『第21回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 初日編

配信日:7月19日

 玉野競輪場で「第21回サマーナイトフェスティバル(GII)」が、7月18日にナイター開催でスタートした。初日のメイン特選では、古性優作、清水裕友、吉田拓矢が白星を挙げた。一次予選では、柏野智典が取鳥雄吾を交わして地元ワンツー決着で勝ち上がった。また一次予選で5着に敗れた地元の太田海也だったが、初日特選でのアクシデントにより繰り上がりで二次予選Bに進出した。7月19日のシリーズ2日目には、初日特選を勝ち上がった9人による「アルタイル賞」が行われる。また、二次予選はA、Bに分かれて勝ち上がりが争われる。
 サマーナイトフェスティバルのシリーズは、開催中の毎日、キッチンカーの出店、予想会、「YouTube」公開生放送などが行われます。また、7月19日の2日目には、「とにかく明るい安村」、「R藤本」のお笑いステージ、名輪会のトークショー、来場者プレゼントとしてオリジナルデザイン汗拭きシートを先着1000人、ラッキーカードを先着1000人に配布、未確定車券抽選会などが予定されています。玉野競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

佐々木龍選手
佐々木龍選手
 赤板1コーナーで高久保雄介が、押さえて先頭に立つ。7番手でタイミングを取った根田空史は、2コーナーから踏み込む。根田が主導権を握り、単騎の窪木一茂が南関勢を追走する。高久保が4番手、前受けだった小林泰正が6番手で最終ホームを通過する。根田が軽快に駆けて、小林は2コーナー手前からまくりを打つ。しかしながら、小林は村上博幸のブロックを受けてスピードが落ちる。高久保は仕掛けられず、番手で好展開が巡ってきた佐々木龍(写真)が追い込んだ。
 「メンバー的にも根田さんが先手を取りやすいかなって思っていました。伊藤(旭)君が切るかなって思った。しっかりカマシに付いていくことだけ考えていました。出切ってから窪木さんが後ろにいるのはわかりました。根田さんの掛かりがすごかったので、後ろを気にせず追走に集中できました。(落車空けで)正直、不安はあったんですけど、踏んだ感触は思ったよりも進みました」
 周回中で9番手になった窪木一茂は、最初に動き出した京都コンビを見送り南関勢を追走。先行した根田の3番手確保から流れ込んで2着に入った。
 「(先手ラインにうまく乗れて最終)バックでは仕掛けないとって思っていたんですけど。以前、3コーナーでキメられてしまったことがあった。後ろが離れていたので、自分のなかでは遅めの発進になりました。結果的にカマシに付いていって、うまくハマった感じです。今日(初日)は展開1つだと思うので、気を引き締めて頑張りたい」

<2R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 後藤大輝の上昇に合わせて、4番手の森田優弥が先に切りに動く。しかしながら、前受けの菅田壱道(写真)が、それを阻んで突っ張る。北日本3番手の須永優太が外をう回して追い上げて、赤板2コーナーで後藤は須永を目標に踏み込む。打鐘3コーナーで後藤が主導権を握り、ラインの3人で出切る。菅田が4番手をキープして、森田は須永をすくって6番手で最終ホームを迎える。1コーナーで仕掛けた森田を佐藤慎太郎が止める。逃げる後藤の掛かりも良く、4番手の菅田はバックでも動かない。直線の入口で踏み込んだ菅田が、ゴール寸前でとらえた。
 「(周回中に)あの並びになったら、森田君は先切りに絶対に来るだろうなと。スタートが8割方、勝負とは思っていた。森田君もいいタイミングで来たけど、しっかりと車輪をかけて内からスルッとっていう感じだった。後藤君が飛んで来て、隙があれば番手、3番手と思っていた。結構、踏んだんですけど、4番手になってそこはやむなしですね。自分の勝負に徹して、(佐藤)慎太郎さんを連れ込めなかったのは反省点です。須永君までチャンスがある仕掛けができれば100点満点だった。ただ、脚を使ってあの位置を取って、最後1着まで伸び切れているので(状態は)問題ない」
 後藤の先行を利した久米良は、別線のまくりもなく直線勝負で2着。
 「赤板のところで(森田と菅田が)踏み合って、菅田さんが勝った。僕らにとっては、それがいい方向にいきました。(後藤は)絶妙なタイミングで行ってくれた。あとは自分ができることがあればと思ったけど、(後藤が)強かったんでそんな感じではなかった。(後続が来てしまう)大波に注意していたけど、そんな感じでもなかった。普通に抜きにいって、(後藤と)ワンツーでと思ったら、菅田さんが来た。自分は(前回の)小松島記念からのフレームがすごいいい。軽くて進む感じがあるので、すごくいいと思います」

<3R>

皿屋豊選手
皿屋豊選手
 橋本瑠偉、格清洋介の順番で動いて、前受けの皿屋豊(写真)は5番手から赤板2コーナーで踏み込む。打鐘手前で皿屋が先頭に立ち、一度は4番手で格清と併走になった河端朋之は2センターで仕掛ける。河端がカマして主導権奪取も、隅田洋介は離れながらの追走。隅田はバックではいっぱいで、3番手に飛び付いた皿屋がまくる。1人での先行になった河端との車間を詰めた皿屋が、直線半ばでつかまえて1着。
 「ラインで決まるのは、うれしいですね。河端君はスピードがあるので、前々に攻めないとなって思って1回切りました。(隅田が)遅れているのはわかったんですけど、そこで勝負するよりサッと引いた方がいいと。(隅田が河端に)追いつくのかを見極めながらいきました。暑さでしんどかったですね。体感的にキツかったです」
 浅井康太、川口公太朗まで流れ込んで、中部ラインで上位を独占。浅井はこう振り返る。
 「(皿屋が仕掛けた)タイミングもバッチリでしたし、本当に冷静に判断しながら走ってくれました。隅田君が離れてきたところで前に踏んでいったので、ワンツーが決まるように差し込みにいったんですけど。(シューズは弥彦記念の)2日目から使っているヤツで走りました。中3日なので調整し切れていないところもあるので、試行錯誤しながらです」

<4R>

石原颯選手
石原颯選手
 赤板1コーナーで小原佑太が、石原颯(写真)を押さえる。そこを石塚輪太郎が出て、さらに遅れながら単騎の木暮安由が続く。小原は打鐘3コーナーで5番手になり、7番手の石原は2センターから反撃に出る。先行態勢の石塚も合わせてペースを上げるが、最終2コーナー手前で石原が出切る。石塚に張られながらも橋本強が続き、田中勇二。後方からまくった小原は、田中の横までも至らない。ロングまくりの石原が、後続を振り切った。
 「(組み立ては)あんな感じで、作戦の1つでした。ただ、前があんなに踏み合うと思ってなくて、自分が踏み出すタイミングが遅れました。小原さんを越えた辺りから、スピードに乗ってきた。(最終)バックでチラッと確認したら、(橋本)強さんがだいぶ外に見えた。それで流せた分、しっかりと踏み直せた。今日(初日)はだいぶ緊張したけど、脚の感じもいいかなと思います。ペースで出切れたので、ペダリングもきれいだったのかなと」
 最終2コーナーで石塚に大きく外に張られた橋本強だったが、石原との連結を外すことなく2着。
 「スタート取りから集中して走りました。石原はずっとスピードを足して、足していく脚質なんで、(出切れると)信頼して付いていました。近畿勢が全部、通過させてしまうとチャンスがなくなるので、僕か田中君のところ(を阻みにくる)と思っていました。引っ掛けられたけど、(しのげたので)感じは悪くないです」

<5R>

柏野智典選手
柏野智典選手
 中四国勢が前団に構える。同期の山岸佳太の上昇を阻んで、取鳥雄吾が突っ張る。取鳥がそのまま主導権をキープして、4番手で市橋司優人と併走になった山岸は打鐘手前で踏み込んで1車追い上げる。山岸はさらに前に押し上げる。取鳥の先行で最終周回。番手が柏野智典(写真)、山岸で併走になるが、山岸は力尽きる。2コーナーから長島大介が自力に転じて、市橋もまくるが不発。押し切り図る取鳥を柏野がきっちり差し切った。
 「(取鳥が山岸を突っ張って)前に3人で出られたので決まるかなって。(前回で落車しているが)ダメージもそこまでなくて、順調にこられたと思います。もともと自転車は新しいものにしようとしていた。走ってみて気づくこともあったので、自転車を少しいじろうかなって思っています」
 ラインでの上位独占をメイクした取鳥雄吾が、地元のビッグで上々のスタートを切った。
 「前になったら、強気に突っ張ろうと思っていました。(山岸が下げたあともう一度)すぐに来たので、ペースを上げて得意なスピードに入れてっていう感じでした。しっかり(スピードに)乗せて、(最終)バックで誰が来るかわからなかったですけど、長島さんが外を回しているのが見えた。それでしっかり踏みました。調子は悪くないと思います」

<6R>

荒井崇博選手
荒井崇博選手
 嘉永泰斗に突っ張られた黒沢征治は、赤板2コーナーでインを進出。同じタイミングで櫻井祐太郎も外を仕掛ける。打鐘3コーナーで櫻井が先頭に立ち、3番手で黒沢と海老根恵太がもつれる。内、外を行かれた嘉永だったが、4コーナーからスパート。逃げる櫻井をスピードの違いで、嘉永が最終2コーナーでとらえる。荒井崇博(写真)が危なげなく続いて、3番手は渡邉豪大と黒沢が重なる。ゴール前で荒井が楽に嘉永を交わして1着。
 「もう(嘉永)泰斗が強いね。俺は前を取ることだけで、あとは全部、泰斗がやってくれると思っていた。あんだけ(嘉永が)行ってくれれば、自分は余裕がありました。もう自分はこの歳で上積みはない。泰斗の動きは良さそうですね」
 後方に置かれる展開も、嘉永泰斗は早めに態勢を整えて反撃に転じた。
 「黒沢さんが来るようだったら、そこだけ突っ張ってと思っていた。(赤板2コーナー付近で内から黒沢に来られたのは)ちょっと内は見てなかった。そのあとは落ち着いていけたんで悪くない。今回からフレームは新車にした。感触はいいけど、出切ってからスカスカする感じがある。そのスカリ感がなくなればっていうのがあるので修正したい」

<7R>

松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 赤板では内から福永大智、佐々木眞也、松岡辰泰、中野慎詞の4人がダッシュを利かせて踏み込む。大外の中野が飛び出して主導権を握り、最内の福永が4番手を確保して打鐘。6番手は佐々木も松岡が内を押し上げて、佐々木は2センターから仕掛ける。引きつけた中野が、ペースを上げて逃げる。佐々木は成田和也にさばかれて不発。切り替えた松谷秀幸(写真)と大槻寛徳が3番手で併走。最終2コーナー過ぎに後方の松岡がまくり、松谷も合わせるように3コーナー過ぎから追い込む。成田がけん制するも、松谷が北日本の2人をまとめて交わした。
 「敵も強かったんですけど、(佐々木)眞也が前々に攻めてくれたので信頼して付いていきました。眞也がしっかり仕掛けてくれたので1着を取れたと思いますし、眞也のおかげです。あの(大槻の)位置を取り切らないとって。1回当たって、(最終)3コーナーまでは当たられないように。展開が悪いなかでも3着以内に入れているので、これを増やせばもっと安定すると思う」
 1周半以上を駆けた中野慎詞は、ケレン味のない走りで2着に粘り込んだ。
 「展開的に前か前中団だとキツくなると思ったので、後ろ中団か後ろでっていう感じで考えていました。しっかり主導権を取れたのは、良かったと思います。赤板でスピードが上がったんですけど、最後の踏み直しもできた。ナショナルチームで練習していたので、日に日に疲労が抜けていってくれれば」

<8R>

村田雅一選手
村田雅一選手
 東矢圭吾を叩いた谷和也が、赤板2コーナー過ぎに主導権を握る。東矢が3番手に収まり、新田祐大は6番手。先行態勢の谷がそのままペースを上げて、隊列は一本棒で最終ホームを通過する。空けた車間を詰める勢いで東矢がまくって、村田雅一(写真)は2コーナーで外に張る。前団の隊列が短くなり、新田がバックで踏み込む。後続が襲い掛かり、東矢に一度は前に出られた村田だったが、直線で伸び返して1着。
 「(谷が)2車でも果敢に(先行策で)行ってくれたのはうれしかった。(別線は)3番手からなんで、誰であろうとまくり出しのところは集中していた。(東矢を張ってブロックが)いい感じで入ったけど、下りで来られた。(ラインが)3車だったらおもしろかったんですけどね。今日(初日)はちょっと重たかった。前回はそんなに良くなかったけど、今日のアップ中にこんな感じだったかなってひらめいた。それでいい感じだった」
 まくった新田を追走した和田圭は、直線で新田の外を伸びた。
 「東矢君と谷君次第で、どっちかが引けば(新田は)あの位置だし。最低でも(最終)2コーナーでは行くっていう感じだったので、準備はしていました。ただ、新田のコース取りが内を締めている感じだった。それでスピードが乗り切らなかったんじゃないかと。自分は前の2場所が、全然、良くなかった。(今回は)部品を換えて、前回と比べたら全然いい。前回が良くなかったので、3日間しっかりと練習してきました」

<9R>

青野将大選手
青野将大選手
 山田諒が高橋晋也を突っ張り、そのタイミングを逃さずに赤板2コーナーで太田海也が先頭に出る。太田がペースを握り、山田は3番手。8番手に置かれた青野将大(写真)は、打鐘3コーナー過ぎに仕掛ける。太田も踏み上げて、最終ホーム過ぎに青野はいったん空いた5番手に入る。山田がバック手前からまくって太田に並ぶ。そこを青野が、まくり追い込みで突き抜けた。
 「スタートで桑原(大志)さんが出ないと思わなくて、初手は失敗したんですけど。残り1周からは全開で行かないとなって思っていた。でも、たまたま1回休めた。山田君の仕掛けを使って、本当に運が良かったですね。ここ最近はレースが詰まっていた。ただ、ここまで1週間くらいあったので、いい練習ができたと思います」
 師弟ワンツー決着で好配当をメイク。小原太樹は、こう振り返る。
 「全部、青野君に任せていました。行くところがあれば絶対に行くと思っていたので、しっかり付いていってっていう感じでした。青野君があそこからいったので、あの(5番手の)位置が取れたと思います。(青野は)ここに向けて仕上げてきたんだなっていう感じで強かったです」

<10R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 志田龍星は誘導を残したまま下げて、吉田拓矢、松本貴治の順番で動いて出る。中四国勢に続いた単騎の岩本俊介が切って、そこを打鐘2センターで出た志田が主導権。岐阜コンビに岩本が3番手に飛び付いて、松本は4番手で最終周回。松本が2コーナーでまくりを打ち、山口拳矢がブロック。松本は車体故障、接触した松浦悠士が3コーナー過ぎに落車。ギリギリで避けた吉田拓矢(写真)が追い込む。志田の番手から踏み込んだ山口は、1位入線も失格。繰り上がった吉田は厳しい表情で口を開く。
 「志田君がすんなり駆けるような展開になって、もうちょっとやりようがあったかなと。僕自身、動けてなくて、後ろに迷惑しか掛けてない。落車があったからいい着だっただけ。悔しい結果で、1着ですけど納得いってない。(状態としては)芯をくってないというか、体に張りがない。今日(初日)、走ったんで良くなると思うけど。直前にバンクに入ってないのが、影響しているかなって思います」
 単騎ながらも打鐘3コーナーでいったん先頭に出た岩本俊介は、好位確保が功を奏して2着。
 「(赤板過ぎに内を)しゃくっていけたのは良かった。前のレースを見ていて、後ろからの巻き返しだと到底、届くようなタイムでもなかった。脚を使ってでも1回切って、さらに(3番手から)先に仕掛けられれば良かった。けど、脚がたまらなかった。矛盾するんですけど、思ったより脚の仕上がりというか、切ったわりには少しだけ余裕があった。今度は踏み込めるような気がするので、日に日に良くなっていくかなと」
 果敢に先行策に出た志田龍星は、アクシデントもあり3着で2日目の「アルタイル賞」に進んだ。
 「(山口に)前を取ってもらえたので、思い切っていくだけでした。前の様子を見ながら、落ち着いて(仕掛けて)行けました。(最終)バックではタレていました。初日はこんなもんですかね。(前回の)松阪が終わって、基本にじゃないけど練習をした。それで今日(初日)の方が良かったですね」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 松井宏佑を切らせずに、前受けの眞杉匠は赤板過ぎに突っ張る。松井は3番手に入り、7番手の犬伏湧也は2コーナー手前から仕掛ける。眞杉も踏み込むが、打鐘4コーナーで犬伏が主導権を奪い駆ける。山田英明が眞杉のけん制を乗り越えて、犬伏ライン3車が最終1コーナーで出切る。4番手に眞杉が入り、松井は6番手。3コーナー過ぎから踏み込んだ眞杉は一息。逃げる犬伏の番手の清水裕友(写真)が、後続との間合いを計り追い込んだ。
 「眞杉君と松井さんでやり合うシーンもありましたし、いいタイミングで犬伏君がいってくれました。ちょっと重さがありました。湿気もありますし、その辺も重さにつながっているのかなって。絶好調っていう感じではないですね」
 眞杉が犬伏ライン3番手の山田に張られて、武藤龍生は清水と犬伏の間を伸びた。
 「理想は中団が良かったんですけど、スタートで出てみて後ろにはならないようにと思っていました。あとは眞杉君がどこで仕掛けるかだと。(最後は)内のコースをつぶしながら、眞杉君が越えれば付いていってと。あの感じだと内かなと思って踏みました。昨日(前検日)、自転車をいじって上積みできたのでいいと思います」
 6番手から最終3コーナー過ぎに踏んだ松井宏佑は、直線で外を強襲して3着に届いた。
 「外枠だったので後ろ攻めも考えていました。眞杉君を切れれば良かったんですけど、突っ張られてしまった。内をキメてあとは犬伏君がどうするかでした。まくり追い込みになってしまって、後ろには迷惑を掛けてしまいました。ここに来る前に練習で追い込んで、乗っている感じが良くなかった。それがレースに出てしまいました」

<12R>

古性優作選手
古性優作選手
 前受けの佐々木悠葵が郡司浩平を突っ張り、浮いた郡司は3番手に収まる。そこを山田庸平が切って、九州勢に乗った寺崎浩平が仕掛けて打鐘3コーナーで先頭に立つ。寺崎が絶妙なペースで駆けて、山田は4番手に入る。8番手に陥った郡司は、4コーナーから反撃に出る。しかしながら、寺崎の掛かりが良く、近畿ライン3番手まで。郡司の余力を判断した深谷知広がバックで自力に転じるも、古性優作(写真)を脅かすまでにはいかない。逃げる寺崎を古性がきっちり差し切った。
 「(寺崎に)まったく隙がなかった。郡司君も強いので、自分の横くらいまで来ると思っていた。そこをしっかり止めたらと思ったら、(自分がなにもしないで)止まっていた。そのあと深谷さんも見えたけど、止まっていた。寺崎君一人で全部やった感じでした。(寺崎は)あんだけの距離をいってますし(自分が交わして1着だった)。(ラインの3人で)決まって良かった」
 近畿3人での決着。別線を完封した寺崎浩平は、長い距離を踏んでの2着と内容の濃い走りが光った。
 「(周回中は)前中団だったんで、(別線が)動いたところをすかさず行けば出切れると思っていた。しっかり最後までペースでいけたと思います。手ごたえ的にもうひと伸びないと、(古性からは)逃げ切れないのでそこを修正したい。状態は悪くないと思う」
 最終2コーナー付近からの郡司との併走をこらえた三谷竜生は、ゴール前で深谷との3着争いでわずかに先着。
 「(寺崎は)仕掛けるタイミングで、しっかりと仕掛けてくれた。出切るところもスピードが違った。(寺崎のペースが)いい感じだったし、あとは自分がどうしのぐかでした。郡司君が先に来て、僕は内を締めておかないといけないので難しいところだった。けど、しのげました。今日(初日)は余裕がありました。前回よりは、格段に良くなっている」