伏見俊昭-鈴木誠が正攻法、3番手に武田豊樹―後閑信一、5番手に単騎の小嶋敬二、6番手に村上義弘―内林久徳、8番手に吉岡稔真―合志正臣の並びで周回。赤板から村上が上昇を開始すると武田も合わせて動くが、村上が伏見を抑えて先頭に立つと武田は5番手まで引く。インに詰まった伏見だが、内からすくって再び先頭に立ち、突っ張り先行の構え。打鐘の3角から伏見がスパートすると、3番手の村上はやや離れ気味となり、さらに5番手の吉岡以下は前団と車間が大きく空いてしまい、7番手に武田、最後尾に小嶋の展開となる。最終2角でようやく追いついた村上がそのまま捲っていくが、自ら牽制に出た伏見に合わされて車が伸びない。その隙を突いて39歳のベテラン・鈴木が最内のコースを伸び切って地元GI優勝を達成、伏見が2着に粘り、3着には合志が入った。
333バンクの松戸は全国の競輪場の中でも直線の長さが有数の短さで、カントも333バンクの中では最も浅く、先行有利が基本である。 先行は2周先行のつもりで早めに仕掛けて、踏み直しの利くタイプが理想的。遅くても打鐘から仕掛けて、ペース駆けできるタイプがいい。 バンク自体はそれほど重くないが、バンクの周囲に高い建物ができてビル風のようなものが吹くようになり、特に風の強い時はホームが重い。バンクの周りがどこも向かい風ということもある。 そのため早めの仕掛けで主導権を取っても重いホームでペースが落ちてしまい、伏兵の捲りが決まってしまうことがある。 そこで05年に開催された日本選手権の決まり手を見てみよう。全66レースのうち1着は逃げが9回、捲りが23回、差しが34回、2着は逃げが12回、捲りが8回、差しが22回、マークが24回となっている。 基本は先行有利だが、さすがにGIでは逃げ切りは難しい。トップクラスの選手は巻き返しが早いので、短走路であっても捲りがよく決まっており、先手ラインの選手が1着になったレースは全体の半数以下の25回だけだった。
松戸バンク
周長は333m、最大カントは29度44分42秒、見なし直線は38.2m。バンク全周がポリカーボネートで囲われているので風の逃げ道がなく、風向きによってはバンク内で風が渦巻くことがあり、突風みたいな風が吹くこともある。そのため競りはイン有利が基本だが、バンク内の風が強くなるとインが急に重くなるので必ずしもイン有利とはいえない。
昨年の日本選手権競輪(岸和田)決勝ゴール。
(3)武田豊樹が捲りで、念願のGI初優勝を達成。2着に(4)加藤慎平が入線。