リズムを取り戻したい小嶋。有坂は絶好調! |
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今年に入っての小嶋敬二はGIIIを2回、GIIとGIをそれぞれ1回ずつ走っているものの、未だに優出回数がゼロで、勝率13%、連対率27%(3月1日現在s)と持ち味の剛脚がすっかり影を潜めてしまっていた。しかし、西王座戦の3日目・選抜戦では、短走路でありながら主導権を奪った中村美千隆をマークからの番手捲りで完璧に沈めて勝ち星を挙げており、復調気配を見せている。しかも、小嶋は春先からエンジンが掛かり出すことが多く、スロースターターなところがあるので、4月に開催される今大会では好走が期待出来るし、これから続くビッグ戦線に弾みをつけるためにもそろそろ復活ののろしをあげたいところだろう。 |
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小嶋敬二(石川・74期) |
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有坂直樹は昨年夏のサマーナイトフェスティバルで優勝して以降、半年以上に渡ってずっと好調を維持しており、直近10場所の成績で見ても勝率30%、連対率49%、3連対率62%(3月1日現在)と脅威の安定感を見せている。今開催の北日本勢はいつもに比べると層はそれほど厚くはないが、それでも実績ある伏見俊昭や山崎芳仁が参戦しているので、有坂の勝機も高まるところ。それに、有坂の強みは番手の時はもちろんだが、先行した栗田雅也ライン3番手からの強襲で優勝した静岡GIIIの決勝の様に3番手を回った時でも突き抜けられるだけのシャープな差し脚を持っていることで、その動向からは目が離せそうもない。 |
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有坂直樹(秋田・64期) |
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吹くか北日本旋風関東、中部も強力 |
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山崎芳仁(福島・88期) |
伏見俊昭と山崎芳仁の福島両者が好結束を武器に優勝を目指す。この両者、近況は連係も増えてきており、東王座戦決勝ではワンツーを決めている。とくに、山崎は東王座戦で優勝するなど、ビッグレースでも十分に優勝出来る力を備えているだけに、チャンスは十分にあると言えよう。伏見も直近10場所(3月1日現在)では勝率31%、連対率53%とハイアベレージを残すほどの好調ぶりを見せているだけに、逆転も可能だ。
関東勢は先行型が手薄だが、神山雄一郎-後閑信一のベテランコンビに優勝の期待が懸かる。今さら説明の必要も無いだろうが、連係実績、相性、信頼関係…どれを取っても競輪界で最高レベルの両者だけに、上位独占は一考したい。
中部にも有力選手が揃い、好勝負は必至だ。山内卓也は静岡GIII以降、1着数が増えてくるなど、復調気配を見せているし、山口幸二も安定したマーク戦で西王座戦では負け戦ながら2連勝を飾るなど調子は上向き。彼らが小嶋との連係を実現させるようなら強力ラインが形成されることになり、他地区にとって脅威に映るはず。 |
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「竜二コンビ」が地元優勝を目指す |
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室井竜二(徳島・65期) |
南関勢は海老根恵太を先導役に村本大輔と鈴木誠のグランプリレーサーコンビが後位を固める。鈴木は東王座戦・初日の落車棄権の影響が懸念されるところではあるが、万全の状態であれば的確な位置取りと鋭い差し脚の持ち主だけに、侮れない。村本は東王座戦の最終日・特選で太田真一の先行を鮮やかな捲りで捕えており、脚的には仕上がっているはず。また、静岡GIIIの二次予選では逃げた武田豊樹を番手からきっちりと交わしており、目標選手の仕掛け次第では勝機は十分。海老根も昨年の共同通信社杯からビッグレースで4連続優出中と着実に成長しており、待望のビッグタイトル獲得に期待が懸かるところ。 地元・徳島からは小倉、室井の「竜二コンビ」が参戦し必勝を期す。小倉は6年振りに競輪祭を制した勢いがあるし、室井もシビアな位置取りや捌きには定評があるだけに、その動向には要注目だ。
また、静岡GIII、西王座戦で決勝3着とかつての安定感を取り戻してきた小野俊之らの九州勢も実績的には遜色なく、警戒が必要だ。 |
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5年ぶり4回目のふるさとダービー小松島(GII)が開催される。今年1月の競輪祭で6年ぶり2個目のタイトルを獲得した小倉竜二は前回のふるさとダービー小松島の覇者でもあり、今回も地元・四国勢をまとめて伏見俊昭、小嶋敬二、神山雄一郎らの遠征勢を迎え撃つ。山崎芳仁、海老根恵太、井上昌己、そして地元の三ツ石康洋ら80期台の新鋭たちによるパワー対決も見どころだ。 |
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地元・四国勢が力強い結束力を見せつけて優勝を狙う |
小倉競輪祭で復活した小倉竜二の連覇に期待 |
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00年の高知オールスターは児玉広志が優勝、01年のふるさとダービー小松島は小倉竜二が優勝、04年に観音寺で開催された西王座戦は小川圭二が優勝と、地元開催のビッグレースに賭ける四国勢の思いには熱いものがある。昔からビッグレースにおける四国勢は、他地区に比べるとラインの厚さや機動力の面で劣勢を強いられることが多かったので、地元開催のビッグレースだけは他地区の選手に絶対に譲れないという思いが強い。昔から四国の選手はゲリラ戦法が得意と言われてきたが、地元開催のビッグレースや記念になると強い結束力を示し、昨年の記念でも3月の松山は渡部哲男、7月の小松島では小川圭二が優勝している。もちろん今回も、エース格の小倉竜二を中心に一丸となって優勝を目指す。 |
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小倉竜二はここ数年はビッグレースでの落車が多く、落車によるケガとの戦いを強いられて、01年の全日本選抜競輪以降はGIでの優出もままならない状態が続いていた。しかし今年1月の競輪祭で、初タイトルの時と同様に吉岡稔真を目標に最後は得意のハンドル投げを見せて見事に復活を果たした。2月の西王座戦では優出はならなかったが、2日目の春日賞では自ら捲って1着と好気合いで、引き続き好調を維持している。相性抜群の佐々木則幸や徳島期待の若手・三ツ石康洋らの機動力に乗れば、小倉のふるさとダービー小松島連覇が十分に狙える。 |
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小倉竜二(徳島・77期) |
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佐々木則幸は競輪祭、西王座戦とやや低調だったが、今大会に向けて必ずや巻き返しをはかってくるだろう。
今年1月の高松記念では、決勝こそは明田春喜-伏見俊昭の2段駆けに屈してしまったが、勝ち上がりのレースは3連勝と本来の切れ味鋭い走りを見せていた。初日特選は捲りで、2日目優秀も逃げ切りで伏見を破り、準決勝では小倉竜二とワンツーを決めている。今回も伏見俊昭、山崎芳仁らの北日本勢が地元勢にとって一番の強敵になりそうだが、佐々木が本調子なら恐るるに足らないはずだ。 |
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佐々木則幸(高知・79期) |
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好調・山崎芳仁と連係なら伏見俊昭が一躍優勝候補の筆頭だ! |
北日本が好連係なら有坂直樹にもチャンスあり |
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伏見俊昭に山崎芳仁と有坂直樹の好調選手が揃った北日本勢が強力だ。伏見の近況は低調とまでは言わないけれど、本調子にはあと一歩の感じ。それでも、昨年3月のいわき平記念は山崎芳仁、12月高松記念は明田春喜を目標に優勝しているように、今回も山崎-伏見-有坂と並べば伏見が一躍優勝候補の筆頭になる。他地区の選手にとっては次々と活きのいい若手が登場してくる北日本が羨ましくてたまらないといった感じだろう。 |
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伏見俊昭(福島・75期) |
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有坂直樹も近況好調で、競輪祭で優出、2月の静岡記念で優勝と乗れている。山崎が早駆けで北日本ラインを引っ張っていくなら3番手からでも十分に1着を狙えるし、伏見が番手捲りに出てもゴール前での差し切りが期待できる。 |
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有坂直樹(秋田・64期) |
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ただ、山崎は昨年のヤンググランプリにつづいて東王座戦も優勝して乗りに乗っているが、過信は禁物だ。東王座戦では絵に描いたような連係が見事に決まったが、あれは東王座戦だからこそという側面が強いことも否定できない。東王座戦は北日本、関東、南関東の3地区対抗戦で、過去の決勝戦を見ても分かる通り、機動力の豊富な北日本が比較的勝ち上がりやすい大会になっているので、東王座戦の結果が現在の北日本の実力を正確に反映しているとは言えない。特に今回は勝ち上がりのレースで海老根恵太や井上昌己ら若手同士の激突がありそうで、さすがの山崎も東王座戦の時のように楽には勝ち上がれないはずだ。山崎と海老根は現状では力も調子もほぼ互角で、両者が叩き合っての共倒れも十分に考えられる。
若手では矢口啓一郎の積極性も見逃せない。絶好調だった昨年10月頃と比べると近況はやや物足りない成績が続いているが、積極性にかけては山崎や海老根よりも上だ。小松島は軽くてクセのない先行有利のバンクで、捲りは早め早めに仕掛けていかないと不発になりやすいので、矢口の積極策が功を奏しての勝ち上がりが期待できる。 |
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矢口の積極駆けなら、神山雄一郎や後閑信一らの関東勢にチャンス到来だ。さすがの神山も近況はもがける距離が短くなっているが、好目標を得た時の4コーナーからのスピードはさすがのものがある。東王座戦でも優出は逃したが、二次予選と4日目特別優秀で矢口啓一郎や平原康多を目標に2勝しており、今回も矢口にジカ付けから勝ち星をつかんでくるだろう。 |
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神山雄一郎(栃木・61期) |
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三ツ石康洋が得意のカマシ捲りで勝ち上がりを狙う |
小嶋敬二がヤングパワーの攻勢に待ったをかける |
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小嶋敬二(石川・74期) |
小嶋敬二は年明けの高松記念からいきなりの低空飛行になり、競輪祭や西王座戦だけでなく記念でも優出を逃し続けている。勝負どころで後手を踏まされての不発が多く、巻き返しの捲りに本来の切れ味とスピードがない。それでも、3月の熊本記念あたりから復調気配が見えてきており今大会には間に合いそうだ。
現在は日本選手権競輪に照準を合わせての調整中であり、そのためのきつめの練習のせいで調子落ちになっている側面もあり、春になってきっと成果は出てくるだろう。
昨年後半の活躍を見ても分かる通り、小嶋敬二が競輪界一のパワーの持ち主であるのは誰もが認めるところで、山崎芳仁や海老根恵太らの若手の大攻勢に待ったをかけられるのは小嶋ぐらいしかいない。今大会までに小嶋が復調していれば、小嶋とヤングパワーの対決は競輪史に残るような名勝負がくりひろげられるだろう。 |
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その小嶋を西王座戦の二次予選で不発に終わらせる逃げを打ち、同県の友定祐己の勝ち星に貢献したのが岡山・86期の井上辰也だ。井上はまだビッグレースで勝ち上がれるほどの力はないが、競輪祭の4日目特選でも村上義弘を不発に終わらせて吉永和生の1着に貢献する逃げを見せており、今回も中国勢を引き連れての大逃走がありそうだ。86期では地元・徳島の三ツ石康洋にも注目してみたい。海老根恵太や矢口啓一郎と比べると成績的には物足りないが、大ギアからくりだされる得意のカマシ捲りは一発の魅力が十分。なによりも小松島はホームバンクだけに、今回は上位への勝ち上がりも期待できる。 |
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復活が待たれるのが小野俊之だ。昨年はグランプリ覇者にふさわしい活躍とは言えなかったが、西王座戦で久しぶりのビッグ優出とようやくエンジンに火がついてきている。 |
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小野俊之(大分・77期) |
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