『第67回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 5日目編

配信日:11月24日

 いよいよクライマックス。北九州メディアドーム・小倉競輪場を舞台に開催されている「第67回朝日新聞社杯・競輪祭(GI)」は、11月23日に5日目が行われた。今年最後のGIファイナルをかけて、準決の3個レースでの戦いは熾烈を極めた。古性優作、松井宏佑、地元地区の山田英明が、白星を上げて優出を果たした。6日間のシリーズも大詰め、11月24日の最終日にはポイント制の一次予選からのバトルを勝ち抜いた9人による決勝で、優勝賞金5090万円(副賞含む)をかけて優勝が争われる。また、年末に一発勝負で行われるグランプリの出場権をかけた争いにもこれでピリオドが打たれ、GP出場選手9人が決まる。
 GIシリーズは、11月24日の最終日も、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。「中西圭三」のライブ、「トータルテンボス」のお笑いライブ、「ウルトラマンゼロがやってくる!」、競輪専門紙「コンドル」による全レース解説会、SPEEDチャンネル競輪専門解説者の予想会、キッズランド小倉、ふとももバルーン・ライドなどが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

準決勝10Rゴール
準決勝10Rゴール
準決勝10R1着、山田英明選手
準決勝10R1着、山田英明選手
準決勝11Rゴール
準決勝11Rゴール
準決勝11R1着、松井宏佑選手
準決勝11R1着、松井宏佑選手
準決勝12Rゴール
準決勝12Rゴール
準決勝12R1着、古性優作選手
準決勝12R1着、古性優作選手

<4R>

桑原大志選手
桑原大志選手
 赤板手前から7番手の新田祐大が動き出して、1センター過ぎに出る。そこを佐々木豪が打鐘過ぎに叩く。新田は下げて、佐々木悠葵との併走から伊藤旭が仕掛ける。遅れ気味の園田匠を張った佐々木悠が、伊藤を追いかける。佐々木豪と伊藤の叩き合いで最終周回。2人の上を佐々木悠がまくると、桑原大志(写真)が切り替える。前団をとらえた佐々木悠に桑原。佐々木悠との連結を外した諸橋愛は3番手。ゴール寸前で桑原が、佐々木悠を交わした。
 「(伊藤が最終ホームで叩きに来た時に後ろが佐々木悠で)あれって、園田君だと思っていたんで。一瞬の自分の判断で、(佐々木)豪君に申し訳なかった。(最終)バックでバックを踏んで入れる気持ちがあったんですけど、そこで止まったら、(別線に)外を勢い良く来られるかなっていうのがあった。自分の判断の甘さですね。競輪ができていない。僕がやらなきゃいけないことができていない。着うんぬんではなくて、反省しかない。昨日(4日目)からいろいろな人と話をさせていただいて、ちょっとしたところですけど、(自転車を)さわるところをさわった。それで今日はローラーから芯が出た。離れることはないだろうなと」
 俊敏な立ち回りから最終2コーナー手前でまくりを打った佐々木悠葵の動きが軽快だった。
 「スタートは早くなってきてるんで、それが武器にできるかなと。(別線が)踏み合いになったんで、あれだと(伊藤の踏み出しに)誰でも遅れるかなと。あそこは自分の方がダッシュがあったんで。昨日(5日目)までは自転車の乗り方がわからなかった。ペダルの位置が違って、右足を使えてなかった。そこを忘れないようにしないと」

<5R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 坂井洋が三谷竜生を阻んで突っ張る。坂井を赤板2コーナー手前で林大悟が押さえるが、青野将大の巻き返しが早い。打鐘3コーナー過ぎに林を叩いた青野が主導権。岩本俊介(写真)は、最終ホーム手前から逃げる青野との車間を取る。3番手に林、坂井は6番手。バック手前で坂井がまくるも中団まで。車間が詰まった岩本は、4コーナーで別線を警戒して外に振ってから追い込んだ。
 「赤板で前団が急に緩んだので、僕も青野君も内へ差し込んでしまったんですけど。(青野は)すぐに巻き返してくれた。マーク選手にアドバイスをもらって、自分なりにやった。青野君を3着には残したかったですね。ギリギリまで待って踏んだんですけど、余裕がなくて甘さがでました」
 林マークの柳詰正宏は、直線で南関コンビの間を踏んで2着に入った。
 「理想は青野君ラインの後ろからでしたけど、車番的に無理かなって思っていました。けど、取れたので。(林が)切ればすかさず青野君が来ると思った。あとは詰まったところで(林が)仕掛けてくれればと思っていたんですけど、岩本さんに余裕がありそうだった。(林は)タイミングを取りづらそうでした。最後は思っていたぐらい伸びました。地元なので緊張せず走れるアドバンテージもありますね。昨日(4日目)が悔しかったんですけど、上位の選手と走って得るものはあった」

<8R>

深谷知広選手
深谷知広選手
 小林泰正が赤板2コーナー過ぎに出て、3番手が西田優大と深谷知広(写真)で重なる。西田がさらに踏み込んで主導権を奪うが、岩津裕介は連結を外す。岩津は内から深谷後位を奪取し、後方から鈴木竜士が反撃に出る。番手に収まった小林がけん制するも、鈴木が西田をとらえにかかる。が、最終1センター過ぎに踏んだ深谷が、前団をまとめてのみ込んだ。
 「ジャン過ぎで(仕掛けて)行きたいところで(別線が)来て、またそのあと行きたいところで来てって感じだった。もうちょっと早く行くタイミングがほしかった。けど、結果的にほかのラインが脚を使っていたんでまくれました。しっかりと踏めたと思うし、なんとか戦えるくらいにはいけるかなって感じです。(2走目の落車で)打撲とかむち打ちがあって、(5日目には)少しは改善している。昨日(4日目)1走して感じはつかめた。少しは(4日目よりも)改善はできているかなって思います。体の痛みとかで、逆に疲れとかを感じる余裕がない。疲れっていう部分は、心配ないと思っています。治療を続けて、(最終日に)いい状態にもっていけるように」
 打鐘2センターで岩津に深谷後位を明け渡した松谷秀幸だったが、最終2コーナー手前ですくい返して、離れながらも2着をキープした。
 「同期の3人で連係することってそんなにないので、(深谷は組み立ての段階で)強気でした。外に岩津さんがいたと思ったので、(内をすくわれて)パニックになりました。でも、(岩津が)ちょっとでも空けたら1車でも前にと。守澤(太志)も付いてくれているので。(ラインの3人で)もっときれいに決まれば良かった。競輪祭にはもうちょっと感じが良くなるかと思ったけど、(落車の)怪我の治りが良くない。もうちょっと時間が掛かりますね」

<10R>

山田英明選手
山田英明選手
 周回中は7番手になった新山響平が上昇して、赤板1コーナーで先頭に立つ。北日本勢に続いた単騎の佐々木龍が、南修二と接触して、佐々木、村上博幸が落車。松本貴治は大きく外に避けて、6番手から2コーナーで仕掛けた犬伏湧也に続く。合わせて踏み上げる新山を、打鐘4コーナーでねじ伏せた犬伏の先行。3番手で新山が立て直すが、南が5番手から最終ホーム手前で踏み上げる。北津留翼は前との車間が大きく空いた6番手。南が四国勢の3番手に追い上げて、北津留は2コーナー手前からまくる。松本が北津留を3コーナー過ぎにけん制して止める。北津留マークの山田英明(写真)は、中のコースを踏み込んで直線。追い込む松本をゴール寸前で交わした山田が1着。
 「(北津留)翼の踏む感じが伝わってきて、どこまでいけるかなという感じだった。もう1回乗り越えるかなと思ったんですけど、確実に止まったので踏ませてもらいました。長丁場で1走目とは違うコンディションですけど、こんなものかなという感じです。地元選手としてすごく声援をもらえていますし、走りがいがありますね」
 犬伏を利して追い込んだ松本貴治が僅差の2着。8月のオールスター、10月の寬仁親王牌に続いてGIを3連続で優出。
 「新山君もヤル気だったんですけど、それ以上に犬伏がヤル気だったので信頼してました。(落車を)避けれて良かったです。なんとしても(犬伏と)2人で乗りたかったので結果的には残念ですし、犬伏のおかげです。集中して走れているので、そこが一番大事だと思う」
 最終3コーナーでは7番手に置かれた渡部幸訓は、新山の余力を見極めて内を進出。直線で伸びて3着に届いて、4度目のGIファイナルのキップをつかんだ。
 「(新山)響平も合わせ切れるなら合わせて、引いて3番手を取ったところまでは流れが良かったんですけどね。準決になるとみんな隙がない。響平もタイミングがズレたと思う。周りが強すぎるので、自分はリラックスしてチャンスがあればという感じだった。それで力みが取れて、自転車が進んでくれているのかなと思います」

<11R>

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 前受けの山口拳矢が嘉永泰斗を切らせず、両ラインが重なり、太田海也は赤板2コーナー過ぎに押さえて出る。が、郡司浩平の巻き返しも早く、打鐘手前から仕掛ける。太田を叩いた郡司は敢然と風を切って、松井宏佑(写真)。単騎の阿部拓真が、神奈川勢を追走する。6番手の嘉永は、最終ホーム手前から発進。太田との4番手併走になった嘉永は、2コーナーでさらにまくる。嘉永は阿部の横までで、松井が出る。番手まくりの松井が、後続に差をつけてゴール線を駆け抜けた。
 「郡司さんに離れないようにと思っていて、出たとこ勝負でしたけど、行ってくれてピリっとした。(郡司が太田を叩いて)どんどん踏み上がっていくし、ここってところでバチっと仕掛けてくれた。(最終)バックで(別線が)後ろから来たのがわかったので、のみ込まれる前に踏ませてもらった。郡司さんには申し訳なかったです。1着はうれしいし、決勝に乗れたのもうれしい。ここに来る前に(練習で)すごい追い込んで来て、身になってうれしいです」
 赤板では太田ラインを追走しかけた阿部拓真だったが、結果的に神奈川コンビを選択したことが吉と出た。番手まくりの松井に2車身遅れるも、初めてのGI決勝進出を遂げた。
 「(太田)海也(のライン)に付いていこうと思ったが、郡司の一発があると思って、郡司、(松井)宏佑の自力ある2人に付いていったらおもしろいと思っていきました。後ろからは来ないで、来ないでという感じでした。(嘉永にからまれ)宏佑に離れてからは長かったです。終始、ちぎれているし、脚はまだまだです。ツキがあったかなと思います」
 嘉永のまくりが3番手で止まると、荒井崇博は最終2センターから外を回して追い込む。執念の伸びで3着に入った荒井は、嘉永を称えて、こう言う。
 「(嘉永)泰斗が前々に行ってくれた。(自分は)外か、内のコースを選ぶだけでした。(嘉永の組み立ては)完ぺきでしたよ。勝つように走ってくれればと思っていたし、2人で決められなかったのが嫌ですけど。(最後の伸びは)わからないですね。耐えはしました」

<12R>

古性優作選手
古性優作選手
 3番手の古性優作(写真)が、中野慎詞の上昇に合わせて動いて切る。中野が赤板1コーナーで出て、古性は3番手を確保。眞杉匠が5番手に追い上げて、取鳥雄吾は一本棒の8番手になる。打鐘で眞杉が仕掛けて、中野もそれを察知してペースを上げて駆ける。合わされた眞杉を山田久徳がけん制。空いた内を山田庸平が突いて、最終ホームでは古性後位が山田庸と山田久で併走。取鳥の反撃は不発。3番手の古性が、2コーナーからまくる。成田和也が振って、内で併走していた山田庸が落車し、小倉竜二も巻き込まれる。逃げる中野を3コーナー過ぎにとらえた古性が1着。今年6つのGIすべてで優出した。
 「中野君が強かった。すごい掛かっていました。(番手で)粘ったら動ける選手がめちゃくちゃ多かったんで、1回冷静にと。ラインで決まって良かったです。(3日目の休みは)とにかく疲労を取ることをと。あとフォームもしっかりと確認して、日に日に乗り方を変えているけど、映像を見たら今日(5日目)がマシだった。ただ、気持ち良くまくれてはないです。毎年、とにかくGIの決勝に全部、乗りたいと思っている。去年は達成できなかった。今年はこんな状態でも、強い気持ちをもったら決勝に乗れるんだなって。その点は良かった」
 山田庸との併走になり、落車のアクシデントもあったが、山田久徳が古性に流れ込んだ。
 「(1、2走目と同じフレームに戻して)2走目まで感覚は良かったので、同じ感じですね。(最終ホーム手前で山田庸に内から来られて)あそこはしょうがないけど、しっかりと対処できました。古性がいいところで仕掛けてくれるんで、その位置を守ろうと」
 最終バックで落車のアクシデントを内側に大きく避けた吉田拓矢は、直線であきらめずに外を踏み込んで最後は眞杉をわずかに交わした。
 「(眞杉は)ジャンのところで行くかなと思ったら、1回見た感じだった。それで(中野)慎詞と合っちゃって厳しいかなって。そのあとは(落車を避けて)良くて4着かなって感じだった。眞杉が余計な脚を使った分、最後伸びなかったのかなって思います。自分の体は日に日に良くなっている。ただ、自転車が軽すぎる感じがあって、ちょっと(力が)抜けているところがあるかなと。(セッティングを)微調整程度ですけど、やろうと思います」