『第66回日本選手権競輪(GI)レポート』 4日目編

配信日:3月22日
 立川競輪場で行われている「第66回日本選手権競輪」は4日目が終了。4日目はゴールデンレーサー賞をメインに、二次予選2個レースが争われ、5日目の準決勝に進出する27名が決定しました。
 立川競輪場では様々なイベントでダービーを盛り上げます。5日目の23日(土)は未確定抽選会(13:00~15:00)、角川博さんによるトークライブ(4R、7R終了後)が予定されています。さらに開催中は毎日予想会が朝イチ、3、5、8R終了後に行われます。5日目は工藤元司郎さんが担当です。ぜひ、立川競輪場に足をお運びください。
滝澤正光競輪学校校長トークショー
滝澤正光競輪学校校長トークショー
バンク内観戦、対象10R(15名/日)
バンク内観戦、対象10R(15名/日)
<1R>
小島雅章選手
小島雅章選手
 4日目は1レースから4レースまでが一般戦II。1レースは上手く中団の位置を取った小島雅章(写真)が最終2コーナーから豪快な仕掛けを披露。後続を千切ってゴール線を駆け抜けた。
 「中団で河端(朋之)君を押さえてたらなかなか引かなくて。自分がカマして逃げる展開かと思ったら打鐘のところから引いてくれた。いい位置に入れたので、あとはタイミングだけでした。今回がG1初出場だったので、これがG1初勝利になりました。この舞台で経験できたことを今後のレースに活かしていきたいです」

<2R>
内藤宣彦選手
内藤宣彦選手
 荻原尚人が最終ホームガマシ。内藤宣彦(写真)が番手絶好を活かして直線を追い込んだ。
 「このレース(一般戦II)は強制的に帰郷予定だったけど、上のレースで欠場者が出てて1着を取ったら明日も走れることが分かってた。オギ(荻原)が上手く仕掛けてくれて、自分が勝つべき展開になりました。思ってた通り、理想的な走りで最後は追い込むだけでした。4走目を走れることはデカいですからね」

<3R>
五十嵐力選手
五十嵐力選手
 五十嵐力(写真)がトリッキーな動きでシリーズ初白星をゲットした。最終ホームからスパート。一旦、坂本貴史の番手にはまったが、すかさず内をすくって飛び出し、そのまま力強く押し切った。
 「今日は色々と作戦を考えていたんですけどね。坂本君の番手勝負も考えていたけど、道中から競りになっていたから下げました。流していたので、思い切って仕掛けたら番手にはまる感じでしたね。でも、バックを踏んでその位置に入るよりも、そのまま内が空いていたので踏んでいきました。きつかったけど勝てて良かったです」

<4R>
山中秀将選手
山中秀将選手
 先制した永井清史の後位は競り合い。中団から小林大介がまくるが、さらにその上を山中秀将(写真)が豪快にまくり切り、G1初勝利を飾った。
 「小林さんが番手で粘るのかと思って引いたら後ろになってしまった。難しいですね。踏み出しは良かったんですが、そのあとは慌てて踏む感じでしたね。でも、何とか山を乗り越えられて良かったです。身体は動いています。あと1回、走れるみたいなので、いい経験になると思います」

<5R>
牧剛央選手
牧剛央選手
 5レース、6レースは特一般戦。最終ホーム8番手の位置からしかけた野田源一のロングまくりを、牧剛央(写真)が直線で交わし、福岡両者でワンツー決着。
 「ゲンちゃんの仕掛けるタイミングが分からなかったけど、長い距離を行ってくれた。F1戦でもあまり1着を取る選手じゃないのに、G1だからか普段以上の力がでたかも。気持ちと自転車もうまくマッチしてました。ダービーは途中帰郷ばかりで最終日まで残ったことがなかったけど、このレースの上位は最終日のレースを走れるのでうれしい。残りのレースも楽しみたいと思います」

<6R>
小埜正義選手
小埜正義選手
 南関ラインが4車で結束。ラインの先頭を務めた藤田大輔が打鐘前から全開でスパート。小埜正義(写真)が最終2コーナーからの番手まくりで人気に応えた。
 「藤田(大輔)のかかりは半端じゃなかったし、本当に強かったです。本当にいい後輩を持ちました。今日はラインのおかげで勝つことができました。調子自体は悪くないし、あと1走もしっかり頑張ります」
 小埜を追った中村浩士はまくってきた藤田竜矢をブロックする好アシストで2着に流れ込んだ。
 「前の2人が強かったし、よく頑張ってくれました。競輪の形になりましたね。藤田(竜矢)君がいい勢いで来たけど、しっかり止めることができました。最後はいっぱいでしたね」

<7R>
松岡健介選手
松岡健介選手
 7レース、8レースが選抜戦I。7レースは松岡健介(写真)が最終2コーナーからまくって勝利。並んだ西谷岳文とのワンツー決着に笑顔がこぼれた。
 「今まで、(西谷と)何度か同じレースを走ったけど、自分が番手で1着を5回くらい取らせてもらってました。今回は自分が前で走りたいと伝えて走らせてもらいました。最終4コーナーで芦澤君のブロックもあって一度減速したけど、もう1回と思って踏んだら勝てました。並んだ2人で決まったことが嬉しいですね」
 西谷岳文は松岡の仕掛けにしっかりと続いた。
 「あまり番手を回ることは無かったけど、(松岡の方が)今回は調子が良かったみたいだし、前を走りたいというので任せました。自分は自力屋なので、マーク選手みたいにぴったり追走は出来ずに、口は少し空いてしまったけど、2人で決まって良かったし、強い選手の番手でG1のレースを走れて、得るものは多かったです」

<8R>
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 後方となった吉本卓仁(写真)だが、最終2コーナーから落ち着いた仕掛けを披露。イエローライン付近をグングンと加速、直線もしっかりと伸び白星を手にした。
 「先行型の田中(晴基)君が居て、自分の先行は難しいなと思ってましたが、前のレースでまくり追い込みと言うか、遅めの仕掛けでも決まっていたので、今日はこれでも勝てると思って落ち着いて構えられました。もう少し早く仕掛けたら、服部(克久)さんとワンツーも出来たと思う」
 服部克久は吉本を追走して3着。
 「脚質が違うのもあるけど、吉本君が強かったですね。苦しい展開だったし、3コーナーくらいから内のコースを探してたけど、吉本君が頑張ってるし、自分が内を行った分だけ(吉本が)外にスライスすると思って外コースを踏みました。このクラスのレースで人の後ろに付けて、色々勉強することが出来た。いい経験になりました」

<9R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 9レース、10レースが二次予選。1着、2着と、3日目の二次予選と合わせて全7レースの3着選手から上位4名が準決勝へ勝ち上がる。
 打鐘から仕掛けた根田空史が主導権。その動きを追った川村晃司が3番手の位置へと収まる。川村は最終2コーナーで外へ持ち出しまくりを敢行。川村の仕掛けを追った村上義弘(写真)がしっかりと追い込み、京都両者でワンツー決着となった。
 「川村が自信ありそうな雰囲気だったので、安心して付いていきました。最終ホームでいい位置に収まったけど、そこから積極的に仕掛けてくれた。これでようやく(村上)博幸と藤木(裕)に追いつけた(準決勝進出を決めた)ので、残りのレースも一走一走頑張るだけです」
 川村晃司は2着の結果にホッとした表情を見せる。
 「最終ホームで3番手の位置が空いてなかったら、自分は終わってた展開です。ツキにも恵まれました。前の根田君がものすごいカカリだったし、自分の仕掛けは無理矢理で、なんとか行くことができました」

<10R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 武田豊樹がカマシ先行で主導権を奪うも、番手の後閑信一が千切れて仕掛けは裸単騎に。吉田敏洋(写真)は最終1センターから仕掛けて武田との差を徐々に詰める。4コーナーで武田に追いつき、勢いそのままに武田を抜き去った。
 「武田さんが逃げる展開になって、自分は自力で外を踏んで、ダメならダメだと思ってました。踏み出して、2コーナーではいける手応えがありましたね。気持ちよく自転車に乗れている感じがしました。まずは準決に乗ることが目標だったけど、次は決勝を目指す戦い。また決勝の舞台に立てるように準決勝も頑張りたいです」
 逃げた武田豊樹は2着に粘る。
 「主導権を取りづらいメンバーだけど、多少早めでも動いて行こうと思った。勝ち上がりの中で長い距離を踏んで先行できたことは自分にとっても大きい。今日のレースは初日よりも感じ良く走れていたし、準決はもっと良くなると思いたい」

<11R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 メインのゴールデンレーサー賞は深谷知広が制してシリーズ2連勝。最終ホームで4番手の位置に収まり、目の前の岡田征陽が先に仕掛けるが、3コーナーを駆け上がる豪快な仕掛けで一気に前団を飲み込んだ。
 「後ろが競りだったので、走りづらかったけど落ち着いて、レースは見えていました。勝負どころが難しかったけど、なんとか1着になれてよかった。明日が1番の勝負だし、準決勝は気を引き締めて頑張りたいです」
 2着の成田和也は4コーナーで内コースを選択。直線を鋭く追い込んだ。
 「厳しいレースが続いて、余裕はないんだけど、今日は最後にうまくコースが開いてくれました。連日いい形で走れてますし、乗ってる感じも悪くない。ダービー連覇は決勝に乗らないと始まらないし、準決勝もしっかり勝ち上がりたい」
 3着は岡田征陽(写真)。藤木裕―村上博幸の3番手へ追い上げバックまくり。連日の単騎戦だがしっかりと結果に結びつけた。
 「いい位置を取れたけど、取っただけで何もしないのは格好悪いでしょう。結果は3着だけど、上手く自力で前に踏むことができました。地元でダービーが開催されるのは滅多にないチャンスだし、次に地元ダービーがあったとしても、自分は年齢的に追い込み屋になっている。自力で挑戦できる最後の地元ダービーになると思うし、最後のチャンスではないけど、それくらいの気持ちが入ってる。ノルマの決勝まであと1戦。どこかにチャンスはあるので、それをつかめるように、いい競走が出来ればと思います」

ゴールデンレーサー賞 レース経過
 号砲と同時に浅井康太がスタートを飛び出し、深谷知広を迎え入れる。前受けの深谷後位には神山雄一郎も押し上げ、浅井と併走の競り合い。以下の隊列は、藤木裕―村上博幸、単騎の岡田征陽。後方に山崎芳仁―佐藤友和―成田和也が待機して最終回を重ねる。
 青板の4コーナーから山崎がゆっくりと上昇を開始。赤板で深谷に併せ込むと深谷は下げる。先頭に出た山崎ラインに岡田がスイッチ。すかさず2コーナーから藤木が踏み込んで打鐘で先行態勢を取ると、岡田はもう一度3番手に切り替える。山崎ラインが中団。7番手に置かれた深谷が3コーナー過ぎから仕掛け、主導権を握った藤木も合わせてペース上げる。深谷は落ち着いて車間が空いた4番手に入り、山崎、競り合いで踏み遅れた神山の隊列。以下は佐藤―成田、浅井の順で最終回。
 最終2コーナーから岡田が先まくりを打つが、深谷はじっと様子をうかがって動かず最終バック。3コーナーで深谷は一気のスパート。山崎は深谷を追い切れず、7番手で立て直した佐藤も不発。成田がコースを縫って進出し直線へ。
 逃げる藤木をとらえた岡田を、まくり追い込みの深谷があっさり飲み込んで1着。成田が鋭く追い込み2着、岡田が3着に残った。

ゴール
ゴール
深谷知広選手
深谷知広選手
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