『第33回共同通信社杯(GII)レポート』 3日目編

配信日:9月18日

 台風一過の晴天のもと、第33回「共同通信社杯(GII)」の3日目が開催された。1日順延をはさんで、選手たちもリフレッシュできた様子。激戦の連続となった準決勝は村上博幸、新田祐大に平原康多がそれぞれ快勝した。19日はいよいよ最終日。ベストナインによってシリーズの頂点が争われる。
 最終日も井上茂徳氏、佐々木昭彦氏や山田裕仁氏、山口幸二氏らによる予想会。さらに未確定車券抽選会や競輪選手ふれあいコーナー&競輪グッズ発売などのイベントが予定されています。ぜひ武雄競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。

KUMAMOTOチアリーダーズ『DREAMS』ステージ
KUMAMOTOチアリーダーズ『DREAMS』ステージ
武雄温泉バンド ステージ
武雄温泉バンド ステージ
子どもストライダー2m競走
子どもストライダー2m競走
バーチャル自転車ゲーム サイクルスピリッツ
バーチャル自転車ゲーム サイクルスピリッツ

<1R>

林巨人選手
林巨人選手
 池田勇人が打鐘でハナに立つと、後方から伊藤成紀がすかさず巻き返す。最終ホームで池田を叩いた伊藤が軽快に駆けてバックを先頭で通過すると、4コーナーを絶好のハコで迎えた林巨人(写真)がきっちり差し切った。
 「伊藤さんがいいタイミングで仕掛けてくれました。久々のいい展開だったので、しっかり勝たないとって思いました。周回中から脚の感じがよかったし、ローラーでアップしている時もよかった。展開が悪くても3着までにと思って突っ込んだり、切り替えたりしてるけど、(ここ最近は)それがなかなかできなくて6、7着になっていた。(いいきっかけにして)練習をしっかりして次も頑張ります」
 連日積極的に攻めていた伊藤成紀が2着に粘り込んだ。
 「昨日しっかり自転車の調整ができたので。もっとホームで(スピードを)上げられる意識はあったけど、脚を回して置きにいきました。帰りたくない気持ちが強かったし、仕掛けるところは仕掛けていこうと思っていました」

<2R>

山内卓也選手
山内卓也選手
 後攻めの土屋壮登が打鐘で主導権を奪取。中団をキープした海老根恵太がバックからまくるが進みは悪く、すかさず内に切り込んだ畑段嵐士、岡部芳幸とからんだ小坂敏之はバランスを崩して大きく外に膨らみ松岡孔明、北津留翼とからんで3人で落車。番手を回った神山拓弥に絶好かに、落車で大きく目の前が開けた山内卓也(写真)が大外を突き抜けた。
 「レースの流れから小坂さんのけん制もある感じだったのでそこはよく見て。落車がなければどうなったかわからないけど、車は伸びてくれた。最近はビッグレースの1着は簡単に取れないし、これがいいきっかけになれば。僕の年齢になると、(順延で)1日休みができるの好都合ですよ(笑)」
 果敢に先手を奪った土屋壮登は懸命に逃げ粘り3着。
 「天気が回復したし、3走したなかで一番軽くいい感じだった。ラインも3人だったので、今日は逃げないといけないと思い後攻めから押さえて駆けました」
 海老根恵太はイメージどおりにまくりが進まず首を傾げる。
 「ニュートラルに入った感じがなくて、後ろから畑段君の仕掛けも見えたのでタイミングを取れなかったこともあるけど、(車の進みが)悪いですね。このあとも大事な3連戦(松戸記念、千葉記念、小倉競輪祭)があるので、最近は20代の気持ちで練習も目一杯やっているのに…」

<3R>

神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 才迫開、山田庸平、田中晴基の順で切って打鐘を迎えたところで長島大介が一気に仕掛けて主導権を握る。最終2コーナー、4番手からまくり上げた田中を神山雄一郎(写真)が好ブロックで止めると、返す刀で鋭く追い込んだ。
 「長島が頑張ってくれました。あの展開になってくれればね。本当に恵まれました」
 6番手となった地元の山田庸平は直線外を伸びて2着に。
 「長島君が一番強いのに、3車で先行させては厳しいですね。先に仕掛けないといけないと思っていたけど、あの展開で待って、待ってになってしまった。2着に届いたのはよかったけど、レース内容としてはダメですね」
 最終バックどん尻から直線で中コースを強襲した山中貴雄が3着。
 「神山さんも横に動くだろうし、内は空くだろうなって思ってました。3コーナーからコースは見えていたんですけど、ちょっと狭くて、怖いというか、ツーテンポぐらい入るのが遅れました。脚の感じは悪くないですね」

<4R>

井上昌己選手
井上昌己選手
 堀内俊介の先行に対して最終ホーム手前から稲毛健太が巻き返しに行くが桐山敬太郎のブロックで不発に。その上を踏んだ取鳥雄吾が前団を飲み込むと、続いた井上昌己(写真)が鋭くとらえた。
 「(取鳥が)強えーっす。瞬発力というか、若さの踏み上りというか。稲毛も強いし、いい感じの展開になると思ってた。差せる感じはあったし、(自分も)抜けてるからいいっすよね。取鳥はまくり強いから」
 まくった取鳥雄吾は初日の大敗から2日目、3日目と2着を並べた。
 「逃げ(先行争い)に参加せずだったので展開に恵まれた。(順延もあって)脚的にはすごく軽い。脚はいいけど、あとは気持ちですね」
 桐山敬太郎は「あの2車(取鳥ライン)は合わせ切れん。雨で(1日空いて)桐山は緊張する時間が増えたんだと思う」と苦笑いでレースを振り返った。

<5R>

久米康平選手
久米康平選手
 小川真太郎が打鐘から全開でスパートすると、人気の新山響平は後方8番手に置かれて一本棒で最終ホームを通過。4番手の中井太祐が2コーナーから仕掛けると、久米康平(写真)が番手まくりで応戦し、後続の追撃を振り切った。
 「(小川には)自分が付いているからとかではなく、しっかり力を出す組み立てをして欲しいと言ってあった。思った以上に駆けてくれてありがたかったです。車間を切りたかったけど切れなくて…。いい弟子を持ちました。ありがたいですね」
 徳島3番手を回った山形一気がきっちり食い下がって2着を確保。
 「状態が悪いなりにワンツーが決まってよかったです。余裕はなかったですね。小川君も緊張していたみたいでした。バックでよく久米君が反応してくれました」

<6R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 打鐘前の2コーナーで坂本貴史が先頭に立つ。7番手になった太田竜馬はすかさず2センターから仕掛けたが、最終ホーム手前で岡村潤にけん制されると出足が鈍る。渡邉雄太(写真)は1コーナーで太田を張ると、2コーナーからまくって北日本ラインを飲み込んだ。
 「事故点も多く組み立てが制限されて難しい面もある。最近はまくりの決まり手が多いことも少し気になっていますね。岡村さんが仕事をしてくれたこともわかったので、仕掛けなくちゃと思って踏んだら外にいた感じでした」
 渡邉に続き2着キープの岡村潤は安どの表情を浮かべる。
 「(渡邉)雄太が強かったし、全部やってくれたから。アイツは普段にもっと長い距離を踏むから、あのまくりならタレませんね。雄太が頑張ってくれるからあれくらい(のけん制)はしないと。評価してもらえたなら嬉しいですよ」

<7R>

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 打鐘前に切った和田真久留をすかさず菅田壱道が叩いて先制。そのままハイペースで飛ばしていく。4番手外併走の態勢から吉澤純平がまくり上げると、山崎芳仁(写真)がこれに合わせるように最終バックから番手まくり。人気に応えて快勝した。
 「壱道と成田(和也)さんのおかげですね。恵まれました。吉澤が見えたんで踏んだんですけど、伸びて来る感じで強かったです。思ったよりは踏めているし、自転車も伸びています。(成田と)ワンツーが決まってよかったです」
 成田和也がしっかり続いて福島ワンツー決着となった。
 「人気に応えられてよかったです。やっぱり山崎は脚がありますね。抜けなかったけど、2着なんでよかったです」
 山崎に合わされた吉澤純平だが、諦めずに踏み続けて3着に踏ん張った。
 「(北日本勢が)2段駆けでしたけど、行くしかなかったです。(4番手で)1回、休んでから行きました。まくり切れなかったのは悔しいですね。でも、最後まで頑張った結果なので」

<8R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 先行態勢に入った鈴木竜士を打鐘から高橋和也が叩きに行く。番手競りをしのいだ近藤龍徳が続いて2車で出切ったが、この動きに乗った三谷竜生(写真)がバックまくりで後続を千切った。
 「前、2日間よりはいい感じでした。(復帰2場所目で)慣れじゃないけど、感覚とかは戻ってきてると思う。まだ力が入り切ってない可能性はあるけど、とりあえず1着取れてよかった」
 鈴木マークの杉森輝大は三谷のまくりに切り替えると近藤のけん制もしのいで2着に入った。
 「鈴木君が頑張って行ってくれた。ホームで(高橋ラインの)2車かと思ったら三谷君も来てて対応できなかった。難しいですね。(後ろの河野通孝が失格して)厳しい結果になっちゃったけど…。明日また頑張ります」
 打鐘からカマした高橋和也が3着に粘る。
 「難しかったですね、(後ろの競りは)同県同士だし。たまたま出れたんでよかったけど、仕掛けるポイントが悪かった。鈴木君が来たときについて行けばよかったけど、反応できなかったので。最後は一杯で4(着)か5(着)と思いました」

<9R>

深谷知広選手
深谷知広選手
 前受けから下げた深谷知広は打鐘から一気に踏み上げると、2センターで松岡貴久を叩いてしまう。最終ホームで柴崎俊光が内へ斜行し、松岡が落車するアクシデントはあったが、出切った深谷はそのままハイペース。番手の浅井康太は大きく車間を空けて深谷を援護すると、ゴール寸前で差し切った。
 「上手く走れました。全部ひとつひとつ(動作など)確認しながら走っていました。2日目よりも状態はだいぶ上がってきていますね。ビッグに向けて間に合わせていきたい。1日休みが空いていたのはあまり関係ないですよ。200歩くらいしか歩いてないし、あとは布団の中にいました。深谷もいいレースをしてくれたので、車間を空けていました。武雄の直線も考えて予想どおり交わすことができた。脚は動いていないけど、脳は動いています(笑)」
 深谷知広(写真)が2着に粘り込んで中部ワンツーが決まった。
 「とりあえず先行できてよかったです。1日休みだったことで疲れが取れて回復しました。ちょっとずつ思うように動けていると思います。今日はなるべく(バンクの)上を走って別線に粘られないようにと。ハンドルを換えたのはいい方向に出ていると思います。まだ使いこなせていないけど、これから自分のモノにして微調整していきたい」

<10R>

村上博幸選手
村上博幸選手
 後ろ攻めの南関勢の上昇に対して誘導員を残して吉田拓矢が車を下げるが、その吉田を稲垣裕之がフタをする。稲垣が打鐘から前に出ると、すかさず巻き返しに行った吉田は岩津裕介と接触したこともあり加速しきれない。腹を決めた稲垣がペースを上げると、吉田は不発に。稲垣マークの村上博幸(写真)が直線抜け出し決勝進出一番乗りを決めた。
 「今シリーズは(地元の)向日町記念のあとで落ち着いて走れている。ライン3人で決められなかったことは反省点。あれ以上(踏むことを)待つと、(稲川)翔のコースがなくなるので判断が難しかった。前2走が自動番組であったことも自分にとってはよかったと思う」
 近畿3番手を回った稲川翔が直線外を回して2着に食い込んだ。
 「稲垣さんが別線を出させずに駆けてくれたので、最後はしっかりと外を踏んで勝負しようと決めた。結果的にベストの選択だったかはちょっとわからないけど」
 近畿後位に切り替えた木暮安由は2センターから外を踏んだが伸びを欠く。その後ろから直線中を鋭く割った松谷秀幸が3着で嬉しいビッグレース初優出を果たした。
 「最後は落車覚悟で突っ込んだ。(鈴木)裕さんは位置取りもできるので組み立ては任せていた。日頃から最後まで諦めない競走を続けていたから、この結果につながったのかな」
 逃げた稲垣裕之は惜しくも4着で決勝進出を逃した。
 「周りの流れ次第で先行する準備もしてた。(吉田の)巻き返しが遅かったので先行しようと思った。今日の展開なら3着に残らないと。まだまだ力不足です。直線の長い武雄ですし、末が甘くなった」

<11R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 赤板の2コーナーで先頭に立った山田久徳を竹内雄作がすかさず叩いて主導権を握る。山田久は坂口晃輔を強引に飛ばすが、前の竹内とは大きく車間が空いてしまう。その隙を見逃さずに新田祐大(写真)が8番手からスパート。車間を詰める勢いで竹内に迫ると、直線一気に抜き去ってシリーズ3連勝を飾った。
 「すごい早くて、目まぐるしい展開でした。打鐘からホームにかけて緩んで、そこでしっかり仕掛けられました。すごく疲れているなかで何とかここまで勝ち上がれました。周りからはすごく調子がいいように見られるかもしれないけど、まったく調子はよくないし、疲れのなかでの戦いです。全レース、気持ちで走っています」
 村上義弘は山田を見切って最終2コーナーから前に踏み込む。北日本コンビを追う形から最後は守澤太志を交わして2着に。
 「久徳が作ってくれた展開のおかげです。(山田久が)苦しそうな感じだったし、南(修二)も付いているので、追い上げないといけないと思いました。怪我をしてまだ1カ月ちょっとなので、ベストの状態ではないけど、徐々によくなってます」
 新田を懸命に追った守澤太志は3着。5月の日本選手権に続き、3度目のビッグ優出を果たした。
 「新田君のおかげですね。一番いいタイミングで、しっかり仕掛けてくれました。新田君を内だけしゃくられないようにして、2着はなんとかキープしたかったけど、(村上に)食われちゃいましたね」
 逃げた竹内雄作は4着で決勝進出を逃した。
 「(新田を)合わせ切れたと思ったんですけどね。強すぎます。自分のペースで駆けて残れないのは力不足です」

<12R>

平原康多選手
平原康多選手
 打鐘で先頭に立った原田研太朗をすかさず叩いた平原康多(写真)は、小松崎大地を受けて3番手を確保する。バックまくりは渡邉一成に合わされてしまったが、番手に入り直すとゴール前で逆転した。
 「思い切り行ったけど、一瞬で(渡邉に)合わされた。あれだけタテがある人がサラ脚なんでね。勝負に行ったけど、越えるのはなかなか厳しい。まだまだ力がないです。(渡邉につき直してから)そこは意地でいきました。いいレースができてるかは自分で判断できないけど、力は出し切れてるんで」
 2着に敗れたとはいえ真後ろからまくって来た平原を合わせた渡邉一成のダッシュはさすがだった。
 「僕がうまく仕事できればよかったけど、真後ろからだったし、大地さんの気持ちも無にできないので。中途半端に行って(平原に)締め込まれてもダメだし、踏むときは目一杯踏ませてもらいました。(1日休んで)体は楽になりましたね。(決勝は)僕が前で頑張ります」
 平原マークの諸橋愛が3着で決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「恵まれました。(平原の)必勝パターンですよね。久しぶりに決まった、康多と。いつも僕と一緒の時に必勝パターンを作ってくれるとありがたいけど(笑)。今日は展開がよかったって感じ。付いてるだけでした。僕もそんなに(状態は)悪くないなと。感触はあるんで」
 単騎の伊勢崎彰大は周回中から関東勢に続く形に。4番手から直線懸命に踏んだが、前を交わすことはできなかった。
 「北の後ろも考えたけど、それじゃ見え見えになるし、平原が3番手なら追い上げても飛ばされると思った。平原の仕掛け待ち、そこのワンチャンスだけでした。仕方ないな。でも楽しみました」