![]() 渡邉一成選手 |
才迫開との踏み合いを制した稲毛健太がペースを落としたところを、後方から渡邉一成(写真)が一気。朝から集まったファンの度肝を抜く快ダッシュでひとり旅。2着の伏見俊昭を5車身ちぎるまくりで、圧巻のパフォーマンスを披露した。 「前検日にも言ったとおり、脚は仕上がってますね。東口(善朋)さんが浮いてたけど、東口さんなら内に行くだろうし。そこはもう考えずにタテに踏みました。ちょっとまだ新しいフレームのセッティングが煮詰まってない。そこはあともう少しだと思います」 渡邉に離れながらも何とか踏ん張った伏見俊昭が、2着に流れ込み人気の福島ワンツー。 「(渡邉)一成が早めに行ってくれたから、なんとか付け切ろうと思ったけど。踏み出しも伸びもすごかった。あれだけの調子なら一成は決勝に乗れましたよ、(初日が)もったいない。そうじゃなかったら(自分が)弱いと思われる(笑)。(初日の落車で)自分は体が痛いけど、走るからにはね」 |
---|
![]() 竹内雄作選手 |
青板周回から斬り合いになるが、後ろ攻めから先に動いていた土屋壮登が永澤剛を出させず先行。うまく中団を確保していた竹内雄作(写真)は、打鐘から巻き返すと後続を振り切った。 「あれ(青板の突っ張り)で外に行くか、内に行くか。ああいうのもこれからやっていかないと。かぶる前に行こうと思って仕掛けたけどダメですね。あまりやらないんでまくりはヘタクソです。出るまでに時間がかかってしまった。でも久々の1着だし、そこはプラスに考えます」 突っ張られて外に浮いた永澤剛だが、うまく竹内後位を奪うと2着に続いた。 「赤板で斬りに行ったけど、ここで突っ張るの?と思った。甘かったですね。あとはただいっぱいで、濱口(高彰)さんが離れてたから後ろにはまっただけ。飯野(祐太)さんつけてあんなレースですいません」 ここ2場所成績の悪かった飯野祐太は、3着で久々の確定板入り。 「ここ2場所47×12の3.92を試してみてダメだったので、慣れてる51×13に戻した。やっぱりこっちのほうが慣れてるので合ってますね」 |
---|
![]() 服部克久選手 |
小岩哲也が打鐘で高久保雄介を強引に叩いて主導権。ハコの服部克久(写真)は後続との間合いを図りながら、3番手からまくってきた高久保をけん制。そのまま最終バック手前から番手まくりを打って、白星をもぎ取った。 「高久保が3番手に入っているのもわかっていた。(高久保のまくりが)止まったけど、(池田)勇人とか小松崎(大地)もいるから。割り切って自分が出て行かないと、(小岩が)行ってくれた意味がないんで。自分の感じも悪くないけど、今日はもう小岩のおかげですよ」 3番手で態勢を立て直した高久保雄介は、まくりを阻まれるも服部に付け直して流れ込みの2着。 「今日は初手が後ろになると思ってなかった。そしたら後ろになってしまった…。とりあえず叩いてからと思ってました。3番手に入れてまくりに行ったけど、全然出なかった。悔しいですね。内容的にいまひとつですけど、2着に入れたのでそれはよかった」 |
---|
![]() 阿竹智史選手 |
野原雅也が主導権を握ると、3番手を佐藤友和が確保する。しかし、打鐘過ぎ8番手から鈴木庸之が巻き返すと、レースの流れは一変。対応の遅れた三谷竜生を鈴木が一気に飲み込むと、さらに上を阿竹智史(写真)が鮮やかにまくり切った。 「いつもなら置いてかれてましたね。大塚(健一郎)さんのアドバイスで今日から(同じ3.92でも)前を47枚にしたら意外とよかった。明日もそのままいきます」 阿竹を追った佐藤友和だったが逆転はならず。 「(三谷が)前か横か動きがわからないんで難しかったですね。阿竹にぶつかってひるんだのもあったし。でも、そのあとは対処できたし脚は悪くない。踏めてるんでね」 鈴木庸之は4着に敗れたが、新車には好感触を得た様子。 「決まったと思ったけど特別クラスは違いますね。新車はすごく伸びるんで、まだその辺の対応がヘタクソだった。明日はハンドルポストを短くしてみます」 |
---|
![]() 武田豊樹選手 |
師匠の武田豊樹(写真)を背にして小原唯志は、青板から動いた松川高大をけん制しながら主導権をキープ。安部貴之が斬り込んで3番手はもつれたものの、車間を切った武田が直線で追い込み楽勝。 「家を出てくる時は優勝を目指して、(ここに)来るけど。負けても負け戦を走れないようじゃ終わりですから。(小原は)もっと冷静に落ち着いて走れば残っていましたね。先行するのはいいけど、もったいない」 赤板の2コーナーからインを進出した安部貴之が、宗景祐樹に踏み勝って武田後位を奪取しての2着。安部の思惑は何だったのか。 「どこからでも前々に行くしかないと思っていた。最後も武田さんが(内を)空ければ、武田さんのところまで行こうって思っていた。そうすれば(北日本の)3人で決まるんじゃないかと。でも武田さんは余裕があるし、空けないですよね。もう最後はいっぱいでした」 |
---|
![]() 海老根恵太選手 |
青板周回から近藤龍徳、井上昌己が動いて逃げるであろう早坂秀悟ラインの後ろを狙う。斬って早坂を受けた井上が4番手を確保したが、早坂がペースを緩めるとそこを海老根恵太(写真)が打鐘ガマシ。萩原孝之と2車で出切ると、そのまま押し切った。 「ほんとは中団が欲しかったけど、車番的にも厳しかった。7番手でじっとしててもダメなんで、ああいう展開になったら思い切って外を行くとは(後ろに)話はしてました。けっこう緩んでる感じがしてたし、(早坂は)まだ踏まないでくれと思いながら行きました。1着取れてるし、昨日は重かったけど、今日は軽かったですね」 続いた萩原孝之が、2着で準決勝に進出した。 「あの作戦も一応ありました。掛かってたので誰も来ないかなと思ったら、牛山(貴広)君が見えたんで様子を見た。昨日より今日の方が良かったですね。抜きに行ったけど、海老根君が強かったです」 早坂後位から2コーナーで海老根ラインに切り替えた牛山貴広が3着に続いた。 「今日は出て行くとかじゃなくて、(番手で)仕事と思ってた。でも早坂が内にいたし、後ろも芦澤(大輔)なのでとっさに(切り替えた)。2日間、前を抜けてないので何とも言えないけど勝ち上がれたので」 |
---|
![]() 渡部哲男選手 |
赤板で先行態勢を取った桐山敬太郎は、後続の動きを確認しながら徐々にペースアップ。土屋裕二をどかして村上博幸が番手を奪取。7番手に下げた松岡貴久は打鐘の4コーナーから猛然と前団に襲い掛かるが、北津留翼は踏み遅れる。割り込んだ渡部哲男(写真)は松岡を追った勢いを殺さず、そのまま最終バック手前からまくりを繰り出し1着。単騎での苦しい戦いを凌いだ。 「(北津留)翼が付いて来ていてもあそこに飛び付こうと思っていました。(松岡)貴久は外を回っていたし、その分バックで止まった感じですね。それで自分のスピードが生きました。久しぶりのまくりだったし。勇気がいりますね、自力は。今日はゴチャゴチャするから、そこに参加しないでタテ脚を出した方がいいと思っていた」 松岡後位を渡部に入られた北津留翼が、2着での準決進出も松岡に申し訳なさそうに口を開く。 「(松岡に遅れて)口が空いてどうすることもできなかった。それで(渡部)哲男さんに入られてしまった。松岡さんに付いていけなくて悪いことをしました。自力を出してないから変な感じですね。でも、脚は変わらずだと思います」 |
---|
![]() 佐藤慎太郎選手 |
和田真久留が中団の相川永伍にフタをして駆けようとするが、前受けの山崎芳仁が赤板から突っ張って誰も出させない。これで別線の巻き返しを封じると、ゴール寸前で番手の佐藤慎太郎(写真)がとらえた。 「(和田と相川が)意識し合うだろうと思ったら、そのとおりになりました。3番手が相川なら(山崎が)合わせてくれるだろうと思ってたし、あとは木暮が内に入って来るのが気になったけど山崎がうまく駆けてくれた。上手でしたね。昨日6着の人間だから、この1着はデカイですね」 2周先行の山崎芳仁だが、何事もなかったかのようにレースを振り返る。 「もう待てないですよね。(赤板の)ホームに来てるから。あとは来られてもいいように踏みながら。うまくペースに持って行けたし、伸びるように駆けられたと思います」 相川マークの木暮安由が3着に突っ込んだ。 「相川さんがホームで行ったのは予想外。後ろを気にかけてくれて、ああいうレースをしてくれたので自分も見習わないと。あんな展開になったけど落ち着いてコースも見えたので3着に入れたと思う」 |
---|
![]() 松岡健介選手 |
中川誠一郎に突っ張られた松岡健介(写真)は、村上義弘のアシストを受けて最終ホームで3番手に入っての出直しを迫られた。一息入れて構えることなく、今度は2コーナー手前から執念のまくりを敢行。中川をとらえ切ることはできなかった松岡だが、3着で村上とともに準決へ進んだ。 「自分はダッシュがないんで、地脚でなんとかと思っていた。カマして行った時に大塚(健一郎)さんが険しい顔をしていたし、あわよくば番手も入れるかなって思った。(中川が)流しているところを行かないと、スピードが違うんで。(村上が)このメンバーだったら負けてもしょうがないって言ってくれたんで、それで気楽にできました」 村上義弘は、松岡追走から直線で外に持ち出すと力強く伸びて1着。松岡の頑張りを肌で感じながら、静かに振り返る。 「ケン(松岡健介)はこのところ苦しんでいたみたいだし、その中で積極的に行ってくれた。休まずに仕掛けてくれたし、その攻める気持ちに助けられました。自分は多少セッティングを修正して、昨日よりは伝わっている気がする。それでもまだ重い気がします」 先行策から2着に逃げ粘った中川誠一郎は、内容の濃い走りを汗をぬぐい振り返る。 「前のレースで山崎(芳仁)君が先行していたぐらいだから、(バンクが)軽いと思った。軽い時じゃないと、自分もああいう走りはできないですから。あれで深谷(知広)君が来たかと思ったけど、マツケンさん(松岡)だったですね。村上さんが付くと(前の選手は)みんな点数が上がりますね」 |
---|
![]() 新田祐大選手 |
前受けから5番手に下げた新田祐大(写真)が、車間を詰めた勢いで1センターからまくり発進。踏み出しから一気に加速すると、逃げる近畿ラインの横を一気に通過し、上がり8秒8のバンクレコードを叩き出した。 「今日は取ったところから勝負しようと思ってました。位置取りにこだわろうかと思ったけど、(周りを)瞬時に判断して引いた。(スピードは)まだまだだけどもっといいレースができるように。そこ(バンクレコード)を目指して頑張ったわけじゃないので、次も勝ちにこだわるレースをしたい。山崎(芳仁)さんのレースを見て刺激になったし、自分もああいうレースをできるようにですね」 7番手から新田のまくりを追った原田研太朗も、前がバンクレコードでは差が縮まらなかった。 「あのスピードはバイクか外国人選手。久しぶりに33で(コーナーを)垂直に走ってました。大槻さんに持ってこられたらコケてましたね。新田さんが1センターで行ったのでついてくだけだったけど、3.86じゃギアが足らんですね」 新田の踏み出しに口が空いた大槻寛徳だったが感触は悪くないようだ。 「自分も今は練習してるから付いて行ける気がしたけどダメでした。でもダービーのころなら稲垣さんに張られて終わってた。今はいい感じだし、調子はいいと思う」 |
---|
![]() 山田久徳選手 |
赤板で飛び出した近畿コンビに、単騎の箱田優樹が続いてグングンと加速する。最終ホームを過ぎても4番手の金子貴志、7番手の天田裕輝ともに動くに動けず、番手を無風で回った山田久徳(写真)が早めの追い込みで勝機をつかんだ。 「(準決への権利が)5着までだし、栗山(俊介)をなんとか残したかった。ギリギリまで残したんですけど、自分が(外に)振った時に内も見えたんで踏ませてもらった。(番手が)すんなりでむちゃくちゃドキドキした。栗山は頼もしいですよ。自分ももうちょっと(ビッグで)頑張りたい」 最終ホームで一本棒の後方に置かれた関東勢。神山雄一郎は2コーナーで天田から切り替えてインを進出すると、直線の入り口で金子を弾いてコースをこじ開ける。急場をしのいでの2着に、ホッと一息つく。 「飯嶋(則之)も俺の後ろに付けてくれているし、なんとか頑張りたいっていうのが頭にあった。まして(準決への)勝ち上がり5着までだからね。もう必死だった。最後はどこ行っていいのかっていう感じだったし、8番(箱田)のところが空いてなかったから外を踏み込むしかなかった。危なかったけど、自分の感じは大丈夫です」 最終バックからまくった金子貴志は、神山に当たられるも3着に踏ん張った。 「バンクが軽すぎてギアが足りないですね。緩んだら(仕掛けて)行こうって思っていたんですけど、前の2人が車間を空けていたからタイミングが難しかった。4コーナーで神山さんはすごいスピードでした」 |
---|
![]() 諸橋愛選手 |
ここは平原康多と藤木裕の2分戦。後ろ攻めから平原にフタをした藤木が赤板前から主導権を握るが、下げた平原もホームから巻き返す。平原が稲川のブロックを物ともせず出切ってしまうと、番手の諸橋愛(写真)がゴール前とらえて連勝で準決勝進出を決めた。 「平原が絶妙のタイミングで行ってくれましたね。すごいですよね。心強い。僕も流れがいいし、こういうチャンスをモノにしたい。反応もいいと思います」 2着に敗れた平原康多だが、藤木を力で退けたレース内容は圧巻だった。 「藤木も僕が引き切ったと思ってペースを上げてたのでタイミングはなかったです。(稲川のブロック)あれは怖い。何度かやられてるので、そこだけはと思ってました」 南修二、稲川と次々にけん制されて口が空いた浦川尊明だったが、何とか3着をキープした。 「南にもらって遅れたところにイナショー(稲川)も来た。でも、凌いで詰めて行けてるからいいと思う。自信になりました」 稲川翔は4着で準決勝に勝ち上がったが、「藤木があれだけ行ってくれたのに、やることができてない。情けなかったです」と、悔しそうにレースを振り返った。 |
---|