『第1回女子オールスター競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:8月8日

 真夏のGI「第1回女子オールスター競輪」が宇都宮競輪場で8月8日からナイター開催にて実施される。今年のGI第3弾には、ここまでGIを連続優勝中の“世界のサトミナ”こと佐藤水菜、ファン投票で9年連続1位に選ばれた児玉碧衣をはじめとする全国の強豪42名に加えて、ガールズ戦A、Bを走る28名も集結。競輪場は華やかな空気に包まれた。また、アドバンスルールで実施される男子のルーキーシリーズプラスも前半に行なわれる。こちらにもナショナルチームで練習している次世代スター候補の尾野翔一、三神遼矢らが参戦するので見逃せない。
 シリーズは開催中毎日、餃子実演販売、ガールズケイリン×G系麺GGグルメフェス、選手会栃木支部ブース、選手応援団ブース、未確定抽選会、当たり付車券抽選会、体験型ジェットコースター、SPEEDチャンネルレース展望会&トークショー、地元選手トークショーとイベント盛りだくさん。また、8日には神山雄一郎さんと滝澤正光さんによるレジェンドトークショー、「ゴー☆ジャス」お笑いステージも予定されています。宇都宮競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

ガールズドリームレース出場選手集合
ガールズドリームレース出場選手集合

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山原さくら選手
山原さくら選手
 山原さくら(写真)は、前回の7月小松島で、太田りゆらを撃破して4場所振りのVをゲット。普通開催での準Vが3場所続いていただけに、うっ憤を晴らす優勝となった。そこから中5日と、比較的タイトなスケジュールだが、長らくトップを走り続けている山原にとっては問題にならないだろう。
 「練習自体は変わらずやれていますし、小松島は日に日に状態が上がっていった感じでした。久しぶりの優勝だったんですけど、状態自体はずっと良いままでキープできていました。終わってから1日だけしっかり乗ったけど、あとは軽めにやってきました。(練習量を)落とし気味にやって、調整を入れる感じで。(高知が元ホームバンクで)宇都宮と、高知は違うんですけど、500バンクに対する苦手意識みたいなものは全くないです」
 パールカップは、初日に落車して途中欠場となってしまった小林莉子だが、その後は休まず2場所走って決勝3着が2回の成績。GIに向けて、仕上がりはどうなのか。
 「(落車のケガは右手の)指と、尾骨の骨折でした。尾骨よりも、指の方が気になりますね。体は回復していると思うんですけど、自転車も、シューズも全部変えたので、ギリギリ間に合ったかなって感じです。ある意味、リセットされたかなって。すごく悪いって感じでもないです。直前も、きつめに練習したつもりです」

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荒牧聖未選手
荒牧聖未選手
 5月函館で落車した荒牧聖未(写真)は、50日間の欠場を経て復帰。2場所走って地元GIにこぎ着けた。一昨年の競輪祭女子王座戦以来となるGIに、思いを込めて出走する。
 「ケガは、右鎖骨と右肋骨の骨折でした。(鎖骨に)ワイヤーが入ってたんですけど、前回の松戸が終わったあとに抜きました。直前の練習で仕上げてきましたし、地元なので気持ちを入れて走りたいです。(出場が)決まった時はすごく嬉しかったですし、地元で第1回目の(女子)オールスターができるのはすごいこと。ここに向けてやろうと決めていました。途中のアクシデントは痛かったんですけど、そのあとは自分でやれることはやれました」
 坂口楓華は、今年走った普通開催で、優勝を逃したのは1月岸和田での1度だけ。戦法の幅が広がり、安定感が一段と増した。
 「正直5月くらいから腰痛が出ていて、そこから感覚が変わった。今までやってこなかったケアとかをやりだして、結果が出ています。ケガを隠しながらやっていたけど、向き合おうと思って、戦い方も考えて、自在も取り入れるようになった。出力は落ちているし、不安もあるけど、そこは気持ちでカバーしたい。自転車に乗って、気持ちさえ付いてくればなんとかなると思いますし、楽しみたいです」

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仲澤春香選手
仲澤春香選手
 注目の仲澤春香(写真)が、2度目のGIに挑戦する。GI初出場だったパールカップは、いきなり決勝に進出。その後の3開催は、他を寄せ付けずに9連勝している。今回でのGI初Vの期待も、自然と高まっている。
 「パールカップが終わってから3場所走れて、課題を修正できましたし、いい状態だと思います。セッティングとかを、走りの中の感覚に合わせて修正できました。今回も、一走、一走、改善していきたいです。パールカップの時よりも良い走りができると思います。(練習はナショナルチームで)出されたメニューをやってきました。今のGIはレースの流れが普段のレースと変わってきている。流れを見ながら、自分らしい走りをしたいです」
 鈴木奈央は、パールカップの初日に落車。7月松戸で復帰して、前回の同月防府は連勝で優出と、まずまずの結果を残した。新鋭の強敵を相手に、どう立ち回るか。
 「競輪で落車したのが初めてだったので、体も痛かったんですけど、精神的なショックも大きかったです。立て直すのに時間がかかったんですけど、前回も走れていたし大丈夫だと思います。GIは意識せずにいつも通りの練習をやってきました。500バンクはあまり走ったことがないので不安はあるんですけど、動画で競走をしっかり見てきたので。みんな強いんですけど、流れに乗れるように。いつも通りのスタイルで、前々にいきたいです」

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梅川風子選手
梅川風子選手
 梅川風子(写真)は、オールガールズクラシック、パールカップと、今年2度のGIでどちらも優出。7月京王閣では、太田りゆや、大浦彩瑛といった強豪を相手に実力を示す完全Vをつかんだ。予選スタートながらも、V候補の一角だ。
 「コンディションも、体調も良いと思います。年間を見据えて練習していますし、競輪祭くらいにピークが来るようにやっていて、ここも通過点なんですけど、徐々には上がっています。でも、もう少し欲しいなっていうのも正直なところです。基本自分でメニューを立てて、自分の弱いところ、トップスピードとかを重点的にやっています。ここに向けての調整もしました」
 柳原真緒は、パールカップの後の2開催で立て続けにV逸。とくに、畠山ひすいに逃げ切りを許した前回の富山は、悔いが残った。
 「前回は2日目の調子がすごく良くて、それだけに決勝は自分を過信しすぎました。そこからは計画を立てた通りに練習できました。自転車へのしっくり感みたいなものは、富山の時以上に出ています。あとは判断を間違えないように。宇都宮は初めてですし、500バンク自体選手になってから数えるくらいしか走っていない。でも、映像は見てきたのでイメージはできています」

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尾崎睦選手
尾崎睦選手
 尾崎睦(写真)は、今年GI2冠の佐藤水菜に次いで、獲得賞金ランキング2位。普通開催では、21連勝中だ。パールカップは準Vで、悲願のGI初制覇まで、あと一歩のところに来ている。
 「上がりタイム11秒台を自力で出すってことを目標にしていたけど、最近はそれも出ている。組み立ては、自分がずっとやってきた強みですし、そこも磨いていきたいので、丁寧にやろうと意識しています。練習もできたし、GIに向けて疲れを取りつつ、仕上がるようにすごしてきました。パールカップと比べても、良い状態だと思います。状態的にも、精神的にもすごく良い状態だと思います。初日が一番大事だと思うし、やるべきことをやって勝ち上がりたい」
 尾方真生は、パールカップの初日に白星を挙げたものの、準決、3日目と大きい着を並べてしまった。GIでこそ結果が出ていないが、持っているポテンシャルをフルに発揮できれば、V争いにも食い込んでくるだろう。
 「(前回の別府は)調子は悪くなかったと思うんですけど、仲澤(春香)さんが強かったです。いつも通り練習してきました。(仕上がりは)微妙です。2場所前に500バンクを走っていますし、いやなイメージはないです。その時の高知とはカントも違うけど、やれることをやりたいです」

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児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 9年連続ファン投票1位に輝いた児玉碧衣(写真)。一時の不調からは完全に脱却して、練習にも意欲的に取り組めている。ファンへの感謝をペダルに込めて、全力を尽くす。
 「コンディションは問題ないです。(練習は)計画的に取り組んできました。バンクに入ってないからタイム的なことは分からないんですけど、数値はパールカップの時より上がっているので、着々と力は付けられてるのかなと思います。(9年連続ファン投票1位の結果は)良い時も悪い時も応援してくれるファンの方がいるんだなっていうのを改めて再認識したので、今年からGIに変わって、しっかり恩返しできるように。感謝の気持ちを込めて走りたいなと思います。(ドリームレースは)自分の力を出し惜しみなく、出し切りたいと思います」
 ガールズ初のグランプリスラムに王手をかけている佐藤水菜。それだけに、今回にかける思いは強い。初日から、集中力高く挑む。
 「(状態は)良くも悪くもないです。練習の疲れとかはないんですけど、もうちょっとステップアップしたいっていう気持ちが強くあるので、それについてきてないなって感じです。ガールズケイリンを走っていないのに、去年よりたくさんの票をいただけて嬉しかった。ドリームレースは自分の力では走れないレースなので恩返しできたらと思います。(グランプリスラムという)目標としてきたものが達成できるので。まずこのレースで一区切りになるように、気を引き締めて戦いたいと思っています」
 太田りゆは、ファン投票2位の結果に感激。前回の7月小松島はV逸ながらも、ここは本来の力を発揮したい。
 「(前回の小松島は)寒暖差にやられちゃってベストではなかったというのが正直なところです。(そこから中5日だが)あまりここをめちゃくちゃ意識して作ってきたわけではなく自然な形で。(状態は)小松島よりは良いと信じたいです。(ファン投票の結果は)正直あまり信じられなかったですね。2位なんてもらっていいのかなって感じで嬉しかったです。やっと競技から競輪一本で走り出して、順位が落ちるのか上がるのかってところは自分でも気になってたんですけど。本当に力をもらっていますし、ここまで競技をやってきたときも、沢山の人に応援してもらって背中を押してもらって、なんとか続けてきた。こうやってみんなに応援してもらえるということは、私の力になる根本的なところだったかなと思います」