『第64回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 2日目編

配信日:11月24日

 22年、グランプリをかけた最後の戦い。北九州メディアドーム・小倉競輪場で開催されている「第64回朝日新聞社杯・競輪祭(GI)」は、11月23日に2日目が行われた。残りの一次予選1と2走目の一次予選2でスピードバトルが展開され、平原康多が連勝を遂げた。アメジスト、トパーズに分かれた「ガールズグランプリ2022トライアルレース」の予選2では、柳原真緒、児玉碧衣、太田りゆ、佐藤水菜の4人が初日同様に勝ち星を挙げた。11月24日の3日目は、一次予選2でスピードバトルが繰り広げられる。また、「ガールズグランプリ2022トライアルレース」では、予選2走のポイント合計により優出した2つの決勝が行われ、年末のグランプリに出場する7人が決定する。
 開催中の毎日、競輪専門紙「コンドル」による全レース予想会、SPEEDチャンネル競輪専門解説者の予想会、スペシャルゲストによるトークショーや予想会、お笑いステージなどの「ステージイベントin競輪祭」などが予定されています。24日の3日目は元SGボートレーサー鎌田義さん&現役SGボートレーサー森高一真選手のトークショーも行われます。小倉競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となります。ご協力とご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 赤板過ぎに押さえて出た北津留翼だったが、その上を浅井康太(写真)に切られて河端朋之が打鐘から先行策。北津留は7番手に置かれる。5番手の森田優弥が、最終1センターから仕掛ける。さらに北津留もまくり上げるが中団まで。逃げる河端の番手で大きく車間を空けた隅田洋介が、詰めながらけん制する。3番手にいた浅井は岡山コンビの間を突いて、直線でシャープに抜け出した。
 「やっぱりスタートが、重要になるなっていうのはあった。雨谷(一樹)君が取りに行くイメージがあったので、森田君ラインの後ろから攻めようと思いました。河端君も自分が切った上を叩きたいんだろうなって思った。北津留君は引くタイミングが遅れたと思いますし、森田君が来ると思っていたんですけど。外をまくり切らないといけないんですけど、脚が残っていなかったですね。隅田君は(森田を)もっていくだろうなって思ったので、そのタイミングで内か外かコースを見てタテに踏みました」
 河端の積極策を利した隅田洋介と森田優弥が2着同着。外のまくりを警戒していた隅田は、浅井に内を突かれ、立て直して追い込んだ。
 「結果的には河端さんの行きたい感じの先行になったと思うんですけど。外しか見ていなかったら、(浅井に)内をこられましたね。バックを踏んでって感じでしたけど、まだ下手です。(ラインが)2車なので思いっきり振るより、小さな動きでとは思っていたんですけど。外すとああなりますよね…」
 5番手からまくった森田優弥は、最終4コーナーでスピードが止まったように見えたが、直線で再度盛り返した。
 「雨谷さんはスタートが早いので、全面的に信頼していました。ジャンのところでヤバいかなって思ったんですけど、最低限の位置は確保できたと思う。(自転車の進みは)全然良くなかったので、しっかり休んで修正したい」

<2R>

深谷知広選手
深谷知広選手
 押さえて出た寺崎浩平が、先行態勢を取る。後方の深谷知広(写真)は赤板2コーナーから山降ろしで踏み込むが、寺崎もスパート。深谷は冷静に打鐘で空いた4番手に入る。深谷後位は小川真太郎と諸橋愛の併走で最終周回。深谷が1センター過ぎに踏み上げると、後ろは付いていけない。逃げる寺崎をとらえた深谷が、そのまま後続を寄せつけず1着。
 「カマシに行く感覚だったが、踏み出しが悪くて、寺崎の踏み込みも良かった。なんとか後ろ(4番手)に入れた。そこからは(最終)3コーナーで合わされないように、早めに踏んで勝負をした。抜群に良くはないが、悪くないので調整したい。(上がりタイムは10秒9だが)あの形なら、もうちょっとタイムが欲しい」
 深谷に主導権を握らせず、寺崎が果敢に駆ける。番手の山田久徳は深谷のまくりに切り替えて、外の渡邉一成、宮本隼輔らを退けた。
 「全部(寺崎に)任せていました。ジャンで深谷が見えて(寺崎が)合わせたと思ったら、姿が消えて4番手に入っていた。嫌なところで来られましたね。もっていっても効果がないところでした。全部行かれてしまったら、元も子もないと思って踏ませてもらった。調子は悪くないですけど、人の後ろですからね」

<3R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 武藤龍生の当日欠場で8車立て。赤板2コーナー手前で島川将貴が先頭に立つと、続いた菊池岳仁が一人で押さえて出る。島川は後位に収まるが、新田祐大(写真)が打鐘で踏み上げる。菊池も合わせて踏んで、後ろが島川と新田で取り合い。菊池の先行で最終周回を迎える。番手を取り切った新田は、野原雅也の反撃に合わせてまくりを打つ。逃げる菊池も抵抗するが、新田が追い込んだ。
 「(武藤の当日欠場があったけど)菊池君の積極性はわかっていたので、そのタイミングだけは逃さないようにと。(逃げた菊池の番手を取り切ったあとは)野原君が来たのもわかったので踏んだけど、菊池君も伸びていった。セッティングとか体の具合とか全然、思っていた感じじゃない。根性でもぎ取った1着っていう感じですね。レース前はすごく集中できて、戦う気持ちになれたのが、結果につながったんだと思う。ただ、ママチャリに乗っているみたいな感じだったので、(セッティングを)直します」
 武藤の欠場でラインを失った菊池岳仁は、想定外の先行策で2着。持ち前の機動力をアピールした。
 「とりあえず前々にいかないと、単騎の8番手はキツいなと。でも、先行になるとは思ってなかったんで、結構キツかったです。(島川と新田で)後ろが併走していたんで、(先行の)腹をくくりました。体の状態自体は、すごくいいかなと思います」

<4R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 松本貴治の上を山口拳矢が切ってペースが緩む。5番手の吉田拓矢(写真)が、打鐘の3コーナーで仕掛けて先頭に立つ。吉田ラインを追うように、岩谷拓磨がそこに襲い掛かる。が、山田英明が連結を外す。吉田は1人になった岩谷を確認するように番手に収まる。外に浮いた山田との間合いを計りながら、岩谷との車間を詰めた吉田が追い込んで1着。
 「山口と松本さんがあんなに踏むと思っていなかったんですけど、ジャンのところで行かないと後方になっちゃうなって思った。出切ってペースに入れて、岩谷君が一人で来たので入れた。それでももう1回行けるなって思った。とっさの判断でした。余裕もありましたし落ち着いて走れました」
 ホームバンクの小倉では初めてのGI出場。岩谷拓磨がスピードを生かして2着に粘り込んだ。
 「吉田さんが叩いたところを行けたけど、(その前に)後方になってしまった。レース内容的には煮詰めないとなっていうか、反省かなって思いました。後ろを確認する余裕はなかったんですけど、行けるところまでしっかり踏もうと思った。脚の感じは仕上げてきているので、完ぺきだと思います」

<5R>

南修二選手
南修二選手
 金子幸央、嘉永泰斗の順番で出て、そこを町田太我が叩いて打鐘の3コーナーで主導権を握る。前受けを余儀なくされた古性優作は、7番手に置かれる。しかしながら、古性は構えることなく最終ホームから巻き返す。グングンと加速する古性が、圧巻のまくりで逃げる町田をあっさりととらえる。ライン3車が出切り、大阪コンビのゴール勝負は番手の南修二(写真)が1着。
 「(古性が)すごく強かった。なんとかいい形でゴールできて良かった。ちぎれなくて良かった。(1走目と比べて)変わらないですね。しっかりとクールダウンをして(2走目以降に)備えたい」
 ラインを上位独占に導くさすがの仕掛けを見せた古性優作は、2走目に新車を投入して好感触を得た。
 「連日、前は取りたくないけど、1番車ですし前からになっている。(展開は)想定内だったけど、なんとかでしたね。レースは良かったと思うけど、末は甘かったです。(2走目から)グランプリで使いたかった新車に換えました。流れてくれたけど、セッティングは気になったので微調整したい」

<6R>

平原康多選手
平原康多選手
 赤板2コーナー過ぎに石原颯が出て、四国コンビの主導権。3番手が岩本俊介(イン)と伊藤颯馬の併走になり、前々に踏んだ平原康多(写真)だったが、別線の動きを見極めて後方に下げる。井上昌己をすくって6番手になった平原が、最終2コーナーで踏み込む。岩本と伊藤の決着がつかず、平原を合わせるように、松坂洋平が自力に転じる。松坂のまくりに付け直した平原が、ゴール寸前で交わした。
 「あの並びになったら1回は切らないとなって思ったんですけど。切らせてもらえなかったですね。踏んだりやめたりで、頭もゴチャゴチャになった。松坂君に見られてしまって合ってしまって、その上を行けなかった。悔しい部分はありますね。正直、初日(1走目)の方が良かったんですけど、展開もまったく違う。まだ修正するところはある。もう少しマッチングが良くできたらなっていうのがあります」
 岩本とタッグを組んだ松坂洋平は、岩本の余力と展開を判断してまくりに転じた。
 「(岩本は)先行するラインの後ろが欲しそうな感じで、前々に踏んでくれた感じでした。まだ岩本君も併走していたので、自分は(着を)取りにいかないとって思った。だいぶ鎖骨の怪我も完治してきて、力が入るようにはなってきている」

<7R>

渡部幸訓選手
渡部幸訓選手
 九州勢に合わせるように、郡司浩平が動いて切って出る。そこを松岡辰泰が押さえるが、緩んだところを小松崎大地が仕掛けて打鐘過ぎに主導権を奪う。さらに原田研太朗も反撃に出て、目まぐるしくレースが動く。原田は出切れず3番手の松岡とからんで、郡司が最終1センターからまくり上げる。外に浮いた原田の外をう回したロスもあり、郡司は前が遠い。番手絶好の渡部幸訓(写真)が、郡司をけん制して僅差の勝負を制した。
 「小松崎さんがいいポイントで仕掛けてくれて、タイミングが向いた。原田君が来て、郡司君も外々だった。それでコーナーに入れば、自分たちで決まると思った。ただ、郡司君が伸びてきて、最後は無我夢中で踏んだ。初日よりも2日目の方が体調は良かった」
 別線の踏み合いを抜かりなく仕掛けた郡司浩平だったが、大外を回されたことが響いてタイヤ差の2着。
 「仕掛けるところはあそこしかなかったですし、原田君を目標に行けばと思っていたけど、外に浮いてきた。そこで内に切り込めれば、楽になったと思う。でも、それができなくて、自分を苦しめた。レースの流れはつかめている。判断、反応は悪くない。(落車後だが)気持ちと、ハンドルまわり、シューズのサンを微調整して、かみ合えば十分に戦える」

<8R>

中本匠栄選手
中本匠栄選手
 細切れで別線に順番に切られた松浦悠士は、7番手で打鐘を通過する。高橋晋也がペースを握り、三谷竜生は3番手を確保。松浦は車間を詰める勢いで、4コーナー手前で踏み込む。前団に襲い掛かった松浦は、山崎芳仁にけん制を受けるもねじ伏せる。番手の中本匠栄(写真)は、三谷に振られるも連結を外すことなくチャンスをモノにした。
 「(松浦は)レースもうまいし、脚力も間違いないので、すべて安心してました。(三谷)竜生にからまれて、山崎さんのところも難しい形だった。最後は僕の技量不足と判断ミスでああなった。内、外を確認していくべきでした。ただ、難しい展開をしのげてはいる。あとは判断をもっと煮詰めていかないと」
 松浦ライン3番手の園田匠は、直線で外を踏んで2着。2走目での上積みも感じながらポイントを稼いだ。
 「全部、松浦君に任せていた。絶対に仕掛けるので安心してました。さすがでしたね、あそこしかないタイミングで(行ってくれた)。(ラインの)3人で決めるために、無理やり踏んでくれた。自分は初日がいままでにないくらい最悪だった。いじってだいぶ良くなりました。エース(の自転車)がつぶれて(今シリーズから)新車になった。それでセッティングが出てなかった。初日より体になじんだと思います」

<9R>

柳原真緒選手
柳原真緒選手
 周回中から7番手の最後方にいた柳原真緒(写真)は、最終ホームでも慌てることなく我慢。岩崎ゆみこの先行を久米詩がのみ込み、さらに山原さくらがまくりで襲い掛かる。山原、鈴木美教を追いかけた柳原は、最終バックでも7番手。直線で大外を踏んだ柳原が、鈴木、山原をまとめてのみ込んだ。
 「最後尾になるとは思ってなかったんですけど、なってからはすごい前も見えてたんで良かったと思います。昨日(初日)よりすごい踏めてたし、すごい伸びたのでいいと思います」
 打鐘の2センターで山原を前においた鈴木美教は、最終2コーナー過ぎからまくった山原に続く。柳原には交わされたが、山原は交わして2着に入った。
 「(山原)さくらさんが前に来たので、しっかりそこはこだわりました。来なければ自分で前から組み立てようと。(山原を追走して)あとは自分の持ち味を出すだけだなと思っていた。1着は取れていないですけど、しっかり決勝に上がることを目標にしていたので良かった」

<10R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 奥井迪が3番手のポジションで打鐘を通過する。4コーナーで奥井がスパートして主導権。続いた尾方真生は飛び付いた太田瑛美と併走。尾方も最終2コーナー手前から踏み上げるが、その外を児玉碧衣(写真)があっさりとまくって連勝のゴール。
 「(尾方)真生の後ろを取れて、真生が奥井さんの後ろを取る形になった。自分が後ろにいるってわかったら真生は、たぶん1周行かないだろうなと思った。あとは真生より先にまくって(最終)3コーナーでは出切っておきたかった。そこはしっかり踏めたので良かったと思います。連日キツいところで(仕掛けて)行っているんですけど、そんななかで今日(2日目)は11秒7が出たのでいいのかなと」
 周回中から児玉の後ろを取った坂口楓華が、児玉のまくりに食い下がり流れ込んだ。
 「3番車がきた時点でチャンスをいただけたなと思った。たくさん考えて、いい位置を取ってと。そこからも考えていて、結果的に児玉さんの後ろが取れた。脚は全然、問題ないです。しっかり上半身と下半身がつながって走れている」

<11R>

太田りゆ選手
太田りゆ選手
 3番手の梅川風子が前との車間を大きく空けて、打鐘を通過する。5番手の太田りゆ(写真)が最終ホーム手前から踏み出すと、梅川も合わせて反応する。逃げる太田美穂を梅川がとらえて、梅川後位に入った太田りがすんなりと続く。押し切り図る梅川を太田りが追い込んだ。
 「(連勝は)上デキすぎて、明日(決勝)が不安です(笑)。慌てずに梅川風子選手の動きを見ていこうという感じだった。結構、落ち着いていたと思います。(梅川に仕掛けて)行ってもらいたくて、狙っていました。珍しくシビアにできたと思います。脚は自分の感覚としては、めちゃくちゃいいなという感じではないですけど、レース内容はいいと思います」
 3番手で前団を射程圏に入れながらの梅川風子は、難しいポジショニングではあったが、爆発力のあるまくりでゴール勝負に持ち込んだ。
 「 太田(りゆ)選手の動きをしっかり把握しながら、レースをしたかった。けど、したかったことの半分もできていなかったと思います。(太田の)少しリズムを崩したいというのはあったんですけど、最後の最後で見失っている部分があった。正直タイムも良くないですし、脚の状態もいいとは言えないです」

<12R>

佐藤水菜選手
佐藤水菜選手
 3番手の小林優香が前との車間を空けて、4番手の佐藤水菜(写真)も同様に小林優との間合いを取る。そのまま打鐘で誘導が退避して、飯田風音のペースは上がらない。意を決した小林優が4コーナーから仕掛ける。最終ホームで出切った小林優を目標に、佐藤がスパート。2コーナーで小林優をとらえた佐藤が、ピッタリマークの小林莉子を退けた。
 「自分の目の前が小林優香さんだったので、好きなタイミングで仕掛けようと考えていた。(小林優が)先に仕掛けたので、その上を行くような形でした。(脚の感じは)悪くはないと思います。(上がりタイムは11秒9だったが)いいんじゃないですか。あまり流れがあったわけでもないですし、自分で立ち上げたという感覚もなくて、1周を平均的なペースで駆けられた感じはあった。そのなかであの上がりタイムならば、明日(決勝)に向けていいイメージがついたかなと思います。番手に小林莉子さんがいたので、そこはしっかり差されないようにと一生懸命踏みました」
 思惑通り佐藤の後ろを周回中に手に入れた小林莉子は、追い込むも半車身まで。
 「一番強いのは佐藤さんなので、シンプルにその後ろが欲しいと思っていました。位置取りは良かったのかなと。ゴール前しっかり踏み直されちゃって抜けなかった。そこはちょっと修正が必要かなと思います。佐藤さんはやっぱり強いですね。(2走した感じは)すごく良くはないですけど、この状態で勝負するしかない」