『第67回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 2日目編

配信日:11月21日

 いよいよクライマックス。北九州メディアドーム・小倉競輪場を舞台に「第67回朝日新聞社杯・競輪祭(GI)」、「第3回競輪祭女子王座戦(GI)」は、11月20日に2日目が行われた。競輪祭では一次予選1、2でポイントが争われ、郡司浩平が連勝で人気に応えた。また、準決の女子王座戦では、佐藤水菜が力の違いを見せつけて無傷の優出を果たした。11月21日のシリーズ3日目に女子王座戦は決勝を迎える。年間グランドスラムに王手をかけた佐藤の走りが注目される。また、競輪祭では、残りの一次予選2で熱戦が繰り広げられる。
 開催中の毎日、競輪専門紙「コンドル」による全レース解説会、SPEEDチャンネル競輪専門解説者の予想会、キッズランド小倉、ふとももバルーン・ライドなどが予定されています。また、11月21日の3日目には、元プロ野球選手の「中田翔」トークショー、「どりあんず」お笑いライブなども行われます。小倉競輪場では、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

山田英明選手
山田英明選手
 赤板過ぎに佐々木眞也が切って出て、島川将貴と吉田拓矢が3番手で併走になる。後方の北津留翼が2コーナーから山降ろしで仕掛けて、合わせて踏み込んだ吉田は佐々木の内を進出。打鐘2センターで北津留が叩いて、山田英明(写真)の追走。2車を出させた吉田は、3番手に飛び付いて大西貴晃と併走で最終周回。3番手の決着はつかないまま、番手の山田が逃げる北津留との車間を空ける。2センター付近で吉田が踏み勝つも、番手で好展開が巡ってきた山田が北津留を差し切った。
 「もう中途半端に仕掛けるよりはっていう感じで、(北津留の)ホームバンクですし、力を出し切るレースをしてくれました。気持ちが強いなって伝わってきました。もうなにもいうことはなかったと思います。(吉田が)自分のところか大西君のところを来るかなって思っていた。大西君はからまれていましたし、北津留君とワンツーが決まるようにと。(北津留が)しっかりと踏み直しをしていましたし、思ったより車が出なかったなっていう感じで強かったです」
 ペースが上がるなか、脚を使いながらも主導権を奪った北津留翼が先行策で2着。ホームバンクのGIで上々のスタートを切った。
 「(今回から投入した新車は)張りがあって硬くて、重いんですけど。硬いと進むのでいいかなって。思っていた並びとは違ったんですけど、先行したかった。(最終)ホームで流した時に吉田君はまだ内に詰まっていた。大西君も浮いていたので、ワンテンポ待って踏んだ方がいいなと思っていきました」

<2R>

阿部力也選手
阿部力也選手
 前受けの嘉永泰斗も踏み込むが、小林泰正が押さえ込む。そこを7番手にいた深谷知広が仕掛けて、打鐘3コーナーですんなり主導権を握る。阿部力也(写真)がスムーズに続いて、小林は3番手で立て直す。最終ホームを5番手で通過した嘉永が、2コーナー手前からまくる。嘉永がじわじわと迫るが、3番手付近まで。直線を迎えて逃げる深谷のスピードが鈍り、小林が深谷と阿部の間を追い込む。が、番手から差し脚を伸ばした阿部が1着。
 「(深谷が)いいタイミングで出切って、いいペースだったのに(残せずに)力不足でした。掛かっていたイメージでしたけど、自分の調子がいいのかもしれないですね。(深谷との連係は)もっと苦しいイメージしかなく、楽に付いていけたので余裕をもっていければ良かったです。2車っていうのもあって嘉永君を警戒していたけど、真後ろには小林君がいて難しかったです」
 嘉永のまくりに乗った山田庸平は、直線で外を強襲して2着に届いた。
 「(まくった嘉永の進みを見て)深谷君が強かったんだと思います。(最終)4コーナーからの伸びがなかったし、踏んだ感じはもうちょっと伸びてもといいかなと思いました。(前回から)ナイター疲れだったりがあるのかもしれないです。(自転車の)感触は前回と変わっていないのでいいと思う」

<3R>

山口拳矢選手
山口拳矢選手
 小原佑太が赤板2コーナー手前で杉浦侑吾を押さえて、そこを石原颯が仕掛ける。小原は突っ張り、両者の叩き合い。松浦悠士は最終ホームで北日本後位に降りる。中団がもつれるも5番手で様子をうかがっていた山口拳矢(写真)が、2コーナーでまくりを打つ。諸橋愛に張られた浅井康太は連結を外す。小原をねじ伏せた石原だったが、山口が2センターでスピードの違いで石原をとらえて完勝。
 「(別線が)どこかで踏み合いになるとは思っていたので、遅れないようにと思っていた。冷静にスイッチして、松浦さんが踏むタイミングとかぶらなければいけるかなと。いけるところまでは行こうと思ってました。脚も残っていたし、体は全然、問題ないです」
 最終2コーナーで石原の後ろに切り替えた守澤太志が、石原を交わして5車身離れた2着。
 「車番順が理想的な並びかなと思っていたし、しっかり(小原が)前に出てくれた。小原のダッシュがすごくて、かなり掛かっていたんですけど、それをいっちゃう石原が強かったですね。出切られたらどこかで切り替えてとは思っていたんですけど、小原が踏んでくれたおかげです。キツすぎて、山口君以外みんなへばっていたと思います」

<4R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 前受けから西田優大が突っ張り気味に踏むも、鈴木竜士が打鐘で強引に叩く。呼吸の合わなかった杉森輝大は離れて、西田が番手に入る。松井宏佑は7番手になり、4番手で車間の空いた三谷竜生は、詰める勢いで2センターから仕掛ける。最終ホーム手前で西田が番手から出るも、三谷が出切る。別線が脚を使って流れが向いた松井は、1コーナー過ぎから踏み上げる。バック過ぎにまくり切った松井に、岩本俊介(写真)、渡部幸訓まで追走してライン3人の勝負。岩本が番手から余裕をもって抜け出した。
 「正直、松井君の動きに集中していたので、前団の動きとか流れは見えていなかったですね。(松井は)相変わらずすごいダッシュだった。タイミングを取りづらそうにしていましたけど、ゴールまで伸びていった。(自分の状態としては)ここ最近のなかで一番悪くないと思います。練習の感触は良くなかったんですけど、ここ最近はレースでは大丈夫なパターンが多い」
 ライン3番手の渡部幸訓は、南関勢の間を踏んで2着。
 「キツかったですけど、付け切れた。踏み出しがキツくて口が空いてしまったんですけど、(最終)3コーナーを乗り切ってからは、余裕が出た。内に入ってみて、どれくらい伸びるかなって。思っていたより伸びましたし、自転車も進んでくれました」

<7R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 高橋築、小森貴大の順番で切り、ワンテンポ置いて山崎賢人が打鐘手前で先頭に立ち主導権を握る。しかしながら、別線に隙を与えずに九州勢にスイッチした郡司浩平(写真)が、そのまま叩きに出る。必死に抵抗する山崎から、最終ホーム過ぎに郡司が主導権を奪取する。5番手から小森がまくりを打ち、バック手前で松谷秀幸が阻む。内を村田雅一が突いて、松谷ともつれる。2センターで村田、小川勇介が落車。郡司が押し切って、一次予選で連勝を遂げた。
 「周りの自力選手の思惑通り、山崎があのタイミングで行った。自分を後方に置くような展開にしたかっただろうし、簡単にはそうしたくなかったので早めにでも仕掛けました。叩くところで少し苦しくて、出てからもいいペースになっていました。けど、最後まで余裕をもって走れました。初日に比べて、今日(2走目)の方が長い距離を踏んだけど、踏み直しもできていたし、(ラインで)ワンツーで良かった。レースに対してもいい緊張感と集中力をもって走れています」
 小森のまくりをけん制したところを村田、小川に内に入られた松谷秀幸は、落車のアクシデントもあったが、自身は2着を確保した。
 「ジャン前はキツかったですね。モガき合っていたので、誰か来るとは思ったし、しっかり止めようと。(最終)バックぐらいから余裕があって、誰か入ってきても割られないように。(ラインが)2車でも(郡司)浩平があんなに早くいってくれたし、いまの状態でもやれることはやれたかなと。日に日に良くはなっていますね」

<8R>

犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 関東勢が前団。佐々木悠葵が踏み込んで、突っ張られた新田祐大は3番手に降りる。岡崎智哉の反応が遅れてできたスペースを、犬伏湧也(写真)が赤板2コーナー手前から踏み込む。さすがの加速で、犬伏が打鐘で主導権を握る。小倉竜二が続くも、中近勢に塞がれた桑原大志は離れる。3番手に佐々木が飛び付くが、徳島勢を追いかけた岡崎と併走になる。3番手がもつれて、犬伏の先行で最終周回。2コーナーで岡崎が3番手を取り切り、鈴木玄人は後退した佐々木を迎え入れる。8番手からまくった新田は一息。詰め寄る小倉を犬伏が振り切った。
 「昨日(1走目)がすごく重い感じがしたんで、(そのあとは)疲労を取ることに専念しました。(周回中は)どこの位置になっても、しっかりと主導権を取れるように意識していた。隙があればすかさず行って、(ラインの)3人でいければと。桑原さんがからまれたので、そこだけですね。距離もいって、押し切れているんで、そこはいいかなと。流れを殺さないイメージでいけたんで、これを続けていきたい。流している時にハイペースで回して、踏み上げるのも余裕をもってできたのは収穫です」
 後方に構えることなく1周半以上を駆けた犬伏に半車輪差まで迫った小倉竜二が2着。
 「(犬伏には)前任せじゃなくて、しっかりと叩いてっていう感じだった。1周半くらいはしっかりといけるんだから。ジャンでは一番後方にならないようにと。自分は踏み出しでキツかった。(犬伏は)タレることもなかった。最後も脚にきていたので、抜けないけど抜きにいった。もう少し差し込めたら良かったですね」

<9R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 佐藤一伸を阻んで、眞杉匠(写真)は赤板過ぎに踏み込む。眞杉がペースを落として、赤板2コーナー手前から仕掛けた皿屋豊が先頭に立ち、眞杉は3番手。皿屋の主導権だが、その上を打鐘4コーナーで河端朋之が叩き切る。眞杉は俊敏に岡山コンビに切り替えて、3番手から車間を詰める勢いでバック過ぎからまくる。4コーナーで河端に並んだ眞杉がとらえて1着。
 「1回、突っ張ってから(皿屋、河端が行ったところを)すかさず行ってそこから考えました。昨日(1走目)よりもマシだけど、修正はしたい。(自転車は)いつもより大幅にいじりました。サドルまわりですね。(このあとも)さわりながら、調整しながらです」
 眞杉マークの佐々木龍は、ゴール勝負に持ち込んだが及ばすの2着。
 「一番はマークを外さないことでしたし、それはしっかりできた。あとは眞杉君に任せていました。稲川(翔)さんのレースはいつも見ていますし、タイミングが悪かったら僕ももらってしまうと思って構えていました。いい集中で臨めています」

<10R>

村上博幸選手
村上博幸選手
 後方の長島大介の上昇に合わせて、5番手の古性優作が動く。赤板過ぎに古性が切って、長島が押さえる。簗田一輝は2コーナー手前からインを押し上げて、長島後位の芦澤辰弘と重なる。そこを佐々木豪が打鐘で反撃。カマした佐々木の先行で、7番手になった古性は最終ホーム手前で発進。中団がもつれて空いたスペースから、古性が再加速して前団に迫る。岩津裕介のけん制を乗り越えた古性はゴール前で佐々木をとらえる。古性に付けた村上博幸(写真)は、外を追い込んで、古性、佐々木をまとめて交わした。
 「すべて古性に任せていて、古性のレースにしっかり対応できるようにと思っていました。競輪という感じがしたし、自然と気合が走りましたね。しっかり追走できたのは合格かなと。よく差せたと思うし、一つの目標で何年もやってきたので、やっと差せたのかなと。ドームという特性で軽く感じるし、それはみんなも一緒だと思う。(ホームの)向日町が使えなくて街道練習が中心なので、戸惑いはありますよね」
 逃げた佐々木をなんとかとらえ切った古性優作は、こう振り返る。
 「ゆっくり出たところから勝負しようと思っていました。長島さんが動くようにも見えませんでしたし、あのまま誘導を残すのも嫌だった。自然と体が動きましたね。自分のいけるところで思いっ切り踏んで、現状できることをした感じです。一体感もなければ出力も出ていないですね。ただ、いろんな人にアドバイスをもらって、また新しくつくり上げていければいいなと」

<11R>

梅川風子選手
梅川風子選手
 打鐘で誘導が退避して、そのまま畠山ひすいが先行態勢を取る。児玉碧衣は4番手。5番手にいた梅川風子(写真)は、3コーナーから詰める勢いで仕掛ける。3番手の仲澤春香、2番手の那須萌美も踏み込んで、一気にペースが上がる。最終ホーム過ぎにスピードの違いで梅川が出切り、那須が2番手に飛び付く。3番手で仲澤と尾崎睦が併走になり、その外を児玉がまくる。児玉のスピードもいいが、2番手付近まで。直線で踏み直した梅川が押し切った。
 「(周回中は)どの位置から攻めるかで様子が変わるけど、後ろ攻めならみんなに気にしてもらえると思って、そうしました。先行が強い人が多かったので、自分がポジティブな先行か、ネガティブな先行になるのかで大きな違いになると。メンタルをポジティブな先行にもっていけて良かったです。昨日(初日)、言っていた自転車の面も改善できたし、不安は一切ないと思う。(状態は)非常にいいと思う」
 小気味いいダッシュで梅川後位に飛び付いた那須萌美が、流れ込んで2着に入った。
 「1番車(仲澤)か2番車(梅川)が飛んできたら、動く素振りをする前に飛び付かないとって思って、そこを集中していました。昨日(初日)は外に人がいてうまくいかなかったけど、脚自体は問題がなかった。いつもなら外を外してと思ったけど、空けたら内に入られると思って我慢して走っていました。(落車した)オールスターのあとはキツかったし、感じは良くなかったです。いつもなら誰か頼みになってしまうのですが、飛び付いたりもできているし、いい状態だと思います」
 梅川に出られた仲澤春香は、その後は終始、包まれ通しで最後も内を踏み込んだ。
 「後ろの仕掛ける選手に合わせて、出ていこうと思っていました。自分のダッシュ力のなさと、梅川選手の脚力が上で合わせられなくてダメでした。最近は内に詰まってしまうケースが多くて、先に叩ければ良かった。けど、叩けなかった。そのあとに内に詰まってしまったが、ラッキーで上がれたのかなと。今日(2日目)の方が脚の感じは良かったです」

<12R>

佐藤水菜選手
佐藤水菜選手
 前の4人にプレッシャーをかける形で車間を空けて、佐藤水菜(写真)は5番手で打鐘を迎える。先頭の小林優香も佐藤の仕掛けに集中しながら、ペースを握る。4番手の永塚祐子が4コーナーで仕掛けても、佐藤はじっと我慢。最終1コーナーで佐藤がスパート。小林、永塚の踏み合いを佐藤は大外を回してあっという間にのみ込む。佐藤に大浦彩瑛、坂口楓華が続く。ピタリと続いた大浦を危なげなく退けた佐藤が連勝。年間グランドスラムまであと1勝のところまできた。
 「(新車での2走は)進み自体は納得のいくものではない。けど、最後まで差されずに頑張れているので、なんとかなっているんじゃないかと。(状態は)ちょっとずつですけど、良くなっているのかなって思います。乗っている時に違和感とかないので問題ないのかなと。(年間グランドスラムの意識は)とくにしてなくて、とにかく自分のベストを尽くせるように頑張りたいです」
 佐藤後位に照準を合わせた大浦彩瑛は、2度目のGI出場でファイナルのキップをつかんだ。
 「(車番が佐藤の)隣りだったので、(後ろが)取れるなら付いていこうと思っていました。付いていくだけでも、脚も削られていきました。最後も全然、車が出なかった。やっぱり(佐藤との)力の差を感じました。(今シリーズの2走は)人の力を借りてっていう感じではあるんですけど、よく進んでくれているかなっていう感じがします」
 周回中は7番手になった坂口楓華だったが、佐藤が5番手にいたことでの組み立てをこう説明する。
 「今日(2日目)は(佐藤に)フタをしてっていう考えもあったんですけど、(自分が)最後方で(5番手の佐藤の)3番手になった。その時点で動く必要がないなって。佐藤さんの実力もわかっているし、(決勝の)同じ舞台に立たないとって思った。それで覚悟して、頑張りました。最近は男子選手と練習をすることも多くて、3.92(のギア)とかで練習をしているので余裕はありました。前までは強い選手が相手だと、ネガティブになっていた。けど、怪我してからは、メンタルがすごく強くなった」