『第65回高松宮記念杯競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:6月11日
 宇都宮競輪場を舞台に「第65回高松宮記念杯(G1)」が、12日に熱戦の火ぶたを切って落とす。3月のダービーからおよそ3カ月、今年のG1第3弾がいよいよ始まる。前検日の11日には東西の精鋭108人が、宇都宮に集結した。メーンの特選「青龍賞」、「白虎賞」をはじめ初日は、全レースが東西に分かれての戦いで見ごたえ十分。あいにくの空模様となった前検日は、鉛色の空から時折、雨の降るコンディション。初日からの激戦の備え選手たちは、室内で各々が入念に調整を行った。
 本場では開催中の毎日、伊藤克信氏による予想会、日本競輪選手会・栃木支部によるイベント、大道芸人による日替わりステージなどを行います。初日には「クールポコ。」によるお笑いライブなどが予定されています。宇都宮競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
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田中晴基選手
田中晴基選手
 東西対抗戦となる1次予選、オープニングは東から。いきなり混戦レースとなるが、1レース1番車の田中晴基(写真)に注目が集まる。
 「1レース1番車は緊張しますね。前回の川崎記念(4144着)は疲れもあって調子が悪かった。今回はしっかり疲れを取ってきました。大丈夫です。宇都宮は初めて記念の決勝に乗ったバンクなんで相性が良い。地元の千葉(バンク)に似ているから走りやすい。初日からこういう(強い)メンバーとなんてG1って感じですね」
 田中と連係するのは松坂英司。花月園メモリアルでG3初優勝を達成し、いい勢いで当所入り。
 「まさか自分が優勝できるなんて信じられなかった。みんなのおかげで獲らせてもらいました。前回の地元戦に向けて頑張って調整してきて、ベストに近い感じで走れて、結果も付いてきたのでよかったですね。中2日でここって分かってたんで問題ない。それより、気を抜かないようにしないと。気持ちを切り替えて良いレースをします」
 「デビュー戦がここだったし、A級初優勝したのもここでした」と話すのは小松崎大地。田中と同様に、当所は相性が良いバンクだ。「これまで2回走ってるけど、ここは好きなバンク。前回(川崎記念)が終わってから疲れがたまってたので、ケアをしてしっかり取り除いてきました。しっかり練習もできたので楽しみです」

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松岡貴久選手
松岡貴久選手
 1か月以上実戦を離れた松岡貴久(写真)が、ぶっつけ本番でG1レースを迎える。
 「内臓(へそ)の手術をしました。ボチボチ練習を再開したし、大丈夫だと思うんですけどね。一昨日医者に『負荷を上げてもいい』と言われたけど、練習ではちぎれっぱなしでした」
 松岡が本調子を欠くなら、対戦する阿竹智史にチャンスが広がるか。
 「今年はずっと成績をまとめてますね。練習ができてるのが大きいと思う。前回(松山)が終わってから500バンクの高知で練習させてもらいました。ここと高知はちょっと違うけど、いい練習ができました」
 小倉竜二は前回の千葉F1では菅原晃に離れるなど、らしくないレースで655着と珍しく大叩き。
 「前回は3日間ずっとダメだった。調子も悪かったし体も全て。前回よりは少しは良くなっているけど、走ってみないと分からないね。明日は阿竹が頑張ってくれれば」

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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 松谷秀幸(写真)は準優勝した花月戦メモリアルから中2日の強行日程で当所を迎える。疲れが心配されたが、変わらず元気いっぱいの姿を見せた。
 「地元戦だったから精神的に疲れたけど、肉体的には全く疲れてないので。モチベーションを維持できているし、今回も調子を保ってます。小埜(正義)さんとは割り切って別戦勝負。力を出し切ります」
 その小埜と中村浩士の千葉コンビは分かれての勝負となる。中村は前回の千葉の準決勝では根田空史に千切れた場面も。ここは修正して当所に挑む。
 「前回は完全に力の違いでした。根田君とギアが違った(根田は4.33で自身は4.23)のもあったけど、それにしてもしっかり付いて行かないとダメ。後輩に教えられましたね。どんなレース展開でも自分の動きを乱れないように。前が強くても翻弄されないように、課題を持って走らないと」
 「中身の濃い練習ができました」と元気が良く姿を現したのは木暮安由。「宇都宮は成績が良いし相性がいいバンク。今回は頑張るというよりは、今回も頑張ります(笑)」。

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小野俊之選手
小野俊之選手
 地元の別府記念を2225着で終えた小野俊之(写真)は、続く追加配分の松阪F1を253着。一息の成績にも、手応えありの顔で自転車を組み立てる。
 「前回は追加だったんですけど、結果は良くなかったけど走ってよかったと思います。別府と前回で(自転車のセッティングの方向性が)そうじゃないってことに気づいた。だから、また今回は違うことをやっていきたい。そこらへんがかみ合ってくれば、いつでも(G1は)獲れると思っている」
 同県の後輩、竹内雄作とセットのメンバーに目を細める吉村和之だが、入梅の空模様を気にかける。
 「前回の福井、前々回の青森あたりは暑さとか気候の変化もあって、体調がおかしかった。それで疲れていたけど、ここに向けて(調子が)上がってきたかなって感じです。1次予選は(竹内)雄作がいるんで、(メンバーには)なんの不安もないんですけど…。あとは雨だけですね。雨だと自分は良くないんで、天候まで味方してくれればいいんですけど」

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芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 昨年の全日本選抜以来2度目のG1出場となる矢野昌彦は、地元でのG1に照準を合わせて仕上げた様子。いつもの笑顔で口を開く。
 「(5月は)腰を痛めて休んでいたんですけど、そこからは高松宮記念杯に向けて練習をしました。いまは腰の方も全然問題ないし、練習では休む前より強くなっている。だいぶ仕上がっていると思うし、(最終日は)できるだけ上のステージで戦えるように」
 4月の共同通信社杯で落車に見舞われた芦澤大輔(写真)だが、前回の松山F1では昨年11月以来のV奪取。徐々に調子を上げながら、地元地区の大舞台に挑む。
 「(調子を)戻してこられたかなっていう感じがします。(雨での練習は)室内でやってきたけど。それは問題ない。ただ、今日は(バンクを)乗って感触を確かめたかった、それが残念です」

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山田英明選手
山田英明選手
 山田英明(写真)はここ3場所のF1シリーズで2V。勝ち星量産の要因をこう打ち明ける。
 「共同通信社杯で落車した時はフレームを変えていた。新車だったんですよ。でも、フレームはキズがあんまりなくて、それからもそのフレームで乗っています。地元(武雄F1)の準決に乗った時に手応えが良かったし。決勝はあれで根田(空史)君を差したんで自信になりました。成績がいいので、気持ち的にも前向きに踏めている。(F1とは)舞台も違うから、あとは空回りしないように」
 快進撃を続ける同県の岩津裕介に刺激を受けながら、柏野智典は順調な仕上がりをアピールする。
 「落車とか失格があった時も腐らずにと思ってやっていた。これからG1も始まるし、どこかにうまく合えばと思ったけど。今回は順調に来られたし、だいぶいい気がします。(岩津)裕介は特別(G1)が獲れるくらいまでのところに来ていますからね。僕もあそこまでまくりは出なくても、スタイル的には変わりないし。頑張っていきたい」

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宗景祐樹選手
宗景祐樹選手
 3月のダービーでG1初勝利を挙げた高橋陽介は、力まず平常心でさらなるステップアップに意気込む。
 「ダービーでは2連対できたし、1着も取れた。最近は調子もいいし、いつも通り緊張しないで走りたい。1次予選も全プロ記念とか記念で走っているメンバーだし。いつも通り自力で積極的に。まぁ、先行を基本にいきたい。力を出し切れるように」
 宗景祐樹(写真)は4月共同通信社杯、5月小倉で落車の憂き目。直後の別府記念では2441着とまとめて、地元のG1には気合で臨む。
 「(小倉の落車の怪我が)ちょっと長引いてしまった。打ち身がひどくて…。正直、直前の練習での感触は良くなかった。脚力面では良くないけど、いつもそれほどでもないんで(笑)。怪我はどの選手もあることだろうし、一生懸命走るだけです。それにやっぱり地元っていうのが大きいですね」

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合志正臣選手
合志正臣選手
 過密ローテの菅原晃は、ここが踏ん張りどころ。4日間をなんとか乗り切りたい。
 「配分が詰まっているんで、できるかぎり脚を落とさないように。レースで(自力を出して)走れば、脚もそんなに落ちないと思うんで。(前回の)千葉は出だしの反応とかが悪かった。とにかくこの一本が終われば、あとは空くんで」
 前回の京王閣F1で合志正臣(写真)は、落車失格。いつも通り元気そうに検車場に現れたが状態はどうか。
 「怪我は全然で大丈夫だと思いますよ。京王閣の初日は(井上)昌己を抜いているし、調子は良かったんです。あとは今回で走ってみてだけど、こっそりと勝ち上がりたいですね」
 近況まずまずの成績を残している志智俊夫が、現状をこう説明する。
 「悪くはないんだけど、良くもないですね…。G1っていってもあんまり(状態は)変わってない。ただ、練習する時間があったので、練習はしました」

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飯野祐太選手
飯野祐太選手
 全プロ記念は連勝。その後の京王閣、松阪のF1で連続優勝を飾っている飯野祐太(写真)は、例によって気負わずに淡々としたもの。
 「京王閣と松阪は優勝を狙っていなかったわけではないけど。(開き直って)まったく緊張しなかった。そこらへんが逆に自然体で、リラックスして走ることができたのがよかったんだと思う。そこから中6日だったんですけど、ほとんどが雨でした。昨日だけ晴れてバンクで乗れたんですけど、感触は悪くなかった。だから大丈夫だと思いますよ」
 ダービーでは772着。G1の舞台で結果の出ない石井秀治だが、ここも全力投球を約束する。
 「自分の調子はいいと思うんですけど、(周りに)警戒されているから。しょうがないですよ…。自分にそこを乗り切る脚があれば。もうひと脚ですね。デビューしてからすぐのG1なら、ドキドキするかもしれないけど。いまはもういつもと変わらずですよ。F1とかそういうのは関係なく、(車券を)買ってくれるお客さんのためにいいレースするだけです。プロとしてお客さんにいい商品(いいレース)を提供できるように」

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吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 1次予選のメーンを務めるのは九州トリオ。ラインの先頭を担う吉本卓仁(写真)は、豊富な練習量を背景に果敢な攻めを貫く。
 「あとは走ってみてだけど、練習は計画通りにできた。飽きるくらいまで練習はやりました。やることもやったし、全プロの競技に出て中0日で行った大宮よりはいいと思います。G1は(どんなラインで)誰が来ても(しっかりと)やらないといけないし、1次予選をクリアしたい」
 吉本とセットの荒井崇博。メンバーを見渡し、吉本に絶対的な信頼をおく。
 「練習は熊本で(井上)昌己とか合志(正臣)君とかと2泊3日でやった。練習はそれくらいですかね。自分的にはそれでちょうどいいし。あとは(吉本)卓仁と一緒だし、なにも考えることはない」

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新田康仁選手
新田康仁選手
 関東同様に4車で結束する南関勢。番手を回る新田康仁(写真)の立ち回りが、キーポイントになりそうだ。
 「(関東相手の2分戦でも)根田(空史)君はやりやすいって言っていたし、頼もしいですよね。自分はしっかりと付いていかないと。共同通信社杯の時に(山内)卓也と話して、それで今回は(一宮に行って)卓也にいろいろ教えて練習をやってきた。すごく勉強になったし、いい練習になった。自分のできるかぎり、そういういいところを吸収していきたい。脚的にも大丈夫です」
 林雄一が南関ラインの3番手。練習での好感触を本番につなげることができるか。
 「雨もあったけど、乗れる日は全部乗ってやってきました。500バンクは好きなバンク。練習ではいつもよりちょっとタイムが出ていた。(練習で)バンクでの調子が良かった時は、そのまま競走に出ることが多いし。練習の疲れも取れていると思う。決勝に乗りたいですね」
 関東の4番手、シンガリを務める地元の飯嶋則之は、自身の仕上がりに納得の顔。
 「(競輪学校での)違反訓練でも練習はできたし、無駄にはならなかった。体も1回リセットできたし、いい意味ですごくいい違反訓練だった。そこからは(練習で)もう一山作って、(追い込んで)すごく疲れた。そこからはちょっと休みすぎっていうくらい休んだし充実の1カ月だった」
 2月全日本選抜の怪我から、復調に手間取っている神山雄一郎
 「自分のなかでは何割戻っているとか、そういう見方はしていない。いまの力でどれだけできるかっていう感じです。走るたびに良くなっている感じがありますけどね」

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深谷知広選手
深谷知広選手
 平塚記念では昨年2月以来の優勝を飾った深谷知広(写真)だったが、その後練習中に落車。全プロ記念、川崎記念の欠場を余儀なくされて、今回が久しぶりの実戦で状態はどうか。
 「(高地トレーニングの)合宿中に落車して、右半身の擦過傷とろっ骨を痛めてしまった。(一時期は)くしゃみをするのもきつかった。治療に専念して、もう練習ではタイムもいままでとそれほど変わらないところまで戻っている。練習での状態は問題ない。(自粛選手が多く出て、自分が)期待されるのもわかっている。その分(のプレッシャー)も楽しみながら走りたい」
 昨年のグランプリVの祝勝会などもあって多忙の金子貴志だったが、仕上がりに不安はない。
 「(5月の)月末に高地トレーニングに行ってきました。行けるときにはバンバン(高地トレーニングに)行こうと思っているし、練習もしっかりとできた。仕上がりも悪くない。まだまだやることはたくさんあるんで」
 前回の京王閣F1が323着と未勝利に終わった井上昌己だが、上積みを見込みながらG1本番には手応えをつかんでいる。
 「京王閣は(状態が)いまひとつかなっていうのがあったけど、それであの成績だった。そのあとにしっかりと練習ができたし、今回はある程度手応えがある。とりあえず走ってみてっていうのもあるけど、悪くないデキだと思います」
 単騎での立ち回りとなった前回の川崎記念でV奪取の岩津裕介が、勢いに乗って今シリーズを迎える。
 「いままでの経験からは今回が一番いい形でG1に来ることができたと思います。それでも周りのみんなは強いですからね」
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