで初めて教えたので中石だったので、初連係でワンツースリーを決められて感慨深いですね」
 北日本3人で上位を独占。落ち着いた仕掛けで犬伏をまくりで仕留めた中石湊が振り返る。
 「犬伏さんを後方に置いてと思っていました。(岩本が位置を取りにきて)そこは冷静に流れを見ていました。犬伏さんが1車で行ったので、その勢いをもらっていきました。どの大会も競技も競輪でもですけど、すごい選手だらけで刺激になっていて楽しいです。走ったことのないS1の選手だらけですし、疲れも感じていません。勝ち上がりはできなかったけど、状態はいい感じです」

<8R>

新山響平選手
新山響平選手
 赤板過ぎに菊池岳仁が、嘉永泰斗を出させずに突っ張る。態勢を整えていた中野慎詞は1センターからダッシュを利かせて、合わせる菊池を叩いて打鐘で主導権を握る。新山ラインが3車で出切ると、7番手の嘉永が4コーナー手前から反撃に出る。中団まで迫った嘉永を、4番手の菊池が最終1センター過ぎに外に張る。接触した嘉永は、車体故障で後退。菊池のまくりを引きつけた新山響平(写真)は、けん制してバック過ぎから出る。菊池が浮いて、鈴木竜士も踏み込む。詰める鈴木を退けた新山が1着。
 「(二次予選3着で準決に上がれず、1走目9着だったのが)良くなかったのでもっと粘れるように頑張ります。(スタートは)前が希望だったけど、(中野は)中団からでも落ち着いて駆けていたんで、さすがですね。すかさずタイミングを逃さずいってますし、いい先行でした。(中野は)ダッシュも一級品だし、そのあとの伸びもすごかった。(自分は)脚がたまらないなかだった。少しフカし気味だったんで、番手から出る感じだった。いつも頑張ってくれてありがたかった。嘉永の仕掛けが見えましたけど、まだ出るタイミングじゃないなって落ち着いて見ていた。菊池も脚を使っていたので、それほど出は良くなかった。そこももっと落ち着いて対応すれば、(中野)慎詞をもう少し残せたかなと」
 目標の菊池のまくりが新山に合わされて、鈴木竜士は最終バックで自力に転じてまくった。
 「ジャンも中野君のスピードが良かったですし、(菊池は中野ラインを)行かせて4番手、もしくは3番手でハマったところから勝負できればいいんじゃないかと。菊池は接触があったんですけど、接触がなければもっといいところまで行ってたんじゃないかと。たまたま接触があったんで、自分は内にコースを取った。狙ってたわけじゃないですね。(3月の決勝2着の)豊橋記念より(新山に)差し込めたかなと思います。一次予選は動けてましたし、昨日(二次予選)は最低限の着は取れて、今日もしっかり確定板にのれているので悪くはないと思います」

<9R>

古性優作選手
古性優作選手
 松井宏佑が赤板1コーナーで先頭に立ち、佐々木悠葵は3番手に下げる。渡部幸訓と接触した石原颯は、車体故障で後退。5番手は寺崎浩平、目標を失った清水裕友は8番手で打鐘を迎える。3コーナー過ぎに寺崎が踏み込むが、主導権の松井もペースを上げる。寺崎は再び、最終ホーム手前で仕掛ける。寺崎がスピードに乗せて、松井を2コーナー過ぎにとらえる。佐々木が近畿勢にスイッチ。その外はまくった清水は不発。2センターから外を踏み込んだ佐々木が強襲するが、寺崎の番手から古性優作(写真)が追い込んで勝ち切った。
 「6番(佐々木)がサラ脚で回ってしまっていた。風も強かったですし、その分、伸びられてしまった感じですね。ブロックできるタイミングで来てくれれば、仕事ができたんですけど。難しかった。とにかく(佐々木の踏む)距離を長くしようと外に踏みながら、(山田)久徳さんのコースをつくりながら踏みました。(状態面は)3日間、展開が良かったので、なんとも言えないですけど。(完全優勝した前々回の)伊東の時の方がしっかりペダリングできていたかなって。でも、それ(伊東)ぐらいの感じはあると思います」
 俊敏な立ち回りから直線でシャープに伸びた佐々木悠葵は、一昨年10月の寬仁親王牌以来、2度目のGIファイナルをつかみ取った。
 「(ラインの渡部幸訓がSを取ってくれて)ありがたかったです。ちょっと(打鐘でスピードが)上がったので、寺崎君の方が先に(車間が)詰まる感じだった。自分が行ったら登りになって仕事をされると思ったので、そこは冷静にでした。ホームが結構、風が強くて、寺崎君は脚を使っていってた。最後も風を受けてタレたので、自分に展開が向きました。前がタレてきたので伸びました」
 佐々木とのタッグだった渡部幸訓は、3着で通算5度目のGI優出。一昨年8月の平塚でのオールスターも決勝進出を果たしていて、バンクとの相性もいい。
 「(石原と)接触して、後ろの並びも確認できなくて、いっぱいいっぱいで追走している感じでした。(寺崎に)先まくりされたので、そこから(佐々木は)どうするのかなって自分も迷いながら付いていった。それで車間が空いてしまった。詰めながらスピードをもらっていけたのは良かったです。体的にはいいですけど、ダービー(日本選手権)は予選からの勝ち上がりがキツいので、ラインと展開をモノにできたのかなって。伸び自体はいいと思います」

<10R>

取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 赤板過ぎに前受けの太田海也が、後ろ攻めの山口拳矢の上昇に合わせて突っ張る。山田庸平が7番手に切り替えて、突っ張られた山口は8番手に下がる。太田は最終ホームを目がけて一気にペースを上げる。すると中団の眞杉匠は、2コーナー手前で内から岩津裕介をどかして3番手を奪取。太田の掛かりが良く、後続は仕掛けられない。直線手前でようやく眞杉、吉田拓矢の関東勢が詰め寄るも、4コーナーを番手絶好で迎えた取鳥雄吾(写真)が抜け出して、ビッグ初優出を決めた。
 「(今回がGI初の優出で)岩津さんと海也君のおかげで乗らせてもらった。(初手は)前からの方がやりやすいと思って、前を取りました。海也が強かったので、おんぶにだっこでした。最後、ミスってしまいましたね。眞杉が真後ろにいたので、ビビッてしまった。(内を)空けないようにと思っていましたけど。(3走して)体の調子は悪くないですね。でも、今日(準決勝)は前の太田君と後ろの岩津さんのおかげです。(決勝に向けて)集中したい。(このあとは)休むところは休みたいですね」
 眞杉匠の動きに続いた吉田拓矢は、直線でイエローライン付近を伸びて2着。
 「眞杉の感性に任せていました。眞杉は上(外を)行くかなと思ったけど、海也が掛かっていたんで、そういうレースではなかった。眞杉の判断は間違ってなかったですね。(自分は)眞杉が踏んでから踏もうと思っていました。とりあえず、最低限、勝ち上がることはできました。感覚は今日(準決勝)が一番良かったので、このまま(セッティングを)変えずに。疲れが抜けてきたので、明日(決勝)、ハイパフォーマンスを出せたらいいですね」
 最終2コーナー手前で内をすくって3番手を取り切った眞杉匠は、そこから仕掛けられずも、なんとか僅差の3着争いを制した。
 「スタートは取りたかったですけど、僕が遅すぎた。(太田の最終)ホームからの加速は半端なかったですね。きつかった。もっと(仕掛けて)行ければ良かったですけど、外を行ける感じは全然なかった。(内に行ったのは瞬時の判断ですか)はい。(3番手を取って)ここからもきつかったです。(3走して)体は悪くないと思います。しっかりケアをしたい」

<11R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 周回中、8番手にいた町田太我が上昇して、山崎賢人も6番手から合わせて動く。赤板過ぎに山崎が切って、広島勢を送り出す。追い上げた単騎の鈴木玄人に乗って、深谷知広が仕掛ける。深谷が打鐘3コーナーで主導権を奪い、町田が飛び付くが、4コーナーでキメた郡司浩平が番手を守る。そこを8番手になった山崎が、最終ホーム手前で反撃に出る。好スピードでまくる山崎を郡司がけん制。山崎が乗り越えるが、3コーナーで郡司が山崎の後輪に接触して落車。阿部拓真、鈴木も乗り上げる。1位入線の山崎は失格。最終ホームでは町田を4番手に迎え入れた松浦悠士(写真)は、町田の余力を見極めて2コーナーから前に踏み込む。アクシデントを避けた松浦が繰り上がった。
 「(仕掛けてきた深谷に町田が)もうちょっと合わせるくらい踏んでくれたら、僕も郡司君に当たれるんですけど。ちょっと反応が遅れたような感じだったので、僕もサポートできず申し訳なかったです。(町田に切り替えるかを)1回待ったんですけど、キツそうだったので切り替える形になりました。(最終バックで)郡司君(の体が)が斜めになったのが見えたので、大きく避けすぎないようにはしましたけど、うまく対応できたかなと思います。(最後は)荒井さんを食えているのでいいかなと思います」
 山崎とそろっての優出が水泡に帰した荒井崇博は、山崎の失格にはやりきれない思いで振り返る。
 「(山崎の仕掛けに付いていって)苦しかった、とくに(最終)1コーナーが苦しかった。追いついたし、練習しておいて良かった。ただ、(1位入線の山崎)賢人が失格になってしまったのだけが残念でした。(昨年11月の競輪祭からGIを3連続決勝進出で)九州の戦力が増してきたのが大きい。賢人にしろ、(嘉永)泰斗にしろ。(自分は)楽させてもらってます。俺ばっかりいい思いしてるんで、さっさと(GIを)取って、周りに貢献したいとは思うんですけどね」
 深谷が仕掛けて、阿部は南関勢を追うが、菅田壱道は連結を外す。最終2コーナーの立ち上がりでは9番手になった菅田は、アクシデントを回避して3着。
 「(阿部)拓真に全部任せていたけど、(赤板付近の)ここで動かないかとっていうのはありました。深谷(ライン)任せにって感じでしたね。(阿部との)連結を外してしまったのが…。(最終バックでは)内に行かなきゃ決勝はないと思っていたので、内は見ていた。けど、結構、危ない感じを察した。あんまり褒められたレースではないですね。避けた段階で脚にガチってきちゃって、最後に中を割る脚も残ってなかった。(ここまでの3走は)しっかりレースができたのは二次予選くらいですかね。反省点が多い開催なので、明日(決勝)はしっかりレースして終わりたいと思います」