『第30回共同通信社杯(GII)レポート』 初日編

配信日:4月26日
 今日から第30回 共同通信社杯が始まった。若手機動型が数多く参戦している今大会はオープニングから目まぐるしいレース展開に。そして片寄雄己、田中孝彦の地元勢が大物を食うなど番狂わせも多かった。明日の2次予選も自動番組。初日の着で2次予選A、Bに振り分けられた63名の選手によって準決勝進出が争われる。
 2日目は岡崎朋美トークショー(6R発売中)やタカシェンカによる大道芸(3、8R発売中)、エスパー伊東のお笑いライブ(5、8R発売中)など様々なイベントが予定されています。明日もぜひ伊東温泉競輪場へご来場ください。

富岳太鼓で幕をあける
富岳太鼓で幕をあける
敢闘宣言をする田中孝彦選手
敢闘宣言をする田中孝彦選手
スピーチーズ ミニライブ
スピーチーズ ミニライブ
どぶろっく お笑いライブ
どぶろっく お笑いライブ
競輪選手会静岡支部 チャリティーオークション
競輪選手会静岡支部 チャリティーオークション
<1R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
 開幕レースを制したのは松岡貴久(写真)だった。レースは藤井栄二、藤木裕らの近畿と、早坂秀悟で激しくやり合った所を、松岡がまくり一閃で勝利した。
 「前がやり合ってくれたので。藤木君が内から突っ張って行ったけど、バックの向かい風が強いんで止まった感じになったから、あとは追い掛ける形で行けた。調子ですか? 地脚の方は仕上がっていると思います」
 藤木裕は番手から出て早坂を突っ張り主導権。松岡にまくられたものの、粘りを発揮して2着に入る。
 「藤井君が(誘導員早期追い抜きで)失格なのは分かった。後ろの僕が落ち着かせてあげればよかった。でも藤井君は良いレースをしてくれた。キツかったですね」

<2R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 池田勇人が動いたところを赤板で原田研太朗が叩く。しかし、原田がペースを上げる前に吉本卓仁が打鐘から一気のカマシ先行。番手の坂本亮馬(写真)が絶好の展開をモノにした。
 「この番組は九州では組まれないし、流れがいいですね。でも今日の1着はデカイです。いいメンバーだったんで(勝てて)よかった。久留米記念に向けてやってるのもあったし、今は心を入れ替えて練習するようになってますから」
 吉本卓仁はここしかないというタイミングでしっかりと仕掛けた。
 「逃げたら交わされるのは分かってるので。先行の作戦はあまりなかったけど、変に相性がいいのか、亮馬と組むと展開がよくなる。仲よく(2次予選に)乗るにはあれしかないしね。僕は腰の影響もあってか末がない。ケツを下ろしてからが伸びないです」
 原田マークの小倉竜二が直線コースを縫って着に突っ込んだ。
 「(原田が)打鐘でトップスピードに入るような形がよかったけどね。あれなら3番手を取り切らんと厳しい。僕はコースを探して流れ込んだだけって感じです」

<3R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 大方の予想通り、関東ラインの先頭を買って出た芦澤辰弘が強引に主導権を握ると、牛山貴広が番手まくり。作戦通りに進めた関東勢で決まったかと思われたが、その後位を回った岩津裕介(写真)が直線で急襲し1着をさらった。
 「先行するのはそこ(茨栃ライン)しかないと思ってたので。一番良い位置を楽に取れたのがよかったですね。流れも良いし、感じもマズマズです」
 牛山貴広は惜しくも2着も、二次予選進出を決めた。
 「芦澤君の気持ちが伝わってきたので嬉しかった。1コーナーで出るのは神山さんと決めてたので、後ろからきてなかったけど出ました。最後行かれたのは岩津君が強かったですね」
 復帰戦の神山雄一郎は辛うじて3着を確保。
 「緊張したね。復帰戦だからとにかく苦しかった。とりあえず離れなくてよかったよ」

<4R>
片寄雄己選手
片寄雄己選手
 打鐘過ぎから和田真久留と三谷竜生で激しい主導権争いに。待ってましたの片寄雄己(写真)がホームからまくるとモツれた後続を千切って快勝。3連単、25万円を超える高配当の立役者となった。
 「一番いい展開になりました。昨日は(南関の)3番手と言ってたけど、地元だし力勝負したほうがいいのかなと思った。それに(付いてくれた)宗景(祐樹)さんのおかげでスイッチが入りました」
 成田和也は厳しい展開をしのいで何とか2着をキープした。
 「誰が先行するかも微妙だったし、7番(三谷)が前を取った時点で中団からでと思った。ゴチャゴチャして詰まっちゃったし、対応できず抜け切るのが一杯でした。今日は重かった。徐々に軽くなればいいですね」
 強引に和田を叩いた三谷竜生が3着に粘る。
 「すんなり出れると思ったけど、僕もワンテンポ遅れたんで。分かってて遅れたので、ちょっとそこは修正したい。行けると思ったけど、合わされましたね。でも体調は大丈夫です」

<5R>
筒井敦史選手
筒井敦史選手
 川村晃司が赤板で先頭に立つと、マイペースに持ち込んで別線を完封。最後は同期で連係した筒井敦史(写真)がゴール寸前で差し切った。
 「同期の川村君のおかげですよ。赤板から逃げてましたからね。(小松崎大地を)持って行ったときに内をシャクられるかと思ったけど、来なかったので後ろは山中(貴雄)がいるんだなと。相手も強いから油断はしてなかったけど、川村君が強かった。肌で感じましたね」
 川村晃司は節目の300勝はお預けとなったものの、強さを見せ付けるレースとなった。
 「道中であんな展開(中団併走)になるとは思ってなかった。あれで僕に走り易い展開になりましたね。出切ってからも落ち着いていけたし、仕上がっていると思います」
 山中貴雄は初手からこの3番手を選択。これがみごとに奏功し、3着で二次予選進出。
 「展開がよかったですね。9番(小松崎)がきたけど、勢いがあまり良くなかったんで止まるかと。あとは(筒井の)後輪だけ見てました」

<6R>
井上昌己選手
井上昌己選手
 古性優作が先行態勢に入るが、そこをタイミングよく上原龍が叩く。遅れた稲村好将を東口善朋がさばいて古性を3番手に迎え入れたが、中団からまくった井上昌己(写真)が好回転で前団を飲み込んだ。
 「あおりもあってキツかった。初動のかかりもイマイチだったけど、そこはセッティングでどうにか修正できる範囲なので大丈夫。疲れが溜まってて乳酸の抜けも悪いです」
 上原の仕掛けに乗った木暮安由は井上追走の長塚智広を飛ばして2着に食い込む。
 「打鐘過ぎの行くべきところで行ってくれたので展開が向きました。2番(井上)のスピードがよかったので、行かせてから後ろを止めようと思った。直線の伸びは最近の中では最もよかった。今回は戦えそうです」
 木暮にさばかれながらも何とか3着は死守した長塚智広は「アテネ(五輪)ラインになったのはたまたまです。井上君が強かったし、僕は2センターからが重かった」とレースを振り返った。

<7R>
田中孝彦選手
田中孝彦選手
 伏兵の田中孝彦(写真)が勝利し、穴決着となった。レースは打鐘で上田隼が叩かれると、金子貴志が自力に転じてホームからカマシ先行。この番手に成清貴之、中村浩士の千葉勢が切り替え、展開がもつれにもつれた。すると、立て直した田中が目の覚めるようなまくりを決めて1着を手にした。
 「展開がゴチャゴチャしてたので。ああなったら無理矢理でもまくって行こうと思ったけど、まさか行けるとは。皆が脚を使ってましたね。上デキです」
 一旦は切り替えた成清貴之が金子の番手から追い込み、現地集合で南関ワンツー。
 「田中君がホームで内に行ってしまったんでね。中村(浩士)君が後ろにいるんで悪いけど切り替えました。番手すんなりの展開でなかなか勝てないけど、勝負できる状態にはあるんで」

<8R>
菅原晃選手
菅原晃選手
 ライン3車の猪俣康一が主導権を奪い、番手の浅井康太には絶好の展開。しかし、中部勢に続いた菅原晃(写真)が小埜を制して4番手を確保すると、最後はまくり気味に追い込んで1着をさらった。
 「いい位置が取れました。猪俣さんが踏み止めたら(外併走から)そのまま行こうと思ったけど、けっこう踏んでたので。小埜君とからんで位置を取るのにちょっと脚を使ったけど、あそこは勝負しないとね。浅井の番手まくりを警戒してそれでもいい距離で行った。いいタイミングで行けたと思う」
 浅井康太は最後の最後で1着を逃す。
 「(菅原が来るのが)もう少し早ければ持っていけたけど、(コーナーの)立ち上がりのとこなんで。ラインで勝ち上がったほうがと思ってたけど、(菅原に)嫌なタイミングで来られた」
 浅井に続いた志智俊夫が3着。
 「猪俣君がうまく駆けてくれたし、踏み出しにも付いて行けた。でも内を空けたら誰か入ってくると思ったから、そこだけは気をつけてました。ラインみんなで権利が取れてよかった」

<9R>
磯田旭選手
磯田旭選手
 新田祐大が世界のスピードを見せた。レースは一旦は松岡健介の3番手好位に入ったものの、位置にこだわらず新田はホームから一気のスパート。これで後続は立ち遅れたため、カマした2人で勝負あり。最後は追走した磯田旭(写真)がゴール寸前で追い込んだ。
 「新田(祐大)さんが強かったですね。僕は余裕がなかったし、思い切って踏んだら抜けた感じ。展開だけだったけど、明日も何とか頑張ります」
 新田祐大は交わされたものの、仕上がりの良さに納得の様子。
 「思ったよりも踏み過ぎてしまったし、出切る前に3回くらい脚を使ったので、最後は2着になった感じ。ダッシュが思ったより良過ぎて踏み過ぎた。裏目に出たけど、これが良い方に繋がるように修正して明日また頑張ります」

<10R>
平原康多選手
平原康多選手
 前受けの脇本雄太が突っ張り先行に出た上に、出させてもらえなかった小川勇介にしゃくられた平原康多(写真)は5番手。それでもバックから仕掛けると、吉田敏洋のけん制も物ともせず力強く前団をとらえた。
 「5番手になって行けるか行けないか分からない位置。でも行かなくちゃ意地もあるしね。ライン2人で決められればよかったけど、そこはちょっと複雑ですね。でも勝ち上がれたんでよかったです」
 脇本雄太は「平原さんが4番手にいたので突っ張るかどうか迷ったけど」と言いながらもスタイルを貫く先行策。2着に粘って2次予選Aへと勝ち上がった。
 平原とからんだのもあったが吉田敏洋は脇本を交わせず3着。選考順位により2次予選B回りになってしまった。
 「他(別線)の動きがないから結果的によかった。一番ワッキーの得意な展開になったね。マーク屋なら止められたんだろうけど、まあ付いて行けたんで。2着と3着とでは大きな違いだけどね。ワッキーは今まで見てたまんまの強さだったし、味方でよかった」

<11R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 赤板で先頭に出た竹内雄作がそのままペースを上げ、稲毛健太の反撃を突っ張って主導権。バックで中川誠一郎が迫ると、車間を空けて援護した深谷知広が前に踏み込んで勝利した。
 「ラインで決めたかったんですけど、2回目に後ろを見たときに中川さんが横まで来てたので厳しいかと。(残すのは)難しいですね」
 まくった中川誠一郎(写真)が2着に入る。
 「稲毛君が邪魔になって仕掛けがワンテンポ遅れた。深谷君の横まできたけど、無理に行くと合わされるので、安全策で勝ち上がりを狙う感じで踏みました」
 中川を懸命にマークし、園田匠が3着に。
 「内から8番(小田倉勇二)が来て反応した瞬間、(中川が)踏んで行ったからヤバいと思ったけど、何とか付いて行けたのでよかった。余裕はありました」

<12R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 近畿の大先輩に前を任された西谷岳文が中井勇介の抵抗もかまわず主導権を奪う。番手の稲垣裕之(写真)は芦澤大輔の巻き返しに合わせてまくりを敢行。見事に村上義弘とワンツーを決めた。
 「調子自体は問題ないですね。気持ちも充実してます。西谷はすごくプレッシャーがあったと思うけど、よく行ってくれました。自分は競られても死守するつもりでしたし、あと3走も全力で頑張ります」
 松谷秀幸にからまれた村上義弘だったが、稲垣後位を死守して2着に続いた。
 「(松谷にからまれて)道中脚を使った分、稲垣が仕掛けたときキツかった。抜けるかなと思ったけど、稲垣の踏み直しがすごかったです」
 中井の頑張りに応えるように、前々へ攻めた松谷秀幸が3着に入線した。
 「見てるほうは楽しかったかもしれないけど、やってるほうは苦しかったですよ。中井さんが出られた時点でスピードが合ったところに飛び付こうと思ってたけど、流れで前に行ったらもう1回村上さんにしゃくられてしまった。その後も芦澤君の動きに耐えられたし、悪くはないと思う」
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