『KEIRINグランプリ2023シリーズレポート』 初日編

配信日:12月28日

 立川競輪場を舞台に輪界最大のイベント「KEIRINグランプリ2023シリーズ(歳末チャリティー協賛)」が、12月28日にスタートした。初日のメイン、「ヤンググランプリ2023(GII)」では、121期の太田海也が圧巻の逃走劇で制覇。優勝賞金650万円(副賞を含む)を獲得して、来年の競輪、そしてナショナルチームとして迎える五輪イヤーに弾みをつけた。また、「第16回寺内大吉記念杯(FI)」の特選では、三谷竜生の仕掛けに乗った南修二が追い込んで勝ち星を挙げた。12月29日のシリーズ2日目は、「ガールズグランプリ2023(GP)」をメインに「第16回寺内大吉記念杯(FI)」では準決が行われる。12月28日には大一番、「KEIRINグランプリ2023(GP)」を争う9人も立川に到着し、いよいよいグランプリムードも高まってきた。
 12月29日のシリーズ2日目は、「KEIRINグランプリ2023シリーズ」出場選手ビニールナップザックなどを先着1000人にプレゼント。「ヒグチアイ」のライブパフォーマンス、「シナモロール」のミニステージと撮影会、飯塚・浜松オートのコラボイベント、地元選手のトークショーなどが予定されています。立川競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

ヤンググランプリ出場選手特別紹介
ヤンググランプリ出場選手特別紹介
オープニングセレモニー
オープニングセレモニー
KEIRINグランプリ出場選手集合
KEIRINグランプリ出場選手集合

ヤンググランプリ2023 レース経過

 号砲が鳴ると最内枠の太田海也が飛び出して誘導員を追う。太田-山根将太の岡山勢が前受けし、単騎の志田龍星がこの後ろを主張、中団は吉田有希-橋本壮史の茨城勢で、以下は北井佑季、犬伏湧也-上野雅彦の四国勢の順で並び、最後方に中野慎詞の周回になる。
 青板バックから犬伏が上昇を開始。ここに中野、北井も続く。赤板で犬伏が切ると、すかさず中野が前に出る。後方となった吉田がジャンで一気に仕掛けて先頭に立つ。2センターでは犬伏がスパート。ここに志田が切り替えて、後方となった太田も犬伏を追うように仕掛ける。最終ホーム過ぎには犬伏が吉田を叩き切るも、すぐ外に太田が迫る。モガき合いの末、バックで太田が犬伏をねじ伏せてしまう。出切った太田は2センターでもスピードが落ちない。4コーナーを先頭で通過した太田がそのまま追撃を振り切ってV。流れに乗れず最終バックでは後方に置かれた北井が4コーナーから内を突いて伸びての2着。上野は犬伏との連係を外すも志田を追い掛けて直線で外を伸びて3着に入った。


<1R>

松尾透選手
松尾透選手
 打鐘手前で小松原正登が先頭に立つが、谷田泰平とは呼吸が合わず連結が外れる。番手に櫻井祐太郎が入り、谷田は3コーナーで追い上げる。谷田を目標に、後方の兼本将太が仕掛ける。小松原のペースを上がらず、九州コンビがカマして最終周回へ。櫻井は内に詰まって動けない。後方の阿部力也はバック手前から自力に転じるが前は遠い。空いた車間を3番手の小松原が詰めるが、番手で絶好の松尾透(写真)が直線で抜け出した。
 「櫻井君が内に行ったところは、(兼本が)遅れて我慢してくれた。そのあと(仕掛けた)タイミングもバッチリでした。直線が長くて、(兼本を交わすのが)意外と早いなっていうのはありました。自分は付ければ、余裕があるかなって感じです。(中1日だけど)疲れはないですね。それ以上にキツい練習をして、不動會のみなさんにはお世話になっているんで。自分は隙があるんで、9車立ての方が好きですね」
 打鐘では8番手に置かれた兼本将太だったが、谷田が追い上げたタイミングでドンピシャの仕掛けを見せて逃げ残った。
 「(谷田の追い上げで)それを目がけてでした。あそこのタイミングしかなかったんで、しっかりと仕掛けてって思ってました。最初(赤板2コーナーで)内に行ってしまって、変な脚を使ってしまった。そのあとは態勢を整えてでした。結構、キツかったんで、最後まで踏み切ろうと。最後はタレていると思うんで、うまいこと駆けられたら。ただ、2着まで残れているんで、(状態は)いいと思います」

<2R>

増原正人選手
増原正人選手
 大石剣士が打鐘手前で押さえて出ると、4番手が城戸俊潔と稲毛健太で取り合いになる。大石がペース駆けに持ち込んで、最終ホームを通過する。4番手は決着がつかないまま、外併走から稲毛が1コーナーからまくり上げる。新山将史が稲毛を阻んで、さらにその外を久保田泰弘も踏み込むが稲毛後位まで。久保田に続いた増原正人(写真)は、3コーナー過ぎから大外を踏み込んでゴール前で突き抜けた。
 「城戸君が粘ってくれて、みんなが見せ場をつくれたと思う。自力はみんな脚があるし、少しでも前がセオリーだと思う。久保田君も脚があるから彼が内か外なのかを踏みながら見てて、(最終)3コーナーからは自分のコースをと思って外を踏んだ。結果を残せて良かった。この舞台で1着は次につながる」
 稲毛のまくりを止めた新山将史は、ラインの大石とのワンツーかに思われたが、増原の強襲にあって2着。
 「ハナを切って別線を出させないペースで大石君が踏んだので、あとは自分次第だなと。大石君が踏んでいたから(最終)ホームで来ても1車だろうと。状況を確認したら併走していましたね。2コーナーの下りを使ってこられたらキツいと思ったけど、大石君もしっかりと踏んでくれていた。最後は増原さんが見えてあっと思って踏んだ。1着取らないといけない展開だったし申し訳ないです」 

<3R>

中釜章成選手
中釜章成選手
 前受けの中釜章成(写真)は、落ち着いて北日本ラインを受けて4番手。佐藤博紀がペースを握り、青柳靖起は一本棒の7番手で打鐘を通過する。2センターから青柳が巻き返して、先行態勢の佐藤博も合わせて踏み上げる。再三のけん制にも青柳が止まらないと判断した須永優太は、最終バック付近から青柳に合わせて出る。両者の踏み合いを2センターから追い込んだ中釜が、大外からごっそりとのみ込んだ。
 「(4番手に入って)張りながらいったら、(青柳は)そこまで来ないと思ったのでそこだけでした。そのあとは佐藤(博)さんも青柳君も脚を使ってて、僕だけ脚を使ってなかった。直線長いしバンクも重たいんで、みんな最後はタレてくるかなと。体調を崩して、前回(小倉)が復帰戦だった。その時は思いのほか体が動かなかったんで、今回の方がマシですね。ただ、心肺機能はまだですね」
 中釜マークの鷲田幸司は、最終4コーナーからコースを探して内よりを踏み込む。直線は中のコースをシャープに伸びて、“現地集合”の近畿ワンツー。
 「今日(初日)のバンクだと、スタートを取って落ち着いていれば、後手を踏んでも届くんじゃないかと。(中釜は)かぶっても抜け出せればっていうのはありました。中釜のイメージはタテって思っているかもしれないけど、器用なところもある。ただ、僕は外に行っても届かないかなと。もうバックは踏めなかった。あそこを入れるってことは体調はいいんだと思います。(ラインの中釜と)ワンツーなんで良かった」

<4R>

長谷部龍一選手
長谷部龍一選手
 赤板1コーナーで山本奨がじわりと先頭に立つ。3番手に下げた鈴木玄人だが、南関勢にかぶされる。染谷幸喜が外併走から2コーナー過ぎに踏んで主導権。鈴木は能代谷元をさばくが、空いたところを山本に入られる。染谷の後ろがもつれたところを、単騎の長谷部龍一(写真)が最終ホーム手前からカマす。1人で後続をちぎった長谷部が風を切って駆ける。離れた2番手の染谷は、なかなか詰まらない。2コーナーから反撃に出た鈴木は中団でいっぱい。直線で後続が迫るが、それまでのセーフティーリードをきっちりと使った長谷部が1着。
 「行くところがあれば、単騎でも仕掛けようと思っていた。いいタイミングで体が反応してくれたので良かった。出切ってから後ろに気配がなかったので自分のペースで自分を信じていった。(最終)4コーナーを過ぎてからもうひと踏みできた。前回からは着以上に調子が良くて踏めている」
 もつれた隙を突いて染谷の後ろを奪った山本奨が、ゴール前で2着に上がった。
 「(鈴木)玄人が入ってきたので譲らないようにと。染谷君が流していたので、(長谷部は)単騎なら一発いきますよね。位置を確保してから染谷を追いかけての1周でとらえられている。(最終)4コーナーからも出ていたので、問題はない」

<5R>

岡村潤選手
岡村潤選手
 7番手の竹内雄作、中団の佐々木眞也も踏み込むが、前受けの曽我圭佑が赤板でペースを上げて主導権をキープする。佐々木が4番手で、竹内は後方からの立て直しを余儀なくされる。一本棒の隊列のままレースは流れて最終ホームを通過。2コーナー手前でまくった佐々木があっさりと九州勢を仕留めて、岡村潤(写真)が続く。ラインの2人のゴール勝負は、番手の岡村が差し切って1着。
 「渡邉(豪大)君のけん制は脚があるからキツいのがくるかと思っていたし、そこも対処できた。佐々木君はタレるタイプじゃないから、最後はしっかりと抜きにいけた。前回から不安がなくなっている」
 4番手確保から脚をためた佐々木眞也が、タイミングを逃すことなくまくった。
 「基本、スタートは中団から考えようと。展開が向いて良かった。なるべく早めに仕掛ける気持ちで、渡邉さんが前に踏む前に(仕掛けよう)と。それと竹内さんにカマされないように気をつけていた。感覚は悪くなかったですね」

<6R>

雨谷一樹選手
雨谷一樹選手
 切りに出た川口雄太を小原丈一郎が阻んで、赤板過ぎは両者の踏み合い。地元の河合佑弥は落ち着いて後方でタイミングをうかがう。2コーナーで内から小原が盛り返したところを河合が仕掛ける。河合が打鐘2センターで主導権を握り、小原は番手に飛び付く。大きく外に振られた雨谷一樹(写真)だが、小原をキメて番手を死守して最終周回へ。2コーナーで松永将をさばいた小原が3番手。川口のまくりは不発で、逃げる河合との車間を空けた雨谷が、計ったように差し切った。
 「(小原が)俺のところに来て苦しかったが、なんとかたえられた。あとは来た人を止めるだけでした。からまれてキツかったけど、河合君はそれ以上に頑張ってくれているので。今開催は指定練習も含めて、状態はいいと思っていた。状態が良くないと、からまれたら余裕がないと思うんでいいかなと」
 雨谷には8分の1輪、交わされた河合佑弥だったが、出し惜しみすることなく先行策で勝ち上がった。
 「(別線が)踏み合う感じも頭に入れてあって、緩んだら行こうと。流すところを流していけたし、落ち着いてペースでいけた。最近は感覚が良くなかったけど、今日(初日)走った感じは良かった。(サドルの)ハナをちょっとだけ上げたんですけど、そっちの方が合ってますね」

<7R>

高橋築選手
高橋築選手
 九州勢が押さえて出て、小林泰正は渡口勝成の仕掛けに合わせて踏み込む。外の渡口が赤板2コーナーで先頭に立ち主導権。かぶった小林は外の森安崇之を弾いて、打鐘4コーナーから仕掛ける。最終ホームで叩き切った小林が風を切る。渡口に飛び付かれた高橋築(写真)は、番手を守り小林に続く。からまれ脚を使ったものの、高橋が別線との間合いを計り小林を交わした。
 「久しぶりのレースで気持ちが入った。小林君は行くべきところで仕掛けてくれたと思う。点数通りのレースで自信の表れなのかなと。もう少し渡口君の飛び付きをうまく対処できれば内藤(高裕)さんも楽だったかもしれない。久しぶりなんでレース勘はまだわからないけど、1走したことで不安はないかなと」
 内に包まれた小林泰正だったが、怯むことなく自ら踏み場を確保して主導権を奪取。攻める姿勢が、全面的に伝わってきた。
 「後ろが地元だったので先行主体にとは考えていた。ただ、前からでこの並びが一番嫌だった。渡口君も僕を意識して先行するだろうと思っていた。余裕があるから、変な動きになった。(出切った最終)ホームからはペースで踏んでいた。逃げ切れるかと思ったけど、高橋さんが仕上がっていた。状態はいい」

<8R>

取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 赤板1センターで勢い良く出た取鳥雄吾(写真)は、ペースを支配して関東の2車を受けて好位を手に入れる。中嶋宣成が打鐘3コーナーで先頭に出てそのまま駆ける。後方に置かれた橋本優己が反撃に出て、3番手の取鳥は最終2コーナー手前から合わせてまくり一気。中四国勢に橋本が襲い掛かるも、まくり切った取鳥が押し切った。
 「(中嶋は)点数以上に強いし、前に富山で対戦した時にまったくまくれずに負けたままだったので良かった。(あの流れで橋本が)来るかなって思っていたので、早めに見つけられて良かった。状態はいいと思うので、ミスがないようにしたい」
 打鐘では菅原裕太にからまれた湊聖二だったが、位置を奪われることなく中四国3番手を追走。橋本のまくりもあって、結果4着の湊を気づかいながら田尾駿介は振り返る。
 「ジャンのスピードがすごい良くて、3番手に入ってから(取鳥)雄吾が落ち着いていた。僕は細かいところを見直していきたい。(橋本を)張って、コースをつくれば、湊さんまでワンツースリーだったと思う。そういう細かいところは反省しないとダメですね。腰が痛くて体が本調子じゃないので、ケアしながらです」

<9R>

鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 赤板2コーナーで板垣昴が押さえて先行態勢を取り、北日本勢に続いた森田優弥は中団で大石崇晴と併走で打鐘。2センター付近で大石が内を進出すると、森田が外を仕掛ける。合わせて踏んで抵抗する板垣を森田が叩いて出る。関東3車が出切り、大石は最終2センターから外を踏み、その後ろから五日市誠が内のコースを踏んで直線へ。番手の鈴木竜士(写真)が、余裕を持って森田を追い込んだ。
 「前がやり合ったというか、大石さんが内に行ったりして混戦になったところを森田君がしっかりと行ってくれた。自分はだいぶ余裕があって、最後に(五日市が)内に来たのも見えていた。練習をやれているのでそれがいい方向にいっている」
 最終ホームでちゅうちょなく叩きに出た森田優弥は、イメージ通りの感触にはなかったようでこう振り返る。
 「ハイピッチにならなかったんで、前まで行こうと思ってました。(初日を走って)ちょっと練習と違うなって感じました。レースでは(もっと)いい感じなのかなと思ったけど、結構、重くていい感触ではなかった。バンクコンディションがキツいのかなっていうのと、自分の練習疲れもあるかなと。クランクを換えたのもあると思うんですけど、それは(2日目も)そのままのつもりです」

<10R>

南修二選手
南修二選手
 単騎が3人いて、実質的には嘉永泰斗と三谷竜生の2分戦。嘉永が先頭に出てペースを握り、6番手で反撃のタイミングをうかがった三谷は、2センターからスパート。三谷の仕掛けを察知した嘉永も踏み上げるが、三谷も前団に迫る。2人の踏み合いを三谷マークから脚をためた南修二(写真)が、シャープに追い込んだ。
 「(最終2コーナーの付近は三谷)竜生の脚質と脚力でもう1回伸びると、いつもの経験で思っていました。自分はミスをしないようにと走っていました。(久しぶりのレースですが状態は)いいと思う」
 最終2センターで園田匠と重なった村上博幸は、踏み合いを微差で制して2着。
 「(三谷)竜生は仕掛けどころで絶対に行ってくれると思っているし、前の2人に任せていました。浮いてしまったところがあるので、そこが思った以上に隙を与えてしまった。そのあとは脚に余裕があった。(初日の立川は)タイムが出ていなかったけど、そのわりには重くなくて、体は悪くない」
 村上を外に張りながらコースを確保した園田匠が、九州勢では最先着の3着。
 「(嘉永)泰斗が仕掛けでくれて、(井上)昌己さんも仕事をしていた。自分は締めて締めて、待って、待ってでした。もう少し伸びそうだったけど、(南)修二が踏んで、腰くだけになった。7車立てより9車の方があっていますね」

<11R>

太田海也選手
太田海也選手
 犬伏湧也が押さえて、そこを単騎の中野慎詞、さらに吉田有希が打鐘3コーナーで出て主導権を奪って逃げる。前受けからレースを進めた太田海也(写真)は、8番手に置かれる。が、2センターから反撃に出る。中団から合わせて踏んだ犬伏を次元の違うスピードでとらえる。山根将太は踏み出しで遅れて、直線では志田龍星、上野雅彦が襲い掛かるが、太田が脚力の違いで押し切ってV。
 「ヤンググランプリで強いメンバーのなかで、自分のいい脚力を出せて優勝できてうれしい。作戦通りの展開にならなかった。ジャン前で(北井佑季に)かぶってしまった。あれがなくてもうちょっとスムーズに動けていたら、余裕をもってレースを進められたかなと。(仕掛けて)自分が駆け始めて、犬伏さんが出てきて、そこのラインには乗らずに犬伏さんの前に出るのが自分の仕事と思っていった。出切れないかと思ったけど、力と力でぶつけ合わすしかないと。単騎が飛んできたとしても、自力(選手)として譲れないと思って走った。優勝できたのは評価しているけど、もっと改善できると思う。ただ、勝てたのはうれしい。レベルが上がるにつれて優勝が減っているけど、この優勝は自信につながる」
 北井佑季は最終バック付近でも8番手。2センターでは外に浮いたが、直線では中のコースを追い込んだ。
 「(結果的に後方になってしまったが)立川はカントがあるので、2センターで外を踏むと膨れてしまうなっていうのは頭にあった。外を踏みながらでしたけど内が空いた。突き抜けたかったですね。(最終3コーナーの)あの時点で4番手ないし5番手にいられれば突き抜けられたと思いますし。位置取りとかもっとうまくできていれば。自分には(レース展開を)読む力がまだない。怖かったですけど、結果的にあまり当たらずに中割りにいけた」
 打鐘4コーナーで犬伏を見失った上野雅彦は、最終バックで志田を前に見る4番手。直線で外を追い込んだ。
 「(最終)ホームの(犬伏の)加速がすごくて、余裕はあって付いていけると思った。けど、志田さんが外にいて付いていけなかった。志田さんとからむよりもと思って切り替えて、(志田を)追っていった。でも、付いていけばまた展開が変わっていたと思うと犬伏さんに申し訳ない。3コーナーを回っても踏める感じがあったから2着はいけるなと。志田さんは抜けると思っていた」

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佐藤水菜選手
佐藤水菜選手
 ナショナルチームに所属している佐藤水菜(写真)は、競技では世界の強豪と真っ向勝負で実績を残してきた。押しも押されもしないナショナルチームのエースは、10月のオールガールズクラシックを完全V。GI制覇でグランプリの出場権を手に入れた。
 「今年1年、ガールズケイリンを振り返ると、3月のコレクションから始まった。その時に競技の方で2大会連続金メダルを獲って、すごく気持ち的にも乗っていていいスタートを切ることができた。優勝することができて順調だなって思ったんですけど。勝てるようになってしまったがゆえに、自分のなかで迷いが出てしまった部分があった。お客さまに選んでもらったオールスターでは結果を出すことができなかったんですけど、そこからしっかり立て直せたかなと感じています」
 グランプリ初出場となる久米詩は、体調不良で19日の前夜祭を欠席。それだけにコンディションが気になるところだ。
 「前夜祭の前の土日でちょっと体調を崩して、水曜、木曜日くらいまで休んだ。そのあと1週間はしっかり練習できた。(体力が)ガクッと落ちてしまったんですけど、そこから1週間でかなり戻ったかなとは思います。欠席理由がちょっと体調不良だっただけに、やっぱりこう心配とかもかけてしまって、そこはすごい申し訳ないです。それを払しょくできるぐらいの走りを見せられたらいいかなと」
 坂口楓華は、一昨年以来、2度目のグランプリ。今年は愛知に移籍をして、環境を整えた。初出場とは違った景色でもあるだろう。
 「今年は、本当にすごく濃い一年でした。(移籍して気持ちは)とくには変わらないんですけど、でも心機一転っていうところもある。愛知のファンのみなさんの前でもしっかり走って勝てたってことも自信になりました。やっぱりまだタイトルがないので、そこはしっかりと自分のなかで気持ちを落ち着かせたい。自分のことを信じて、精いっぱいいまの力を出し切れるように頑張ります」

<<最終日11R「KEIRINグランプリ2023(GP)」>>

古性優作選手
古性優作選手
 古性優作(写真)は2月全日本選抜、6月全日本選抜、10月の寬仁親王牌と今年3度のGI制覇。このグランプリを獲れば、獲得賞金3億円超えでの賞金王の座に就く。
 「(今年は)自分のなかで感覚的なズレみたいなものをすごく感じた時期もありましたし、悪いなかでもしっかり安定しては(成績を)残せたかなと思います。満足はしてないですね。(状況に対応しながら)悪いなかでもしっかり走れた部分もあるかなと。(ここまでは)前半はしっかりトレーニングして、後半は疲労感が残らないようにしっかり調整してきたつもりです。前夜祭の前ぐらいが一番ピークに疲労もたまったんで、徐々に疲労感も抜けてきていい感じかなと思います」
 8月のオールスターでは関東勢の結束力で初戴冠を遂げた眞杉匠は、11月の競輪祭を単騎で優勝。単騎での初のグランプリも、“脈あり”だろう。
 「(今年は)去年より成長できたかなと。番手も増えたし、番手で記念もオールスターも獲ることができた。去年よりは全然いいかなと思います。(ここまでは)1カ月くらい空いたので、合宿を何回か挟みながら、関東の若手みんなでいい練習できたかなと思います。(合宿は)沖縄行ったり、前橋に行ったり、宇都宮に来てもらったりで、充実したかなと思います」
 グランプリ最後の椅子に滑り込んだ新山響平は、昨年に続いて2度目のグランプリ出場。昨年は北日本4車の先頭を務めたが、今年は佐藤慎太郎との2車だけに心境はどうか。
 「(今年は)非常に濃い一年だったので、自分の成長にすごいつながったと思います。(ここまでは)しっかり練習で追い込めたので、体調も崩さずできたので良かったです。(立川は)今年も記念呼んでもらって走っていて苦手とかはないですね。(自転車は)全然、変えずにやってきました。(北日本は2人だが)自分の力を出し切れるようなレースがしたいです」