『第64回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:6月12日
 明日から岸和田競輪場で第64回「高松宮記念杯競輪」が開幕する。今年のG1戦線もいよいよ折り返し地点。全日本選抜優勝は平原康多、ダービーは村上義弘が制しているが、今回は果たして誰がタイトルに輝くか。明日から始まる熱戦から目が離せない。
 本場ではイベントも盛りだくさん。開催中は毎日、山口幸二氏、井上薫氏によるレース直前予想ガチバトル(4、8R終了後)、タカシェンカによる大道芸(1、3R終了後)やグルメイベントなどが予定されています。さらに先着入場1008名様に3連単車券もプレゼント。明日から始まる「高松宮記念杯競輪」をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
菅原晃選手
菅原晃選手
 5月全プロでもスーパープロピストレーサー賞に勝ち上がっている菅原晃(写真)。今回はそこから1カ月近い時間が空き、上積みが望めそうだ。
 「ダービーの落車から復帰して、万全じゃない中でもこれだけやれたのは自信になりました。たっぷり空いたので練習もしっかりできましたよ。ここ最近では良い状態だと思います」
 加藤慎平は今月一杯でS級2班ともお別れ。「結局、予選はほとんど走ってないけどね」と言いながらも、前回の5月取手でも2勝を挙げるなど状態もよさそうだ。
 「1レースだし、金子(貴志)先輩と一緒なので、おはようダッシュですね。吉村(和之)先輩は1班で点も上なのに気持ちよく前を回らせてくれた。頑張りたいですね」

<2R>
池田勇人選手
池田勇人選手
 最近の池田勇人(写真)はグレードレースでも存在感を見せている。前回の静岡F1からは1週間ほど「疲れがどうかな?」と話すが、「状態は引き続き悪くない」なら期待が持てそうだ。
 小埜正義は5月名古屋、6月静岡とF1戦を連覇している。
 「練習は普通にやってきました。ただ僕は普段ピストに乗って練習しないので、感じは前検日にピストを乗ってみてですね。調整なしだし何とも言えません。でも、自分らしいレースでしっかり頑張りたいですね」

<3R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
 注目は原田研太朗(写真)だ。今回がG1初参戦。いきなり小倉竜二との連係となり、「嬉しいですね」と笑顔を見せた。
 「函館のあとは風邪をひいたし、体調を見ながらの練習でした。やれることは先にやってたし、いい休養になったと思ってます。地元記念に弾みがつく走りがしたいですね」
 吉田敏洋も前回の取手で優勝といい状態で今大会を迎えた。
 「悪いときはどこで何をやってもダメだけどね。5月の小倉は決勝に乗れなかったけど、追加でも走りたいと思ってた。取手まで中2日になったけど、走ってよかったなと思ったし、取手ではそれが形として出ましたね。僕はこのあとオールスターまで大きなレースに出られないので、ここをしっかり頑張りたい」

<4R>
根田空史選手
根田空史選手
 今は走るたびに評価が上がっている感のある根田空史(写真)。G1では2次予選が壁になっているが、今回こそはその壁を突破したい。
 「函館記念のあとは普通にですね。ちょっと追い込み気味にもやったし、練習の感じは変わらず来てます。今回は函館の2日目から使ってる4.15のままで行こうと思ってます。こっちのほうが函館よりも軽いので大丈夫でしょう。岸和田は今年これで3回目。成績もいいし、楽しみですね」
 鈴木謙太郎は全プロのあと2場所欠場。状態は戻ってきているようだが、慎重なコメントに終始した。
 「股関節の痛みはなくなりました。でも休んでる間にバックがすごく減りましたね。練習の感じはまあまあよかったけど、練習と競走は違うので。まずは走ってみてですね」

<5R>
園田匠選手
園田匠選手
 園田匠(写真)はここ岸和田で全プロ競技のケイリンを優勝したばかり。イメージのいいバンクでのG1戦に自然と顔もほころぶ。
 「前回の函館を無事に乗り切ったのが大きかったですね。去年の(函館)宮杯で落車してから、この1年は苦労したから。今回は4.08で練習してきたし、状態は変わらずいいと思います」
 吉本卓仁は途中欠場した平塚記念以来、1カ月以上ぶりの実戦となる。
 「ウイルス性の急性腸炎でした。それで体重が5キロ落ちたけど、練習ではすごく感じがよかったんです。でもその後に体調を崩してさらに2キロ落ちてからはいまいちですね。地元記念までにと思ってたし、今回は雰囲気を楽しみたい。最近、新しい整体の先生についたので、今回どういう感覚で走れるかも楽しみです」
 最近は勝ち切れないレースが続いている渡部哲男は「別府記念で使ったフレームに戻します。来る前にセッティングを戻したら、感じがよかったので」。久々の勝ち星をゲットできるか。

<6R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 渡邉一成(写真)は先月の当所全プロ以来となる実戦となるが、充実した1カ月を過ごしたようで表情には自信の色が。
 「ここへ来てようやく安定して練習できるようになった。前回の岸和田も初日は感じよく踏めてたので。今回も疲れさえなければ問題ないと思う」
 佐藤慎太郎は絶好の目標を得た。
 「う~ん、油断しないようにしないとね。一成のダッシュがいいし、(神山拓弥や桐山敬太郎の)ヨコも気を使わないといけないから。僕は全プロのあとはずっと沖縄本島に行ってた。モガいた感じもよかったですよ」
 桐山敬太郎はダービーの落車から復帰2戦目。
 「前回は自分のレースはできてる感じはあったけど、そこからの脚がまだまだでした。そこから中3日ですからね。宮杯は思い出の大会だし、いい結果がでてる。今年は分からないけど、できるかぎり何かしたい。今回は届いたばかりの新車でいきます」

<7R>
前田拓也選手
前田拓也選手
 函館記念では敗者戦を連勝で締めた前田拓也(写真)。直前の感じもよかったようで、明るい表情で地元ビッグの前検日を迎えた。
 「直前にここで練習したときは稲垣も(村上)博幸もみんな差しました。競走形態の練習でいい感じで入れましたね。函館で村上兄(義弘)にアドバイスをもらって、ハンドルを鉄に換えたら、それがいい方向に出た。調整もバッチリですね。初日も稲垣にしっかりついていきたい」
 稲垣裕之は宇都宮記念のあとに一本欠場。それでも調整に狂いはないようだ。
 「宇都宮のあとに肩のガングリオンを除去する手術をした。2泊3日入院したけど、軽くなったし、いい休養にもなりましたね。直前もここに入って練習しました。そのときは拓也さんに差されましたけどね。初日もワンツー決まるように頑張りたいです」

<8R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 新田康仁(写真)は函館記念のあとに金子貴志、深谷知広らに混じって2泊3日の高地合宿に参加。精力的に練習してきた。
 「高地合宿は2泊3日。愛知勢を中心に13、4人いましたね。とにかく練習はキツかった。そのあとゆっくり休んだけど、疲れが抜けてるか分からないくらい。でも日に日によくなってくると思います」
 神山雄一郎は全プロ、宇都宮記念と惜しくも優勝を逃しているが、いい状態は維持しているようだ。
 「練習はいつもと一緒で。それなりに頑張ってやってきました。明日は牛山(貴広)がいるんでね、頑張ってもらいますよ」

<9R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 西の予選メーンを張るのは地元の稲川翔(写真)だ。別府記念の落車はあったが、ほぼ予定どおりにスケジュールをこなしてきたはず。本番を前に静かに口を開く。
 「ここに向けて、やれることはやってきました。調子とかはあまり気にしないし、やってきた成果を出すことを第一に考えて走ります。気負いすぎて失敗しないように。明日は水谷さんにお任せします。今は近畿の自力型がみんな強いので、自分が前でやる方が気持ちは楽ですが、与えられた位置でしっかり走ることが自分の持ち味ですから。ラインの力を出せるように頑張ります」
 水谷好宏は注目度うなぎ上りの機動型だ。
 「まだ2回目のG1なんで。挑戦者ですし、その辺はしっかり走りたいと思います。決勝に乗りたい気持ちはあるけど、やらないといけないこともあるので一戦一戦頑張るとしか。でも岸和田は走りやすいバンクだと思います」

<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 先月の全プロで見せた走りはまだ記憶に新しい新田祐大(写真)。その後も富山を完全優勝と勢いは止まることを知らない。
 「しっかり調整出来たし、今回も大丈夫だと思う。前場所もF1にしてはすごいメンバーで常に緊張感を持って走れたし、結果も出せた。G1前に良い体験ができた。G1では、行かないといけない場面でしっかり行けるかどうか。そこを逃さないように。岸和田は全プロで結果出せたけど、この前だけにならないように気を引き締めていく」
 番手を回るのは菊地圭尚だ。
 「前回の地元記念は悔しかったけど、その分今回頑張りたい。まだ脚の感覚と気持ちがかみ合ってないけど、原因は分かってるし、前回は地元で変に緊張した部分もあった。(決勝に乗った)ダービー初日も新田から始まりましたからね。今回も自信持ってるようなコメントをしてるみたいだけど、俺が(抜いて)ギャフンといわせますよ」

<11R>
南修二選手
南修二選手
 西の特選は白虎賞。南修二(写真)は地元勢から唯一の特選スタートとなる。
 「前回の松山F1では新車を試しました。悪い感じはしなかったけど、セッティングとかで頭を悩ますよりレースに集中したいと思って、今回は前の自転車に戻してきました。1カ月あっせんが止まったけど、その間に計画的に練習はできた。前回がヘッポコやったんで、今回はまずは優秀に上がれるように頑張りたいですね。」
 今年は全日本選抜、ダービーとG1は2連続準Vの深谷知広。今度こそ表彰台の真ん中に、ファンの期待も高まる。
 「宇都宮記念のあとはしらびそに高地トレーニングにも行った。しっかりした練習ができてるんで結果が出るといいですけどね。体調は問題ないです。今年はG1の決勝に乗れてるけど、勝ち上がりの内容がよくないので、そこはしっかり求めて走りたい」
 村上義弘は「函館のあとに熱が出た。まだ体調は戻りきってないし、厳しい状態でのスタートになるが何とか頑張りたい」と険しい表情。

<12R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 大会連覇のかかる武田豊樹(写真)は今年も青龍賞からのスタート。 「前回は4日間先行にこだわって走った。感触もつかめたし、収穫もあった」と宇都宮記念を振り返ると、大会に向けてはこう語った。
 「(宇都宮の後は)自分の身体と相談しながらトレーニングして宮杯の準備をした。全プロの最終日は確定板に乗れなかったけど、自分のなかで強いと思ってる新田(祐大)君と走れたし、手ごたえもありました。ひとつでも多くのタイトルを取りたいし、今回も一生懸命走りたい」
 佐藤友和は福島トリオと別線を選択した。
 「とりあえず分かれようかという話になりました。(武雄記念の落車から)体の動きや脚の感じはよくなってきた。前回も1着が取れてますからね。ただ反応の面では課題が残ってる。道中の組み立ても雑になってるので、その辺ですね」
 成田和也は目標不在のレースを制して函館記念を優勝。意気揚々と宮杯に乗り込んできた。
「前回は感じよく走れたと思うし、地元地区をいい結果で終われてよかった。函館の後はここに向けて新潟で調整してきました。岸和田は5月に走ってるし、そういう意味では不安なく臨めると思います」
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