『第30回共同通信社杯(GII)レポート』 前検日編

配信日:4月25日
 第30回 共同通信社杯が26日から静岡県伊東温泉競輪場で開幕する。オール予選の初日は自動番組。即席のラインあり、強固な同県ラインありとファンにとっては新鮮なレースになりそうだ。33バンクでも直線の長いことで知られる伊東温泉競輪場だけに、最後の最後まで分からない白熱の攻防戦が期待される。
 本場ではイベントも盛りだくさん。開催中は毎日スピーチーズのミニライブ(初日は3R、9R発売中)や専門解説者による予想会・競輪トークショーが。初日はどぶろっくのお笑いライブ(5R、8R発売中)も予定されています。明日から始まる第30回 共同通信社杯をぜひ伊東温泉競輪場でお楽しみください。
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藤木裕選手
藤木裕選手
 直前の武雄記念は3連覇はおろか、2次予選で敗れてしまった藤木裕(写真)。最終日こそ「目標がいて助かった。気持ち的にホッとしたというかよかった」と野原雅の番手で1勝を挙げたが、中4日で迎える今回はどうか。オープニングレースは藤井栄二目標で2次予選進出を狙う。
 「前回は内容がよくなかったですね。(約2カ月ぶりの実戦で)気合を入れすぎたのもありました。中4日で特別何をした訳でもないけど頑張ります」
 佐藤慎太郎はギア変更に頭を悩ます。
 「ダッシュのいい(早坂)秀悟の番手なんでね。ギアに悩んでます。33とか25ぐらい。25でもいいんだろうけど、ちょっと考えます。ここ3カ月で点数を5点くらい落としてしまった。気持ちが弱いのが判明しちゃいましたね」

<2R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 近畿一人となってしまった稲川翔(写真)だが、迷うことなく自分で戦うことを選択した。
 「つねに自力は出せないとダメだと考えてる。それに僕は自力のほうが調子を上げていきやすいし、レース勘も養えるので。いつも調子は気にしないんだけど、今回はバンク中心の練習で若手と練習する機会もあった。あとは消極的にならないように。行くとこでしっかり仕掛けたい」
 吉本卓仁は坂本亮馬と一緒のレースと知るや苦笑い。
 「亮馬はずっと『先輩(吉本と一緒のレース)来んかな、来んかな』って言ってたんですよ。アイツは俺を引いたと思ってるんだろうけど、引くんじゃなくってお前が行けって感じ(笑)。ダービーが終わってからウエイトで腰を痛めたけど、そんなにひどいのじゃないんで。初日は亮馬の前で頑張りますよ」
 意外だったのは四国勢が分かれたことだ。徳島勢とは別線を選択した濱田浩司は「僕が間に入るような並びだと(原田)研太朗は逃げなきゃいけなくなる。大きなレースは研太朗も勝ち上がりたいだろうから」と経緯を説明。「調子は問題ない。今回はギアを17に下げて、上げても25まで。回転でいく」と今シリーズの意気込みを語った。

<3R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 注目された北の並び。検車場に到着した佐藤友和は菊地圭尚を見つけると、迷うことなく「前でやります」とコメント。佐藤、菊地の並びであっさりと決着した。
 「やらせてもらえるのであれば、前でやりたいので。今は基本、地元にいるけど、来る前はマッサージを受けに何日か久留米に行ってきました。タイムも出てたし、今回は今年一番の状態ですね」
 神山雄一郎(写真)は2月全日本選抜の落車から2カ月ぶりの実戦となる。
 「右足のふくらはぎの上を骨折した。こんなに休んだのは選手になって初めてかも。まだ怖いのもあるけど、走るのもリハビリだし走っていかないと。練習は1週間くらいですかね」

<4R>
成田和也選手
成田和也選手
 前のレースで北の自力型が前後を思案したが、ここは成田和也(写真)が目標不在。「自分でやる。感触はまあまあだけど、久しぶりにじっくり練習はできた。4日間、力を出し切りたい」と1次予選、そしてシリーズの意気込みを口にした。
 三谷竜生を目標に得た柴崎俊光にとってはチャンスのあるレースだ。
 「連係は初めて。でも強いのは知ってるし、レースぶりもいいですよね。僕の状態も悪くないです」
 高知記念決勝で失格してしまった大塚健一郎は気持ちを切り替えシリーズに臨む。
 「ファンには申し訳なかったし、未熟でした。その辺の技をもうちょっと磨かないとですね。まだ本当にいいって感じじゃないけど、ベターラインは上がってきてると思う」

<5R>
川村晃司選手
川村晃司選手
 ここは機動型がそろって激戦。まずは川村晃司(写真)の走りに注目が集まる。
 「4月14日くらいからバンクが使えるようになったので、そこからはバンク中心に仕上げてきたつもり。伊東も成績がいいほうだし、走りやすいですね。活躍できるように頑張ります」
 勢いがあるのは小松崎大地だ。
 「武雄記念で改めて村上(義弘)さんや後閑(信一)さんはすごいなと思いました。村上さんは調子がよくなくても真っ向勝負、力勝負をしてくれたので嬉しかったですね。決勝は自分の甘さが出てしまいました。こういうメンバーで戦えるのは貴重だし、今回も少しでも得るものがあればいいですね」
 昨年12月の記念でも3連勝で優出するなど、伊東との相性がいい石井秀治も侮れない。
 「疲労が取れてトレーニングもできてるので状態は戻ってる。伊東も違和感なく走れてる印象です。岩本(俊介)君と連係はないけど、練習はありますよ」

<6R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
 これぞ自動番組。菅田壱道(写真)は地区の違う愛敬博之の番手を回ることになった。
 「去年の11月下旬から豊橋で練習してる。昨日まで競輪学校で合宿してたし、愛敬さんと一緒なのは何となく聞いてました。西武園記念の落車は擦過傷が深くて影響があったけど、ここまでに合宿を2回組んでやったし直前の仕上がりは良好かな。頑張りたいですね」
 上原龍は昨年12月の当所記念で落車してから低迷していたが「腰はよくなってきてる」と体調は回復の兆し。「思ったより早く状態がよくなってきてる。伊東の悪いイメージを払拭したい」と目を輝かせた。

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金子貴志選手
金子貴志選手
 金子貴志(写真)は上田隼の「頑張りたい」という言葉を受け、番手回りを決意した。
 「上田君は積極的な印象がある。初連係ですね。武雄記念から中4日だし、疲れを残さないように調整してきました」
 田中孝彦は数少ない地元、静岡勢の一人だ。
 「最近は決勝にも乗れてるし、状態はいいほうだと思います。地元ビッグだけどいつもどおり練習してきました。伊東は静岡より走りやすい感じがする。頑張りたいですね」

<8R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 浅井康太(写真)は高知記念決勝に続いて、3度目の猪俣康一マークとなる。
 「前回は久しぶりの競走でちょっとつかれたけど、3月(あっせん停止の間)はしっかり練習してました。感じは普通だと思う」
 山崎芳仁は優勝した西武園記念から間隔十分でシリーズを迎える。
 「その前が練習不足だったんで、今回は間隔が空いたので練習してイチから作り直してきた。でも、やり過ぎて疲れが不安です。ギアはこのまま(4.58)で。ダッシュがないんで下げないほうがいいでしょう」
 大西祐は3月松山記念の落車から長期欠場明け。
 「肩の擦過傷があったけど、怪我自体は大したことなかった。あの落車でレース用のフレームが壊れて、新しいのが届くのを待ってただけです。3日前にようやく届いたので組んで乗ってみたけど、練習の感じはよくなかった。まあ練習とレースの感覚は違うし、セッティングは数字どおり出してきたので、走りながら細かい微調整はしていきます」

<9R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 地元勢のエースは新田康仁(写真)だ。当初は新田祐大の番手回りとコメントしたが、磯田旭も主張したことで「競ってもしょうがないでしょ。こだわるとこじゃないし、前々に」と自分で戦うことを決めた。
 「前回の疲れはない。花粉症も落ち着いてきて、体調も戻ってきたから大丈夫。地元だけど気負わず、いつもどおり走りたい」
 新田祐大は高知記念の後、19、20日の日程で全日本選手権に出場するなど、多忙なスケジュールだ。
 「全日本選手権は屋外で風の抵抗もあったけど、1000mでワッキー(脇本雄太)に負けました。その後も練習してきたし、調子自体はいいです」
 松岡健介は3月和歌山F1で鎖骨骨折してから復帰3場所目。
 「スピードが上がってからは勝負できる感じ。でも、自分でカキンっていうか一撃のダッシュが、まだ戻ってない。そのことに直前に気づきました。ここは先行できそうなメンバーですよね。頑張ります」

<10R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 S級トップの自力型がそろい、10レースは大混戦だ。細切れ戦となったが、その中でライン3車の中近勢が主導権を狙っていく。先導役の脇本雄太(写真)は相変わらずタイトなスケジュールで当所入り。
 「高知が終ってからは泉崎で全日本選手権トラックレースに出て、そのあとは帰らずに京王閣で1日だけ練習させてもらいました。調子は走ってみないと分からないけど、自分の脚と気持ちが噛み合えば何とかなると思います」
 吉田敏洋は脇本と初連係。「失敗できないから緊張するね」と、好目標を得て今から気が高ぶる。「離れたりしたら今後、こういう(番手回りの)番組を組んでもらえなくなる可能性もあるんで、明日は重要ですね。メンバー的にもめまぐるしい展開になりそうなんで、しっかり脇本君の後輪だけを見て集中していきます」
 平原康多と藤田竜矢の埼玉コンビは平原が前回り。
 「脇本君が主導権ですかね。でも、強いのは脇本君だけではないし、とにかく、タイミングがきたらしっかり仕掛けるだけです」
 藤田竜矢は「俺が前の選択は最初から頭になかったですよ(笑)。平原君とは(今年の)大宮記念の決勝以来ですね」と話す。
 その他、渡邉一成もいて、レースはハイスピードかつ入れ替わりが激しくなりそうだ。
 「全日本選手権(トラックレース)ではスプリントとケイリンで優勝しました。正直言って疲れがまだ残っているけど、そのぶん気持ちで頑張ります」
 小川勇介も虎視眈々と一発逆転を狙う。
 「大物食いしたいですね(笑)。引き続き調子は良いと思います」

<11R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 竹内雄作、深谷知広の若手中部コンビが他をリードか。竹内は3度目の連係となる今回も前回りを志願した。
 「前回りは3度目です。前回(武雄記念)は練習不足がモロにでました。中4日だから劇的に良くなったということはないけど、僕も成長したところを見せたいから、行くだけのレースはせずに、残れるような駆け方でいきます」
 深谷知広(写真)は「(来月から自粛に入る選手がいるので)この強いメンバーのなかで優勝できるように。仕上がりはまだまだだけど、G1に向けて3、4か月が勝負と思っているから、ここから上げていかないと」と、今回は特別な思いで戦う。
 対戦する稲毛健太は全日本選抜で落車し、今回が復帰戦となる。
 「落車で右鎖骨を骨折しました。ただ、練習はしっかりできたし、感じは悪くなかったので。問題はないと思います。中部は竹内さんが前ですか。強引に先行しそうなので、負けないように頑張らないと」
 稲毛を援護するのは南修二。近況は差し脚が戻り、成績も上向きだ。
 「だいぶ走れる感覚になってきたので、そろそろ結果を出したいですね。って、ずっと言ってるんですけど(苦笑)。平塚が終ってからはいつも通り練習してきました」
 園田匠は2月松戸F1で連続落車して途中欠場すると、続くダービーで再度転倒。まさに泣きっ面に蜂状態。今回は気分一新してレースに挑む。
 「流れが悪かったんで、そのあと思い切って海外、グアムに行きました(笑)。それでリフレッシュできたし、すぐ小田原で決勝に乗れたので。脚は上がっているし、気持ちも乗ってますよ」

<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 京都勢が3人そろって並びが注目されたが、西谷岳文を先頭に、稲垣裕之、村上義弘の順番で決定。西谷岳文は今一度、気合を入れ直す。
 「並びは僕から前回りをお願いしました。練習ですごく感じが良かったので」
 稲垣裕之は番手で重要な役回りをこなす。
 「責任ある位置だから結果を出さないと。直前は向日町の改修が終わったので、バンクでしっかり練習してきました」
 村上義弘(写真)は後輩2人に前を託し、まずは援護に回る。
 「武雄記念のあとは技術的なことを修正できればと思って練習してました。今回もしっかり集中して走るだけです」
 中井勇介は初のビッグレースに意気込む。
 「あっせんが決まってから、ここに向けて練習してました。伊東はA級のとき走って以来だけど、成績が良かったしイメージも良い。普段は一緒に走れない選手と今回戦えるんで、何としても見せ場を作りたいですね」
 芦澤大輔は強敵を相手に総力戦で挑む。
 「高橋(陽介)君の番手もあるけど、自分でやった方がいいと思うので。今回は仕上がっていると思います。勝つためにシビアにいく。縦横無尽に、自分ができることを全て出していきたい」
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