『第61回日本選手権競輪(GI)レポート』 3日目編
 
配信日:3月20日


 第61回日本選手権競輪は大会三日目を迎えた。本日から二日間をかけて二次予選7個レースと「ゴールデンレーサー賞」(4日目)が行われ、選手達は更にふるいに掛けられる。今日は二次予選5個レースが行われたが、レースは更に激しさが増し落車事故が多発。大波乱の一日となった。

 場内イベント会場も連日大いに賑わっており、明日(3月21日)も沢山のイベントが用意されております。まずは、輪投げ、ストラックアウト、キックターゲットなど、楽しい場内イベントや縁日コーナーが大会5日目まで行われています。また、6,11レース終了後にGR賞特別選手紹介と表彰式、4,8レース終了後には特設ステージに「LOVE9」が集合。7レース終了後には名輪界によるサイン会が行われます。こちらもどうぞお楽しみに。


<3R>
 3レースは最終ホームからカマシを決めた栗田雅也が、番手の望月永悟を振り切って堂々の逃げ切り勝ち。
 「一次予選で不甲斐ないレースをしたんで、今日は前を取ってからカマシ、まくりで全力を出し切るレースをしようと思っていた。脚が軽かったし、自分のレースをすればあとは後ろが何とかしてくれると思いました」


<4R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手
   4レースは石橋慎太郎(写真)が前受けから小林大介を突っ張って先行。追い込む飯田辰哉を凌いで3レースに続き地元勢が勝利した。
  「押さえにくるのが遅かったし、あそこで突っ張った方が堅いと思って。バックは向かい風でキツかったけど、追い風のホームでスピードに乗れた。最後は一杯だったけど、地元の意地で何とか押し切れました。今回は初日に走ると思っていたから、ここに来る前日は休養日にしたんです。そうしたら初日にレースがなくて、また一日空いてしまったから一次予選は力が入らなかった。でも、昨日動いた分、今日はすごく脚が楽でした」


<5R>
高橋大作選手
高橋大作選手
   5レースは新田祐大の番手がもつれて有利なペース駆けとなったが、三番手の高橋大作(写真)が直線で鋭く突き抜けた。
  「前が競りだったから気になったし、加藤(圭一)君とハウスしてしまった。でも何とか1着が取れた。まだ腰痛が治っていないけど、この1勝で流れが変わればいいね」
  逃げた新田祐大は2着。
  「今日は風が強かったけど、向かい風のバックまでにスピードを乗せ切れたのが良かった。自分の役割を果たせたけど、最後は末が甘かったですね」


<6R>
松本一成選手
松本一成選手
   6レースは松本一成(写真)が最終ホームでタイミング良くカマして先行。強靭な末の粘りを発揮してそのまま押し切った。
  「初日はカマしていい競走ができたので、今日もカマシを考えていました。風も強かったですからね。ホームの追い風を使って上手く仕掛けられました。最後はタレたけど、逃げ切れて良かった。この1勝をきっかけに、悪い流れを変えたいです」
  松本ラインの三番手に飛び付いた武井大介がしぶとく2着に入った。
  「突っ張って先行するつもりでしたが、松本さんのスピードが違いましたね。番手の中村(淳)さんのところにも飛び付けそうになかった。三番手をどかそうと思ったら、ちょうど離れて空いていたので、すんなり入れました。1着を取りたかったけど、松本さんのかかりが良かった」


<7R>
東口善朋選手
東口善朋選手
  7レースは単騎の東口善朋(写真)が会心のレース運びで1着。先制した金子貴志の番手を奪うと、萩原孝之のまくりに合わせて3コーナーから自力で踏み込み、特別初勝利を飾った。
「萩原さんが粘らなかったし、稲村さんもまくりですからね。前に行って勝負するしかないと思いました。モニターを見る余裕もあったし、4番(萩原)が来たのが見えたので、前に踏んでいきました。特別は二次予選を走るのも初めて。いつも出るだけという感じでしたが、1着が取れて嬉しいです」
  松坂英司が厳しい展開を凌いで2着に強襲した。
  「レースは見えていたし、脚にも余裕がありました。バックからは内しか見ていなかった。GI の準決勝は初めてです」
  ベテランの阿部康雄がしぶとく3着入線。
  「口が空いて松坂に入られたのが痛かった。ナル(稲村)に悪いことをしました。脚には余裕があったし、最後は上手く突っ込めました」


<8R>
手島慶介選手
手島慶介選手
合志正臣選手
合志正臣選手
   8レースは吉田敏洋が追い風を利用して最終ホームからカマシ先行。番手の合志正臣に展開が向いたが、三番手の手島慶介(写真)が突き抜けた。
  「出切ってから休もうと思っていたけど、前の掛かりが良くて流せる所が全くなかったんで苦しかったね。合志(正臣)が踏んだあと自分はどれくらい伸びるのかなと思ったけど、イメージ通りに行かなかった。練習ができていないから正直、調子は良いとはいえない」
 合志正臣(写真)は2着となった。
 「バックで誰も来なかったから4コーナー勝負かなと思った。2センターで岡部(芳幸)さんが見えたから車間を空けました。ホームが追い風で今日はカマシが決まっていたし、押さえ先行するとその上を行かれるからそれは避けようとレース前話していたんです。今日は吉田君が頑張ってくれました」


<9R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   9レースは海老根恵太(写真)が後続の落車を尻目に押し切り勝ち。
  「村上(博幸)が後ろ攻めなら中団からでも良かったけど、(村上が)前にいたし(渡部)哲男に蓋をされたくなかったから後ろ攻めから押さえて先行しました。出切ってからは哲男の動きだけを見てペースで駆けました。ズブズブになってしまうと思ったけど何とか逃げ切れた。一次予選はガチガチになってしまったが、今日は開き直って走れました」
  2着に入線した室井健一だが押し上げで失格。北川紋部が繰り上がって準決勝進出を決めた。
  「ゴチャ付いてウメ(佐野梅一)は間に(敵を)入れちゃうし、岩津(裕介)が斬り込んでくれるのを期待して切り替えたけど、外を踏んじゃうしで展開は最悪だった。運が味方してくれたね。初めてのダービーで準決勝に乗れて嬉しい」


<10R>
松尾淳選手
松尾淳選手
   10レースもゴール前でアクシデントが発生。最終4コーナーを過ぎ、太田真一がコースを作ろうと外に押し上げた瞬間、5名がからんで落車。太田は痛恨の1着失格となった。繰り上がったのは後閑信一
  「最後は(逃げた)松尾君を内から抜いたけど、外帯線をはずしたんで心配はしていなかった。本当は俺が太田が行ったコースに入って(太田を)連れていかなきゃ駄目なんだけどね。ヘボいレースをしてしまったし、素直には喜べないですね」
  逃げた松尾淳(写真)が2着になり準決勝へ進出。
  「今日は落車ばっかりですね。ジャンまでに前を押さえる作戦でした。早めに押さえれば小橋(正義)さんとかが自分のラインに切り替えてくるでしょう。先行していれば良いこともあるけど、今日は全然掛かっていなかった」


<11R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   最終11レースは矢口啓一郎の番手にはまる形となった稲垣裕之が2コーナーからスパート。好マークの前田拓也が直線鋭く差し切った。
  「稲垣が番手からすかさず出てくれたので、僕も余裕はありました。最後は神山さんと接触して、車輪が壊れました。脚は軽いし、今回は手応えもある。明日はゆっくり休みます」
  稲垣裕之(写真)もきっちり2着に粘り、近畿ワンツーを決めた。
  「矢口君が来るのが遅かったし、突っ張るしかないと思ったけど、出切られてしまったのは反省ですね。でも、その後は落ち着いてレースを運ぶことができました。2番(神山)が内から来たのが見えたので、すかさず踏んでいきました。展開が向きましたね。今日は冷えて少し重かったけど、二日間の感触は悪くない。GI の準決勝は4年前の静岡ダービー以来。その時は小嶋さんに突っ張られて悔しい思いをしました。あの時よりはレベルアップしていると思うし、今回は決勝にいきたいですね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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