『第75回高松宮記念杯競輪・第2回パールカップ(GI)レポート』 初日編

配信日:6月11日

 伝統の東西対抗とガールズGI。岸和田競輪場を舞台に令和6年能登半島地震復興支援競輪・大阪・関西万博協賛「第75回高松宮記念杯(GI)」、「第2回パールカップ(GI)」が、6月11日に幕を開けた。高松宮記念杯シリーズの一次予選1では古性優作、松浦悠士、深谷知広、新山響平のS級S班の4人が白星スタート。また、パールカップの予選では、坂口楓華、當銘直美、石井貴子、飯田風音が1着で準決に弾みをつけた。6月12日のシリーズ2日目には残りの一次予選1と2走目の一次予選2。パールカップでは早くもファイナルをかけた準決で激戦が繰り広げられる。
 シリーズの開催中は毎日、東西ガチンコ予想会、岸和田グルメフェスティバルなどが行われます。また、6月12日の2日目には「高木真備・白井美早子」のトークショーなども予定されています。岸和田競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

開会式
開会式
敢闘宣言をする福永大智選手と日野未来選手
敢闘宣言をする福永大智選手と日野未来選手
昨年の覇者、古性優作選手から優勝杯の返還
昨年の覇者、古性優作選手から優勝杯の返還
前年度優勝の児玉碧衣選手から優勝杯の返還
前年度優勝の児玉碧衣選手から優勝杯の返還
25回連続出場で表彰を受ける香川雄介選手
25回連続出場で表彰を受ける香川雄介選手
20回連続出場で表彰を受ける小倉竜二選手
20回連続出場で表彰を受ける小倉竜二選手

<1R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 前受けの吉田拓矢(写真)も突っ張り気味に踏むが、別線の宿口陽一が赤板2コーナー手前で強引に切って出る。そこを山崎芳仁に合わせながら踏んだ北井佑季が叩いて打鐘で主導権。後位が内から宿口、鈴木裕、山崎の3車で重なるが、浮いた山崎は下げる。宿口と鈴木で番手がもつれて、最終ホーム手前で吉田が踏み上げる。逃げる北井もペースを上げて、吉田は踏み勝つも遅れ気味の宿口をキメながら番手にスッポリ。北井に吉田、神山拓弥で4番手以下を離して、バックを通過する。勝負は前の3人に絞られ、番手から追い込んだ吉田が1着。
 「(自分のラインの)後ろが北井さんだったので、一番嫌な展開になるかなと思ったので、1回踏んでペースを上げた方がもつれるかなって。前の隊列が短くなったので、とりあえず行ってみようと思っていったら北井さんに合わされた。それで臨機応変にいきました。ヤバいかなって思ったんですけど、反応は無意識にできているので状態はいいと思います」
 赤板では内に包まれていた北井佑季だったが、外の山崎を弾きながら敢然と主導権取り。後ろがもつれて吉田にハマられたものの、2着に逃げ粘った。
 「発走機を思い切って出てみて、前の方で取れた位置からって感じでした。前が取れれば一番単純なレースができたと思うんですけど、自分はスタートが早くないので取れなかったですね。細切れで、前の吉田さんの突っ張りもあるかなって。(別線が)切ったところをいく準備と、いろいろと考えながらでした。(番手がもつれたのは)見えていました。自分が出切ってからはしっかりとゴールまでペースを考えていったんですけど、吉田さんが強かったです。最後は(別線が番手に)ハマったとはいえ差されたので、踏み直しがまだまだかなって思います」

<2R>

寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 赤板過ぎに山田庸平が切って、そこを順番通りに動いた寺崎浩平(写真)が押さえて先行態勢を取る。山田は近畿ラインを受けて4番手を確保。7番手に置かれた佐々木豪が、打鐘3コーナー過ぎから巻き返す。佐々木の反撃を察知した寺崎が踏み上げて風を切る。寺崎が合わせ切って、最終1センターで番手の三谷将太が佐々木をブロック。中団の山田は、浮いた四国勢にかぶって出られない。2センターから山田が追い込むも、逃げる寺崎のスピードは、直線に入っても衰えない。三谷を微差で振り切った寺崎が1着。
 「(別線が)切った上を切ってから、先行しようと考えていた。出切ってからバックも軽かったし、回していて、(佐々木)豪の出方を見て踏んだ時に一緒に踏めば合わせられるかなと。久しぶりに先行したけど、感じは良かったので、体の状態はすごくいいかなと」
 近畿ライン3人で上位を独占。番手で佐々木を阻んだ三谷将太が2着。
 「寺崎がめちゃくちゃ強かった。(ここに向けての合宿で)一緒でしたけど、練習通りに強くて、その脚を出してきた。抜いたと思ったんですけどね。高松宮記念杯はもともと滋賀(大津びわこ競輪場)でやっていたし、そこだけを目標にずっとやっている」

<3R>

新山響平選手
新山響平選手
 スタートで大森慶一が出るも、佐々木悠葵、佐々木龍が内から出て北日本勢は後方に構える。新山響平(写真)が赤板2コーナー手前で先頭に立ち、インを進出した佐々木悠が打鐘で4番手に下げる。一度は6番手付近まで引いた松井宏佑だったが、内から盛り返して4番手で佐々木悠と併走で最終ホームを迎える。新山がうまくペースを握り、徐々に踏み上げる。4番手の決着がつかないままバックを通過して、流れは北日本ライン。番手の守澤太志を新山が振り切った。
 「(周回中は)前が良かったんですけど、(ラインのなかで)一番外枠の大森さんに負担をかけてしまった。自分でスタートを取れるようにならないと。(結果的に後ろからになって)松井さんに突っ張られるかと思ってたら引いてくれた。(佐々木悠と松井の)中団併走も見えて、落ち着いて駆けられた。バンクも軽かったですね。まだやっぱり修正したいところがあるんで、体の方の修正をしたい」
 番手絶好。守澤太志にとっては願ってもない展開だったが、新山を交わせずの2着に立て直しは必至のようだ。
 「僕の調子が悪すぎた。でも、中団がもつれてたんで、僕らにとっては良かった。(前回の)落車の影響もあるし、最近の調子もあって、ただ(自分が)弱かった。(最終)バックでは差せない雰囲気があった。やっぱり競走になると少しのズレが大きなものになってくる。(2走目以降に向けて)修正しないとちぎれてしまう。ラインに迷惑を掛けないように修正しないと」

<4R>

山田久徳選手
山田久徳選手
 前受けの北津留翼が志田龍星を突っ張り踏み合ったところを、島川将貴が赤板2コーナーで押さえる。窓場千加頼は迷うことなく踏み込んで打鐘で先頭に立つ。近畿ラインが出切り、島川がすんなり4番手。6番手で北津留と志田がからんで、窓場は先行の腹を固めてペースで駆ける。最終ホームを通過して、タイミングを取った島川が、2コーナーからまくりを打つ。が、番手で間合い取った山田久徳(写真)に阻まれる。島川をブロックした山田が、ゴール前できっちりと窓場を差し切った。
 「ジャンからはすごい掛かりで、(最終)バックでは(別線は)来られないだろうなっていう感じでした。ゴール前は僕に余裕がなくて、松村(友和)さんまで連れ込めなくて失敗しました。あそこ(島川がまくりにきたところ)は仕事をしてっていう感じでしたけど、自分の技量不足と脚力のなさが出ました。(窓場とは)久しぶりの連係だったんですけど、最近の成績通りかなり強かったですし、頼もしかったです」
 北津留と志田のもつれをしり目に、乗れている窓場千加頼は臆することなく先行策で結果を出した。
 「初手で中団が取れたら誰かが切った上を叩こうと思っていました。ライン的にも長いですし、地元の先輩もいたんで先手を取った方が堅いと思いました。どこが掛かっていたとかはないんですけど、ゴールまで踏み上げていく先行だったと思います。後ろは信頼している先輩方だった。ちょっと重いなっていうのはありますけど、長い戦いなので修正力が試されると思う」

<5R>

飯田風音選手
飯田風音選手
 打鐘過ぎに鈴木美教が切る。そこをさらに石井寛子が出て先頭に立つ。スローペースのなか3番手は、山口真未と飯田風音(写真)で併走になり最終周回へ。外の飯田が下げて、スペースができた山口は1センターから仕掛ける。インを押し上げた尾崎睦を制して、2コーナーで出切った山口を飯田が追いかける。3番手で態勢を整えた尾崎は、まくりで前の2人に襲い掛かる。2番手で尾崎に合わせながら追い込んだ飯田が、ゴール前で抜け出した。
 「1着を取れるようにと考えていました。(山口が仕掛ける気配は)ありました。落ち着いてレースを走れています。(好成績の要因は)なにも変えていないけど、レースを落ち着いて見られるようになりました。(1着で)すごくうれしい」
 包まれて立ち遅れたかに思われた尾崎睦だったが、前々に踏んで山口、飯田を追いかける。最終3コーナーからはまくって飯田に迫った。
 「メンバーを見て難しいと思っていて、(作戦は)細かく考えられなかった。考えすぎないように出てから決めようと思いました。飯田さんのところは後ろに引くか迷ったけど、引くとリスクが高いし、内を行ってもリスクが高くて、見送ってしまった。走る前は重いと思って体調はどうかと思ったが、アップでできることをやってレースは軽く感じた。悪くないのかなと思います。GIは何度か走っていて、勝ち上がらないと意味がない。タイトルを獲りにきているので、体調を整えてできる限りのことをしたい」

<6R>

坂口楓華選手
坂口楓華選手
 打鐘2センターで太田美穂が先頭に立ち、竹野百香、尾方真生、坂口楓華(写真)、柳原真緒で続く。山原さくらは車間を空いた6番手で最終ホームを迎える。外に出した坂口だったが、前の尾方の動きを見て付け直す。1センター過ぎに尾方が仕掛けて、坂口、車間が空いて柳原。2番手から竹野も出るが、尾方がスピードの違いで一気。まくり切って直線で踏み直した尾方を、坂口がわずかにとらえた。
 「GIなので位置にこだわってと思っていました。このために(選考順位の)位置を上げてきて、1枠にいられるようにと。ただ、このメンバーだと(組み立てを)考えても仕方ないので、相手にプレッシャーを与えられる位置だけを考えていた。(仕掛けて行くのは)尾方さんか、山原さんの2択だった。自分も動く立場だったので、焦りだとかも含めていろいろわかっている。自分で(仕掛けて)行きかけたけど、尾方さんが行ったので無理やり行かないで良かった。(最後はあれで)差せなかったら恥ずかしいなっていうのがありました」
 太田、竹野と積極的な2人を射程圏に入れて、尾方真生が3番手まくりで予選をクリアした。
 「竹野さんか太田さんが動くかなと。それにまくりでいけたらと思っていた。昨日(前検日)、山田英明さんと話して、レースは無心で思い切りいった方がいいと言われた。それを意識して走りました。踏み出しはここ最近ではいいと思う。いつも初日がダメだった。今日(初日)は突破できたんで明日も頑張りたい」

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石井貴子選手
石井貴子選手
 2番手の久米詩が、前の青木美保との車間を大きくとって打鐘を通過する。ペースは上がらず、タイミングをうかがっていた5番手の奥井迪が2センターからカマシを打つ。最終ホーム過ぎに奥井が主導権を奪い、石井貴子(写真)、吉村早耶香まで後方にいた3人がそのまま出切る。飛び付いた青木はいっぱいで、久米が2コーナー手前から追うも前は遠い。バックで久米は車間を詰め切れない。3番手の吉村は、2センターから追い込む。2番手の石井は冷静に直線の入口から追い込んで1着。
 「(周回中の位置取りは)出てみてどうなるかなって感じでしたけど。奥井さんの後ろにハマることができたので、位置に恵まれたのかなって思います。(久米が前の方で車間を空けて待ち構えていたが)自分も前の方にいたとしたら番手に飛び付きを狙うと思うので、しっかりこの位置を守っていこうと思っていました。去年はこのレースを走っていませんし、まずは1本目しっかり走れたと思う。一本、一本、集中してちゃんとやろうと思っています」
 スローペースをカマシ一撃で仕留めた奥井迪が2着。
 「久米さんが飛び付きを狙ってくるだろうなって想定はしていた。思っていたよりも早めというか、(ある程度)思っていたタイミングではあったんですけど。思いっ切り踏もうと思っていました。山原(さくら)さんに時が来たよって言ってもらっていたので、強い気持ちをもってでした。出切ってからはいつも踏みすぎてしまうんですけど、まくりに来たら合わせられるぐらいで踏めた。最後は抜かれてしまったんですけど、自信をもっていけたと思います」

<8R>

當銘直美選手
當銘直美選手
 周回中、5番手のポジションを取った児玉碧衣は、前団のペースを見極めて仕掛けのタイミングを計る。打鐘3コーナー過ぎから7番手の吉川美穂がインから押し上げて、児玉の後ろは吉川と當銘直美(写真)で併走。先頭でペースを握る小林優香が警戒するも、児玉はダッシュを利かせて4コーナーからスパート。3番手の日野未来も合わせて踏むが、児玉が出切り駆ける。外併走で吉川に踏み勝った當銘が児玉に続き、日野が3番手。風を切る児玉のペースに、後方の選手は圏外。そのまま児玉が押し切るかに思われたが、當銘が追い込んだ。
 「位置の取り方にはリスクがあったけど、チャンスがあるならしっかり位置を狙っていった。一番力のある自力選手(児玉)の後ろを取るのが自分のセオリー。(児玉の後ろは)何がなんでも死守しようと思った。(踏み出しは)めちゃくちゃ集中しました。内から日野さんが来ているのもわかったけど、(児玉)碧衣さんの追走に集中した。差せると思っていなかったけど、昨年、苦い思いをしたので勝ち上がれて良かった」
 2着に敗れた児玉碧衣だが、内容の濃い走りで予選をクリアした。
 「(周回中の位置は)気にしていなくて、取れたところから組み立てようと考えていた。踏み出しが良かったし、座ってからも踏めていたけど、(最終)4コーナーを回って風が強くて踏み直しができなくて、今後の課題なのかなと。今日(初日)刺激が入ったので、明日は良くなるかなと」

<9R>

平原康多選手
平原康多選手
 4番手の眞杉匠、7番手から根田空史も赤板過ぎに踏み上げるが、前受けの菅田壱道もペースを上げる。中団に戻った眞杉は、根田を7番手に置いて打鐘手前から仕掛ける。眞杉が主導権を奪い、平原康多(写真)、鈴木竜士まで出切り、菅田は4番手に入る。眞杉が好ピッチでリズム良く駆けて、隊列は一本棒。根田も動けない。番手で車間を空けた平原が、別線の反撃に備える。菅田が追い込むも、平原が勝機をモノにして、42歳のバースデーを白星で飾った。
 「今日(初日)のバンクコンディションを見たら、前半は前に出たら決まっている感じだった。眞杉が出たら決まるでしょうし、根田に出られたらヤバいかなっていうのがありました。(眞杉との連係は)前回の前橋でレースの感覚がわかっていた。余裕があるわけじゃないけど。ただ、菅田に2着にいかれた。眞杉を残したかったですね。前回の疲れか、そのあとの練習なのか、体が重い感じがする。ケアして日に日に取っておきたい。(42歳の誕生日だったので)終わってみれば良かった」
 4番手を確保した菅田壱道は、掛かりいい眞杉の先行にまくりが出ない。追い込みでの2着だけに、反省を忘れずに振り返る。
 「眞杉君が外柵のギリギリまで(根田を)もっていってた。(眞杉と根田が)一緒に来られたらマズいと思って、そこは集中していた。打鐘は突っ張るか迷ったけど、突っ張ると根田君のカマシごろになってしまうので。そのあとは眞杉君の掛かりが良くて、まくり追い込みになったのが反省ですね。眞杉君はとんでもなく掛かってた。それにプラスして平原さんも車間を切っていた。4番手(流れ込みの)4着は良くないので、1人でも交わせて良かった」

<10R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 犬伏湧也に併せ込んだ福永大智は、赤板手前で外併走から再度踏み込んで先頭に立つ。7番手の犬伏は打鐘手前からの反撃。福永もフルアクセルで抵抗するが、最終ホームでもう一度加速した犬伏がねじ伏せる。松浦悠士(写真)の追走も、3番手の隅田洋介をさばいた三谷竜生が切り替えて2人を追いかける。しかしながら、スピード抜群の犬伏に、三谷はなかなか詰まらない。押し切り図る犬伏を、番手で車間を空けた松浦がきっちり差し切った。
 「スタートは福永君が早いので、理想の位置は取れないと思っていました。(犬伏は中団に)降りるというよりは休んだ感じで、もう1回行くだろうと準備はしていました。(最終)バックで後ろを確認したら(犬伏との車間が)空きすぎてしまったので、そのままちぎれるかと思いました。ちょっと許容範囲を超えた。犬伏君はもう少しタレてくるかと思ったんですけど、踏み直せていましたし、航続距離も伸びていていい走りだったと思います。(自分は)思いのほか状態はいいのかなと」
 持ち前のパワーで別線を完封した犬伏湧也の動きの良さが光った。
 「(赤板過ぎに)嘉永(泰斗)さんが踏む感じだったので、状況をみながら落ち着いてでした。(中団が)空いているのがわかったので、1回休んでもう1回仕掛けどころをみてって感じだった。(風は)ホームが向かっているのでそこで叩ければチャンスあると思っていた。踏んだ感触は良かったです」

<11R>

深谷知広選手
深谷知広選手
 青板3コーナー付近から前団が密集。内から坂井洋、深谷知広(写真)、高橋晋也の機動型3人で赤板過ぎに踏み合い。最内の坂井は深谷を突っ張り、北日本勢を受ける。打鐘3コーナーで4番手が坂井と深谷の併走。高橋が飛ばして逃げる。深谷が4番手を取り切り、最終ホームでは今度は深谷後位が岩本俊介と坂井で重なる。態勢を立て直すのに時間が掛った深谷は、バックからまくり上げる。深谷はエンジンがかかると豪快に前団をのみ込んで突き放した。
 「(赤板で坂井)洋が内で頑張っていたので、かなりキツかった。(仕掛けて)行くべきところは(最終)2コーナーだったが、かなり脚を使っていた。岩本さんが外に差し込んでいたのもわかったので、そこまでためました。良くはないけど、1着を取れているし思ったよりも悪くない」
 最終ホーム手前では坂井との併走になった岩本俊介が、外に差し込みながらコーナーを回り深谷のまくりに食い下がった。
 「深谷が気をつかってくれてツケマイしやすいようにしてくれた。おかげでラインで決められた。赤板と気をつかってくれたところは、レースの大きいポイントでした。厳しいレース内容で深谷に続いての2着なので、脚の感じは悪くない」

<12R>

古性優作選手
古性優作選手
 伊藤颯馬が押さえて、その上を赤板2コーナー過ぎに取鳥雄吾が出て先行策。別線の2つのラインにとっては思惑通り、古性優作(写真)を7番手に置いたが役者が一枚上だった。打鐘2センターから仕掛けた古性に合わせて、取鳥もペースアップ。しかしながら、空いた中団で小休止してから、古性は再度、最終2コーナーからまくる。逃げる取鳥をあっさりとらえた古性が、地元で白星スタートを切った。
 「前は取りたくなかった。でも、(スタートで)けん制が入ってしまった。(7番手になってからは)とにかく伊藤君より先に仕掛けることだけを心がけていました。取鳥君の掛かりがすごくて、思ったよりも車が出なかった。自分の感覚よりも踏めているけど、自転車を出すのがキツかった。取鳥君が強かった。状態はいいと思うし、これで負けたら自分の力不足ですね」
 最終2コーナー手前で伊藤にもってこられた南修二だったが、さすがの対応力で古性マークを死守。落車明けの復帰レースで、古性に半車輪まで詰め寄った。
 「(古性の)追走に専念している感じでした。(古性の踏み出しは)さすがでした。自分は(前回から)1カ月以上空いたんで、前半はケアして後半は練習ができた。脚の方は、落車する前と変わらないと思います」

<<2日目>>

<1R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は、前回の全プロ記念を62着。最終日は逃げた北井佑季の番手で絶好の展開も2着だっただけに、それをふまえて、こう振り返る。
 「ここに来る前の2、3日は調整はしたけど、それ以外は追い込んで練習はしました。あとは疲れが抜ければいいかなと思います。(レースでは)その都度、その都度で臨機応変にやって、瞬時の判断をしていかないといけない。そこをもっともっと上げていかないと」
 前回の日本選手権から1カ月以上空いた武藤龍生は、復帰がいきなりのGI。ブランクをどう乗り越えていくのか、まずは一次予選1に注目したい。
 「ダービー(日本選手権)が終わったあとに、鎖骨のワイヤーを抜く手術をした影響もあった。それで伊東は欠場しました。鎖骨骨折は3回目ですけど、前回ワイヤーを抜いてすぐに復帰したら良くなかった。今回は時間をかけて調整して、練習もしてきました」

<2R>

藤井侑吾選手
藤井侑吾選手
 直近の2場所は6戦5勝。前回の富山FIでは3連勝の完全Vの藤井侑吾(写真)は、21年11月の競輪祭以来、2度目のGIの舞台になる。今シリーズは、ビッグ未勝利からの脱出にも期待がかかる。
 「前回を走ってから1週間ちょっと空いて、しっかりとここに向けて練習をやってきました。(近況は)決勝にも乗れて優勝もしてるので、状態は悪くない。(GIが2回目で)気負いもせずに、自分らしいレースができれないいかなと」
 前回の全プロ記念では連勝でスーパープロピストレーサー賞を勝った清水裕友だが、コンディションは一息だったようで、前橋記念を欠場した。
 「全プロ記念の時は体調が悪くて、腰痛とかが出た。体調を治したくて(前橋記念は)欠場しました。もう体調は治って練習もできました」

<3R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 2月の全日本選抜の最終日に誘導の早期追い抜きで長期の戦線離脱を強いられた新田祐大(写真)は、前回の前橋記念から復帰。いきなり3勝を挙げて、あらためてそのパフォーマンスの高さを見せた。
 「前橋に向けて調整をしていった感じです。競輪が久々だったんで緊張感もあったけど、(初日、2日目と連勝で)1着を取れたんで良かった。(状態は)問題ない」
 佐藤慎太郎は、前回の前橋記念で新田と2度のタッグ。同県の後輩、グランドスラマーと数多の連係をしてきた佐藤にとっては、新田の存在が原動力の1つでもある。
 「前回も新田と走りましたけど、強いし迫力がある。(一次予選も)しっかりと付いていきたい。自分は、前橋の時にある程度、状態が上向いているなって感じた。その状態はキープできているんじゃないかと思います」

<4R>

脇本雄太選手
脇本雄太選手
 全プロ記念29着から2週間のローテーション。復調への兆しを感じている脇本雄太(写真)が、慎重に現状を説明する。
 「全プロ記念が終わったあとは、福井が改修工事で使えなかった。それで大垣にいったり、いろんなことをやった。治療もしたりして、全プロ記念の時よりも痛みが減って良くなっている。ただ、練習量は満足いくものではないので、どうかなっていうのがあります」
 河端朋之も脇本と同じく、全プロ記念から中2週空いた。全プロ競技大会ではスプリントで優勝。その後は状態を維持して、まずまずの仕上がりだろう。
 「良くも悪くも状態は変わらずですね。練習の強度を少し上げたりもしましたけど、腰の状態が悪くなるということもなくこられました。岸和田はちょうどいいところにビジョンがあるから、走りやすいですね。相手は脇本君ですけど、自分は誰が相手でも持ち味を出せるように頑張るだけなので」