『第20回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 2日目編

配信日:7月15日

 松戸競輪場で開催されている令和6年能登半島地震復興支援競輪「第20回サマーナイトフェスティバル(GII)」、「ガールズケイリンフェスティバル2024」は、7月14日に2日目が行われた。サマーナイトフェスティバルの準決では熱戦が展開され、新田祐大が初日予選から連勝で優出。眞杉匠、郡司浩平も白星でファイナルにコマを進めた。また、ガールズケイリンフェスティバルの予選2では、當銘直美、小林優香、中野咲が白星を挙げて、連勝の選手がゼロで予選の2走を終えた。シリーズは大詰め、7月15日の最終日には、2つの決勝が33バンクを舞台に激しいバトルが繰り広げられる。
 サマーナイトフェスティバルのシリーズは、最終日もさまざまなイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。「ぺこぱ」のお笑いステージ、「Pety」のアイドルライブ、高木真備さんのトークショー、「わんにゃんフェスティバル」、地元の松戸グルメが集結するグルメキッチンカー、未確定車券抽選会、レース予想会、お子様向け縁日、エアーアドベンチャーなど予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

當銘直美選手
當銘直美選手
 スタートを出た當銘直美(写真)が、大外枠の坂口楓華を迎え入れる形でレースが進む。畠山ひすいが打鐘を目がけて踏み込んで叩きに出るが、坂口も突っ張り、両者で踏み合いになる。外の畠山を坂口が合わせ切り、最終周回へ。隊列が短くなったところを6番手の太田美穂が1コーナーからまくる。太田のスピードもいいが、坂口をとらえるまでに至らず。2番手を確保していた當銘が、太田に合わせるように外に持ち出して追い込んだ。
 「自分の前に坂口さんが来てくれたら理想だなって思っていた。でも、1番車だったので、どちらにせよスタートを取りにいきました。昨日(初日)と比べたら併走のシーンもなかったので、しっかり集中して追い込むことができた」
 誘導後位に入りレースを運んだ坂口楓華は、畠山を出させることなくそのまま先行策。2着に粘り込んでポイントを加算した。
 「昨日(初日)はちょっと見てしまったところがあったので、今日は後ろを確認して昨日のミスを反省して走りました。道中は力んでしまって、もう少し流しても良かった。(気持ちに)余裕はあったけど、脚に余裕がなくて差されてしまった。今日はしっかり駆けようと思って、1周半いくつもりでした」

<2R>

小林優香選手
小林優香選手
 打鐘3コーナーで先頭に立った鈴木美教を追った山原さくらが、その上をスピード良くカマして逃げる。2番手に小林優香(写真)が追い上げて、3番手に鈴木。4番手から尾方真生が、最終2コーナーでまくる。2番手の小林優は、冷静に立ち回り、後続との間合いを取って踏み込んで山原をとらえた。
 「もちろん前々からが良かったんですけど。みんな前々にいきたいと思うので、併走になるくらいなら初手で収まってから動いた方がいいかなと。昨日(初日)の反省を生かしてじゃないですけど、内に詰まることは避けたかった。(周りの)動きを見て、動けたと思います。山原さんのスピードも良かったですし、鈴木さんは出切って力を使っていた。しっかり(山原の後ろに)入ってスピードをもらいながら勝負しようと思いました。(最終)3コーナーで行っても登りなので、落ち着いて直線勝負と。それで伸びたと思います」
 山原がカマして、最終ホームを4番手で迎えた尾方真生は、2コーナーまくり。スピードは悪くなかったが、小林優に半車輪及ばずの2着。
 「昨日(初日)、周回が早く感じたのでSからでもいいかなって。車間を空けて余裕をもってまくりにいけたら良かったんですけど。最後も悪くなかったと思います。今日はバンクが軽くて脚も良かったです。いつもの練習のおかげもあるんですけど、(直前に33バンクの奈良で練習した成果で)カントをうまく使えて、いつもならまくれないところでまくれた」

<3R>

中野咲選手
中野咲選手
 赤板を過ぎて2番手の久米詩が、前の石井寛子との車間を空けて、さらに3番手の柳原真緒も間合いを取る。打鐘を通過して5番手の児玉碧衣が、2センターから仕掛ける。合わせて2番手の久米も踏み上げるが、児玉がスピードの違いで最終1コーナーで出切る。周回中から児玉の後ろにいた中野咲(写真)が追走して、3番手で久米と飯田風音が併走になりバックを通過。2番手の中野は、4コーナーから追い込んで、押し切り図る児玉に並んだところがゴール。微差で中野が交わして1着。
 「(初手は児玉の後ろになり)誘導が抜けてからがスピード上がるかなと思って先踏みしたら、思ったより上がらなかった。そしたら児玉さんも仕掛けて、あったので必死についていきました。最後は差している感じはなかったけど、児玉さんが強くて付いていっただけでラッキーでした。展開はいつも悪くて、こんなにいいことなんてめったにない。男子選手とスピード練習をしていたが、それをレースで出せてなかった。(前回の)小倉では少し出せていたが、まさか今回で決勝にのれるとは思わなかった。成果が出てくれようとしているんですかね」
 周回中は5番手にいた児玉碧衣は、前団の選手に警戒されながらも打鐘2センターで仕掛ける。さすがのスピードであっさりと前団を仕留めて、決勝に進んだ。
 「今日(2日目)も中団くらいを取ってフタをされないようにと考えていた。そしたら5番手で、昨日より1車前からスタートできた。(昨日、走り終わったあとに)山田英明さんにセッティングをみてもらった。たまたま調子いい時の数字を計ってくれていて、その数字に近いのにしてとりあえず走ってから考えようと。(サドルをいじって前回の)小倉や(前々回の)小松島より少し流れて踏めている感じはした。(打鐘のところで)車間が空いたところは、かなり難しかったですね」

<10R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)がスタートを制して、神奈川トリオが前団に構える。青野将大は誘導との車間を空けて突っ張る態勢を取るが、8番手から踏み込んだ新山響平のスピードがいい。新山が主導権を握るも、赤板ですぐに犬伏湧也が巻き返す。踏み上げる新山の抵抗の乗り越えた犬伏は、打鐘4コーナーで叩き切る。新山が3番手に収まるが、最終ホームから5番手の青野がまくる。青野は1車しか進まず力尽きるも、郡司が自力に転じて前団に襲い掛かる。中四国勢をとらえた郡司が、松谷秀幸を連れ込んで1着。
 「(青野は)誰も出させたくない感じだったんですけど。新山君の勢いが良かったので、(出られて)そこから立て直してっていう感じでした。(新山に叩かれたあと)絶対に仕掛けると思っていたんですけど、出た感じは厳しそうだなって。守澤(太志)さんのあおりもありましたし、自分はそれを見ながら外か内かどっちに行くかっていう感じでした。(自分で踏み込んでからは)前も苦しそうだったので、出切るところまでは楽にいけたのかなって。前半からハイペースで脚がたまる感じはなかったんですけど、変に踏みすぎずにというか、余裕をもっていけるようにっていう感じでした」
 郡司に続いた松谷秀幸の後ろは、単騎の古性優作。まくった郡司のスピードも良かったが、松谷も隙を見せることなく2着に入った。
 「(最終ホーム付近で)詰まってしまって古性君が内に来ると思ったんですけど。よく付いていけたと思います。(郡司)浩平も青野がやめて悩んでいる感じで、古性君が内に入ってくると思ったんですけど。キレのある浩平のまくりに付いていけたので悪くないと思います」
 機動タイプが目まぐるしくアタックして、最終ホームでは単騎の古性優作、浅井康太は8、9番手。結果的には郡司、松谷を追いかけた古性は流れ込みの3着。
 「(周回中は神奈川勢の後ろで)その方がいいかなって思ったんですけど。弱すぎてそんな感じじゃなかったですね。(青板バックからハイペースの)レースというか僕が弱いだけ。(自分からの車券が)1番人気だったんですけど、しょうもないレースをしてしまって申し訳ないです」

<11R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 青板3コーナーで押さえて出た松井宏佑を、赤板過ぎに山崎賢人が叩いて駆ける。松井は3番手で立て直し、前受けだった眞杉匠(写真)は5番手で打鐘を通過する。松井が主導権の九州勢との車間を空けて別線をけん制するが、最終ホーム手前で眞杉が踏み込む。松井が合わせて出て、一度は深谷知広とからんだ眞杉だったが、その上をまくって出る。後方になった山口拳矢は、2コーナー手前からまくる。松井は一息で、眞杉が逃げる山崎をとらえる。吉田拓矢は対応し切れず、山口が迫るも眞杉が1着でデビュー通算200勝を飾った。
 「(通算200勝を)勝ち上がりで決められたのは良かった。前の松井さんに見られていてキツかったですけど、(最終)ホームで行きました。深谷さんもいて厳しく、1センターでは内に入ってしまったし後ろには申し訳なかった。初日を走る前に自転車を微調整していて余裕があった。初日は内に詰まってわからなかったけど、今日(2日目)走って感じいいし、このままいきます」
 8番手に陥った山口拳矢だったが、スピードに乗ったまくりで眞杉を追い詰めた。
 「後ろになってからはスピードが上がると思い、焦らずにいてしっかり周りを見ていた。(仕掛けてからは)行けると思ったが眞杉君が外に膨らんでだいぶ外を踏まされた。(志田龍星と)ツースリーは決まったと思ったが…。練習では僕と同じくらいの脚があるので、実戦の難しさですね」
 眞杉の俊敏な動きに最終2コーナー過ぎに連結を外した吉田拓矢は、3コーナーからのあおりを受けながらも3着で優出。
 「眞杉君がどこで行くかと思って見ていて(最終)ホームで仕掛けたけど、眞杉君がヤバそうで見ていく感じに。そしたら行っちゃってヤバいと。後ろの(武藤)龍生さんに申し訳ないです。眞杉君がヤバいと思って内に入っちゃったのが情けない。道中の余裕はあるので、判断だけです」

<12R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 青板4コーナーから踏み込んだ北井佑季が、赤板2コーナーで先頭に立ち主導権を奪う。叩かれた伊藤颯馬は、番手に飛び付く。北井の加速に遅れた3番手の和田健太郎が、打鐘で追いついて小岩大介とからむ。そのあおりで2センターで伊藤が落車して、後続は影響を大きく受ける。逃げる北井の後ろは、車間が空いて小岩、和田。アクシデントを避けた新田祐大(写真)は、最終ホーム手前からスパート。落車の影響もあり、佐藤慎太郎は付け切れない。2コーナー過ぎに新田が、北井をとらえて後続をグングンと離す。6番手の松浦悠士、7番手の脇本雄太は前が遠く、セーフティーリードのまま新田がゴールを駆け抜けた。
 「(伊藤が北井の後ろに)飛び付いて番手でゴチャゴチャが始まった。そこの決着がつくころが勝負どころだなと。自分が踏み込みたいタイミングで(落車があって)ガシャンってなって、体がビクッて反応してしまった。それでうまく自転車に(力を)伝えられてなかった。(最終)ホーム前くらいで自分がフリーになったので、行けるところまで踏もうと。(連日)力を出し切れているし、レース勘も悪くない。今日(2日目)は落車があったんで素直には喜べない。でも、そのあとの対応で自分の走りをしっかりとっていう課題はできている」
 地元勢を連れて果敢に風を切った北井佑季だったが、伊藤の分断策と落車で地元勢は万事休す。ラインを失いながらも2着に踏ん張った。
 「行けるタイミングがあそこ(赤板手前)だったかなと。ペース自体はタレていたけど、いいペースでゴールまで踏み切れる感じだった。(ただ落車があって)新田さんがうまく吸い込まれる感じになったんだと思う。そこを合わせ切れなかった。昨日(初日)、今日、長い距離をいけている。最後に後ろにいかれているので末脚がっていうのはあるけど、脚の感じ自体はいい」
 単騎で一撃にかけていた脇本雄太は、9番手で打鐘2センターのアクシデントを避けて勝負圏外かに思われた。が、あきらめることなく踏み込んで、なんとか3着に入った。
 「(伊藤)颯馬君が突っ張っているのか、粘っているのかわからなくて、自分のなかでは見てからで反応が遅かった。落車を避けるのも焦ったというか、大きく避けすぎて集団から離れてしまった。力も完全に抜けてしまっていた。それで踏み上げるのも力ずくでした。(2日間)内容、脚ともに良くないなって思っている」