『KEIRINグランプリ2010シリーズ レポート』 2日目編
配信日:12月29日
GPシリーズ「寺内大吉記念杯」は今日が2日目。今日はS級シリーズが準決勝、11RではSSカップみのりが開催された。SSカップみのりを制したのは新田祐大。前受けから下げて前団のモツれをさそうと鮮やかなまくりで福島ワンツースリーを決めた。
明日(30日)はいよいよKEIRINグランプリ2010。場内でも様々なイベントで今年最後のビッグレースを盛り上げます。9R終了後には騎手の武豊氏によるトークショー、17:00~17:30頃まではバンクウォークも開催。さらに山口健治氏による朝イチ予想会(9:40~55分頃)、予想会(5R終了後)も開催されます。何といっても注目はKEIRINグランプリ2010。果たして賞金1億円を手に入れるのは誰だ? 白熱のレースを立川競輪場でお楽しみください。
SSカップみのり・レース経過
号砲と同時に新田祐大が勢い良く飛び出し、正攻法に構える。隊列は新田-佐藤慎太郎-成田和也で前団、先行の番手勝負を宣言してた神山雄一郎は佐藤に競りかけ、内、外を入れ替わりながら周回。中団には加藤慎平-山口幸二が入り、坂本亮馬-大塚健一郎-兵藤一也のラインが後攻めの形で落ち着く。
赤板手前から坂本が上昇を開始。打鐘で誘導員を交わしてピッチを緩める。新田が車を下げると、神山が追い上げ、今度は坂本の番手を狙いにいく。更に加藤も最終ホームで番手に追い上げるが、坂本は一気にペースを上げる。大塚が競り合いをしのいで番手をキープ。7番手まで下げた新田は2コーナーからまくり上げ、抜群のスピードで前団に迫る。懸命に逃げる坂本を新田が4コーナーで捕らえ、佐藤、成田もしっかり続く。最後まで力強く踏み切った新田が優勝。3番手から外を伸びた成田が佐藤を捕らえて2着に入る。
ゴール
胴上げ
<5R>
渡辺十夢選手
初日は山賀雅仁のまくりに屈した
渡辺十夢(写真)
だったが、今日は逃げる倉野の番手という好展開を生かした。
「今日は本当に倉野くんが頑張ってくれた。それに尽きます。僕は前の選手が頑張ってくれてナンボの選手ですからね。自分が勝ったのは嬉しいけど、倉野くんとワンツーを決められなかったのが残念。満点はつけられないレースでした」
逃げた
倉野隆太郎
は3着に粘って明日の特選へ。
「打鐘で別線の2人が中団を取りに来てペースが上がったけど、今日は僕が逃げるメンバーだったし、脚を使ってでも出た。重かったけど、十夢さんも脚があるので3着までには残してくれるだろうと思ってました。昨日逃げられなかった分も、今日は先行したかった」
<6R>
阿竹智史選手
初日は人気に応えられなかった
阿竹智史(写真)
だが、今日はまくり一閃。消化不良に終わった初日のうっ憤を晴らした。
「(山本健也に)普通に駆けられたらイヤだったけど、前で踏み合うような形になったし、みんなでお膳立てしてくれたみたいになりましたね。先に1番(井上貴照)がまくったけど、止まったらその外はキツい。待って外を踏もうと思ってた。軽く感じたし、調子は良いんで明日もう1日頑張ります」
昨日はバック9番手から3着。今日は阿竹の番手と
渡邉満
はツキがある。
「いやあ今日はヤバかったですよ。阿竹くんはまくり追い込みかな? と思ってたら行ったので千切れるかと思った。やっぱりお客さんも多いし、ヤル気が出ますね。1番人気だったので良かったです」
<7R>
岡田征陽選手
大ガマシが決まった大西祐と近藤修康の2人が後続を千切ってワンツーかに見えたが、近藤幸徳との併走をしのいだ
岡田征陽(写真)
がバックから追いかけると、そのまま前団を飲み込んだ。
「近藤(幸)さんにからまれたのは予想外だった。ホームで当たって来てアレッと思った。前と離れてるのは特に気にならなかったし、自分のタイミングで行けば届くと思ってた。やっぱりこのフレームの方が良いし、今日で今後の形が見えてきた」
晴山裕之
は岡田のしかけにきっちりと食い下がった。
「バック向かい風が出てきてるところで征陽のスーパーダッシュでしょ。楽じゃなかったですね。昨日、今日でセッティングがだんだん良くなってきたし、体の使い方が上手くなって全部良い感じです。地元に間に合って良かった」
<8R>
南修二選手
ここからは準決勝。上手く中団を確保した柴崎淳が2コーナーまくり。番手の
南修二(写真)
がきっちりと勝機を生かした。
「柴崎くんは力があるし、僕は付いてるだけ。昨日も展開が悪かったように見えるけど突き抜けるコースはあったし、今日はその分もと思ってました。体調は全然問題ないですね」
初日は諸橋愛のブロックに阻まれた
柴崎淳
だったが、同じ轍は踏まなかった。
「一番理想の展開になりましたね。調子自体は昨日とそんなに変わらないけど、諸橋さんのブロックを考えて今日は直線で乗り越えられるように仕掛けました。バックも向かい風でしたからね」
3番手に切り替えた諸橋愛に山賀雅仁が迫って並んだままゴール。写真判定の結果、
山賀雅仁
が決勝進出を決めた。
「打鐘のセンターで行くべきでしたね。またやっちゃったって感じです。そこが後半戦悪かった理由だし、弱いところです。伸びは悪くなかったけど、自分だけでは…」
惜しくも優出を逃した
諸橋愛
は「踏み負けしてるんだし、力不足です」とレースを振り返った。
<9R>
藤田竜矢選手
豊岡哲生の先行で番手は荒井崇博。中団を取った
藤田竜矢(写真)
は番手まくりを恐れずバックから仕掛けると、力強くまくり切った。
「(豊岡の)ヤル気が伝わったし、今後は怖い感じですね。やり合っても(田中雅史が)ひとまくりの展開になるし、冷静に走りました。ラインで決まったと思ってたので残念。昨日は今年の中でもいい部類の先行だったと思うし、調子はすごい良いです」
ドン尻から内をすくって藤田の番手を奪った
北野武史
が2着に流れ込んだ。
「(田中が)空いてる内を行かないし、もうダメだと思って自分で行けるところまでと思った。タイミングもドンピシャだったし良かったです。ちょっと山ちゃん(山崎)には悪かったけど、僕もダービー(出場の賞金)がかかってるので」
戸邉裕将
はシビアな判断をするしかなかった。
「3人で決まれば一番だったけどね。藤田くんの先行だったら(3番手に)入れられたけど、あれで入れたら2人とも離れてしまう。悪いと思ったけど、厳しかった。踏んでる感覚は前回より良いです」
山崎
にとってはまさか、まさかの展開。「内は気づかなかった…」。調子は良かっただけに、悔しすぎるレースとなってしまった。
<10R>
三宅達也選手
根田空史の先行を6番手から
三宅達也(写真)
が豪快にまくり切った。
「(根田の番手で)粘るのもあったし、打鐘ではどっちにしようか迷いました。粘るかなと思った竹内さんが引いたけど、辻(力)さんが切り替えなかったのでまくれる感じは何となくありました。立川は2、3回F1を優勝してる。明日も笑って帰れれば良いですね」
三宅後位の柏野をドカした
渡邉晴智
が混戦の2着争いを制した。
「(まくりに)反応できなかった。今日は根田くんが強かっただけ。残せなかったのが申し訳ない。最後は柏野くんにスピードをもらっただけで、あれがなければ飛んでましたね」
4番手からコースを突いた
竹内智彦
が3着で決勝進出最後の切符を手に入れた。
「4番手からまくろうと思ったけど、まくれなかったしコースを探してと思ってた。最後はぶつかりながら入って行ったのでハンドルを投げられなかった。あれがなければ2着もあったかも。でも、あそこを伸びてるから体調は問題ない」
チャンスを生かせなかった
柏野智典
は渡邉の技術に舌を巻いた。
「(三宅が)踏み出したときに、まくれるの?って思うくらい余裕はあったんですけどね。自分のところにブロックが来ると思って外に差したけど、ちょっと遅かった。やっぱり渡邉さんは上手いですね」
<11R SSカップみのり>
佐藤慎太郎選手
大塚健一郎選手
新田祐大が鮮やかなまくりでSSカップを制した。番手の佐藤慎太郎を交わして2着に食い込んだのは
成田和也
だが、コメントは至って謙虚だ。
「慎太郎さんは入れ替わりもあって脚を使ってますからね。番手の仕事をしてる訳だし、早めには抜きに行けなかった。それでも前(1着)まで行けないのは力不足。福島で決まって良かったです」
3着に敗れた
佐藤慎太郎(写真)
は悔しさを隠せない。
「競りがあったから? そうですね。それしか言えないけど、言い訳ですよ。もっと脚のある選手なら交わせてるし、後ろに抜かれてないでしょう。番手を守ることに集中した結果といえば結果だけど、悔しいですね」
神山雄一郎、加藤慎平の追い上げをしのいだ
大塚健一郎(写真)
。傍目に見れば強いレースだったが、本人は不満げだ。
「さすがに2人(の追い上げ)はキツい。でも(取り切ってから)離れたら意味がない。余裕があれば新田のまくりは止めれたけど、もう脚が一杯。俺が悪い」
新田から坂本へ。
神山雄一郎
は次々と番手に攻め込んだ。
「孤軍奮闘したけど厳しかったね。新田の突っ張りもあると思って前でも競ったけど、亮馬が上がってきたときに一緒に内から番手に行きたかった。脚を使って外から追い上げたし、結果(加藤)慎平を呼び込んだから上手くいかなかった」
坂本亮馬
にとってはまさかの後ろ攻め。「お互いに同じことを考えてたんでしょうね。やっぱりスタートだよなあ…」とレースを振り返った。
<グランプリ>
伏見俊昭選手
村上義弘選手
明日はいよいよグランプリ。9戦士も徐々に戦闘モードへスイッチを切り替える。07年に続く立川グランプリ連覇を狙う
伏見俊昭(写真)
は決戦を前に入念に愛車を整備した。
「慣れはしないけど、普通にいれ込みすぎず抜きすぎず。前回優勝のイメージといっても、またメンバーも違うし、状況も違う。新しいイメージを考えないと。とにかく良い状態で当日を迎えて、集中し切れるかどうか。歓声が聞こえなくなるくらい集中する“ゾーン”に入ればね。優勝した平塚のグランプリがそうだった。あの経験は今までそれ1度しかないですね。自然体で踏み切るためにも、あとは気持ちだけです」
全力で走り抜けた1年の集大成。
村上義弘(写真)
がようやくこの舞台に帰ってきた。
「やっとここまで帰ってこられました。6年前のグランプリから時が止まったような感じだったので、競輪場には自分でも意外なほど自然に入れました。いつも通りの走りをするだけだし、ラインの3人が勝てる競走でいいと思っています」
北日本の先頭を走る
佐藤友和
はまだまだ笑顔を絶やさない。
「ラインの先頭を走るので緊張感はありますね。山崎さんは自分でやっても勝てる選手ですから。作戦は明日の朝に考えます。もうやることは全てやったので、あとは結果を出すだけですね」
公開練習・夜間練習
公開練習
夜間練習
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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