『第64回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 初日編

配信日:6月13日
 いよいよ今日から岸和田競輪場で第64回高松宮記念杯が開幕した。オープニングレースからハイレベルな争いが繰り広げられ、白虎賞は浅井康太、青龍賞は佐藤友和が快勝。明日は龍虎賞をメーンに2次予選6個レースで準決勝進出が争われる。
 明日も山口幸二氏、井上薫氏による予想会(4、8R終了後)やタカシェンカの大道芸(1、3R終了後)。有名からあげ店によるガチバトルなどイベントが予定されています。明日もぜひ岸和田競輪場へご来場ください。
敢闘宣言をする南 修二 選手
敢闘宣言をする南 修二 選手
開会式
開会式
井上薫氏と山口幸二氏による予想トークショー
井上薫氏と山口幸二氏による予想トークショー
タカシェンカによる大道芸
タカシェンカによる大道芸
白虎賞ゴール
白虎賞ゴール
青龍賞ゴール
青龍賞ゴール
<1R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 オープニングレースは金子貴志(写真)劇場だった。後ろ攻めから先行態勢に入ると、別線の反撃を許さず押し切り。シリーズの好スタートを切った。
 「ちょっと重かったけど、力を出し切れました。ホームが向かってたので徐々に上げていくイメージで駆けた。4.33のギアもいい感じだと思う。(高地合宿の疲れもあり)今日を乗り切れば後半もっと体が動くと思ってたのでよかったです」
 加藤慎平は追走一杯。逃げた金子を絶賛する。
 「ホームで油断して千切れるかと思った。誘導も上がって楽じゃないのに金子さんが仕上がってますね」

<2R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
 池田勇人の動きに合わせて中団から動いた矢口啓一郎(写真)。打鐘でも池田が上がってこないと見るや、そのまま駆けてしまう。池田の反撃も退け、ラインで上位独占を決めた。
 「終わってみたら何で先行してたのかな? でもあのタイミングで引いたら7番手になると思ったので駆けました」
 勝った稲村好将は「展開一本。ホーム向かい風だったけど、矢口くんが踏めてました」と嬉しいG1初勝利となったレースを振り返った。

<3R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 原田研太朗が主導権を握るが、そこを吉田敏洋(写真)が一気にまくり上げると、小倉竜二のブロックも物ともせずに押し切った。
 「(原田の仕掛けが)遅ければやり合うのもしょうがないかなと思ってた。その辺は先行も含めて柔軟にやろうと思ってた。翼の先行はないし、8番(西川親幸)の切り替えも予想できてた。思ってる組み立てになりましたね。苦しかったけど、前がかかり切る前に行けたし、いい滑り出しができたと思う」
 志智俊夫は「小倉のブロックは来ると思ってたし、しのげてよかった」と2着の結果に安どの表情。
 北津留翼は「前回から使ってる自転車が前のよりいい感じで進んでる。体は普通ですけどね」。大外を伸びて4着で2次予選へ勝ち上がった。

<4R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 芦澤大輔(写真)が1カ月半ぶりの実戦を白星で飾った。打鐘から逃げた根田空史の3番手を確保すると、直線で鮮やかに突き抜けた。
 「今日はものすごく緊張しました。結果は良かったけど、組み立てはちょっと消極的でしたね。冷静に流れに対応することはできました。2センターから踏み込んで、車が出る手応えはありました」
 根田空史は鈴木謙太郎との激しい踏み合いを制し、2着に粘りこんだ。
 「ラインで決められなかったのは残念だけど、自分の仕事はできました。鈴木(謙太郎)さんが早めに来るのは予想していたし、早めに自分も踏んだんですが、ダッシュがあるから横まで来れましたね。自分のペースじゃなかったので、最後に踏み直せなかった。苦しかったです」

<5R>
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 吉本卓仁が打鐘過ぎから快調に逃げる。番手の園田匠がまくってきた渡部哲男をけん制すると、柴崎俊光が内を突いて両者でもつれる。さらにその後ろから山田裕仁が鋭く伸び切った。
 「柴崎君が頑張ってくれました。最後は惰性を殺さずに踏みました。結果的に柴崎と2人で勝ち上がれて良かった。思ったよりデキはいいし、戦えると思う」
 吉本卓仁(写真)は力強い先行策で2着に粘った。
 「復帰戦でレース前は不安もあったんですが、いい緊張感の中で走れました。すんなり駆けさせてもらえましたからね。ちょっと重かったけどバックは余裕がありました。復帰戦としての感触はあまりよく分からなかったです」

<6R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 後ろ攻めの神山拓弥は中団で渡邉一成と併走を選択。これで前受けの桐山敬太郎が主導権を握る形に。終始、うちに詰まっていた渡邉一成(写真)だが、一瞬空いた内を踏むとそのまま桐山をも交わして何とか1着。しかし、レース後は硬い表情を崩さない。
 「ふがいないです。神山君が仕掛けてくれればと思ったけど動かなかったし、自分の技量不足。恥ずかしいレースですね。ほんと下手なレースばっかりで…。後ろの人も今日みたいなレースを期待してないし、明日からしっかり走ります」
 神山拓弥は後ろ攻めになった時点でこの作戦を決めたようだ。
 「(初手が)あの並びになったので中団で一成さんと勝負するしかなかった。作戦どおりだったけど、2コーナーで仕掛けられなかったのが…」
 桐山の逃げに乗った望月永悟が3着に。
 「桐山君があそこまで行ってくれたので。もっと車間を切れてれば、(前も後ろも)いい着だったんじゃないかな。でも、みんな強いですね」

<7R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 稲垣裕之と松岡貴久が中団でけん制すると、前受けの三宅達也が打鐘過ぎから突っ張り先行。岩津裕介(写真)が絶好の展開を生かした。
 「達也さんの判断が全て。いい判断をしましたね。けっこうかかってたし、落車もあったから(ラインで)決まるかなと思った。流れが向いてきましたね。大事にしたいです」
 突っ張った三宅達也はしてやったりの表情。
 「ほんとは来たほうの番手勝負と思ってたんですけどね。ちょっと踏んだら、中団争いが始まったので。突っ張って正解でした。残れてよかったです」
 2着の稲垣裕之は「2コーナーで行きたかったけど、行けなかった。併走で脚も使ってましたね」とレースを振り返った。

<8R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
 細切れで出入りの激しいレースになったが、打鐘過ぎ2センターから上手く牛山貴広が主導権を奪う。番手の神山雄一郎(写真)は今日がデビュー通算2000走目。牛山後位から抜け出すと、1着で節目を飾った。
 「今日で2000走目? さすがにそこまでは分からなかった。それなら勝ててよかったです。でも入れ替わり立ち代わりでキツかったね。牛山が強かったんですよ」
 牛山貴広は2着の結果にも納得の表情。
 「細切れだし前々にいようと思ってた。仕掛けようと思ってたのであそこで行けたと思うけど、(コースも)空いててラッキーでした。ラインで決まったのが一番。走るほど調子が上がるタイプだし、明日のほうがもっといいと思います」

<9R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
 松川高大が主導権を握る。番手の荒井崇博(写真)は車間を切って、別線の反撃にそなえたが水谷好宏のまくりを止められないと見るや、そのまま踏み込んで1着をゲットした。
 「下手くそですね。レースを見て(番手の走りを勉強して)るけど、外から見るのとは感覚が違う。止めたかったけど、いいスピードだったし…。中団は併走してたけど、松川も最近よくないから落ち着いて駆けられなかったのかもね」
 稲川翔は2着で1次予選を突破。
 「いらない動きが多かった。最後まで(水谷に)付いて行ければよかったのに。やっぱり地元のG1は違いますね。発走前は落ち着かなかったです」

<10R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 田中晴基が主導権を握るが、そこを一気に新田祐大(写真)が飲み込んで人気に応えた。
 「(田中の)ヤル気のあるレースは見てるので、自分は自分の力を出せるレースをしようと思った。何とか出切れたことが、今日の1着につながりましたね。圭尚さんとのゴール前勝負は何度もあって、いつも差されてるけど押し切れてよかったです」
 交わせなかった菊地圭尚は悔しさを隠せない。
 「3コーナーで余裕があったし絶対抜いてやろうと思ったら思い切り踏みなおされた。抜いたかと思ったけど、思い切り抜けてなかったですね」

<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 白虎賞は前受けの藤木裕が誰も出させずそのまま主導権。これですんなり中団になった深谷知広がバックからまくると、続いた浅井康太(写真)がゴール寸前で捕らえた。
 「深谷がすごいスピードだったので、あとは抜けるかどうかの勝負になりましたね。抜けて自信になりました」
 2着の深谷知広だが表情は浮かない。
 「仕上がりがよくないですね。暑さもあって走り方がブレてる。イメージとずれがあるので修正します。内容はなかったけど、浅井さんとワンツーが決まったのはよかったです」
 脇本雄太が仕掛けられない展開となったが、南修二は4着に突っ込み龍虎賞へ駒を進めた。
 「(優秀に)上がると上がらんとじゃ違うのでよかった。(脇本が)行く前に駆けてる感じだったから、あれは予想できなかった。あの展開のなかではしのげたほうだと思います」

<12R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 青龍賞は山崎芳仁が先行。中団外併走から仕掛けようとした平原康多が伏見俊昭と接触し落車。避けた武田豊樹は3番手で立て直したが、バック最後方から鮮やかなまくりを決めた佐藤友和(写真)が激戦を制した。
 「山崎さんの先行はないと思った。でも(結果、山崎が先行して)やっちゃいけない9番手になったなと思ってました。後ろで見えてなかったので、落車は『アッ、何かあったな』って感じ。まくれてよかったけど、まだですね。もう少し修正します」
 武田豊樹は2着で龍虎賞へ。
 「先行しようと思ってレースに臨んだけど、山崎君とあそこから先行争いをしてもと思った。中団まで行って、そこからと思ったら前で落車があった。伏見君の内をすくって、そこからまくって行ければよかったけどね。まくりかまくり追い込みでとひと息ついてるところを友和君に行かれた。悔しいですね。その辺を修正して明日頑張ります」
 3着の成田和也だが「周回中は軽かったけど、最後は武田さんとかに踏み負けてしまった。もうちょっと集中しなければいけませんね」と反省。2日目以降の立て直しに期待だ。
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