今年最後のGI。北九州メディアドーム・小倉競輪場で開催された大阪・関西万博協賛「第66回朝日新聞社杯・競輪祭(GI)」は、11月24日に最終日が行われた。誰が優勝しても今年初のタイトルになる決勝は、3車の近畿勢が主導権。犬伏湧也の反撃に合わせて自力に転じた脇本雄太が、押し切ってV。一昨年8月のオールスター以来、通算8度目のGI制覇で優勝賞金4790万円(副賞含む)を獲得。グランドスラムに王手をかけた。また、グランプリの出場権をかけた獲得賞金争いは、最後の枠に岩本俊介が滑り込んでグランプリ初出場を決めた。

決勝競走出場選手特別紹介

決勝1番車、松浦悠士選手

決勝2番車、脇本雄太選手

決勝3番車、荒井崇博選手

決勝4番車、寺崎浩平選手

決勝5番車、松谷秀幸選手

決勝6番車、村上博幸選手

決勝7番車、犬伏湧也選手

決勝8番車、菅田壱道選手

決勝9番車、浅井康太選手
決勝戦 レース経過
号砲が鳴ると、松浦悠士、荒井崇博、菅田壱道の3車が勢い良く飛び出したが、荒井が制して誘導員を追う。犬伏湧也-松浦-荒井の西勢が前を固め、菅田-松谷秀幸が中団で、単騎の浅井康太がこの後ろ。寺崎浩平-脇本雄太-村上博幸の近畿勢が後攻め。
青板周回の1コーナー過ぎから寺崎が上昇を始める。バックで犬伏に並びかけると、犬伏は外帯線を外して寺崎の動きを警戒。その際に浅井が内を踏み上げて西勢の後ろに切り換える。一度イエローラインの外まで上がった寺崎は、赤板周回の誘導員退避に合わせて一気に飛び出す。犬伏は落ち着いて下げて4番手に入り、浅井が7番手、東勢は後方で打鐘を迎える。寺崎が打鐘でペースを上げていくが、最終ホーム付近から4番手の犬伏がスパート。この動きに合わせて脇本が番手発進するも、村上が踏み遅れる。脇本の後位には犬伏が収まる一方、松浦は犬伏から遅れて、前との車間が空いた3番手が村上と松浦で併走となる。バックを過ぎても脇本のスピードは鈍らずに、犬伏の追撃を許さずV。犬伏は最終1センターで脇本後位にハマるも、そのあとは仕掛けられず2着。村上との併走には踏み勝った松浦だが、前の2車とは車間が空いた3着までだった。
青板周回の1コーナー過ぎから寺崎が上昇を始める。バックで犬伏に並びかけると、犬伏は外帯線を外して寺崎の動きを警戒。その際に浅井が内を踏み上げて西勢の後ろに切り換える。一度イエローラインの外まで上がった寺崎は、赤板周回の誘導員退避に合わせて一気に飛び出す。犬伏は落ち着いて下げて4番手に入り、浅井が7番手、東勢は後方で打鐘を迎える。寺崎が打鐘でペースを上げていくが、最終ホーム付近から4番手の犬伏がスパート。この動きに合わせて脇本が番手発進するも、村上が踏み遅れる。脇本の後位には犬伏が収まる一方、松浦は犬伏から遅れて、前との車間が空いた3番手が村上と松浦で併走となる。バックを過ぎても脇本のスピードは鈍らずに、犬伏の追撃を許さずV。犬伏は最終1センターで脇本後位にハマるも、そのあとは仕掛けられず2着。村上との併走には踏み勝った松浦だが、前の2車とは車間が空いた3着までだった。







<4R>

和田健太郎選手
8番手から上昇した志田龍星をけん制しながら、5番手の根田空史が赤板1センターで先頭に立ち主導権を握る。2コーナーから志田が巻き返して、合わせて佐々木豪も踏み上げる。それを察知した根田は、打鐘からペースアップ。根田がリズム良く駆けて、4番手で北津留翼と志田でもつれて最終周回。番手の和田健太郎(写真)が、逃げる根田と車間を大きく空ける。佐々木がインを進出して、中団はもつれたまま。絶好の展開を和田がモノにした。
「(周回中は)3番目のラインだったら、僕らの後ろにいるのはたぶん志田君だろうから、フタされたりがあるんじゃないかと。志田君が来る前にけん制をしたりして、いつもの根田君にはない変化球でっていう感じでした。あとは(先行した根田との車間を空けて)抜ける、抜けないの勝負かなと。竹内さんには悪いけど、根田君を2着に残せたら良かった。でも、竹内さんも脚がありますからね。根田君もああいうレースができたら、今後は(別線が)やりづらいと思う。自分は(シリーズを通して)いまひとつ。展開に助けられた。オールスターの落車からずっと良くないです」
根田ライン3番手の竹内智彦は、もつれた後位を警戒しながら直線で千葉コンビの間を踏んだ。
「(千葉の)2人にはお世話になっているし、強いのも知っているんで信頼していました。空けたら誰か突っ込んでくるのもわかっているんで、内を締めていたけどめちゃくちゃキツかった。今回も調子は悪くなかったんですけど、GIの流れもあるんで後方になると厳しい。さっさと前に踏めばいいけど、そういうわけにもいかないので」
「(周回中は)3番目のラインだったら、僕らの後ろにいるのはたぶん志田君だろうから、フタされたりがあるんじゃないかと。志田君が来る前にけん制をしたりして、いつもの根田君にはない変化球でっていう感じでした。あとは(先行した根田との車間を空けて)抜ける、抜けないの勝負かなと。竹内さんには悪いけど、根田君を2着に残せたら良かった。でも、竹内さんも脚がありますからね。根田君もああいうレースができたら、今後は(別線が)やりづらいと思う。自分は(シリーズを通して)いまひとつ。展開に助けられた。オールスターの落車からずっと良くないです」
根田ライン3番手の竹内智彦は、もつれた後位を警戒しながら直線で千葉コンビの間を踏んだ。
「(千葉の)2人にはお世話になっているし、強いのも知っているんで信頼していました。空けたら誰か突っ込んでくるのもわかっているんで、内を締めていたけどめちゃくちゃキツかった。今回も調子は悪くなかったんですけど、GIの流れもあるんで後方になると厳しい。さっさと前に踏めばいいけど、そういうわけにもいかないので」
<5R>

嘉永泰斗選手
切って出た山賀雅仁を、小原佑太が赤板2コーナーで押さえて先頭に立つ。すかさず藤井侑吾も巻き返して、小原と主導権争いになる。山田久徳が連結を外して、最終ホーム手前から嘉永泰斗(写真)が、藤井を目標に反撃。1人で出切った藤井の番手に小原が入るが、そこを嘉永がバック過ぎにまくり切る。井上昌己は、守澤太志のブロックで付いていけない。4コーナーを先頭で回った嘉永の後ろは車間が空いて、嘉永が余裕をもって押し切った。
「(展開は)想定通りでした。仕掛けるタイミングも良かったと思う。(今回は)動けているけど、勝てないってことは脚がない。前回はいいかなって思ったけど、今回はしっくりこなくて、今日(最終日)が一番だった。コツをつかんだかなと。ずっとセッティングいじったり、乗り方を修正したりしている。次(12月19日からの佐世保GIII)まで空くのでしっかり整えたい」
嘉永がまくり切って、小原も藤井の番手から追い込むが脚力を消耗してなかなか進まない。守澤太志が2着に追い込んだ。
「(前回で落車したけど)来る前は大丈夫かなと思ったら、情けないレースばかりだった。次の広島記念までには、体の使い方が良くなるようにしたい。小原君は出てからも踏んでいて、藤井君が来たけど、しっかり入ってからも早く踏んでくれた」
「(展開は)想定通りでした。仕掛けるタイミングも良かったと思う。(今回は)動けているけど、勝てないってことは脚がない。前回はいいかなって思ったけど、今回はしっくりこなくて、今日(最終日)が一番だった。コツをつかんだかなと。ずっとセッティングいじったり、乗り方を修正したりしている。次(12月19日からの佐世保GIII)まで空くのでしっかり整えたい」
嘉永がまくり切って、小原も藤井の番手から追い込むが脚力を消耗してなかなか進まない。守澤太志が2着に追い込んだ。
「(前回で落車したけど)来る前は大丈夫かなと思ったら、情けないレースばかりだった。次の広島記念までには、体の使い方が良くなるようにしたい。小原君は出てからも踏んでいて、藤井君が来たけど、しっかり入ってからも早く踏んでくれた」
<7R>

窓場千加頼選手
北日本コンビ、窓場千加頼(写真)の順番で出て、そこを佐々木悠葵が打鐘3コーナーで出て主導権。一本棒の8番手に置かれた山田英明は動けず、そのまま佐々木の先行で最終周回へ。3番手確保から間合いを取った窓場は、2コーナー手前からまくりを打つ。抵抗する佐々木を直線の入口でとらえた窓場が、シリーズ2勝目を挙げた。
「今日(最終日)は1、2走目と同じフレームに戻したけど、(1、2走目は)そのフレームのいいところを引き出せてなかった。それで今日はパーツを換えたら良くなった。(前回の)寬仁親王牌から気持ちがディフェンスの方に入っていた。一次予選の2走が、それで良くなかった感じですね。二次予選で太田(海也)と走ることでいい意味で開き直れた。今日は佐々木君も掛かっていたし、負け戦で崩れてしまうのがいままでの僕だったんですけど。ラインで決められて、メンタルが強くなっているんだと思います」
近畿ラインで上位独占。諸橋にからまれながらも、三谷将太は窓場にタイヤ差まで詰め寄った。
「(周回中は)前から2つ目が理想だったんですけど、佐々木のスタートが早かった。(窓場がまくって)行く感じが出ていたし、あとは自分が諸橋(愛)さんのところをどう乗り越えるかでした。今回は体調が悪いなりにっていう感じでした」
「今日(最終日)は1、2走目と同じフレームに戻したけど、(1、2走目は)そのフレームのいいところを引き出せてなかった。それで今日はパーツを換えたら良くなった。(前回の)寬仁親王牌から気持ちがディフェンスの方に入っていた。一次予選の2走が、それで良くなかった感じですね。二次予選で太田(海也)と走ることでいい意味で開き直れた。今日は佐々木君も掛かっていたし、負け戦で崩れてしまうのがいままでの僕だったんですけど。ラインで決められて、メンタルが強くなっているんだと思います」
近畿ラインで上位独占。諸橋にからまれながらも、三谷将太は窓場にタイヤ差まで詰め寄った。
「(周回中は)前から2つ目が理想だったんですけど、佐々木のスタートが早かった。(窓場がまくって)行く感じが出ていたし、あとは自分が諸橋(愛)さんのところをどう乗り越えるかでした。今回は体調が悪いなりにっていう感じでした」
<8R>

北井佑季選手
5番手の外併走から北井佑季(写真)が赤板2コーナーで仕掛けると、外を張りながら南修二も合わせて動く。小林泰正を叩いた北井が、打鐘3コーナーで主導権を握り、和田真久留が続く。山口拳矢をさばいた南が神奈川勢を追いかけるが、今度は飛び付いた小林と最終ホームでもつれる。8番手の伊藤旭が2コーナーからまくり、3番手は南が取り切る。2センターで和田が伊藤のまくりを振って、その内を南が突く。後続のもつれをしり目に1周半駆けた北井が押し切った。
「赤板で1回切ってからと思ったら、小林さんが出てきた。1回待ってから行くか迷いながらだった。打鐘に向けてカマシに行く踏み方になったけど、和田さんは付きづらかったと思う。今回は最低限の決勝に上がれなかったし、内容も結果も悔しい。119期としてデビューしてGIを獲って目標を達成できた1年でもあったけど、後半戦はいままでにないくらい悔しかった。自分だけの力で取れたものではなかったし、まだ気持ちを出してレースをするタイミングは残っている。年末に向けて頑張りたい」
直線の入口では一度は内から南に出られた和田真久留だったが、ゴール前で差し返して神奈川ワンツーでの決着。
「北井さんの踏み方はわかっているので、付きやすいし仕事もしやすかった。いろんな人が見ているし、北井さんの後ろは絶対に守らないといけない位置。僕は難しい職場(自力と番手戦の使い分け)なので、そういうのも慣れていかないとって思います」
「赤板で1回切ってからと思ったら、小林さんが出てきた。1回待ってから行くか迷いながらだった。打鐘に向けてカマシに行く踏み方になったけど、和田さんは付きづらかったと思う。今回は最低限の決勝に上がれなかったし、内容も結果も悔しい。119期としてデビューしてGIを獲って目標を達成できた1年でもあったけど、後半戦はいままでにないくらい悔しかった。自分だけの力で取れたものではなかったし、まだ気持ちを出してレースをするタイミングは残っている。年末に向けて頑張りたい」
直線の入口では一度は内から南に出られた和田真久留だったが、ゴール前で差し返して神奈川ワンツーでの決着。
「北井さんの踏み方はわかっているので、付きやすいし仕事もしやすかった。いろんな人が見ているし、北井さんの後ろは絶対に守らないといけない位置。僕は難しい職場(自力と番手戦の使い分け)なので、そういうのも慣れていかないとって思います」
<10R>

森田優弥選手
新山響平が前受けから別線の反撃に備えるも、太田海也が赤板で飛び出す。ペースを握った太田ラインに森田優弥(写真)は3番手に追い上げて、新山は6番手のインで中釜章成と併走になる。打鐘で内を押し上げた新山は、森田を張りながら4コーナーから叩きに出る。しかしながら、先行態勢の太田が合わせて駆ける。太田が主導権をキープして、浮いた新山は2コーナー手前で松本貴治が踏み遅れて空いた番手に降りる。そこを5番手の森田がまくるが、平原は遅れ気味。逃げる太田を直線半ばでとらえた森田が1着。
「太田君のところを叩ければいいんですけど、いままで全部、合わせられていたんでビビっちゃいました。(打鐘4コーナーで新山と接触したところは)自分の下手なところが出てしまった。太田君と新山さんでやり合ってたんでラッキーでした。ただ、平原さん、雨谷(一樹)さんには申し訳ないです。周りと比べたらスピードとその持続がまだまだですね。準決は楽しかったけど、負けたのが悔しかった。(GIの決勝を目指して)頑張りたい」
太田海也は新山を合わせ切って、さらに番手にハマられた新山の反撃を許さずに2着。真っ向勝負での逃げ残りは、高く評価できる。
「もう正攻法で、本当の意味で(新山と)力勝負をしようと思っていました。後ろの(松本)貴治さんの体がデカすぎて、(新山が)来ているかわからなかった(笑)。踏み出した時に(新山が)近くに見えたんで、(合わせられて)良かった。最終日になっていうのはあんまり良くないですけど、レース勘がだんだん良くなってきました。オールスターはオリンピックのあとであんまり感覚がつかめなかったけど、共同通信社杯で500バンク、防府で33バンク、ここで400バンクの感覚がつかめたんで、次の玉野でもしっかりと思っています。ただ、競輪祭ではここ(特別優秀)を走っているので、自分の目標とするところではない。もっとやっていきたいですね」
「太田君のところを叩ければいいんですけど、いままで全部、合わせられていたんでビビっちゃいました。(打鐘4コーナーで新山と接触したところは)自分の下手なところが出てしまった。太田君と新山さんでやり合ってたんでラッキーでした。ただ、平原さん、雨谷(一樹)さんには申し訳ないです。周りと比べたらスピードとその持続がまだまだですね。準決は楽しかったけど、負けたのが悔しかった。(GIの決勝を目指して)頑張りたい」
太田海也は新山を合わせ切って、さらに番手にハマられた新山の反撃を許さずに2着。真っ向勝負での逃げ残りは、高く評価できる。
「もう正攻法で、本当の意味で(新山と)力勝負をしようと思っていました。後ろの(松本)貴治さんの体がデカすぎて、(新山が)来ているかわからなかった(笑)。踏み出した時に(新山が)近くに見えたんで、(合わせられて)良かった。最終日になっていうのはあんまり良くないですけど、レース勘がだんだん良くなってきました。オールスターはオリンピックのあとであんまり感覚がつかめなかったけど、共同通信社杯で500バンク、防府で33バンク、ここで400バンクの感覚がつかめたんで、次の玉野でもしっかりと思っています。ただ、競輪祭ではここ(特別優秀)を走っているので、自分の目標とするところではない。もっとやっていきたいですね」
<12R>

脇本雄太選手
青板1センター付近から7番手の寺崎浩平が、早めに上昇を始める。赤板過ぎに犬伏湧也を制して飛び出した寺崎に脇本雄太(写真)、村上博幸が続いて、犬伏は4番手に収まる。7番手に単騎の浅井康太、菅田壱道は8番手に置かれる。2コーナー過ぎに車間を詰めた犬伏だが、仕掛けられずに打鐘を迎える。寺崎はそのあとも緩めることなく駆けて、最終ホーム手前で犬伏がアタック。外に持ち出した脇本は、犬伏に並ばれる前に1コーナーから自力に転じて踏み上げる。村上が加速に遅れて、2コーナー手前では犬伏が脇本後位にハマる。松浦悠士は犬伏と車間が空いて、村上との併走でバックを迎える。その後ろは荒井崇博、浅井が併走。脇本のスピードに松浦は詰まらず、直線は脇本と犬伏の勝負。しかしながら、犬伏も詰められず、1車身の差をつけてゴールした脇本が優勝。8度目のタイトルを手にした。
「競輪祭は近畿勢と相性が悪い大会だったので、なんとか払しょくできて良かったです」
59年ぶりに近畿勢に、競輪祭のタイトルをもたらした。脇本は自身の久しぶりのGI制覇よりも、準決で失格した古性優作が不在の決勝で一丸となって臨んだ近畿勢の重責を果たして、開放されたように一息ついた。
「寺崎君が仕掛けるところを見逃さないように。前回の大会(寬仁親王牌の決勝)でも(寺崎の番手で)失敗しているので、そこは意識していました。最終ホームではいつでも(自分で仕掛けて)行けるように構えてはいたんですけど、(犬伏が)本当に来るとは思っていなかったので焦りました。前回の失敗があるからこそ、今回は反応できた。糧にできたのかなって思います」
10月の寬仁親王牌では逃げた寺崎の番手で好展開も、降りてきた郡司浩平に押し込められて万事休す。7着に敗れていた。それだけに同じようなポイントで迫ってきた犬伏に対して、同じ轍を踏むわけにはいかなかった。
「GIの決勝では(寺崎と)3回、連係しているけど、ようやくうまくいったので本当にホッとしています」
今シリーズは2走合計のポイント制による一次予選。1走目ではまさかのシンガリ惨敗も、2走目からは4連勝で一昨年のオールスター以来となるタイトルを手にした。準決は窓場千加頼、決勝では寺崎に前を託してのVに、脇本はこう口を開く。
「近畿勢の後輩に助けられたと思っています。去年のオールスターの大怪我からかなり時間が経ったとはいえ、自分のなかで本調子ではない戦いが強いられていたので、そのあたりは少しずつですけど復調しているのかなと」
怪我にも泣かされ、ノンタイトルで臨んだ昨年のグランプリだったが、今年はグランドスラムに王手をかける競輪祭初制覇で弾みをつけてグランプリを迎える。
「(2月の全日本選抜にかかるグランドスラムの)そこよりもグランプリに向けて整えたい。(近畿は)古性君と2人でまたグランプリを目指すことができるので頑張りたいですね」
自身の機動力だけで白星を量産していた古い殻を破り、脇本が新たなステージに向かっている。
思惑通り運べなかった犬伏湧也は、最終ホームから踏み出すも脇本の発進に後位スイッチが精いっぱい。直線でも脇本を脅かすことができずに完敗の準V。
「突っ張りつつ、脇本さんのところで勝負したかった。(最終)ホームで脇本さんが行く前に仕掛けないと、チャンスがないと思った。番手にハマってからはゴール前勝負と思ったが、脇本さんが一枚も二枚も強かった。脚をためるイメージだったが、抜くのはキツかった。僕の力が及ばないところが悔しいですね。小さいレースになってしまって申し訳なかったです」
犬伏のスパートまでに脚力を消耗していた松浦悠士は、脇本、犬伏との車間が詰まらずの3着。脇本の優勝で自身が2着なら、逆転でのグランプリ出場があったが潔く出直しを誓う。
「犬伏君が誘導との間合いがあまり上手ではなかった。ジャンで(犬伏が行くと思い)踏み込んだ分、(最終)ホームで脚が戻っていなかった。外、外に浮かされてしまい、付いていけても中を割れるかもわからなかった。ここまで連れてきてくれた中四国の仲間と、獲れるんじゃないかという雰囲気をつくってくれたお客さんに感謝をしたい。付いていけばチャンスがあった。出し切ったんで、脚負け以外のなにものでもないです」
「競輪祭は近畿勢と相性が悪い大会だったので、なんとか払しょくできて良かったです」
59年ぶりに近畿勢に、競輪祭のタイトルをもたらした。脇本は自身の久しぶりのGI制覇よりも、準決で失格した古性優作が不在の決勝で一丸となって臨んだ近畿勢の重責を果たして、開放されたように一息ついた。
「寺崎君が仕掛けるところを見逃さないように。前回の大会(寬仁親王牌の決勝)でも(寺崎の番手で)失敗しているので、そこは意識していました。最終ホームではいつでも(自分で仕掛けて)行けるように構えてはいたんですけど、(犬伏が)本当に来るとは思っていなかったので焦りました。前回の失敗があるからこそ、今回は反応できた。糧にできたのかなって思います」
10月の寬仁親王牌では逃げた寺崎の番手で好展開も、降りてきた郡司浩平に押し込められて万事休す。7着に敗れていた。それだけに同じようなポイントで迫ってきた犬伏に対して、同じ轍を踏むわけにはいかなかった。
「GIの決勝では(寺崎と)3回、連係しているけど、ようやくうまくいったので本当にホッとしています」
今シリーズは2走合計のポイント制による一次予選。1走目ではまさかのシンガリ惨敗も、2走目からは4連勝で一昨年のオールスター以来となるタイトルを手にした。準決は窓場千加頼、決勝では寺崎に前を託してのVに、脇本はこう口を開く。
「近畿勢の後輩に助けられたと思っています。去年のオールスターの大怪我からかなり時間が経ったとはいえ、自分のなかで本調子ではない戦いが強いられていたので、そのあたりは少しずつですけど復調しているのかなと」
怪我にも泣かされ、ノンタイトルで臨んだ昨年のグランプリだったが、今年はグランドスラムに王手をかける競輪祭初制覇で弾みをつけてグランプリを迎える。
「(2月の全日本選抜にかかるグランドスラムの)そこよりもグランプリに向けて整えたい。(近畿は)古性君と2人でまたグランプリを目指すことができるので頑張りたいですね」
自身の機動力だけで白星を量産していた古い殻を破り、脇本が新たなステージに向かっている。
思惑通り運べなかった犬伏湧也は、最終ホームから踏み出すも脇本の発進に後位スイッチが精いっぱい。直線でも脇本を脅かすことができずに完敗の準V。
「突っ張りつつ、脇本さんのところで勝負したかった。(最終)ホームで脇本さんが行く前に仕掛けないと、チャンスがないと思った。番手にハマってからはゴール前勝負と思ったが、脇本さんが一枚も二枚も強かった。脚をためるイメージだったが、抜くのはキツかった。僕の力が及ばないところが悔しいですね。小さいレースになってしまって申し訳なかったです」
犬伏のスパートまでに脚力を消耗していた松浦悠士は、脇本、犬伏との車間が詰まらずの3着。脇本の優勝で自身が2着なら、逆転でのグランプリ出場があったが潔く出直しを誓う。
「犬伏君が誘導との間合いがあまり上手ではなかった。ジャンで(犬伏が行くと思い)踏み込んだ分、(最終)ホームで脚が戻っていなかった。外、外に浮かされてしまい、付いていけても中を割れるかもわからなかった。ここまで連れてきてくれた中四国の仲間と、獲れるんじゃないかという雰囲気をつくってくれたお客さんに感謝をしたい。付いていけばチャンスがあった。出し切ったんで、脚負け以外のなにものでもないです」
次回のグレードレースは、大阪・関西万博協賛 大垣競輪場開設72周年記念「水都大垣杯」GIIIが、11月30日~12月3日の日程で開催されます。
今シリーズは競輪祭から中4日ながら、新山響平、山口拳矢、松浦悠士のSS班3名をはじめとして北井佑季、中野慎詞、窓場千加頼ら超ド級の自力型が参戦する豪華メンバー。
究極のスピードバトルを制すのは果たして誰なのか。目が離せない4日間です。
11月16日時点の出場予定選手データを分析した、大垣競輪「水都大垣杯」GIIIの主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは競輪祭から中4日ながら、新山響平、山口拳矢、松浦悠士のSS班3名をはじめとして北井佑季、中野慎詞、窓場千加頼ら超ド級の自力型が参戦する豪華メンバー。
究極のスピードバトルを制すのは果たして誰なのか。目が離せない4日間です。
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