決勝戦 レース経過 |
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スタートで各車見合ってけん制状態がしばらく続く。東口善朋がしびれを切らして出て行くが、浅井康太も外から踏み上げて誘導員の後位で併走。結局、東口は下げて、浅井が正攻法に構える。隊列は浅井-吉村和之が前受け、中団に岩津裕介-柏野智典の岡山コンビ、菊地圭尚-大塚健一郎が入り、脇本雄太-稲川翔-東口の近畿勢が後方待機の並びでようやく落ち着く。
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![]() 稲毛健太選手 |
稲毛健太(写真)が7番手から快速まくりを決め、最終日を勝利で締めくくった。 「口が空いて中団を取られてしまったのは反省ですね。後ろに付いてもらってるんで、とにかく行ける所でと思って踏みました。前回、小松島で落車して、今回は日に日に体が悪化してる感じでした。帰ってもう一度検査してみます。でも、最終日に勝ててよかったです」 諸橋愛が外を警戒しながら直線でしぶとく伸びて2着に。 「最後、外を張った分届かなかった。稲毛君を抜きたかったね。次はしっかり仕上げてきます」 小埜正義は番手まくりを放ったが、後ろから飲み込まれて8着に終わる。 「脚がいっぱいで車間を空けることもできなかった。気づいた時には横まで来てました」 |
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![]() 中川誠一郎選手 |
矢口啓一郎を叩いて主導権を握った山賀雅仁だが、ペースはいまひとつ上がらない。7番手から中川誠一郎(写真)が7番手一気。鮮やかすぎるまくりで、中川が叩き出した上がりタイムは13秒4。 「今日は良かったですけど、それまでの3日間が全然かみ合わなかった。レースでもかみ合わなかったし、気持ちもピリッとしなかった。ある程度は仕上げて来たけど、もっと準備の仕方を考えないと。(調整の)リズムがバラバラでした」 中川に離れて万事休すかに思われた大竹慎吾が、中川から3車身遅れるも2着をキープした。 「(中川)誠一郎君が本来の力を出しましたね。中速からのスピードはやっぱりナショナルチームならではの脚ですよ。直線が長かったけど、自分はなんとか2着に耐えられた。また50歳を迎えるのに課題ができました」 |
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![]() 内藤秀久選手 |
矢野昌彦がペース駆けで逃げるなか、朝倉佳弘が4角ハコ回りの展開に。関東勢に絶好の形となったが、内藤秀久(写真)が4コーナーで内のコースを抜けて1着をさらった。 「初手で前を取ってあげたかったけどね。矢野君はペースで踏んでたんで、(連係した)山田(英明)君もキツかったと思うよ。苦しい所を前に踏んでくれた。山田君の気持ちが嬉しかったですね」 その山田英明は懸命に前に踏むも3着が精いっぱい。 「中団に入れたけど、ホームで脚が一杯でした。仕掛けどころも頭に入ってたけど、行けなかったですね」 逃げた矢野昌彦は粘りを発揮して2着に入る。 「今日が一番感じが良かったですね。落ち着いてペースで駆けられたし、ライン2車で粘れたので。今回は収穫がたくさんありました」 |
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![]() 大西祐選手 |
最終バックでは8番手に置かれた大西祐(写真)だったが、佐々木則幸がスタートを制して前受けからの8番手は思惑通り。脚を溜めた大西は3コーナーからまくり上げると、前団を射程圏に入れて直線半ばで抜け出しG1初勝利を飾った。 「佐々木さんがスタートを取ってくれたし、もう今日はそれに尽きます。サラ脚なら一発があると思っていたし、一本棒になったのはちょっと想定と違ったけど、そこからの(別線の)動きはある程度考えていた通りでした。これがG1初勝利です。長かったけどよかったです。思わずガッツポーズをしちゃいました(笑)」 松岡貴久との併走から最終ホーム過ぎに5番手に引いた桐山敬太郎は、態勢を整えてすかさず2コーナーからのまくり返しでしぶとく3着。 「(三谷竜生を)叩こうとしたけど、入れそうだったんで。行こう、行こうっていう気持ちがあったから、(5番手に)入ってもすぐに行けた。今回は自分の中でそれほど期待できる感じではなかったけど、自分が思ってた以上に(感じが)良かったですね」 |
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![]() 井上昌己選手 |
松坂英司が前を叩いて主導権を握る予想外の展開に。叩かれた高橋陽介だったが、落ち着いてバックからまくると紺野哲也が離れて番手に井上昌己(写真)が入る展開に。最後は井上が楽に追い込んだ。 「松坂さんが斬ったのは予想外でしたね。本来なら自分が斬らなきゃいけないとこだったけど。とにかく行かなきゃと思って仕掛けたけど、番手にはまって恵まれました。今回は今ひとつでしたね」 高橋陽介は「後ろが井上さんだとは分からなかった」と3着に。「松坂さんの動きはホント予想外だった。でも、そこから落ち着いていけたので。今回、4.58のギアを初めて使ってみて踏めたので、あと半年しか使えないけど今後が楽しみです」。 |
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![]() 菅原晃選手 |
カマシ気味に仕掛けた根田空史ラインを受けて菅原晃(写真)は、3番手確保からの立て直し。空いた車間を詰めながら早めの追い込みで、根田をゴール寸前で交わして1着。 「(最終)1コーナーまで(根田が)来なかったら、(先行の)腹をくくろうと思っていたけど。ああいう形になりました。今回は呼吸系がきついし、それと粘りもあんまりですね。それでも今日は根田を抜けているし、最後は小野(俊之)さんに押してもらう形になったけどよかった」 菅原、西川親幸に追い込まれた根田空史は、逃げ切り叶わず僅差の3着。 「今日は作戦なしで、(位置は)取れたところからだった。加藤(圭一)さんを見ながら踏んでいったけど、重かったです。今回は体調自体もあんまり良くなかったし、それでも準決まで進めたことはヨシとします。また練習方法とかを考えながら、次に頑張りたい」 |
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![]() 野田源一選手 |
ホームからカマした松岡健介に対し、田中晴基が飛び付く展開に。ゴチャ付いたところを、単騎の野田源一(写真)がまくって1着。シリーズ2勝で締めくくった。 「今日は田中君ラインの後ろにいて様子を見ていこうと。ホームで松岡君がカマしてきた所で田中君はどう対処するのかと。スピードが折り合ってるみたいだったんで、自分でまくりました。皆外を踏んでたので、山を利用する感じでいけました。2日目に飯野君に先に行かれたんで、今日は飯野君よりも先に仕掛けようと思ってました。2勝できてよかったです」 飯野祐太が8番手から鋭く迫って2着に入る。 「今日は余裕があったし周りが見え過ぎてましたね。その分、伊藤(保文)さんのブロックを見ながら踏んでしまった。迷わずに踏んでいればよかったですね」 田中晴基は飛び付きを狙ったが、タイミングが狂い7着に敗れた。 「ホームで(松岡が)来たのが分かったんで飛び付こうと思った。1コーナーの山で当たりたかったけど、思ったよりも来るタイミングが遅かったので。でも、そこから粘れたんでいい勉強になりました」 |
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![]() 神山拓弥選手 |
竹内雄作の強烈な踏み出しに志智俊夫が離れて、逃げた竹内の番手が松谷秀幸に転がり込む。後方の池田勇人のまくりとほぼ同時に松谷が番手発進で応戦するも、池田のスピードがいい。直線の入り口でまくり切った池田を神山拓弥(写真)が、ゴール寸前で差し切り地元シリーズを白星で締めて汗をぬぐう。 「8番手だろうがもう池田さんを全面的に信頼していた。(最終)2コーナーでの伸びがハンパじゃなかった。本当にやばかった。あんなに後ろに付いていっぱいになるとは…。自力でやるより苦しかったですよ。今回は4日間とも集中して走れたし、準決とかああいう舞台をもっと経験していきたい」 関東勢のまくりを追った園田匠は、直線で外を踏むも流れ込みまで。 「志智さんが追い上げていけば、それに乗ってまくっていこうと思っていたんですけど…。志智さんを見すぎてしまった。そしたら池田君に行かれてしまって。今回は2次予選以外は確定板に入れたし、次は地元の小倉(6月29日からのF1)なんで、また頑張ります」 |
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![]() 石井秀治選手 |
2度の落車のハプニングが起こるなか、後閑信一がまくったその上を石井秀治(写真)が後方から猛スピードで走り抜けた。 |
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![]() 飯嶋則之選手 |
押さえて出た深谷知広の番手に切り込んだ芦澤大輔だったが、最終ホームでは深谷を押し込めながら中団に切り替え早めのまくりを敢行。芦澤に乗った飯嶋則之(写真)が番手から抜け出し、深谷の強襲を退けた。 「(芦澤が)臨機応変にうまいことやってくれた。(深谷の)番手にこだわらずに。彼(芦澤)の気合も伝わってきた。あれで飲み込まれちゃうと申し訳ないんで、早めに踏ませてもらった。決勝に乗りたかったんで悔しいですけど。連日、思い切って踏んで(好感触だったんで)よかった」 7番手に置かれた深谷知広は、直線の入り口で小林大介に当たられて2着がいっぱい。 「(今回は)期待に応えられず申し訳ないです。まだ(怪我の)不安が多少あるんで、いい練習をして寛仁親王牌で優勝できるように出直してきます」 |
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![]() 大塚健一郎選手 ![]() 岩津裕介選手 |
大方の予想通り脇本雄太がレースを支配。稲川翔、東口善朋を連れて打鐘過ぎに押さえて出たが、菊地圭尚が番手に競り込み稲川と併走。稲川に競り負けた菊地だったが、3番手に入り態勢を立て直す。直線で脇本、稲川の間を中割りも稲川との接触で落車の憂き目。 「(最終)3コーナーではヨシと思った。最後は稲川君も外を踏むと思ったし、あのコースを行った。やれることはやったんですけど、これまでで一番悔しいですね。また、これをバネにして頑張ります」 2日目の龍虎賞に次ぎ菊地とタッグを組んだ大塚健一郎(写真)は、外に進路を取って渾身の追い込みも準V。 「(菊地)圭尚とは2日目の失敗をしないようにって、ただそれだけでした。自分は思い切り踏んだし、もう満足です、これが(今の)実力なんで、また出直してきます」 最終2コーナーでは前との車間が大きく空いた6番手の岩津裕介(写真)。直線で前団に追いつくも、時すでに遅く3着が精いっぱい。 「(近畿勢に)競りに行ったら脇本君は逃げ切れるようなペースで駆けるだろうから、ああいう組み立てになった。後ろに浅井(康太)君がいたんで、それがプレッシャーになりましたね。バックを入れないようにと思っていたら、車間が空きすぎて脚を使ってしまった」 8番手の浅井康太は2コーナーからまくり上げるも、岩津に合わされて6着。見せ場を演出することはできなかった。 「(岩津は)敵は僕じゃなくて前なんですけどね。僕はイチかバチかの仕掛けで行ったんですけど…、また練習してきます」 |
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