『第59回日本選手権競輪(GI )レポート』 最終日編
 
配信日:3月26日


若生武則の 『第59回日本選手権競輪(GI )レポート』 最終日編



 競輪ファンは、「一生分の涙」を流し果たしたのではないでしょうか。感動のゴールシーンを、目前、モニター、とにかく見られた方は、大感動の渦、そして涙の渦に巻き込まれたと思います。ご覧になれなかった方々、本当に残念でしたね。これだけ感動のシーンはそうそう無いと思います。 こんにちは。KEIRINマガジンの若生です。
 
ゴール
  ガッポーズ

 化け物的に強かった時代から、落車負傷で成績ががた落ちし、それでも腐らずファンの為に走っていた吉岡稔真選手が、見事に第59回日本選手権競輪【GI】を逃げ切って優勝!です。前回のGI優勝から約7年、不死鳥のごとく甦りました。

 振り返れば今開催は確かに吉岡選手の動きは、素晴らしいものがありました。特に準決勝の捲りは、全盛期の動きと感じた方々も多かったと思います。しかしながら、競輪の展開はそう上手くは行かないのが常。でも、天の運はすべてにおいて吉岡選手の優勝を後押ししたのではないかと感じました。

 表彰式を待つ吉岡選手の目から、堪え切れずに溢れ出す涙がオーロラビジョンに映し出された時の場内は感動のあまり、絶叫するファンが続出、そして、グランプリの表彰式でも見られないようなスタンドを埋め尽くすファンの多さに、改めて吉岡選手の人気の高さを感じました。
 
溢れ出る涙
  表彰式

 さて、これで今年のグランプリ出場確定が小倉選手、吉岡選手の二人となり、今後のGI戦線がどのように展開していくのかますます楽しみになりましたね。

■11レース 決勝
 吉岡稔真が正攻法に構え、その後ろに小倉竜二、有坂直樹、加藤慎平、山口富生、後閑信一、藤原憲征、阿部康雄、稲村成浩で周回。残り4周で後閑が上昇し、小倉のヨコまで車をあげる。小倉は青板バックで一旦車を引くも、再度、赤板前から上昇し、外側から番手に。
 最終ホームあたりで稲村も番手に追い上げ、番手は大混戦になり、最終1センターで大量落車となった。優勝は先行し逃げ切った吉岡。2着は落車よけ、吉岡を追走した有坂。3着には加藤が入った。
 
周回
  残り3周半
 
青板過ぎ1センター   青板過ぎ2センター
 
打鐘   最終ホーム
 
最終1センター   最終バック
ゴール!


→ダッグアウトから
→私的明日の展望



■ダッグアウトから

<1R>
  捲って1着の小林大介
「最後にいい着がとれてよかったです。作戦的には流れをみてって感じでしたね。バンクは、風はなかったんですけど、バックが重かったですね。捲った時は脚がいっぱいでした」



<6R>
  先行した白戸淳太郎の3番手から直線伸びて1着の曾田正一
「最終日の1着が一番いいですね。気持ち的に次につながりますからね。次はふるさとダービー小松島なんで、また頑張ります」


<7R>
  あいたコースを突き抜け1着の大薗宏
「恵まれました。(坂本)英一さんのおかげですね。コースとり全部してくれました。本当は僕が前で戦うべきなんですけど、前で頑張ってくれて、自分ばっかりいい着きちゃって申し訳ないです」


<8R>
  先行する吉田敏洋の番手から1着の山内卓也
「吉田が頑張ってくれたおかげです。きついメンバーだったんですけど、吉田が『頑張る』って言ってくれたんで。もっと残したかったけど、そうしたら、山崎が捲り追い込みで皆を連れてきちゃいますからね」

  捲り追い込んで2着の山崎芳仁
「今日は自分でもダメだと思いました。よく届いたな…って自分でも思います。勝つなら中団と思っていたんですけど、後方になるし、村上(義弘)さん中団にいるし、きびしかったですね。吉田が中団なら遅くからでもいいけど、村上さんなら合わせられちゃうから早めに行かないといけないんで、踏みっぱなしでした。先行した並にきつかったです」

先行した吉田敏洋は
「いや、もう今日はタイミングがどうとかじゃなく、一、二の三で行ってやろうと決めていました!」と先行意欲はかなり高かったようだ。


<11R>
  優勝した吉岡稔真
「今は嬉しいのひと言ですね。今回(優勝を)逃したら、もう獲れないくらいの気持ちで今日のレースに臨みました。稲村(成浩)に(最終)ホームで叩かれなかったのが今日の勝因だと思います。自分は獲っても泣く事はないと思っていたけど、ずっと待っていてくれたファンの皆さんを見た時にグッとこみ上げてきました」

  2着の有坂直樹
「よくあの落車をよけられました。ダービーは初めて優出して2着だし、競輪祭は3着だったので、次の宮杯の時は福島のヤツらに獲らせてもらいます(笑)。うん、でも、ダービーで2着は大きいですね!」

  3着の加藤慎平
「2着よりも頭をとりたかった。3コーナーで勢いに任せてもっと行けばよかった」

小倉竜二は「予想通り、アンコにされたらしゃーない。でも、競りは覚悟していました。まだ、全然駆けてなかったし、力は残っていました。次のふるさとダービー小松島は欠場します…ウソです(笑)」
阿部康雄は「勝負する前に落ちちゃったんで、残念です。もし、もう一回GIの決勝に乗れることがあったら今度は完走したいですね(笑)」前回GIで優出した時(99年のオールスター競輪)も事故棄権だったそうだ。
藤原憲征は「GIの決勝は楽しかったです。落車がなければ最高の場所だったんですけどね」

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