『第21回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 3日目編

配信日:7月21日

 玉野競輪場でナイターで開催されている「第21回サマーナイトフェスティバル(GII)」は、7月20日に3日目を迎えた。準決の3個レースでは、ファイナルをかけて熾烈なバトルが展開された。清水裕友、吉田拓矢、坂井洋が勝ち星を挙げて優出。地元の太田海也は2着で3度目のビッグ決勝進出を遂げた。シリーズも大詰め、7月21日の最終日には、4日制となって初めてのサマーナイトフェスティバルの決勝で優勝が争われる。
 サマーナイトフェスティバルでは、シリーズ最終日の7月21日も、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。「空気階段」、「くまだまさし」、「おばたのお兄さん」のお笑いステージ、ドローンショー、LEDフラッグショー、キッチンカーの出店、予想会、「YouTube」公開生放送、来場者プレゼントとしてオリジナルデザイン汗拭きシートを先着1000人、ラッキーカードを先着1000人に配布、未確定車券抽選会などが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<4R>

三宅達也選手
三宅達也選手
 松岡辰泰、高久保雄介が、櫻井祐太郎の上昇に合わせて先に切る。打鐘過ぎに高久保を叩いた櫻井が主導権も、長島大介がすかさず反撃に出る。最終ホームで長島が主導権を奪い、櫻井が番手に飛び付く。関東勢を追った松岡は、1センターからその上をまくる。松岡が長島をとらえて、三宅達也(写真)の追走。2日目からの補充の三宅が、松岡を交わして地元で勝ち星を挙げた。
 「(松岡が)サイコーでした。(関東勢の仕掛けに乗って、すかさず仕掛けた)そこがタッちゃん(松岡)の強いところ。(仕掛けた松岡の)距離が長かったんで、タレてきていた。後ろの気配がしたんで怖かった。(1着は)前の自力選手のおかげですね、自分は付いていっただけ。どこでも変わらず1着はうれしいけど、地元でGIIをすることもなかなかないのでうれしいですね」
 二次予選を反省する松岡辰泰が、流れに乗ったスムーズな運びからラインでのワンツーをメイクした。
 「長島さんが構えてくれたら、先に行こうと思っていた。けど、(長島が)行ったらモガき合いになると。昨日(2日目)、(山田)庸平さんを付けて不甲斐ないレースをしたんで、今日は力勝負をしてと思っていた。普段からこういうレースを心がけて、ラインの先頭で責任をもってできるように。昨日の反省を生かせました」

<8R>

石原颯選手
石原颯選手
 7番手から上昇した嘉永泰斗が、石原颯(写真)を押さえて先頭に立つ。和田真久留が4番手に切り替えて、前受けの石原は一本棒の7番手まで下げる。石原を警戒しながら前との車間を空けた和田は、詰める勢いで打鐘2センターからカマす。和田が最終ホームで出切るが、石原も踏み込む。前団に襲い掛かった石原は、抜群の加速で近藤保のけん制を乗り越えて3コーナー過ぎにまくり切る。付け切った久米良は追走いっぱいで、石原がシリーズ2勝目を挙げた。
 「早く引いてと思ってたけど、(和田がカマして)車間が空きすぎました。そこが良くなかった。あのまま(和田ラインに)付いていけたら、脚を使わずにいけた。バックを踏んだ分、遅れた。それで(最終)バックまでにまくり切れなかった。今日(3日目)は(感覚が)そこまでいいわけじゃないけど、まずまずですね」
 石原に懸命に食らいついた久米良が2着。破壊力随一の石原に付け切って汗をぬぐう。
 「(最終)2コーナーまでに180%使い切りました。あとは惰性で追走技術一本でした。和田君を通過して安心して、あとはどう2着をキープするかだった。(石原の)1センターまでの加速がヤバかった。あれだけのスピード域で、(石原は)まだ(脚を)残しているのかって感じだった。自分は力の上積みはないけど、フレームの良さでの上積みですね」

<9R>

犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 3番手の犬伏湧也(写真)に、山田庸平が併せ込んで赤板を通過する。そこを後方から踏み込んだ小林泰正が、打鐘3コーナーで出て先頭に立つ。1車下げた犬伏は、6番手から仕掛ける。抵抗する小林を犬伏が最終ホーム過ぎにねじ伏せて、橋本強が続く。田中勇二は連結を外して、3番手に小林が飛び付く。空いた車間を詰めて小林が前の2人に迫るが、犬伏が後続を退けて押し切った。
 「(山田庸にフタをされる形となったが)小林さんが自分たちの後ろにいたんで、フタをするなりしてくるだろうなって思っていました。隙を見て仕掛けられればと。(仕掛けどころは)思いっきりというよりもペースでいった感じですね。もうちょっと踏み直しをしたかったんですけど、前2走の疲れもあるのか思ったよりはできなかったですね。でも、1着にいけているんで悪くはないかなと」
 直線で差を詰めた橋本強が、4分の3車輪差の2着。
 「誘導が残っていたので、(山田庸と)位置にこだわるのはいいことだと思います。小川(勇介)君が(山田庸を)迎え入れようと下げたんで、僕的には付けやすかったです。(犬伏のカマシに)ちぎれそうでしたけど、付け切ってからは余裕があったんで一時期よりは良くなっていると思います」

<10R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 赤板1コーナーで青野将大が勢いよく出て、前受けの太田海也は3番手。しかしながら、志田龍星が追い上げて、太田は併走になる。眞杉匠は後方で打鐘を迎える。眞杉が3コーナーで踏み込むと、太田は志田を外に張って合わせて仕掛ける。最終ホームで太田が主導権を奪い逃げる。清水裕友(写真)が続いて、3番手には眞杉が入り、松本貴治は4番手。太田のピッチが良く、後続に出番はない。清水が眞杉を警戒しながら追い込んで、太田を差し切った。
 「ちょっと予想外でしたね。志田君がそのまま叩くかなと。そうなれば眞杉君は後方かなっていうのがあった。(結果的に志田が太田の横で止まって)ビビりながらっていう感じでした。(出切ってからは後ろに)眞杉君がいるのはわかっていた。(ああなったら)来られるのは眞杉君しかいない。(自分が太田を)抜いた時の感触は良かった。(自転車は2日目の)昨日のヤツで人の後ろに付くのに反応は良かった。状態はいいし、初日よりもいいと思います」
 インに閉じ込められるピンチを自らの力で脱した太田海也は、先行策で2着。
 「(青野が)早いペースで来たので、3番手は絶対に取られないように意識していた。(志田を張って仕掛けたところは)あんまり記憶にないです。感覚はすごい良かったです。途中のことは全然、わからなくて、自分が勝つように走らせてもらった。(清水)裕友さんが何場所も前から、自分が勝つように走れって言ってくれている。それが心強く、今日(3日目)みたいな走りになった。今日がすごく体が良くなっているので、コンデションだけ崩さないように明日(決勝)走りたい」
 思惑通りには運べなかった眞杉匠は、結果的には3番手からの立て直し。前の2人をとらえることはできなかった。
 「(周回中の)位置的には理想のところが取れた。(太田と志田が)併走になって、まだ前が駆けてなかった。それでワンテンポズラしたら、(3番手取り合いの)勝負が決まっちゃった。結果的に動けなかった。(最終)ホームで接触もあって、(脚が)たまらなかった。(体の感じは)変わらずですね。(2日目も)タイムだけ見れば(上がり10秒台で)そうなんですけど、周回中から軽いところがあんまりない。体の使い方もたぶん悪いと思う。うまく改善できなかった。自転車もいじったけど、もうちょっと煮詰めてやります」

<11R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 寺崎浩平が切りに動くが、前受けの松井宏佑がインから盛り返す。寺崎は4番手に下げて、そこを打鐘過ぎに6番手の佐々木悠葵がスパート。佐々木悠が最終ホーム過ぎに叩いて、吉田拓矢(写真)が抜かりなく続く。関東勢を追った単騎の新田祐大だが、郡司浩平にさばかれ後退。郡司のアシストで、松井が3番手に入る。6番手の寺崎は、2コーナー過ぎからまくりを打つも一息。番手で車間を空けた吉田が、チャンスをモノにした。
 「(佐々木悠は)すごいダッシュでした。2人で決まるようにと思っていたんですけど、難しかったですね。タレている感じもしなかったですけど、寺崎さんも見えて、松井さんを張ったら郡司さんが入ってくるだろうなって思っていた。そこはタテで合わせて、どこまで佐々木(悠)君を残せるかでした。(佐々木悠が)スタートから全部やってくれました。自分は物足りない感じはあるんですけど、初日と比べれば良くなっていると思います」
 松井の余力を見極めて、郡司浩平は最終2センターから内を追い込んだ。
 「(松井は)突っ張れない感じだと思ったので、引くだろうなって思いながら自分も迷いながらでした。う回する感じになって、関東勢にとっては行きやすくなってしまいましたね。吉田君は車間を空けはじめて詰まったんですけど、松井君の脚とタイミングもある。寺崎君にかぶってからはもう、松井君が外に持ち出してすぐに内に行かせてもらいました。難しかった。結果的に自分だけになってしまった。(ラインで)一緒に勝ち上がりたかったんですけど」
 松井と寺崎を射程圏に入れた佐々木悠葵が、打鐘過ぎのカマシ一撃で決勝のキップをつかみ取った。
 「(赤板で松井が寺崎を)突っ張ると思っていたので、行くところを逃さないようにと思っていました。ここ最近で一番、全開で踏んだ。(勝負どころで)バックを踏まなくて良かったです」

<12R>

坂井洋選手
坂井洋選手
 後方の中野慎詞が動き出すと、3番手にいた古性優作もアクションを起こす。が、前受けの坂井洋(写真)は、赤板で突っ張り気味に踏み込んで、北日本の2人を受ける。坂井が3番手を確保して、古性は5番手。深谷知広は、7番手から2コーナー手前で仕掛ける。先行態勢の中野が踏み上げて、深谷は中団まで。最終ホームで深谷は、再度7番手になる。3番手の坂井は、2コーナー手前からまくる。和田圭は止められず、3コーナー過ぎに坂井がまくり切る。和田と鈴木竜士がからみ、さらに松谷秀幸も突っ込む。直線の入口で古性、鈴木が落車。坂井が1着で準決をクリアした。
 「(赤板過ぎに踏み込んで3番手を取ったのは)脚を使わないと、みんな隙がない。腹をくくって、しっかり脚を使って位置を取りました。(3番手からは)余裕がないけど、先に(後ろから)来られたら、チャンスがない。それで(まくって)行きました。(前々回の)落車の影響も少なくなってきた」
 最終ホーム付近で大バックの松谷秀幸は、9番手で万事休すかに思われた。が、しかし、内よりのコースを縫って、最後は2着まで押し上げた。
 「深谷が踏んでいった時、(自分は)3番手で踏み込んだ。それで前までいってしまった。バックを踏んで深谷と岩本(俊介)を迎え入れたんでキツかった。コースを見る余裕もなかった。(審議は)セーフだったけど、落車した2人(古性、鈴木)には申し訳なかった。(決勝に上がれたのは)運がいいというか…、脚がないんで。(郡司)浩平は絶対に(決勝に)上がるんで、自分は前の2人に頑張ってもらった感じです」
 果敢に風を切った中野の番手の和田圭は、坂井のまくりは止め切れずも、鈴木を張って追い込んだ。
 「(中野は)すごいピッチだった。昨日(2日目)は(中野が)中団を取ってまくりだったので、(同じことをやると)見透かされて古性君に追い上げられるかと。今日は(中野は)踏み合い覚悟だったと思う。坂井君のスピードが違ったし、自分がヘタクソだった。(中野)慎詞は踏めていたし、どこかでからまないとって必死だった。久留米、静岡(前々回、前回)がまったくいいところがなかったので信じられない成績ですけど、決勝に乗った以上は頑張りたい」